ISGジェネレーション   作:京勇樹

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終わらなかった……
次こそは、ユニコーン事変を終わらせたい


ユニコーン事変6

次に映ったのは、インダストリアル7から少し離れた宙域だった

 

『これより本艦はインダストリアル7に向かい、ラプラスの箱を確保する作戦を実施する。期せずして当初の任務に戻った格好だが、これは軍の命令によって行う作戦ではない』

 

と通信が聞こえた

その声は、オットー艦長だった

 

『生き延びるため、フル・フロンタルの手に箱が渡るのを阻止するため、本艦が独自に行う作戦である! フル・フロンタルが示したサイド共栄圏構想とミネバ殿下が言った可能性による未来。どちらかが正しいのかは、私にも分からない。それを決めるのは、我々ではなく、今を生きる若者達、これから産まれてくるまだ見ぬ子供達だろう。彼らに判断を委ねるためにも、我々は、生きて帰らねばならない!』

 

その通信を、直哉達は艦の外で聞いていた

ネェル・アーガマの直援に着いていたのだ

なお、この少し前にスピリッツ本隊とは何とか合流できた

今、スピリッツ本隊も最後の戦いに向けて準備中だ

 

『持ち帰った箱と共に、真実を問わねばならない。軍人として! 一人の大人として! 諸君の健闘に期待する!』

 

オットー艦長のその話を聞いて、セシリアとシャルロットは胸元で手を握りしめた

何か、思うところがあるのだろう

そして、ユニコーンが姿を現した

今までとは違い、かなり武装が増えている

 

『フルアーマー・ユニコーンか……凄い武装だな』

 

『学生が設計したんだろ? 大丈夫なのか?』

 

『ユニコーンの稼働データを全て見て、稼働範囲に影響が出ない位置に武装を配置したようだ。メカニックの御墨付きだ』

 

と三人が言って、ユニコーンが発艦した直後に、警報音が鳴り響いた

 

『後方に熱源反応! 数1! ゲタを履いている模様!』

 

『もしや、パトロール艦からの一報を聞いて、ゼネラル・レビルから差し向けられたのでは?』

 

オペレーターの報告の後に副官がそう言うと、オットー艦長は舌打ちをして

 

『こんなタイミングでっ! ミノフスキー粒子、散布! 相手は一機だ、追い払え!』

 

と指示を出した

その直後、ネェル・アーガマの艦尾VLSから次々とミサイルが発射された

その後に、艦尾側カタパルトからMS

リゼルが二機とジェガンが一機出撃していった

 

『あっちは、彼らに任せるぞ』

 

『ああ、俺達は袖付きだ!』

 

『数は、倍以上か!』

 

三人がそう言った直後に、戦闘は始まった

相手は袖付き、数は優に60近く

こちらは、スピリッツ本隊を含めても26

数の差は歴然だ

だが、そんなことは今さらだ

彼らは、戦場へと向かった

相手はまたもや、新旧入り雑じった部隊だった

 

『ゲルググタイプに、ザクⅢ、バウ』

 

『おい、ヤクト・ドーガが居るぞ』

 

『よく運用出来る奴が居たもんだ』

 

三人は会話しながらも、次々と敵MS隊を次々と撃破していった

しかし、こちらもネェル・アーガマのMS隊が撃破されていた

 

『ロメオ012大破!』

 

『敵、直上!』

 

『対空機銃、撃ちまくれ!』

 

どうやら、ネェル・アーガマ直上を守っていたジェガンが撃破されたらしく、バウが真上から突撃していた

 

『特攻か!?』

 

機体が損傷したのに止まる気配が無いバウを見て、オットー艦長が声を上げた

その直後、そのバウは上部甲板に陣取っていたエコーズ仕様ジェガンが装備していたメガバズーカ・ランチャーによって撃破された

 

『ユニコーンはどうした!?』

 

『後方のMSと、未だに交戦中!』

 

『新たに、中隊規模のMS部隊確認! 内一機は、ローゼン・ズールと確認!』

 

『アンジェロ大尉か!?』

 

『新手か!? 動きがいいぞ!』

 

『親衛隊か!?』

 

『散開! 立体機動挟撃(クロス・シザース)!』

 

流石に親衛隊の動きは他とは違い、かなりいいらしい

直哉達も手こずっていた

その時

 

『敵機、第4カタパルトに着艦! 取り付かれました!?』

 

『排除しろっ!』

 

という通信が聞こえて、直哉達はネェル・アーガマを見た

ネェル・アーガマのカタパルトの一つに、水色のカラーリングの機体と緑色のカラーリングの機体が居た

 

『ズサと、ガルスタイプの近接格闘戦闘特化仕様か!?』

 

『下手に撃てば、ネェル・アーガマに当たる!』

 

『直援とエコーズに任せるしかない! 俺達は他のだ!』

 

三人はそう言って離れたが、通信で

 

『ロメオ09機能停止! ガランシェール3、中破!』

 

と悲鳴混じりに聞こえた

どうやら、直援は撃破されたらしい

視線を向けると、ジェガンとギラ・ズールが無力化されていた

しかも、チェーン・マインでハッチを吹き飛ばした

あわや内部に突撃されるかと思ったが、それはエコーズ仕様ジェガン

コンロイ機がズサにテルミット焼夷手榴弾を投げて、ズサはネェル・アーガマから滑落

ガルスタイプと交戦開始した

なんとそのガルスタイプは、近接格闘戦闘能力を高めるためにか、遠距離用武装だけでなく、推進機関も全て排除

肩アーマーは手甲としても使える代物で、パイロットの技量もあってか、非常に高い格闘戦闘能力を発揮していた

膠着状態になるかと思ったが、それを変えたのは戻ってきたユニコーンだった

ユニコーンは腰部分に付けられていた後付けスラスターをまるでミサイルのようにして、ガルスタイプを弾き飛ばした

その後、ユニコーンは補給もせずに戦闘を開始した

機体に装備されている武装を一斉に開放し、圧倒的火力で袖付きMSを次々と無力化していた

両腕を無くしたというのに、一機のザクⅢが頭部に装備されていたメガ粒子砲を撃とうとした

だがそのザクⅢは、後ろから撃たれて爆散した

その砲撃を放ったのは、ローゼン・ズール

つまりは、味方撃ちだった

 

『野郎、味方を!!』

 

『味方意識すら無いってか!?』

 

一夏と弾は憤ってたが、直哉は冷静だった

アンジェロから、狂気的な感情を感じたからだ

アンジェロは三人を無視すると、ユニコーンと交戦開始

バックパックから、次々と何かを射出した

それは、バラの形をした物だった

 

『ファンネルか?』

 

直哉はそう言いながら、不用意に近づいてきたガザDをビームサーベルで両断した

アンジェロ大尉はNTではないので、ファンネルは使えないはずだった

射出されたそれは、ユニコーンに迫った

ユニコーンはそれを破壊するために、頭部バルカン砲を撃ったが、弾切れになり全ては破壊出来なかった

するとそれは、ユニコーンを四角形を描くように布陣

ユニコーンに対して、青いレーザー状の光を放った

それにユニコーンが捕まったのだが、異変が起きた

発動していたNTーDが、強制的に機能を停止させられたのだ

 

『なんだ!? 何が起きた!!』

 

『サイコミュに干渉して、機能不全を起こさせたのか?』

 

『ちいっ! やはり、サイコミュではジオンに一日の長有りか!』

 

その直後、更に異変が起きた

後方で爆発が起きたのだが、普通の爆発じゃなかった

その爆発が起きた時、その宙域に居た全員が彼女の言葉を聞いた

マリーダの最後の言葉を

 

『マリーダさん……』

 

『貴女は……』

 

『必ずっ!』

 

三人はそう言うと、動き始めた

その光景を見て、セツコが

 

「この時、何を聞いたんですか?」

 

と問い掛けた

すると三人は、顔を見合わせてから

 

「俺達はこの時、マリーダさんから二つのことを聞きました」

 

「一つは、まだこの先に長く困難な戦いが続くが、必ず生き残れ」

 

「そしてもう一つは、この宙域を何かが狙っていることだった」

 

と語った

それは、肉体から解き放たれたからこそなのかもしれない

マリーダは時を見たのだろう

故に、三人が長く困難な戦いに身を投じ続けるのを知ったのだろう

だからマリーダは、三人に忠告したのだ

いや、三人だけではない

この宙域に居る全員に忠告したのだ

何かに

コロニーレーザーに狙われていることを

その時だった

 

『ウォォォォォォォ!!』

 

とバナージが吠えた

それに呼応するように、再びNTーDが発動した

すると、ユニコーンが装備していた楯が動き始めたのだ

ファンネルではないのに、まるでファンネルのように

そして、ユニコーンを包囲していた物

サイコミュジャマーを次々と破壊した

そして、ローゼン・ズールにユニコーンは向き合った

その数秒後、どういう訳かローゼン・ズールのインコミュクローが胸部にめり込んだ

そして、ローゼン・ズールは機能を停止した

この後、AWACジェガンから送られてきた情報を基にネェル・アーガマはハイパーメガ粒子砲を発射

近くに展開していた袖付き艦隊に大打撃を与えた

そして、舞台はいよいよ最終局面を迎える

ユニコーン事変、始まりの地にして終わりの地

インダストリアル7での戦いへと

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