ISGジェネレーション   作:京勇樹

65 / 265
そして、戦場は宇宙へ………


刻に抗う者達5

ヴァンとダニカのコンビネーションにより、マタ・ビリを一度撃退したケラウノス隊と直哉達は、補給と整備のために母艦へと帰投

六機が抜けた穴を埋めに来たのは、アウドムラから来たMS部隊だった

しかも、その内の一機のパイロットは、一年戦争の英雄

アムロ・レイだった

一年戦争後、アムロ・レイは連邦軍のNT脅威論者達の手により事実上の軟禁状態で、実戦からは離れていた

しかし、アムロの腕は微塵も劣る処か、むしろ際立っていた

アムロは上空から降下しながら、あっという間に四機のMSを撃破していた

しかも、抜き撃ちで特に狙った様子はなかったのだ

それを可能としたのは、アムロの乗機にあった

機体名は、零式

その機体は、嘗てアムロが一年戦争時に乗っていた機体

ファーストガンダムの設計・開発に深く関わった人物

エドヴァルド・レイヴンが同じように設計・開発した機体だった

つまりは、ガンダムの血筋に連なる機体である

零式でなかったら、アムロの腕は殺されていただろう

それほどに、アムロのパイロットの腕は際立っている

その証拠に、アムロを軟禁していた連邦軍は、アムロに様々な機体のテストパイロットをやらせた

中には、当時の新型機体すらあった

しかし、それら全てにアムロは満足出来なかった

理由は至って単純

その機体全てが、アムロの操縦技量に対応しきれなかったからだ

ある機体は、アムロの反応速度に追い付けず

また、ある機体はスラスターが暴発した

といった具合だった

だが、零式は違った

零式は、アムロの操縦技量に追随していた

やはりアムロには、ガンダムが最適なのである

閑話休題

そして、整備と補給に数時間後に直哉達とケラウノス隊は再出撃

なお、アムロの腕にメンバーが驚愕していたのは言うまでもない

基地に進撃しながら、道中の敵を撃破していた

その時だった

再び、マタ・ビリとダンダ・チャクラと接敵

交戦を開始した

実はこの時、ケラウノス隊と直哉達は切迫していた

ケラウノス隊と直哉達の母艦は海岸付近に布陣していたのだが、その背後に連邦海軍の艦隊が展開

一定時間後に、攻撃を開始する旨を通達してきたのだ

おそらく、海軍としてはティターンズに多少でも恩を売っておきたいのだろう

それにより、ケラウノス隊と直哉達は制限時間内にティターンズの防衛線を突破し、基地に到達しなければならなくなった

ティターンズだけでもギリギリだというのに、旧式装備とは言え、海軍までも相手にしたら確実に壊滅してしまう

だから、ケラウノスの艦長

フォルカー・メルクスと直哉達の母艦たるキャリーベースの艦長

エイブラム・M・ラムザットは作戦を早めることに決めた

それは、偽装したゲターを使って、陸戦隊を基地に投入するのだ

基地の機能を低下、もしくは停止させて、基地を占拠する作戦だった

だが、何事にも障害はある

その最たるものが、今再び接敵したマタ・ビリとダンダ・チャクラだった

だから、必ず撃破するという気概で交戦を開始した

バーダーが駈るダンダ・チャクラは強敵で、直哉達三人がかりでもバーダーが終始優勢だった

それが崩れたのは、バーダーがある方向にビームを連射した後だった

直哉達は最初、バーダーが明後日の方向にビームを撃ったことに首を傾げた

だが、バーダーがそんな行動をした理由を知ったのは数秒後だった

なんと、ケラウノスがビームの直撃を受けたのだ

しかもそれにより、艦は大破

炎上を開始したと報告が来たのだ

しかもそれにより、艦の推力が低下

高度が維持出来なくなってしまった

そんなケラウノスが、空を覆っていた曇を突き破って現れた

そのタイミングで、ケラウノスに唯一残っていたフォルカー・メルクスは、ケラウノス艦首のJミサイルを二発発射した

このJミサイルは一年戦争時に、連邦軍のマゼラン級戦艦を一撃で撃沈したという実証データがあった

しかし、そのJミサイルを発射した直後にケラウノスは爆発した

マタ・ビリはJミサイルの迎撃に、拡散メガ粒子砲を発射

それにより、Jミサイルは撃墜された

しかし、ケラウノスとJミサイルが爆発したことにより、マタ・ビリは周囲を爆煙が覆い、膨大な熱量に包まれた

それにより、マタ・ビリのセンサー類はホワイトアウトになった

その瞬間、爆煙を突き破って、ワグテイルとフェニックスゼロ・改が上空から襲撃した

二機はまるで猛禽類のようにマタ・ビリに取り付くと、ビームサーベルを深々と突き刺した

 

『うあぁぁぁぁぁ!』

 

『堕ちろっ!』

 

ヴァンは雄叫びを上げながら何回も突き刺し、直哉は至近距離から腕部のガトリングをフルオートで撃ち続けた

その数秒後、マタ・ビリの各所から爆発が起きた

それに気付いた二人は、直ぐ様離脱

マタ・ビリは、墜落した

周囲を警戒するが、ダンダ・チャクラの姿は無かった

どうやら、撤退したようだ

ルシアンは、ケラウノスが爆発した方を見ていた

 

『少佐……逝きましたか……』

 

『ルシアンさん……母艦から連絡です。ケラウノスクルーは、母艦が収容したとのことです』

 

『そうか……進もう』

 

ルシアンは返事をしてから数秒程黙祷した後、進撃を決めた

そして、進撃を開始

六機は基地に接近した

その時、前方からティターンズに配備された新型機

マラサイがヴァンに斬りかかった

 

『この強さ……ライネス大尉!?』

 

それは、これまで何度も交戦してきた部隊の隊長だった

ヒューイット・ライネス大尉

一年戦争から生き残っている腕利きのパイロットで、一年戦争初期は戦闘機パイロットだった

その腕は、ヴァンを上まっている

ヴァンは必死にビームサーベルを防ぐが、徐々に劣勢に追い込まれた

 

『ヴァン!』

 

そんなヴァンを助けようと、ダニカが背後からビームサーベルを振りかぶった

その瞬間、ライネス大尉は至近距離でビームライフルを発射

それが、ダニカ機の左腰部に直撃

ダニカ機は機能を停止して、岩に倒れこんだ

そこまでならよかった

そのダニカ機に対して、機銃が直撃

ダニカ機は緊急脱出装置が作動

シート毎射出されたダニカは、近くの艦

ティターンズの艦の艦橋(ブリッジ)に突っ込んだ

 

『ダニカ!』

 

ダニカが艦橋に突っ込んだことに気を取られて、ヴァンは致命的な隙を晒した

その隙に、ライネス大尉は肉薄

ビームサーベルを振り上げた

その直後、ライネス大尉機の後ろにダンダ・チャクラが現れて

 

『これで、私の仕事の半分は終わりですね』

 

とオープンチャンネルで言いながら、ライネス大尉機毎ヴァン機をビームサーベルで攻撃

ライネス大尉機は爆発

ヴァン機は中破した

 

『貴様ぁ!』

 

直哉はダンダ・チャクラに向けてライフルを撃ったが、ダンダ・チャクラは軽やかに回避

離れていった

その時、それまで対空砲撃をしていたティターンズ艦が動き出した

よく見ると、ハンガーのハッチを開けて、基地に居たティターンズ兵を収容している

どうやら、撤退するようだ

 

『ヴァン君……機体は?』

 

『なんとか動きますが、ワグテイル用の部品がありません……ここまでです』

 

直哉の呼び掛けにヴァンはそう答えると、機体から降りて去っていった艦を見た

そして、脱いだヘルメットを地面に叩き付けた

こうして、基地の攻防戦はエゥーゴが勝利

ティターンズは、地上から離れて宇宙に上がった

しかし、余りにも失ったモノが多すぎた

自分たちが過ごした艦、ケラウノス

艦長であり、頼れる先達だったフォルカー・メルクス

そして何より、ヴァンにとっての半身

ダニカ・マクガイア

しかし、悲しみに暮れる暇は無かった

彼らは、不確定な情報だが、ダニカは宇宙に連れていかれたという情報を信じて、宇宙に上がった

そして、彼らは取り返す戦いに身を投じる

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。