あ、俺は昨日で28になりました
おっさんだい
「月から出港後、俺達は何回かジオン残党と交戦した」
「その最中に、アルビオンMS部隊隊長、サウス・バニング大尉が戦死。その役目を、部下だったアルファ・A・ベイト中尉が引き継ぎ、戦時任官でコウ・ウラキ少尉は中尉に昇進」
「そして俺達は、サウス・バニング大尉が送ってくれた情報を元に、コンペイトウ……元ジオン公国軍宇宙要塞ソロモンに向かったんだ……そこで行われる観艦式を襲撃するという情報を入手したから」
三人がそう語ると、特徴的な形の宇宙要塞
ソロモンこと、コンペイトウが映った
しかもその周囲には、夥しい数の艦艇が集結
陣形を組んでいた
「凄まじい数だ……」
「確か、当時の宇宙艦隊の半分近くが集まって行われたんだったかな?」
ラウラの問い掛けに直哉が返答した時、全員が気付いた
ある一角で戦闘が起きていたことに
デラーズ・フリートの襲撃だった
しかし、迎撃に動き出したのはアルビオンを含めた一部のみ
連邦宇宙軍艦隊は一切動かず、観艦式を敢行した
「どういう神経してるんだ………」
余りにも能天気と言えるその判断に、ラウラは呆れた様子で呟いた
それは、この場のメンバーの代弁だろう
何人かは渋い表情を浮かべている
その時だった
『ガトーはどこだ!?』
『駄目だ! 見つからない!』
『お前ら、目の前の敵に集中しろ! あの機体、速いぞ!』
と三人の声が聞こえた
気付くと、スピリッツ隊とアルビオン隊は別れて戦っていた
「この時俺達は、アルビオン隊艦長、エイバー・シナプス少佐の提案に従って別れて戦ってたんだ」
「纏まって戦うよりも別れて戦ったほうが、効率がいいってな」
「その提案を、スピリッツの隊長のマーク・ギルダーさんと艦長のゼノン・ティーゲルさんも受け入れたんだ」
と三人が説明すると、三人の顔写真が名前付きで表示された
その時だった
『……に合え……間に合えーっ!!』
と三人の近くを、ゼフィランサスが通り過ぎた
『なんだ!?』
『ウラキ中尉!?』
『まさか!?』
三機がゼフィランサスの向かった方向に機体を向けた
その直後だった
コンペイトウから、眩い光が起きた
『あの光は!?』
『核か!?』
『間に合わなかったのか!?』
三人の驚愕の声を聞いて、その場のメンバーは言葉を失っていた
すると
『フェニックス1よりスピリッツ全機に通達する! 大至急物陰に隠れるか、対ショック防御! 衝撃来るぞ!!』
とマークから通信がきて、三人は直ぐ様に近くに有ったコロニーの残骸の陰に隠れた
その直後、凄まじい閃光と衝撃が到達した
数秒後、衝撃が止み、三機はコロニーの陰から出た
そして見たのは、惨憺たる有り様だった
あれほど見事な陣形を組んでいた連邦宇宙軍艦隊は、殆どが原形を失い、生き残ってるのはほんの僅かだった
『連邦宇宙艦隊が……』
『壊滅じゃねぇか……』
『つっ……!』
たった一発の核弾頭で、集結していた連邦宇宙艦隊は、壊滅した
その光景を見て、殆どのメンバーが言葉を失った
わかっていた
予想していた筈なのに、それを遥かに越えた光景だった
阿鼻叫喚
その光景は、正にそれだった
『……より、スピリッツ全機に通達する! スピリッツ全機は母艦に帰投せよ! 繰り返す! フェニックス1よりスピリッツ全機に通達する! スピリッツ全機は母艦に帰投せよ!』
ノイズ混じりだが、再びマークの声が聞こえた
どうやら、帰投命令らしい
『了、解……』
三人は光景に圧倒されながらも、母艦へと帰投していった
「この少し後に、この戦闘は終結」
「この戦闘により、ウラキ中尉はゼフィランサスを。ガトーはサイサリスを失った」
「その状況を鑑みて、アルビオン隊艦長のシナプス少佐は開発元のアナハイム社に、もう一機あるというガンダム。GPー03を受け取りに行ったんだ」
受け取りに行った理由は、まだ戦いが終わらないと判断したからである
しかし、一筋縄では受け取れなかった
まず、アナハイム社の社員はデラーズ・フリートの隠謀が終わったと思ったこと
最も大きかったのが、ジョン・コーウェン中将と争っていた将官
ジャミトフ・ハイマン准将が妨害を差し向けてきたのである
その妨害により、アナハイム社の社員が一名死亡
しかし、その社員が死ぬ直前に手引きしたことにより最後のガンダム
GPー03・ステイメンと専用ウェポンユニットのデンドロビウムはアルビオン隊に引き渡された
だが、その機体は規格外だった
『あれが、GPー03!?』
『デカッ!?』
『あれも、MSなのか?』
と三人の困惑の声が聞こえて、その機体が映された
そのサイズは、三人の機体の三倍以上はあった
「これも、MSなのか!?」
「で、デカッ……」
そのサイズを見て、殆どのメンバーが圧倒されていた
余りにも大き過ぎて、艦に入らないほどだ
だが直哉がその巨体の真ん中を指し示して
「ここ、よく見てみ」
と言った
そう言われた場所をよく見ると、そこに一機のガンダムタイプが収まってることに気付いた
「あ! そっちが本体!?」
「じゃあ、他は……あっ!? 増加兵装!?」
デンドロビウムのコンセプトに気付いて、メンバーは驚愕していた
デンドロビウムのコンセプト
それは、増加兵装による対大軍戦闘である
一機で戦局をひっくり返すことを前提に、開発したのである
しかし、その増加兵装によりシステム面が複雑化
結果、操縦性が悪くなってしまったのだ
ウラキ中尉がそれを把握している間、スピリッツが周囲の警戒をしていた
その時だった
アルビオン隊とスピリッツに、驚くべき情報がもたらされた
それは、デラーズ・フリートのシーマ艦隊によりコロニーに駐留していた連邦軍が全滅
そして、コロニーが奪取されて、移動を始めたというものだった