「あ゛~~~~~~~~……」
イベリア半島のとある海岸。快晴、プライベートビーチゆえにか人はなく、静かに波打つ音やら鳥の声やらを聴きながら、浮き輪に身体を突っ込んだまま、俺は半眼で浮いていた。もう一歩も動けないと言う勢いで、ケツを浮き輪の穴から海に浸し、腕を足をひっかけてぼーっとしている。
理由? 疲労からに決まっている。連日のハードスケジュールに対してスギナの「チャージオ・ジュモルク」で無理やり徹夜行脚をしたせいで、蓄積した疲労が三日目に出ているのだ。とはいえ食べたのは2つだからこれでもまだマシな方で、おそらく3つ食べたら今日一日はベッドから起き上がれなかったはずだ。
ラッシュガードに短パン系の海パンな俺の隣に、同じように浮袋に浮かんだスギナが流れてくる。スギナは流石に少し寝たので俺よりは元気だが、それでも何が楽しいのか「春彦の真似」といって、似たような感じになっていた。ちなみにスギナの水着も俺の色違いな感じなので、二人そろってラッシュガードに短パンな姿のままプカプカと浮かんでいる。
ちなみにこの状態でも呪文は使えるので、魔本用に小さいビート版みたいなものを浮き輪に繋いで、俺の腹の上の方に浮かせて時折手で触ったりして、心の力を供給してる。このおかげでスギナはジュロンを扱うことができ、俺とスギナがこのまま足のつかない海の果ての方に流されるのを防いでいたりした。
「夏と言えば水着回とはいえ、こうも元気がないときに来たくはなかったなぁ……」
「ミールに連れてこられたわけだし、せっかくだからツヅリたちも誘えば良かったんじゃない?」
……なんとなく市民プールのちびっ子が多い空間にて、中学か高校時代のスク水姿な先輩と、襦袢姿で水につかろうとするツヅリのイメージが出てきたが、きっと気のせいかイベントCGか何かだろう(メタ)。
「いや、化野先輩たちご実家にいってる訳だし色々気が引けるというか。…………あとミールさんと対面させると、ちょっとした死亡フラグになる気がする」
「誰の?」
「ツヅリと俺達の」
ほぼ確信してるけど、本来ミールさんは俺達みたいな普通の学生やれてるような連中とつるめる人間ではないはずだ。育ちもそうだし生きている世界もそうだ。そういうことを前提に考えれば、あの二人を面会させて只で済むなんてとても思えない。
と言う訳でこのあたりは保留しておくのが妥当だろう。むろんガッシュや清麿君たちに紹介するのもナンセンスだ。
…………そういう意味ではパルコ・フォルゴレのツアーは結構ギリギリのところだった訳だけど。
そんなことをぼうっと考えると、ふいに目の前が真っ暗になり、中から凄い白くてきれいなお手々がぬっと現れた。手には本物の銃みたいなデザインした水鉄砲が握られていて(上部にボトルがついてるから辛うじて水鉄砲ってわかる)、その引き金が勢いよく引かれた。
「わぶ!? 思いっきり海水じゃないっスか!!? 何してんだミールさんッ」
「――――いやビーチに来ていきなりジジィみたいなボケかたしてたら、フツーこんなもんよ」
空中に空いた真っ暗な穴の中から、ドボンと、俺とスギナの手前に落ちた彼女。そのまま浮き上がってくる彼女は俺の浮き輪に捕まり顔を出す。当然のようにミールさん。普段はアフロのようでアフロではない妙にもさもさとアップにした髪型は、珍しくポニーテール調にまとめられてて中々可愛らしい。まとめられてる、というよりトレードマークな花飾り付きの髪留めもそのままなので、水にぬれるとセットが崩れるから初めからセットしていないというだけかもしれないけど。
そして水着はこう、圧倒的にビキニだ。下半身は水につかっててわからないけど、上半身を浮き輪の外側から乗り上げて、俺の膝を「邪魔だ」と言わんばかりにぺちぺちしてるミールさんは、情熱の赤いバラがプリントされた白いビキニだった。エグい角度になってる訳ではなく、さりとてそれなりに寄せて上げられているビキニで、俺の視点からだと構図が中々に少年誌的にに危険である。
腰も細くてかなりくびれているので(※不健康な程じゃない)、出自が出自でなければ普通にグラビアアイドルとかもいける感じになっていた。まあこの人の年齢聞いて無いから、実際のところ藪蛇だとは思うんだが。
そして俺の視点に当然気づくミールさんは、そのまま水鉄砲を正面に構えて――――ノオオオオォウッ!!?
「急所はまずいですよ!?」
「いや、チラ見くらいなら別に文句いわないけどそんなにガッツリ見られるとさぁ……」
とはいえ本を燃やしたりしないくらいの妙な関係を築けているあたり、俺とこの人の付き合いも短いようで長い。スギナと知り合ったのと同じころからなので、かれこれ半年以上の関係になるのか。
顔合わせる機会は、大体この人が「ファミリー」から逃げてきたり、傷だらけになって逃げてきたり、遊びに来たりといったのが大半だけど。
「というより、俺とかスギナとかわざわざこんな所に招待してもらって良かったんですか? かなりお金かかってそうな感じですけど」
「んー」
「いーの。元々
「ゴームは?」
「あれと一緒に海水浴? ないない」
大体アンタよりガキンチョだからまだ止めた方がいいし、絶対溺れるわよ? とスギナに言うミールさん。実際のカブトムシ的な魔物の子がどういう人物なのかとか、俺もスギナもさっぱり把握できていないので、このあたりはコメントしづらい。
それはそうと、とミールさんは空中の穴からもう一つ浮き輪を取り出して(ちなみに俺のもスギナのもミールさんのも全部オレンジ色の救命胴衣的なやつ)、真ん中の穴の中から上半身を出してこちらを見る。……こうしてみるとチワワというかポメラニアンというか、チベスナ顔になってないときは犬っぽい感じで可愛いんだよなこの人。
「あなたさ。ハルヒコ。いえスギナもだけど、知り合いってけっこういるの?」
と、不意にミールさんが変な質問をしてきた。含意が含んでいるところは何だろう? 個人的な友人知人の話……は絶対興味なさそうだし。となると……?
「何人いかいますね。魔物もパートナーも」
「そ。あの、ニッポンジンのガキと金髪の魔物も?」
「はい」
「アヒルっぽい嘴ついたやつも?」
「昨日知り合いましたね、はい。……あの、一体何の確認で?」
「別にィ~~~~? ますます色々やる気がなくなっただけ」
いやそうな顔をするミールさんは、また空中の穴に手を入れ何かをまさぐる。と、細長い缶ジュースを取り出し、俺やスギナの方に投げてよこした。
パッケージに「
「うぃー、ヤバい薬とか入ってないから、安心していいぴょん?」
「見た目が完全にアウトなんですけど……」
「むー? 『発禁になる程の美味さ』って触れこみでCMやってたけど、発売から十年経っても普通に売ってるし、まー普通の飲み物ぴょん」
「春彦、ペ〇シっぽい」
あ、味は本当にコーラなのね。先に封を開けて飲んだスギナのコメントに苦笑いしてると、とたんミールさんがニヤニヤとしてこっちに話を振る。
「さっき、嘴の魔物の方は昨日知り合ったって言ってたけど、結局何がどうなってのよ? せっかくだし話せよ」
「えぇ……?」
「フツーの魔物とパートナーだと戦いになりそうなもんだけど、そうなってないのって希少じゃない? どういうものなのかちょっと知っておきたい」
私らに応用できるか知らないけど、と言いながらプシュッと缶を開け、緩く煽るミールさん。
笑いながら若干チベスナ顔の片鱗が見え隠れしていることに恐怖しながらも、仕方ないと俺は昨日のことを思い出して、口を開いた。
※ ※ ※
セッコロやあの魔物のこと。オヤジの事。ガッシュの記憶のこと。魔物の子のヨポポとそのパートナー、ジェムのこと。色々とあり続けたイギリス旅行のせいか、俺の心はだいぶ疲れている。ガッシュだって疲れてるだろうけど、そこは持ち前の明るさでカバーしているのかもしれない。
そんな俺達にロンドン観光でもしたらと勧めたのが親父だ。気分が滅入ってる時は活気がある場所を回るだけで、元気をもらえるかもしれないって言ってたっけ。
ほかならぬガッシュのお陰で俺も元気や勇気をもらったことがあるから、そういうこともあるかと素直に納得できた。
だからロンドンの町に繰り出して……、ロンドン橋とかでガッシュが魚をとりに全裸で潜ったりとか色々問題もあったけど、それでもこっちに来てから続いた戦いばかりの日々に、少しだけ別な思い出が加わって、これもこれで悪くはないかなって思って――――。
――――きゃーきゃーと黄色い声援や野太い声援が大通りの一角で響いていて。上を見上げれば、どこかで見た顎の割れた凛々しい顔立ちの男が、乳でも模した饅頭を握ってステキなスマイルを浮かべていた。
というか、フォルゴレだった。
前に一度、俺の家に来て戦いを挑んで……、色々と可哀想なことにはなったけど、ガッシュとしては半分くらい友達みたいな感覚になってそうな、あの妙な魔物の子。そのパートナーがフォルゴレだ。
そういえばフォルゴレはイタリアで大スター。ヨーロッパでも人気があって当然だし、春彦さんもファンなくらいだ(いまいちアレのどこが良いのか意味がわからないが)。ミニコンサートでもこれだけ人が集まるのは普通の事なのかもしれないが。キャンチョメ、魔物の子も近くにいるのではと嫌な予感がし、思わず周囲を見回した。
…………思いっきり1メートル以内くらいにはいた。何かこう、大量の菓子を持ってペロペロバクバクと食べている。
他人のフリしてその場を立ち去ろうとして、キャンチョメと反対方向へと視線を向けて足早に移動する俺。もっとも背後から「見られてる」感覚がするので、俺としてはどうしようもない。
ガッシュに声をかけてとっととこの場を逃走しようとすると、するりと俺の前にキャンチョメが現れた。赤ちゃんとかが着用してそうな首から下まで一張羅なやつをつけた、アヒルみたいな嘴のついた魔物の子。
面倒くさいので思いっきり逃げ出したら、追いかけてる途中で噴水に足を引っかけてスッ転んだらしい。大泣きする声に、ガッシュが「清麿ぉ……」と言ってくる。可哀想ではないか、話くらい聞いてやってもよいではないか、みたいなことを言いたいのはわかるが、絶対ロクでもない迷惑をこうむるぞ、これ。
そんなことを思っていたら、聞き覚えのある声が聞こえた。
「うぇ……、キャンチョメってこっちでもその服なのか」
「知り合いか?」
「僕は知ってるよ。キャンチョメは多分覚えてないだろうけど。最終クラスは違ったし、空気だったし、教室の掃除用具入れの影だからね」
「ナチュラルにアレなこと言うのは止めなさい、止めなさい。
えーっと、大丈夫かい?」
「うえ~~~~~~~~ん!! …………、へ? お、お前たちは?」
大泣きしていたキャンチョメの鳴き声が止まり、思わず振り向いた俺達の前に……、ケバブサンドか? とドリンクを持ち運んでる、春彦さんとスギナがいた。
両手いっぱいに袋を抱えてるスギナ。その手元からちょっとケバブが見えてるから、これからお昼でも食べようとしているのかという風だが、いやちょっと待ってほしい。キャンチョメに手を差し伸べて噴水から出してあげてる彼に、思わず指を突きつけてしまった。
「は、春彦さん!? 何でロンドンに……?」
「ウヌ、スギナではないか! ……じゅるり。そ、それは何なのだ?」
ガッシュはどうやらケバブの匂いが気になるようだが、スギナが「ケバブだよ、あっちで売ってるから僕らの取ろうとしないでよ」と一言。
って、そっちの話じゃなくって。
「いやその、知り合いがパルコ・フォルゴレのロンドンのミニコンサートのチケットとってくれたから、せっかくだから見に来ようかなって思って。
まあギリギリで取ったから、俺たちは夜の部なんだけけど」
「地味に初ライブだよね、春彦」
「結構券、手に入れるの値段高いからなぁ……。あんまりやってるとDVD買うお金とか飛ぶ、飛ぶ」
「それは良くない」
「えっ!? 君、フォルゴレのファンなのかい!」
がばり、とびしょ濡れのキャンチョメが元気に立ち上がって、春彦さんの手を掴んで。
そしてスギナが半眼で俺やガッシュのことをじっと見てて、あー、これは空気的に逃げられないなと、流石に諦めた。
春彦さんはケバブを知人に届けて来ると言って、コンサート会場手前にあるおしゃれな衣服が飾られた
そしてしばらくするとこっちに戻って来て「まあアレだしケバブおごるよ」とガッシュや俺に言ってくれた。
……値段的にそこそこするけど、前にコンビニでおごってもらったものに比べれば安いということで、恐縮しながら受け取る俺。ガッシュは楽しそうにしながら、お店のおじさんに渡されたそれを齧ってテンションを上げていた。
キャンチョメ? 「お菓子の方が美味しい」とか言ってるが知らん。少なくとも奢ってもらったものだろ、お前。
「そうだ、フォルゴレの最新映画の予告があるんだ」
「おいキャンチョメ、話って何だオイ、話って何だオイ」
「清麿、イライラしてるね」
「う、ウヌゥ……」
スギナとガッシュが煩いが知ったこっちゃない。ケバブを食べながら案内された先は、フォルゴレの控室だ。芸能人の舞台裏と言っても相手がフォルゴレだから気分が高揚しない俺。一方反対に「ロォラアアアア――――ッ!」と変な叫び声を小声で上げる器用な春彦さん。本当にこの人、ファンなんだなぁと何とも言えない気になりながらも、俺やガッシュたちを招き入れたキャンチョメが全然本題を話さない。あまつさえ備え付けのテレビをつけて、その件のフォルゴレの最新映画の予告とやらを流してくる。
タイトルは「00F~鉄のフォルゴレは二度
感動して拍手するガッシュとキャンチョメ、このバージョンの予告は初めて見るとか言ってる春彦さん、今のCGなしだったっぽい? とか不思議がってるスギナ。どういう顔したらいいかわからない俺だ。結局何がどうしたんだよ。
「で話ってのは何だ」
「フォルゴレが行方不明なんだ……、コンサートまであと一時間しかないのにさ」
そうかそいつは大変だな、と話を流したかった俺だが、春彦さんが「もしかして……?」とか言い出してる。何かわかるのかい!? とヤク〇ト片手に詰め寄るキャンチョメに、むしろキャンチョメは知らないのかと驚いた顔をしていた。
「多分、サプライズでチャリティのライブやりに行ってるんじゃないか?」
「チャリティー?」
「うん。現地から届いたファンレターで、時々そういうのやってるらしいって映画の番宣で言ってた。あの、ボクシング映画なのに一切暴力振るわないで踊り続けるやつ」
「どんなボクシング映画だ!?」
それだったらそのうち帰ってくるのか? という話になりそうだったけど、キャンチョメが「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないし……」とか言い出して結局時間に余裕が無いから探しに行こうと言うことになった。
まあ……、そういう事情なら時間調整くらい先にするべきとは思うけど、フォルゴレなりにスターとしての矜持みたいなものがあるのなら、そういうことも十分あるかと思って。だったら少しくらい探すのも吝かじゃないか、ということで探し始めて――――。
「フォルゴレの臭いはこっちなのだ!」
「ガッシュ相変わらず鼻良いよね――――」
「高嶺く~ん! なんで二人とも香港に? もしかして迷子?」
「って水野!? お前こそなんでこっちに――――あっバスもう発進してる……どうやって迷ったら香港からこっちに来れるんだアイツ……。そろそろ夏休み終わるぞ、大丈夫か?」
「すごい迷子だね、あの子」
「そういえばキャンチョメは面識があったか、水野とも……」
「彼女?」
「か!? ち、違いますよ春彦さんッ! アイツは只のクラスメイトで――――」
「あー! やっぱり、テムズ川で騒ぎになってると思ったら! 何やってるのガッシュ! 清磨!」
「ウヌ! ティオではないか!」
「キャンチョメが丁度いないね……」
「恵さん!?」
「あら、スギナ君たちまで。こんなところで会うなんて!」
「あー、ちょっと親父の勤めてる大学に来て。恵さんたちは仕事?」
「うん、写真集の撮影ね!」
「せっかくだから記念写真とってもらいなよ、清麿くん? 恵ちゃんと二人きりで」
「春彦さん!!?」
「ええ!? いや、何でそんな話!!?」
「あっ良いわねー。ガッシュ、私たちも四人で撮りましょう! 私、カメラ持ってきてるの!」
「(アシストしたね、春彦)」
「(ま、そうよな)」
まあ何と言うか、色々人と出会うと言うか……。春彦さんたちも謎の付き合いの良さで、二人そろって「「赤の扉を選ぶくらいの感じで、せっかくだから」」と一緒についてきてくれてるし。というか春彦さんも含めて記念撮影しようとしたときは、恵さんを押して俺とくっつけるし、色々やりたい放題だった。
……恵さんのリアクションが妙に照れてる感じだったのが色々ちょっと、こう、何と言ったらいいのかって感じだけど、いや、流石にそういう話ではまだないはず、うん。
その後、お菓子屋さんとか玩具店とか、確かにチャリティー用と言われれば納得いく店々を巡ってはいた。巡ってはいたが、道中思いっきりチチをもいだりケツを撫でたりしてるから、台無しの極みだったけど。
あの野郎、たとえ本当にチャリティーで何かやってるにしても一発くらいはツッコミのザケルを喰らわせても、誰も文句言わないだろ……!
※ ※ ※
「ま、そんな感じで病院でフォルゴレを見つけて、問い詰めてザケル一発喰らわせて。ちゃんとコンサートやってたのを聞いた後、清麿君は先に帰ったかんじです。携帯電話でカラオケのメロディ流して歌って踊ってたけど、ステージの上とキレと全然かわらなかったっスね」
「それで何か、しきりに頷いてたのね、コンサート中に。
…………うぉ、それであなたはすぐ帰らなかったの?」
「サイン貰いました魔本と服に」
「いや何やってんのよ……」
呆れたように笑うミールさん。とはいえチャリティの話自体は「くだらねぇ」とか言わなかったあたり、彼女としても何か思う所があるのかもしれない。
まあ、話題の途中途中のチチもいだりの話については自分の身体を抱きながら「は?」とチベスナ顔で威圧してたりしたから、そのあたりはトントンでバランスはとれているということにしよう(謎)。
「というかそのキヨマロって、アレよね。こう、妙に日のあたるところにいるっていうか。ただの学生がアイドルにスターに魔物にって、話が出来すぎていやしない?」
「それ言ったら俺だって結構できすぎてますぜ、日にあたらない感じの話ですけど」
「それもそうぴょん! アッハハハハハハ――――――!」
タブーコーラを飲みながらけらけら愉快そうに笑うミールさんは、意味もなく俺の浮き輪をつつく。バランス崩れそう何で止めてくれませんかね!? と抗議すると、ニヤニヤしながらつつくのを止めないのは一体何なんでせうか(謎古語)。
「そろそろあっちも帰る頃だろうし、俺の方も大学あるから帰らないとですかね」
「明日までは遊べるでしょ?」
「宿とか考えなければ」
「じゃあ、いったん家に帰すわよ。で、またゴームと一緒に行くわ。今度はどこ行こうかしら……。映画でも見る? アメリカで」
「(ナチュラルに春彦と遊ぶ話するな、あの人……って、それはそうと)。ゴームも出して一緒に遊んだりしないのか? 絶対、退屈してると思うけど」
スギナの一言に、ミールさんは少しバツが悪そうな顔をして「暇つぶしはわたしてるから良いのよ」とその話は中断し。
「あっそうだ。……夏が終わったら、しばらく遊びに来れなくなるから。連絡も遅くなるけど、何かあったわけじゃないからヨロシクぴょん?」
何か仕事ですか? と問うてもいまいち返答は芳しくない。
そしてそんな話し合いをしている途中で俺のケータイが鳴り。
そのメール画面には――――悪魔のような魔物が彫り込まれた、例のナゾナゾ博士が教えてくれた石板の写真が添付されていた。
そういやその関係の話、全然してなかったけど……。清麿君が知ったとなると、やっぱり今後もっと大きく原作に関わってくるよね、石板とかナゾナゾ博士。
・ミールのプライベートビーチでバカンス:
本当だったら椅子に座って眠りたい春彦だけど、砂浜は砂浜でミールから蹴っ飛ばされたりしたので海に浮かんでぼーっとしてる感じです。
・フォルゴレ捜索イベント:
ハイドを出したので、こちらではアニメ版に近い形になります(鈴芽ちゃんやティオ、恵登場)。ただ鈴芽はそのまま気が付いたら日本に帰ってたりする形になるので、このあたりはアニメ版より原作的な進行速度になってます。内容的にはあまり原作と差が無い感じなので、春彦が関係してるところだけメインで取り上げ。男子中学生の恋愛事情はとにかく煽る。
清麿的には、フォルゴレのチャリティ周りの情報は春彦が共有することで納得はいったけど、それはそれとしてセクハラ野郎なのでツッコミのザケル(弱)は浴びせる。
・暇してそうなゴーム:
ミール的には本人なりの気分でゴームを呼び出し一緒に遊んでいないわけですが、その代わり亜空間には色々な絵本とか一杯持ち運んで「読んどけば?」とかはやってる。本文中に入れたかったけど、彼女の性格的に絶対言わないと思ったのでここで記載。
・遊べなくなるミール:
春彦を関わらせるべきでないと、とりあえず一緒に遊んだりする仲ゆえの連帯感から節度を守った結果の発言。好むと好まざるに関わらず「最悪」と出会ってしまったかもしれない。
・雷帝とD:
ガッシュの周りにあんなに魔物が集まって何やてるんだ的なことを感知して訝しがって、カオスなことになってるとアンサーが出てる。多分フォルゴレのコンサート会場とかの前に転移して、ライブのPV見て宇宙猫なお兄ちゃん。