ISGジェネレーション   作:京勇樹

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さて、いよいよ本格的にオリジナルストーリーが中心になってきますよー


緊急事態

二日目

IS学園一年生全員は、旅館裏の砂浜に整列していた

千冬は全員が並んだのを確認すると

 

「それでは! これより、IS実習を行う……だがその前に、ISコアのコアネットワークについて説明してもらう。おい、遅刻者」

 

「は、はい!」

 

なんと、二日目の朝

ラウラが寝坊してきたのである

恐らくは、慣れない環境故だろう

ラウラが説明を終えると、千冬は満足そうに頷いて

 

「よし、完璧だな。今回は特別に許そう」

 

「はい!」

 

千冬の言葉を聞いて、ラウラは安心した様子で下がった

千冬はラウラが下がったのを確認すると、全員を見渡して

 

「専用機持ちは私の所へ、他はそれぞれの担任、副担任の所に集まれ!」

 

と指事を出した

それから数分もしないうちに、千冬の所にはいつものメンバーと簪、そして箒が居た

すると、箒が居ることを不思議に思ったらしい簪が

 

「……あの、箒が居るのは、なんで……」

 

と千冬に問い掛けた

その質問を受けて、千冬が説明しようと口を開きかけた

その時だった

 

「ちーちゃーん!!」

 

と声が響き渡り、千冬は深々と溜め息を吐いた

そして千冬が声が聞こえてきた方向に視線を向けると、一人の女性

束が、もの凄い勢いで走ってきていた

そして、約10m手前で大きくジャンプした

それを千冬は、片手で束の顔面を掴んで止めた

 

「やあやあ、ちーちゃん! 久しぶりだねー! 再会のハグしようよ、ハグ……ぐえぇぇっ」

 

束が異様なテンションで捲し立てるが、それを千冬は無視してアイアンクローをかました

ぶっちゃけ言って、束の頭から聞こえてはいけない音が聞こえる

 

「束……私は、目立たないように来いと言ったよなぁ!?」

 

「ちーちゃん、ちーちゃん! このままでは、束さんの頭が大変スプラッタなことに!!」

 

束が必死な様子でタップするが、千冬は構わずにアイアンクローをし続けた

しばらくすると飽きたのか、千冬は束を解放した

だが、束は涙目で

 

「ちーちゃん……束さんの頭はリンゴじゃないよ? 砕いたら、ザクロみたいなことになるよ?」

 

と千冬に言うが、千冬は知らんぷりである

束はしばらくの間、千冬を見ると周囲をキョロキョロと見回してから

 

「あ、見っけ! 箒ちゃん!」

 

と箒が隠れていた岩場に向かった

 

「ヤッホー、箒ちゃん! 久しぶりだねー!」

 

「久しぶりです、姉さん……」

 

束は元気に挨拶するが、箒は若干気まずそうに返答した

しかし、それも仕方ないことだろう

姉である束がISを発表したために、箒は家族から離されて、更に想い人だった一夏からも離されたのだ

憎んでいないと言ったら、それは嘘になる

しかし、箒にとってはただ一人の姉

憎みきれないのだ

 

「うんうん。本当に久しぶりだねー! いやぁ、色々と成長したねぇ? 特に、このおっぱいなんかね!!」

 

束はそう言いながら、両手をワキワキと動かした

その瞬間、箒は右手を上げて

 

「姉さん……千冬さん直伝のアイアンクロー行きますよ?」

 

と言った

その直後

 

「すいません、やめます」

 

と束は一瞬にして土下座を敢行した

姉の威厳? そんなもの、ゴミ箱に捨てた

それが、束である

一連の光景に追い付けず、殆どのメンバーが呆然としていると

 

「それで、姉さん……頼んだ物は……」

 

と箒が言った

すると、土下座していた束は立ち上がって

 

「そうでした! 皆さん! 空をご覧あれ!」

 

と天を指差した

全員が上を見た

その直後、轟音と共に何かが落着した(条件反射で直哉達は拳銃を構えた)

そして砂煙が晴れて見えたのは、菱形の金属のコンテナだった

 

「さてさて、御開帳!」

 

束の宣言の直後にコンテナが開き、中から一機のISが姿を表した

それは、紅い機体だった

 

「名付けて、紅椿(あかつばき)! 箒ちゃん専用機にして、世界で唯一の第四世代だよ!」

 

束がそう解説すると、セシリア達は絶句した

世界ではようやく第三世代の機体の開発が始まってきていると言うのに、束が開発したのは更に一世代先の第四世代

これでは、世界各国が開発している最新世代の意義が無くなる

しかし、束は気にした様子もなく

 

「束さんが箒ちゃんのために作った唯一無二(オルタネイティブワン)にして、世界最高スペック……って言いたいけど」

 

と話している途中で、束は直哉達に視線を向けた

 

「君達の機体には、負けるね……ねぇ、ガンダムタイプのパイロット?」

 

と首を傾げた

その言葉に直哉達は少し身構えたが、箒が一歩前に出て

 

「姉さん……」

 

と声をかけた

すると、束は思い出したように

 

「っと、そうだったね! 箒ちゃん、付け方は分かるよね?」

 

と箒に振り向いた

そして、箒が紅椿の装着を始めると、束は移動ラボ

我輩は猫である(名前はまだない)を展開、調整を始めた

束が投影式キーボードを高速で叩くと、それに合わせるようにロボットアームが動いていく

そして、あっという間に第一形態移行(ファーストシフト)は終わった

 

「それじゃあ、試運転と行こうか、箒ちゃん。箒ちゃんの好きに動かしてみて」

 

「はい!」

 

束に促されて、箒は試運転を開始した

その性能の高さは、確かに圧倒的だった

既存のISでは、太刀打ちするのは難しいだろう

しかし、直哉達は冷静に箒の試運転を見ながら

 

「あれで、ストライクより少し高い位か?」

 

「だな……」

 

「問題は、箒が使いこなせるかだな」

 

と語り合っていた

束は箒の試運転を見ながら

 

「今はまだ武装は二つだけだけど、箒ちゃんが機体を動かしていくと、機体が経験値を得て育っていってら新しい武装を展開していくからね。それが、展開装甲だよ!」

 

と言った

 

「展開装甲?」

 

一夏が問い掛けると、束は投影式ウィンドウが開いて

 

「装甲各所が展開することにより、機動性、防御性、攻撃性が変化するの。それにより、単機であらゆる戦況に対応が可能になる。それが、第四世代の真骨頂、展開装甲だよ」

 

と映像付きで解説した

その時だった

 

「織斑先生! 大変です!!」

 

と山田先生が携帯端末を持って、慌てた様子で駆け寄ってきていた

 

「どうした、山田君?」

 

「これを見てください!」

 

千冬が問い掛けると、山田先生は携帯端末を千冬に見せた

それを見て、千冬は眉を潜めた

 

「最新のISが暴走だと?」

 

「はい! アメリカ軍とイスラエル軍が共同開発していた機体が!」

 

山田先生がそこまで言った時、千冬が山田先生の口を塞いでから手話で話し始めた

しかしその手話は一般の手話ではなく、所謂軍事用のものだった

そしてその手話を、直哉達は理解していた

なにせその手話は、ジェネレーションワールドで散々使っていたものだったからだ

 

「アメリカ、イスラエル共同開発の最新鋭機、シルバリオ・ゴスペルが、暴走を開始……」

 

「追撃部隊を壊滅させて、尚も逃走……」

 

「合宿に来ているIS学園の専用機持ち達に、迎撃を命じる………だと?」

 

だがその内容に、直哉達は眉をひそめた

この迎撃命令を下した上層部の正気を疑ったのだ

すると、千冬が

 

「予定を変更する! 専用機持ちと指定した人員以外は、割り振られた部屋にて、別命有るまで待機! 専用機持ちとボーデヴィッヒ、オハラは集まれ!」

 

と声を張り上げた

これが、直哉達の本当の戦争の始まりだった

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