五条「紛うことなき呪いの王だ」宿儺「えっ」 作:バルサミコ酢
(最悪だ)
自身の目の前にあるボロボロになった校舎、自身の近くに倒れている人間。そして……目の前に立っている青年の姿を見て、全身傷まみれの青年……伏黒恵はそう判断した
なぜこんな事になったのか……事の発端は、彼の担任教師である五条悟により伝えられた任務だ。内容は、特級呪物である両面宿儺の指。その回収である
現場である相沢第三高校に到着した彼は、すぐさま呪物を回収しようとしたが、それは既に何者かにより持ち去られた後だった
その為、現場の学校で持ち去った者の捜索を続けて行うことになった。幸い持ち主らしき青年を見つける事が出来たが、青年から彼が感じとったのはその呪物の残穢であり、実物は持っていない
本体が学校にあるという情報をその青年から聞いた彼は、現場へと急行するが、そこでは既に呪物の封印は解かれ、呪霊が集まっていた後だった
なんとか呪霊を対処していたが、ある狡猾な個体により奇襲を掛けられてしまう
そんな彼を助けたのは、特級呪物の残穢を感じた青年……虎杖悠仁だ
しかし、助けられたと言っても一時的なもの。呪力を持っていない虎杖に呪霊は祓えない為、根本的な解決にはならなかった
助けた伏黒諸共、虎杖は呪霊により捕まってしまった
このままでは、全員が死んでしまう
……そこで、虎杖はある方法を思いつく
「俺に呪力があれば良いんだろ?!伏黒!」
そう言いながら、彼は口に咥えていた両面宿儺の指を上へと放る。その行為により、伏黒も虎杖と同じ事に思い至る
「やめろ……やめろ!」
伏黒の制止も空しく、虎杖は両面宿儺の指を飲み込んだ
特級呪物。それは確かに強力な力を持っている。体内に取り込めば、確かに自身にもその強大な力が付与されるだろう。だが、代償も大きい。普通の人間なら、まず確実に死んでしまう
しかし、伏黒の懸念はもう一つあった
(万が一……最悪なケースがある……)
呪霊が、虎杖を取り込まんとし、その口を大きく開け、彼の身体をその中へと運んでいく。無抵抗に運ばれていき、飲み込まれていく……その時
「━━━!!!」
「っ!」
呪霊の腕が弾けた。やったのは勿論……虎杖だ
身体が自由になり、宙へと放り出された彼は、軽快な様子で地面に着地する
自身の腕が破壊された事に怒りを覚え、呪霊は虎杖へと音を立てながら迫っていくが……今度は腕では無く、呪霊の頭が弾け飛んだ
「ふーむ……やはり光は生で感じるに限るな……」
(最悪だ……最悪の万が一が出た……!特級呪物が受肉しやがった!)
「おぉ……良い時代になったものだな……女も子供も沢山居る…………ん?」
不意に、宿儺の様子がおかしくなり始めた。しかし、特級呪物が受肉したという事実に頭がいっぱいの伏黒は、その事に気が付かない
「人の身体で何してんだ。返せ」
「……押さえ込まれる……まあそうか」
(やるしか……ないっ!)
特級という規格外相手だが、ここで自分が逃げたら被害が広がる。伏黒は覚悟を決めた
「動くな。お前はもう人間じゃない」
「は?」
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁……お前を、呪いとして祓う!」
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