ISGジェネレーション   作:京勇樹

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ユニコーン事変3

次に映ったのは、星の屑作戦始まりの地

トリントンだった

だが、その光景は地獄絵図だった

その光景を作ったのは、一機の超大型機

MA、シャンブロだった

シャンブロはメガ粒子砲を撃ち、ビルや議事堂を吹き飛ばした

そのシャンブロに前後して、旧ジオン残党や袖付きが行動を開始

シャンブロのその行動は、まるで血を求めてるようだった

手当たり次第にメガ粒子砲を撃ち、迎撃に出たMSだろうが民間人だろうが構わずに焼き払った

 

『ネモにガンキャノン・D、ジムⅡだあ?』

 

『幾らなんでも、旧式過ぎるだろ!』

 

『02、03、民間人への被害を減らす! 続け!』

 

トライアド隊はまるで、地を滑るように動き出した

スラスターでホバーの真似事をしているのである

 

(……スラスターで、ホバーの真似だなんて……一体、どれ程の実戦を越えれば……)

 

その技術に驚いたのは、簪だった

彼女は頭がよく、機体構造学にも長けている

故に、直哉達の技量に驚愕していた

本来スラスターというのは、機体を飛ばすための機構である

それでホバーの真似をするには、機体が高度を上げるか上げないかギリギリの出力を維持する必要がある

直哉達はそれを、簡単にやってのけた

そこから分かるのは、直哉達が幾つもの地獄を乗り越えてきたということだ

 

『つっ! ドム・トローペンにザク・キャノン……デザート・ザク!』

 

『それに、ゲルググタイプもな!』

 

『ん……? あれは……バイアランのカスタム機体か!?』

 

直哉達が進んだ先では、一機の飛行MS

バイアラン・カスタムがジオン残党や袖付き相手に、善戦していた

バイアランはグリプス戦役末に少数開発された機体で、MS単体で大気圏を飛行するように開発された機体だ

しかし、それ故に武装は極端に少ない

それを解消するために、改修されたのがバイアラン・カスタムだ

だが、この戦いで投入されたのは、その改修途中の機体だった

だが、パイロットの技量の高さでそれを補っていた

 

『凄いな、あのパイロット』

 

『ああ』

 

『呆けてる場合か、来るぞ!』

 

直哉が叱責した直後、紫色の機体

イフリート・シュナイドが一夏機に襲いかかった

 

『イフリートのカスタム機!?』

 

『クソッ! こいつ、強い!』

 

『つっ!』

 

イフリート・シュナイドを一夏機から引き離そうとしたが、イフリート・シュナイドは上手く一夏機を盾にして、直哉機と弾機に撃たせないでいた

イフリートは元々、地上での格闘戦闘を重視に作られた機体である

だがその生産数は少なく、約十機程しか存在しない

しかし、その格闘性能は非常に高く、記録によれば、パイロットの技量次第ではガンダムの撃破すら可能ということだった

事実、とある懲罰部隊隊長だったイフリート機が、特務部隊所属だったガンダムタイプを撃破している

油断は出来ない

一夏はビームトライデントから、ビームダガーに持ち換えて戦闘していた

相手はヒート・クナイを装備しており、ビームトライデントでは不利と察したからだ

その時だった

 

『弾、避けろ!』

 

『ちいっ!』

 

遥か上空から、一発のビームが弾と直哉に襲いかかった

上空を見上げれば、そこに見えたのは一機の飛行機

ファット・アンクルだった

 

『まさか、ザクⅠ・スナイパーか!?』

 

『カークスさん! カークスさんだったら、シャンブロを止めてくれ! ロニは、憎しみに囚われている! このままじゃ、彼女の心が死ぬぞ!』

 

直哉が叫ぶが、それを無視して上空から再度ビームが降ってきた

 

『ちいっ!』

 

『聞く耳持たずか!!』

 

直哉と弾が避けたタイミングで、一夏もイフリートから離れた

 

『一夏!』

 

『あいつ、かなり強い!』

 

一夏がそう言うと、イフリートは何処かに向かった

どうやら、目標を変えたらしい

その時、凄まじい衝撃波が走った

その衝撃波の方向を見ると、ユニコーンがシャンブロと対面していた

 

『バナージ君……』

 

『動いたのか』

 

『そうだ……憎しみだけで、戦わせるな……』

 

ユニコーンはビームマグナムを背負い、両腕を広げた

まるで、これ以上の惨劇を止めるかのように

すると、今度は一機の可変式機

デルタ・プラスが来た

 

『この気配は……リディ少尉か?』

 

リディ機はビームライフルを構えると、シャンブロに狙いを定めて撃ち始めた

しかし、そのビームは乱反射してユニコーンの近くの地面を穿った

 

『反射機能持ちのファンネルだと!?』

 

『ビームは、効かないか!』

 

『ジオン残党、来るぞ!』

 

その時、まだ残っていたジオン残党のMSが襲いかかってきた

直哉達はそちらの迎撃を優先し、シャンブロの対処はリディとバナージに任せた

 

『なんだ!?』

 

その時、不思議なエネルギー波が戦域に走った

それは、サイコフィールドだった

ユニコーンとシャンブロのサイコフレームが共振を起こして、サイコフィールドを形成したのだ

片方は憎しみ

もう片方は、優しい光だった

その直後、信じられない光景が見えた

なんと、バナージがユニコーンのコクピットを開いて出てきたのだ

 

『バナージ!?』

 

『あいつ、何を!?』

 

一夏と弾は驚くが、直哉には理解出来た

機体越しでは分かりあえないから、姿を見せたのだと

だが、余りにも危険な賭けだった

機銃の一発でも当たったら、バナージは即死するだろう

しかし、その甲斐があり、シャンブロは動きを止めた

 

『動きが、止まった?』

 

『一体、何が?』

 

『ジオン残党に意識を向けろ! 奴らは、手練れだ!』

 

直哉達に襲いかかってきたのは、ゲルググタイプが数機だった

 

『一夏、弾、コクピットは外せ!』

 

『了解!』

 

『簡単に言うぜっ!』

 

直哉の無茶とも言える命令に、二人は答えた

一夏機はゲルググキャノンの頭を切り飛ばし、弾機はデザートタイプのゲルググの足を撃ち抜いた

そして、直哉機は盾で地上用高機動型の頭を殴り壊した

その時、ユニコーンからビームマグナムを奪ったデルタ・プラスがシャンブロを撃ち抜いた

それを継起に、ジオン残党も撤退していった

 

『終わったのか……?』

 

『多分、な……』

 

すると、リディ少尉は左手でビームライフルを構えて、ユニコーンに向けた

どうやら、捕獲命令が出ているらしい

 

『直哉、どうする?』

 

『周囲に、ロンド・ベルのMS確認……こいつは、ラー・カイラムのMSだ!』

 

一夏と弾がそう言ったタイミングで、上空から一機のMSが降下してきた

 

『あれは……黒い、ユニコーン!?』

 

『ユニコーンより、破壊の衝動が強い! 構えろ!』

 

直哉がそう言った直後、その黒いユニコーンはデルタ・プラスに襲いかかった

どうやら、ビームマグナムを撃った影響で、右腕に異常が起きているらしい

左腕で迎撃を始めたが、あっという間に無力化された

そして、ユニコーンも押さえられた

それを見て、直哉は

 

『ロンド・ベルに投降する……抵抗はするな』

 

と二人に命令した

こうして、トリントンでの戦いは終わった

 

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