ISGジェネレーション   作:京勇樹

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木星戦役1

「次に向かったのは、約10年後の宇宙世紀0133年」

 

「通称、木星戦役」

 

「一人の男の狂気から始まった戦争です」

 

三人がそう語ると、映像が始まった

最初に映ったのは、一隻の大型船とその船を襲っている複数のMSだった

 

「俺達が雇われたのは、海賊軍。クロスボーン・バンガード」

 

「軍とは言ったが、実働戦力から見ると、部隊が正確だな」

 

「彼等の目的は、木星帝国の野望阻止」

 

三人の説明を聞いて、誰もが首を傾げた

恐らくは、海賊軍に雇われた理由が分からないからだろう

すると

 

『ジェミニ2よりトライアド1。本当にいいのかな、これ……』

 

と少女

ナナが聞いてきた

そんな彼女が乗っているのは、F91である

彼女は前身のF90Ⅱに乗っていたので、乗れると判断したのだ

前に乗っていたF90ⅡはOSで格闘戦闘が出来なかったが、彼女自身が格闘が出来ないという訳ではない

事実、スピリッツで行われたシミュレーターではそれなりの腕前を披露した

そんな彼女だが、どうやら現状を受け入れられてない様子だった

 

『確かにな……あの船……星間往復船だろ? 地球連邦と木星帝国の』

 

と言ったのは、ナナの兄

シュンである

シュンが乗っているのは、F90Ⅱの高速機動戦闘仕様だ

シュンが高速機動戦闘に適性が有るのが分かったので、F90Ⅱの高速機動戦闘仕様にしたのだ

F90ⅡIの最高速度は、F91よりも速いのだ

そしてなにより、F90Ⅱは武装の換装が可能なのだ

故に、兄のシュンが臨機応変に状況に対応するようになっている

そして、クロスボーン・バンガードが襲っているのはシュンが言った通り、星間往復船である

この星間往復船は、それぞれ地球連邦と木星帝国の物資輸送と人員交流を目的に運用されている

その星間往復船を襲っているのは、ドクロマークが施されたMS

ゾンド・ゲーだった

どうやら、嘗てのクロスボーン・バンガードで開発された機体らしい

そのサイズは10mと更に小さい

その時だった

星間往復船から、複数のMSが出撃してきた

 

『ヘビーガン……じゃない!?』

 

『見たことないぞ!?』

 

出撃してきたMSを見て、ナナとシュンが驚いていた

その機体は、脚を膝の辺りから折り曲げている特徴的な機体だった

木星帝国製MS

バタラである

バタラは胴体部分以外がユニット形式で構成されており、頭、両腕、両足を交換することで様々な機体になれるという機体になっている

これは、木星帝国が兵力が少ないことが理由である

そのバタラとゾンド・ゲーが交戦を開始したのだが、ゾンド・ゲーの方が押していた

 

『おいおい、ゾンド・ゲーは10年前の機体だぞ? どうなっている?』

 

『……待って、ゾンド・ゲー以外にMSが居る! その機体の動きが速い!』

 

よく見れば、一機

マントを被ったMSが混じっていた

その機体がゾンド・ゲーに混じり、バタラを次々と撃破していた

しかもよく見れば、コクピットを避けて攻撃か、わざとパイロットを脱出させてから撃破していた

 

『……パイロットを、殺さないのか?』

 

『どうなってるの?』

 

兄妹が困惑しているが、直哉が

 

『動いたか……ジェミニ隊、着いてこい。行くぞ』

 

『了解!』

 

直哉の指示に従い、ジェミニ隊

シュンとナナは直哉達の後に続いた

そして、五機に気付いたらしいバタラが向かってきたが、直哉は蹴りで一機を戦闘不能にした

この時、一機が直哉を狙ってビームを撃ったが、そのビームを一夏がビームダガーで弾いた

それを見て

 

「ビームを弾いた!?」

 

「そんなこと、出来るの!?」

 

と驚愕の声が上がった

それに対して、一夏は

 

「出来るからやった。出来なかったら、やらない」

 

と答えた

確かに、ごもっともである

なお、この近接戦闘兵装でビームを弾くという技

実は、スピリッツでは一般的な技である

なお、ナナはその洗礼を受けている

シミュレーターで、マークが相手を勤めたのだが、ナナは100kmレンジの超長距離狙撃を敢行した

レーダー範囲外からの狙撃

普通だったら、当たっていただろう

しかし、マークはその狙撃をビームサーベルで弾いた

ナナはそれに驚愕した隙を突かれて、メガビーム砲で撃墜されてしまった

この時はビームサーベルだったが、中には対ビームコーティングが施されたナイフで弾く人物達も居る

スピリッツは少数精鋭の傭兵部隊

少しでも生存率を上げるために、様々な技能を有する

近接戦闘兵装によるビーム弾きも、その一つだ

そして、驚いている間にクロスボーン・バンガードと五機はバタラを次々と無力化

宙域を完全に制圧した

すると、一機のゾンド・ゲーが星間往復船の貨物区画の外壁を切り開いた

その直後、中から輸送中の物資が流出してきた

だが、それが問題だった

 

『こ、これは……』

 

『G3ガスと核ミサイルだと!?』

 

しかもそれには、木星帝国のマークが記されていた

大量のG3ガスと核ミサイル

それから分かるのは、戦争の用意ということだった

 

『情報通りだな』

 

そう言ったのは、マントの機体

クロスボーンガンダム・X1のパイロット、キンケドゥ・ナウだった

 

『そうだな……キンケドゥ』

 

『ああ、母艦に運ぼう』

 

二人はそう言うと、それぞれ部隊に指示を出して流出しない物資

G3ガスと核ミサイルを母艦

マザーバンガードとキャリーベースに運んだ

そして、自衛用の火器とMSを残すと元の航路を進ませた

 

『トライアド1……まさか、木星帝国は……』

 

『そうだ。木星帝国は、地球連邦に対して戦争をするつもりだ。そして、それに気付いて立ち向かうのは俺達だ……気張れよ、ジェミニ隊……俺達が負ければ、地球が滅ぶぞ』

 

直哉がそう言うと、ジェミニ隊

シュンとナナは息を飲んだ

 

『トライアド1、離脱しよう。そろそろ、連邦軍の駐留部隊が来るだろうからな』

 

『了解した。そういえば先程、誰か保護したようだが……』

 

直哉がそう問い掛けると、キンケドゥは

 

『ああ……マザーバンガードに連れていく……もしかしたら、この戦争の鍵になるかもしれないからな』

 

と言って、機体

クロスボーンガンダムX1をある方向に進ませた

そちらには、帆船型の艦艇が存在していた

こうして、狂気から来る戦争が始まったのだった

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