ダブリンの避難民を下ろした後も、アーガマ隊とスピリッツは戦い続けた
地球各地を転戦し、辛くも勝ち続けた
しかしそんな時、突如としてネオ・ジオン軍が地球から離脱
宇宙に上がったのだ
勿論だが、エゥーゴ本部はアーガマ隊に追撃を命令してきた
しかし、一つ問題があった
それは、エゥーゴの旗艦
アーガマには、装備を用いた大気圏突入能力は有っても、大気圏突破能力が無かったのだ
だから、アーガマは地上に置いていくことになった
アーガマクルーは、艦長たるブライト大佐以外はほぼ全員が宇宙に上がった
ブライトは何でも、連邦軍上層部と話があるらしく地球に残るらしい
ただし、ブライト大佐は必ず戦力を送ると旧アーガマクルー達と約束した
そして宇宙に上がったアーガマ隊は、そのまま月へと向かった
その月で、自分達の新たな艦
ネェル・アーガマを受領し、行動を始めるために
ネェル・アーガマというのは、アーガマに似ているという意味である
そんなネェル・アーガマは、アーガマの欠点だった火力の低さ
更には、エゥーゴの欠点だった人員の少なさをカバーするために、システム面から少人数で動かせるように建造された
ネェル・アーガマを受け取り乗り込んだアーガマ隊とスピリッツは、宇宙を駆け巡ってネオ・ジオン軍と交戦した
その最中に、様々な出逢いと別れがあった
それらを経験し、シャングリラの少年少女達は成長していった
そんな中、ある情報がもたらされた
それは、ネオ・ジオンの内乱だった
片方は、一年戦争で戦死したジオン軍中将
ドズル・ザビの娘
ミネバ・ラオ・ザビを御旗にした、ハマーン・カーンの正規軍
もう片方は、自身こそがザビ家の正統な後継者と声高に名乗り出たネオ・ジオン軍の青年将校
グレミー・トト率いる反乱軍
通称、グレミー軍に
ネェル・アーガマとスピリッツはその隙を突く形で、一気にネオ・ジオン軍の本拠地たるあるコロニーに向かった
ネェル・アーガマとスピリッツが到着した時には、既に戦闘は始まっていた
今まで何回も見た、本来のカラーリングのネオ・ジオン軍MSと灰色系の塗装が施されたネオ・ジオンMS
恐らく、前者がハマーン・カーンのMSで後者がグレミー・トトの反乱軍だろう
『行くぞ、ジュドー! シャングリラ魂だ!』
『あいよ! ジュドー・アーシタ、フルアーマー・ZZ、行きます!』
とジュドーが出撃したのを皮切りに、ネェル・アーガマ
スピリッツ母艦から、次々とMSが出撃していった
その中には勿論だが、トライアド隊のMSもあった
しかし、そんなトライアド隊の横にはガンダムではないMS隊が居た
金色の機体
百式改を筆頭に、二機のジムⅢによって編成された部隊だった
『まさか、貴方達と肩を並べるとは……カムナ・タチバナ大尉』
『思いもしなかったかな? トライアド1?』
そう、そのMS隊はかつてティターンズに居て、サイド2の悲劇を経てエゥーゴに投降したパイロット
カムナ・タチバナ大尉率いるMS隊だった
彼等は投降した後、一度地球の連邦軍基地に収容されていた
それは、ティターンズの実態の聴取のためだった
その後は、その連邦軍基地にて自分達の判決を待っていたのだ
カムナはどんな沙汰だろうと、受け入れるつもりだった
タチバナ家は、古くから続く名門軍人の家系だ
それは、カムナの両親もそうだった
母親は有名な指揮官だった
父親は、やり手の将校だった
祖父は、ジャブローでも名が売れていた中将だった
しかし、母親はとある小国で起きた紛争を止めにいき、戦死
父親は、一年戦争初期に自分の艦隊と運命を共にした
そして、祖父は星の屑戦役で核の炎の中に消えた
だからカムナは自分の正義を信じて、ティターンズに入った
不当な暴力から、人々を守りたかったから
だが、そのティターンズが間違っていた
カムナは、そんなティターンズに入ったのを恥じていた
名門軍人の家系たる自分が、間違いを犯してしまった
だからカムナは、判決を受け入れるつもりで、独房の中に居た
そんなカムナを釈放させて、援軍として送ったのがブライト大佐だった
そして、ブライト大佐はこう言ったのだ
『もし君が、ティターンズに入ったことを恥じているのならば……君に出来ることで、罪滅ぼしをしないか?』
と
それを聞いて、カムナは
『俺は、何をすればいい?』
とブライト大佐に問い掛けた
その問い掛けに、ブライト大佐は
『今宇宙では、子供達とスピリッツがネオ・ジオンと戦っている……だが、子供ばかりに戦わせる訳にはいかない……手を、貸してくれないか?』
と言ったそうだ
それを聞いて、カムナは決心したそうだ
自分はMSパイロットだ
軍人だ
ならば、子供達の楯になろうと
そして、各地方に散っていた部下達を呼び寄せて宇宙に上がった
そして、機体を受領して馳せ参じたのだ
『最初はそうでしたが、心強いです。歴戦のパイロットたる貴方方が来てくれるとは』
『歴戦という意味ならば、君達もそうだろう? スピリッツは』
『ですね』
直哉とカムナの二人がそう会話していたら、通信で
『隊長! 2時の方向から、ネオ・ジオン軍MSが接近してきています!』
とオペレーター
エレン・ロシュフィルが告げてきた
『こちらでも確認した……あの機体は……』
『キュベレイ………それの量産型機か!』
トライアド隊とカムナ隊の前には、かつてハマーン・カーンやエルピー・プルが乗っていた機体
キュベレイに酷似した機体が、何機も居た
通称、量産型キュベレイだ
「この量産型キュベレイに搭乗しているのが、プルシリーズと呼ばれた子供達です」
「確認されたのは、約30機」
「その全てに、プルシリーズが乗っていたみたいです」
三人がそう説明した時、量産型キュベレイが動き出した
『来るぞ!』
『あの動きは……ファンネルだ!』
直哉の言葉の直後、量産型キュベレイの後ろから小型移動砲台
ファンネルが次々と射出された
その数は、優に百以上だった
「あ、因みに、一機当たり30機収納してるし、扱えるぞ」
「あの数は、中々避けられないんだよなあ」
「30機によるオールレンジ……厳しいよなぁ」
三人のその言葉に、一番セシリアが驚いていた
彼女とて、BT兵器を扱う者だ
その難しさは、よく知っている
今はセカンドシフトして、数は増えている
だが、それでも優に倍以上の数の差があった
(私も、あの領域に至れるでしょうか……)
セシリアがそう思い視線を上げると、六機が散開し回避していた
しかし、その中で直哉とカムナの二人の動きが凄まじかった
二人はまるでファンネルの動きが読めてるように、ビームライフルで撃ち落とし、踏み台にし、ビームサーベルで切り裂いていた
否、事実分かっているのだろう
でなければ、先読み攻撃など出来ない
そして、それが出来るのが……
(NT……人々の革新の一つ……)
それが、直哉とカムナが至った境地
そして、セシリアとシャルロットもそのNTになってきている
ならば、何時かは、直哉達と同じ境地に至れるはずだと、セシリアは思った
そして、戦闘は最終局面に向けて激化していく