ISGジェネレーション   作:京勇樹

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ちょっと、説明回です



次の戦場は

「この戦闘を最後に、グリプス戦役は終結した」

 

「だけど、間髪置かずに今度は対アクシズ軍。通称、ネオ・ジオン軍と交戦開始。通称、第一次ネオ・ジオン戦役が勃発した」

 

「だが、ネオ・ジオンと戦うべき連邦軍は何もしなかった。連邦軍に代わって動いたのが、エゥーゴだった。だが、エゥーゴにはマトモな戦力なんざ残されてなかった」

 

三人がそう語ると、エゥーゴの残存戦力が表示された

実質上、残された実働戦力はアーガマだけだった

しかも、エマ・シーンは戦死

クワトロ・バジーナは行方不明(MIA)

カミーユ・ビダンは精神に異常を来して、戦線離脱を余儀なくされた

実質、マトモな戦力と呼べたのはスピリッツ隊だけだった

 

「俺達はヴァン達と別れて、スピリッツの本隊と合流したんだ」

 

「ヴァン君も、二度とMSには乗れなくなってたしな」

 

と一夏と弾が言うと、殆どのメンバーは首を傾げた

すると、楯無が

 

「どうして、彼は二度とMSに乗れなくなったの?」

 

と問い掛けた

それを聞いて、直哉は一夏と弾を軽く睨んでから

 

「その理由は、ケストレルです」

 

と答えた

 

「ケストレル? ケストレルとは、彼が乗っていたガンダムだな?」

 

と千冬が問い掛けると、直哉は頷いた

 

「ガンダムケストレルは、強化人間用に開発された機体です。それは、搭載されているサイコミュ装置からそうです」

 

直哉がそう説明すると、全員が頷いた

それを確認して、直哉は

 

「ただし、強化人間用というのは何もサイコミュ装置だけではありません。機体の操縦性。そして、機動性も然りです」

 

と語った

すると、簪が

 

「そうか……Gだ!」

 

と声を上げた

しかし殆どのメンバーが理解出来てないらしく、首を傾げている

そんな中、直哉は指を鳴らして

 

「簪、御名答」

 

と賞賛した

直哉が視線を向けると、束は比較しやすいようにケストレルと別の機体のデータを表示した

 

「一般的な機体のスラスターは核融合炉で発生する熱気を利用して、推進材を気化させ、それを燃焼させることにより推進力を得ています。まあ、1の推進材を使って5の推進力を得ているとしましょう」

 

直哉がそう説明すると、分かりやすいようにアニメーションで表示された

束が即興で用意したのだろうか

 

「それに対して、ケストレルは内蔵式レーザーを使って推進材を気化と同時に燃焼させて推進力を得ています。こちらは、1の推進材を使って約10の推進力です」

 

と直哉が説明すると、再びアニメーション式で表示された

それを見て、ようやく理解したらしい

簪と楯無以外のメンバーは、目を見開いている

 

「これにより、一般機体では高機動旋回とかした時だけ約10G行くのに対して、ケストレルは常に10以上のGがパイロットにのし掛かるんです」

 

という説明に、殆どのメンバーが黙った

一時だけの高Gでも負担が大きいのに、常に高Gに晒され続ければどうなるのか

それは、自明の理だろう

何故か一夏と弾が小声で

 

「そうだったのか」

 

と言って、直哉が小声で

 

「このバカ共……今度、機体構造テストをやらせてやる」

 

と呟いた

トライアド隊隊長、神崎直哉

その仕事は、MS戦闘時の二人への指示と他の隊長陣との会議、報告書の提出

そして非公式に、二人が書いた報告書の誤字脱字の訂正である

直哉は文武両道が地で行っており、クラスだとトップ3

学年でもトップ10に必ず入る成績の持ち主だ

それは一重に、いい会社に入って孤児院の院長に恩返しするためだ

しかも気配りも出来るので、マークから隊長に任せられた

それに対して、一夏と弾は学年だと中間より少し低い位置付けだ

一夏は千冬が家事全般が壊滅的だったので、それはそこら辺の女子よりも遥かに高い

更に運動神経も高いので、運動も得意としている

しかしながら、勉強に関しては最低限と言えるだろう

弾は家が食堂を営んでいるので、一夏と同じく料理は得意

更に、暗算もある程度なら出来る

確かに、最低限の知識は覚えている

しかしそれは、中学一年生までの話だ

ジェネレーションワールドに渡ってからは、二人は勉強よりもシミュレーターに時間を割いた

結果、直哉より早くに自分達の戦い方を確立させていた

逆に直哉は、暇が有れば勉強していた

独学故に習うよりは違うが、分からないことは調べた

だから、一夏と弾が中学一年生で止まってるのに対して直哉は一応中学三年生程度までは学習している

だからはっきり言うと、そのツケは今来ていたりする……

具体的には、千冬への報告書とか

閑話休題

 

「ケストレルに乗ってたヴァン君は、長時間に渡るGで脳細胞にダメージが有ったんです。とはいえ、そこまで深刻ではありません。強い緊張状態になったり、気圧変化が起きたりすると、手足が震える位でした」

 

気を取り直した直哉は、そう説明を再開させた

 

「しかし、MS戦闘では常にそういった状態に晒されます。そうなると手足が震えるというのは、MS戦闘では致命的でした。だからヴァン君は、パイロットから引退することを決意したんです」

 

直哉のその説明を聞いて納得したらしく、全員が頷いた(一夏と弾含めて)

 

「アレイオーン隊と別れた俺達は、スピリッツ本隊と合流すべくアーガマと共に寄港しているというコロニー、シャングリラに向かった。そこでは、アーガマとスピリッツ本隊の母艦が損傷を修復している最中でした」

 

幾らスピリッツとは言え、あの決戦は無傷では済まなかった

それは、キャリーベースも同じだった

 

「キャリーベースも損傷を修復すべく、停泊し修理を始めました。この時に、ネオ・ジオン軍が襲撃してきたんです」

 

状況は最悪だった

アーガマ、スピリッツ本隊母艦、キャリーベースは損傷が酷くてまともに動けない

スピリッツはMSを使って艦を修理していたとはいえ、MSは基本非武装状態か修理中

アーガマには、パイロットが残されていなかった

相手はたった一隻とはいえ、どうしようも出来なかった

だが、救いの手が差し伸べられた

 

「突然、パイロットが乗っていないはずだったZが起動し出撃したんです。実はこの時、シャングリラに住んでいた一人の少年。ジュドー・アーシタがアーガマに侵入して、Zを盗もうとしていたんです」

 

「後で聞いたら、どうやら誰かに唆されたらしいですね」

 

「まあ、ティターンズの生き残りでしょうけども」

 

三人がそう説明すると、件の少年

ジュドー・アーシタの顔写真が表示された

 

「実はZにはサイコミュ装置が搭載されており、実質上NTにしか操縦出来ないんです。しかし、彼はそれを動かした」

 

「つまり彼、ジュドー・アーシタはNTだということ。しかも、カミーユに匹敵するほどの」

 

「この時、アーガマの艦長だったブライト艦長は、アムロやカミーユの再来だと感じたそうです」

 

ブライト・ノアがそう思ったのも、無理からぬことだった

一年戦争の英雄のアムロ・レイ

グリプス戦役を終結させた立役者のカミーユ・ビダン

そして、ジュドー・アーシタ

この三人に共通するのは、民間人だったのに軍用MSを起動させたことで、ブライトはその光景を見ていたのだ

 

「彼のおかげで、襲撃してきたネオ・ジオン軍は撃退に成功。応急修理を済ませた俺達はシャングリラを出ることにしました」

 

「実は、この時にアーガマに侵入してきていたのはジュドーだけでなく、他に数人居ました」

 

「ブライト艦長は機密の面と彼等の安全面から、全員連れていくことにしました。そして本格的にネオ・ジオン軍と交戦すべく、ラビアンローズに向かいました」

 

そして、ネオ・ジオン軍との戦争

ネオ・ジオン戦役が、幕を開けたのだった

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