ISGジェネレーション   作:京勇樹

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対巨大な者

『来るぞ! 全機、乱数(ランダム)回避だ!』

 

ラウラの指示を聞いて、彼女達は一斉に回避機動を始めた

しかし、居るのは暗礁宙域

周囲を、無数のデブリが漂っている

下手に動けば、ぶつかってしまう

だから彼女達は、デブリの動きに注意しながら回避した

だが、それを狙うようにMA

ペル・グランデは、ドラグーンで攻撃してくる

ドラグーンとは言っても、そのサイズは通常のMS並のサイズだ

ぶつかれば、機体やパイロットは無事では済まない

その時だった

 

『TRANSーAM!』

 

と簪が、TRANSーAMを発動

GNバズーカを、周囲に連射させた

最初、それを見た一同は、ドラグーンを攻撃しているのかと思った

だが、気付いた

簪が攻撃していたのは、周囲に漂っていたデブリだった

サイズは大小様々だが、簪は次々とデブリを砲撃

そして

 

『これで!!』

 

と最後に、ミサイルを一斉発射

その直後に、TRANSーAMが終了

簪機は、通常色に戻った

すると、簪が

 

『これで……ある程度は、確保した』

 

と言った

それを聞いて、他のメンバーはようやく簪の意図に気付いた

簪は、近くのデブリを手当たり次第に破砕

ある一定範囲だが、デブリが無くなって彼女達にとって、戦い易い戦闘範囲を作り出したのだ

 

『助かるわ!』

 

『これで、少しはやり易い!』

 

彼女達は簪に感謝の言葉を告げると、改めてペル・グランデを視認した

全長は、優に100mはあるだろう

中心に卵形のユニットがあり、その周りに計六基のドラグーンユニットが装備されている

どう見ても、卵形のユニットがコアユニットなのは一目瞭然だ

 

『あの真ん中……コアユニットを破壊すれば、あの機体は無力化出来そうだな』

 

『そうね……だけど、あのドラグーンユニットが厄介そうだ』

 

『来るぞ!』

 

ラウラがそう言った直後、ペル・グランデはドラグーンユニットを分離

攻撃を仕掛けてきた

ドラグーンは縦横無尽に動き周り、彼女達を包囲、攻撃してきた

しかし彼女達は、その攻撃の全てを見事に回避した

すると、シャルロットが

 

『こんな攻撃……直哉達のファンネルに比べたら、大したことない!』

 

と言って、背後に回ってきたドラグーンにビームライフルを撃った

それは見事に、ドラグーンユニットを撃ち抜いた

それは、模擬戦の成果だった

彼女達は宇宙に上がってから、時間が有る時は何回もシミュレーターを繰り返してきた

その相手は、直哉達だけでなく、スピリッツの先達達

その中でも特に、マークとエリスのファンネルは別格だった

あっという間に包囲してきたかと思えば、回避する暇も無く撃ち抜かれる

運よく回避出来ても、次の瞬間には、別のファンネルが先回り

コクピットを撃ち抜かれて終わる

それは、30近いファンネルと、彼等のセンス

そして何よりも、経験からの攻撃だった

だが、ペル・グランデは違う

いくら大きかろうが、ドラグーンだろうが、数はたった六基

しかも本来、ドラグーンは小型だからこそ視認性の低下からなる奇襲攻撃に繋がる

だがペル・グランデは、全長は約100m

ドラグーンユニットのサイズは、約20mサイズだ

それに対し、本来のドラグーンは約3m

ファンネルに至っては、約1m強

それに比べれば、視認しやすい

 

『ハロちゃん!』

 

『ライフルビット展開! ライフルビット展開!』

 

セシリアの意思を汲んで、ハロはライフルビットを展開

そして

 

『ライフルビット完全制御! ライフルビット完全制御!』

 

その全制御を、セシリアに明け渡した

 

『まだ流石に、直哉さん達みたいには行きませんが……!』

 

セシリアはそう言うと、意識を集中させて

 

『お行きなさい!』

 

とライフルビットを動かした

セシリアの制御で、ライフルビットはペル・グランデのドラグーンユニットと戦い始めた

しかし、その差は歴然としか言えなかった

確かに、未だに直線的な動きが目立つ

だがその動きは、ドラグーンユニットより機敏で、先回りしようとしている

それは、初めて会った時からしたら、大きく成長していた

しかも、セシリア機自身もドラグーンの攻撃を回避している

ビットと機体の同時制御

セシリアは、その域に至ったのだ

 

『遅いですわ!』

 

セシリアはそう言いながら、ビットでドラグーンを次々と攻撃

破壊していった

だが

 

『危ない!』

 

一基のドラグーンが、セシリア機を攻撃

しかし

 

『私達を!』

 

『忘れんじゃないわよ!』

 

そのビームは、箒機と鈴機がそれぞれビームサーベルとビーム青竜刀で弾いた

彼女達は、幾多の模擬戦でその技術を得ていた

正に、経験での成長だった

更に言えば、箒や鈴

彼女達にも、ある兆しが見えていた

それは、相手の攻撃の予測

その証拠に彼女達の虹彩が、ほんの僅かだが、光っていた

そして、ドラグーンユニットは全て破壊

すると、コアユニットが逃走を開始した

やはり、コアユニットが重要だからだろう

かなり速かった

だが、セシリアが

 

『TRANSーAM!』

 

切り札を発動し、頭部ガンカメラとホロスクリーンを展開

そして、GNスナイパーライフルを構えて

 

『狙い撃ちますわ』

 

静かに宣言し、トリガーを引いた

セシリア機が放った閃光は、見事コアユニットを貫通

破壊したのだった

それを確認した彼女達は

 

『直哉達は!?』

 

と直哉達を探した

すると

 

『あそこだ!』

 

とラウラ機が、ある方向を指差した

その先では、激しく閃光が飛び交っていた

まだ、激闘が続いていたのである

人類全てを憎んだ男との戦いが

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