広い大地の片隅で眠る   作:黒兎可

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P018.不備の総合商社

  

 

 

 

 

 どうやら、千年前の魔物編が始まったらしい。……始まったらしいといいつつ俺とスギナが相変わらず自宅で遊んでるのは、例によって例によってというか。スギナが当然のようにスルーされているのが直接の原因だ。

 

「えっちょっと待ってちょっと待って、ガチで言ってますか先輩?」

『うん。今、二人して清麿君の救援にいって終わったところ。なんか恵ちゃんが清麿君とイチャイチャしてるから、空気読んでツヅリと一緒に退避してやってるわ! あっははッ!』

「何故そこに力を入れて笑うのかよくわかりませんけど、そっか……」

 

 なんなら昨日、特に何もなくクリスマス恒例のバ〇トマンリターンズを自宅で視聴する儀式を今年も執り行い、スギナも今年は一緒になって神妙に確認してダウナーな気分になっていたのだが。クリスマスプレゼントに乗り物大百科と妖怪大百科を求めてくるあたり、だいぶスギナもこっちの世界に順応しているようで何よりである。

 そして今は、ちょうど人工衛星のプラモを組みながらデカールの位置調整に四苦八苦してるスギナをちらりと見る。とてもじゃないがこっちの話に混ぜられるような状況ではないな、これ。完全に集中してるし、下手するとキレたスギナによって無理やりチャージオのリンゴを食べさせられて、夜通し一緒にプラモを組まされそうだ。

 最低限換気のために窓は空いており、外ではパールなカラーをスプレーした太陽光パネルのパーツを乾かしているところだ。そして室内で組み方とデカールと簡単な墨入れをしてるスギナは、誰がどう見ても熱中してるお子様でしかない。ミ〇プラから車、スペースシャトル、電車ときて人工衛星に派生してるのでスギナも大概趣味の方向性が迷走してるが、一品一品の完成度を上げようと必死になってる姿は可愛いのでヨシとする。

 

 って、それは置いておいて。

 

 聞く限り、先輩の方もどこかのタイミングでナゾナゾ博士が襲来をかけたらしく、その際にまた新しい術が出たとか言っているのだが。

 

『春彦君たち、ナゾナゾ博士から連絡ってなかったの? 私も恵ちゃんもあっちから連絡もらったんだけど。学校からレンタルしてるやつに直接かかってきたのはビビったわ、あはは』

「どうでも良いけどいつの間にか恵ちゃん呼びになってるんですね……」

『本人からの希望だもの。って、そうじゃなくって。

 正直、うちのツヅリよりスギナ君の方が、拘束とか術の応用性は高いと思ったんだけど、呼ばれなかったのね。ちょっと不思議というより……、作為的?』

「何かしら意図はあるんでしょうけどね」

 

 というのも、どう考えても大海恵より俺の自宅の方が、清麿君たちの自宅には近いからだ。大学に住み込んでる先輩はともかく、戦闘になった場所が場所、モチノキ町内の公園近くな工事現場だったりするらしい。モチノキ町直結と言う訳ではないが、バイト先や大学のエリアから考えても俺の方に連絡がこないのは、むしろ不可思議というやつだ。

 

 何だろう。何かが原因でナゾナゾ博士の大眼鏡に俺とスギナが敵わなかったということなんだろうが……。可能性があるとしたらミールさん関係くらいか? あの人って普通に考えて「それなりに」犯罪者だし。

 しかしミールさんと一緒に出歩いている所を、あの人が目撃しているはずはないというか。あった翌日には北海道に「0秒で」行ってたわけで、それをそう都合よく目撃されているというのは、いささかつじつまが合わないと言うか。そこまで決め打ちのように目撃されている可能性は低いと言うか、もしそれで目撃されていたとすると、最初から相当警戒されていたということにはなるまいか?

 

 でもあの人、雰囲気的に多分少年漫画にありがちな師匠ポジ的なやつだろうし、それくらいの得体の知れなさはあってしかるべきなのかもしれない。

 

「しかし年末年始も近いってのに、よくやるなぁ……」

『それは私も思う。今日はたまたま開いてたけど、オープンキャンパスとかそういう関係のバイトが最近多いし、色々余裕ないわね~。

 って、あれ? もう良いの? …………、あはは、二人とも照れちゃってー、ねぇ? ティオちゃん。

 わかったわ。今代わる。――――春彦君、高嶺君から』

 

 おっと? どうやら戦いが終わった後に決意を新たにしたりするシーンは終わったっぽい? このあたり少年漫画的なカンと先輩が「イチャイチャしてる」とか言ってたから、そのあたりからのシーンの推察だったのだが、気を取り直した清麿君が俺と話をしたいらしい。

 

「よっ、清麿君。大変だったな」

『あ、ああ。……さっきちょっと聞こえたけど、ナゾナゾ博士から声がかからなかったのか?』

「んー、あのお爺さんもお爺さんなりに拘りみたいなのがあるのか、な? 今深く追求してもあんまり意味はないだろうけど。

 それで、どうしてわざわざ先輩から電話代わってもらったのか? もうちょっとイチャイチャしてても良かったけど――――」

『いや、だからッ! そういうのじゃありませんって、まだ……っ!』

 

 俺の確認に何か凄い脇の甘いセリフが帰ってきた。受話器の向こう側から「えぇーっ!?」ってティオがはやし立てる声が聞こえる……。おそらく大海恵も顔が赤い事だろう、うんうん青春してるとニヤニヤしてやれば良いのか何なのか。個人的に幼馴染系ヒロインを応援したい立場の俺としては複雑な心境だ。水野ちゃんガンバ!

 そんな俺の謎エールが届いたかどうかは定かじゃないが。気を取り直した清麿君が、あらためてこちらに確認してくる。

 

『春彦さんから、珠紀さんの話も聞いたんですけど、あらためて。スギナとツヅリ、二人が戦ったツヅリのお姉さんのパートナーは、操られていたんだよな』

「そうだな。タオリは…………、スギナがめっちゃ煽ってた」

「ヘーイヘーイヘーイヘーイ」

 

 ニッパーでランナーをカットしながら、いつかの煽りを繰り出すスギナ。向こう側でティオの悲鳴が聞こえた気がするが、大したことじゃないと思うのでスルーする。

 化野先輩も「青少年の心に深い傷を残していったわ……」とか言ってるが、いや、それは操られていた話と直接は関係ないんじゃ……。

 

『あの千年前の魔物たち…………、石板に封印されていた魔物のパートナーたちも操られてたんだが、人の心を操る魔物というのは、そうはいないはずだ。

 そして俺とガッシュはついこの間、その「心を操る魔物」、ロードと出会ってる』

「ロードねぇ……」

『そのロードと言う魔物、春彦さんたちが知ってるそいつと一緒なんじゃないかって思ったんだ。その確信を得たいから、情報を集めるために確認させてほしい』

 

 確かタオリはゾフィスとか言っていたか。仮面を被ってこちらを見下したような振る舞いをしていた、と続ける清麿君だが、その感じからして偽名を名乗ってるってところかな? わざわざ偽名を名乗る必要はないと思うんだが。

 そのあたりのことを一切包み隠さず話すと、清麿君は少しだけ黙り、こう結論を出した。

 

『…………誰か知られたくない相手がいるってことか? 多分、あれだけのことをやってる魔物だ。恨みは多く買っているかもしれな――――ッ、いや、待てよ!? それならむしろ、パートナーだって操られていないなんて保証はどこにも、ない?

 石板を集めて、元の魔物に戻すにしても、その数はパートナーを含めて40かける2の80。サイズだって魔物ごとに大きく違うだろうし、一拠点にまとめて置けるほどの人数じゃないはずだ。とすると敵の拠点はもっと遠いし、そんな無茶に付き合えるような体つきをしてはいなかった、彼女は』

「それは……、いや、普通にありそうだね」

 

 何かしらの思考の飛躍を見せた清麿君は、そのまま情報を整理して、そして一つの結論を出した。

 

『ロードことゾフィスは、あの爆発を使う魔物は「自分の名前を知られたくない」誰かがいる。そしてそれはパートナーにも関係していることで……、もしかして知られたくない誰かを、恐れてる?』

 

 展開をよく覚えてはいないのだけど、ブラゴが何かの魔物の子を泣かせていたシーンだけはなんとなく覚えているので、多分その推測ってかなり精度が高いんじゃないだろうか。

 

『ありがとう、春彦さん! 珠紀さんも! おかげで絶対、あの魔物を王にしちゃいけないって確信が持てた』

『ウヌゥ……、許してはならぬのだ!』

 

 そして電話越しにテンションを上げた清麿君たちは、今後の方針として殴り込みの準備をすることにしたとか。手始めにロードの居場所を探れないかという話になり、手掛かりはあるという話をした清麿君。

 なんとなーく少年漫画的なメタ読みが働いたものの、元気にして気分を上げて「心の力を底上げしている」ところに水を差すのは憚られたので、俺は思いついたことを聞かずに電話を切った。

  

 ……多分絶対、相手の調査とか一通り終わって偵察を回してたりするんだろうなーっていう。それで多分あの調子だから、清麿君が調べ終わった頃に手紙を送って散々煽るんだ。俺とスギナも戦闘中、さんざん煽られたからなァ! スギナのチョコエ〇グの当たり率の圧倒的な低さとかよォ!

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 ……びっくりするくらい何も、なかったね。

 先輩たちが襲撃されないのは清麿君と一緒に撃退していた実績があるからというのはわかるのだが、年が明けても平然と、先輩とツヅリと一緒に初詣に行ったり、出店で食べ歩いたりツヅリがスギナと一緒にくじを引いて縁結びに程遠い結果に涙してたりといったこまごまとした話はあるのだが、結局のところ本筋が何一つ! 何一つ! 進んじゃいねェ!

 スギナも冬休み直前にいよいよ真面目にクリアしにかかった結果、F〇IXに対して「大味」とか生意気な感想を述べるくらいには平穏というか、本当に何一つ進展がないというか。やっぱり清麿君周りがあからさまに騒がしいだけで、意外と余裕があるのかしらねこの世界。

 

 ちなみに年が明けても、ミールさんから連絡はない。年末年始の挨拶のメールくらいは返信してくれたけど、雑談に講じる訳でもなくそのまま、そのまま。以前が嘘のように静かになった我が家だが、これはこれで寂しいものがある。

 だからと言う訳じゃないけど、スギナと一緒に遊びに出て。とはいえ明日は大学もあるし遠出する感じでもなく、買い出しと物色がてらにおやつをファーストフードで買うか買わないかというのをスギナと色々話している時だった。

 

「だから! アップルパイはいやだ!」

「もっとイントネーションを流暢に」

「アポゥパァィ……って、何で?」

「特に理由はない。でも、シェーキよりアップルパイの方が冬場だし温かいし良い事ずくめだと思うんだが」

「ヨーグルト味があるから、そっちが呑みたい」

「味だけでお腹にはあんまり良くないぜ? 乳酸菌もいないだろうし。……って、どうした? 急に立ち止まって」

「この魔力は…………」

 

 

 

「――――メルメルメ~~~~」

「ウマゴンくん、何故……!?」

 

 

 

 スギナが視線を横に向け。それを追うように俺も横を向くと。そこには頭を抱えて呻き、その場に崩れるウマゴンと、キッドを肩に乗せ困惑しているナゾナゾ博士。

 

 そして――――日本人ではないが、どこか見るだけで妙に頼りがいみたいなのを感じ取れるおじさんが一人。

 しゃがみ、ウマゴンの頭を撫でると彼はナゾナゾ博士の方を向く。「ドクター・ナゾナゾ。これでは『まだ』戦えないだろう」と言う。

 

「くっ……、しかし春彦君に頼れない以上、ガッシュ君と強い絆を持つ君なら、必ずや彼らの助けになるというのに…………」

「すまないが、わかってやって欲しい。この子も苦悩しているんだ。初めて会った私でもわかるくらいなのだから……、この子の感じている辛さは昨日今日に突然起きたものではない。戦いへの恐怖と、友の力になりたい心との狭間で引き裂かれそうになっているようだ。

 ドクター・ナゾナゾ。あなたが『千年前の魔物の石板』経由で、その伝承から血縁を手繰り、パートナーだった人間の血筋を割り出し、この子のパートナーたりうるだろう心の波長を推測して私を引き合わせたのは、間違いなく正しい行いだろう。だからこそ、私はこの子の意志を、ひとまずは尊重するべきだ。パートナーであると、少なくとも『本』がそう認めているのならば」

「そっかー。いい人だね、サンビームさんって」

「むぅ……。仕方がないか。怖がったまま、苦しんだまま戦いになったとしても、いざというときに足手まといや味方の弱点になりかねない。皆、心優しい子たちばかりだからな。必要以上に気にかけてしまえば、それだけ足を取られることになりかねない。サンビーム君も言った通り、これは辛く厳しい戦いになるだろう。私とキッドとて、生き残れる保証はないほどに。

 ……ウマゴンくん、これを清麿君に手渡してはもらえないだろうか。戦いの場が記してある」

 

 メルメル? と涙声ながら顔を上げたウマゴンに、手紙を手渡すナゾナゾ博士。

 そしてサンビームと呼ばれた男性は「本は預かっておくよ」とウマゴンに言う。メル!? と驚いて固まるウマゴンの、しかし頭を撫でるサンビームさん。

 

「今はまだ決心がつかないのだろう。だからこそ、私も呪文を唱えたりはしない。ただそれでも、運命と言うのが君や私を待ってくれるとは限らない。その時、かならず君に力が必要な時が来るだろう。

 その時が来ないことを祈りたいが…………」

「メ……、メル~~ ……」

「……大丈夫、どんな選択をしても私は君を尊重しよう。なにせ君はイカした(グルービー)な目をしているからな。うむ、イカしてる(グルービー)

「メル?」

 

 うん、何か良い事言ってる風だったのだけど、最後だけ何かおかしい。ニヤリと笑ってサムズアップをウマゴンに見せるサンビームさん。意表を突かれた形で泣き止んだウマゴンは、自分の手を見て、サンビームさんのサムズアップした右手を見て、何を思ったのか楽しそうに手と手をぶつけて、元気よく走り去っていった。

 そうか、ついにパートナー見つかったのかウマゴンも。……俺、全然からんでないけどな。スギナは割と遊んでたから顔合わせしてるらしいけど、俺に関してはまぁ、その、うん、原作への絡み具合的にアレよね(白目)。

 

 その後、ナゾナゾ博士と別れたサンビームさんは、伸びを一つ。途中から野次馬モードになって隠れていた俺とスギナだったが、そろそろ帰っても良い頃合いだろうか。スギナも念を入れて気配を消して(魔力を消してる?)、見つからないようにコソコソ交差点の手前の大きな街路樹に隠れていたお陰か、野次馬してる俺たちには上手い事勘付かれなかったみたいだし。

 なんとなく原作の、一つの重大なシーンを見た感じで俺としては謎の満足感があって、スギナは「シュナイダー、よかったな」とか言ってうんうん頷いてる。シュナイダーって何?

 

 そんなことを考えていると。

 

 

 

「さて、そこに隠れてるのはドクター・ナゾナゾの言っていた花柄春彦君とスギナかな?」

 

「ファッ!?」

「何、だと……?」

 

 

 

 ブラフで言ったのか確信があって言ったのか定かではないが、思いっきり俺達の存在を補足した物言いをするサンビームさんとやら。思わず二人そろって変なリアクションをとってしまったが、特に揶揄われるでもなく彼はじっとこっちの隠れてた街路樹の方を見ている。何と言うか、見られていて落ち着かない目だ。ちょっとだけナゾナゾ博士とかと似ている「こちらを見透かすような」何かと言ったらいいだろうか。

 とりあえず頭だけではなく全身、二人そろって出ると、彼は「そう怖がらないで良いさ」とか言って、にっこりと笑った。さっきまでのウマゴンに向けてた生真面目な表情とは違う、気の抜けた笑みだ。

 

「カフカ・サンビームだ。しがないエンジニアだよ。そう取って食う様なことはしない。少し話を聞かせてはくれないだろうか」

 

 おやつ代くらいは奢るさ、と笑う大人な雰囲気のこの人に、俺もスギナもなんとなく警戒していた分、少し拍子抜けして。そのまま彼の言葉通りに、近場のマ〇クに一緒に入った。……んー、何か聞き覚えのある「ハイド!」「泳太!」って呼び名が聞こえる気がするが、アルバイトしている訳でもないのでここは良しとしておこう。スギナが強請った結果、アップルパイにシェーキに季節限定フレーバーのポテトとナゲットと、胃袋的には大盤振る舞い。予算的にはそこまでではないが、なんとなく恐縮する。

 もっともサンビームさんは気を悪くしてるわけもなく、俺とスギナにこんなことを聞いてきた。

 

「君たちから見た、この魔界の王を決める戦いと言うものを、教えてはもらえないだろうか。

 既にあの子が巻き込まれている戦いも、後半戦に入ったと聞く。だからこそ、選ばれたならば私も、あのウマゴンがどんな立場にいるのか、少しでも知らなければなるまい」

「構わないと言えば構わないですけど……。いや俺達割とあんまり戦ってないから、話すとしたらウマゴンが仲良くしてるガッシュの方の話がメインになるか」

「……何でそんなこと、知りたがるんだ? あいつ、戦いから逃げたのに」

「本当にそう思うかい?」

 

 サンビームさんの問いに、スギナは少しだけ黙って。

 

「…………ル〇クだって最終的にジ〇ダイになってるから、そういう流れの一つとして最初の旅立ちを拒否する、みたいな典型の話って確かにテンプレでよくあるけど、現実はそこまで甘くないだろ」 

「スタ〇・ウォーズか。良い趣味しているな。キマってる(ロックな)物言いだ」

 

 大人だ、大人すぎる……! スギナのあえて煙に巻くようなオタク的物言いを正面から受け止めて否定しないこの人聖人か何か? スギナですら目を真ん丸にしてびっくりしてるし。何気に半眼じゃない表情はレアなスギナである。

 そして驚いている俺とスギナに、彼は「心配するな」と微笑む。

 

「ドクター・ナゾナゾが君たちを警戒しているのは、なまじ彼の方がより多くの物事を見て、その流れを知っているからだろう。人の善悪、判断、心のあり様。……私から見れば、二人とも年相応に子供だと思うのだがな。

 ……嗚呼、心配することはないとも。あの子は強い目をしている。例え恐怖に負けそうになっても、いつかその心に宿した小さな炎が、やがてあの子の願いのために力を貸してくれるはずだ」

「ヘッヘッヘッヘッシンパイスルコトハナイ」

「ウルトラマ〇か。恐縮だが業務上過失致死傷の経験はないな」

「ファ!?」

「スギナ、たぶん無駄な努力だ」

 

 謎の対抗心を燃やしてるスギナの頭を撫でつつ、サンビームさんの目を見る。やっぱり得意とは言い難いが、それでも悪い人ではないんだろうなぁというのは判る。というか、判らされる。そのやりとりが妙に居心地悪くて、俺とスギナの心が汚れているように感じられて、ため息一つ。

 別に断ることも、拒否するような話でもないのだ。……ならいっそ、こっちもよりフランクになるように心掛けながら、清麿君とガッシュの物語、それを少し聞きかじった部分を中心に紐解き始め――――。

 

 

 

「どうでも良いけど、あいつ本名はシュナイダーだから。ウマゴンって清麿が勝手につけた名前だから」

 

「何、だと……!?」

イカした名前(グルービー)じゃないかッ!!?」

 

 

 

 どうやら最後の最後まで一泡吹かせよう(?)と抗うらしいスギナに、むしろ俺の方が驚かされた。お前、知ってるならウマゴンじゃなくて本名で呼んでやれよ!? 何でわざわざウマゴン呼びしかしなかったのぉ!!?

 

 

 

 

 


・ナゾナゾ博士から救援に呼ばれなかった春彦:

 春彦もミールとのつながりを警戒されてるかもしれないと言う発想が出て来た。ナゾナゾ博士としては、表向きの理由はいつミールによって連れられているか、連れられている先からいきなりモチノキ町まで戻るとそれはそれで不自然な状態を清麿たちに目撃されかねないだろうと言う配慮、ということにしてる。

 

・恋愛事情の勘違い

 水野ちゃんを幼馴染と勘違いしてる春彦。実際の所は中学からのクラスメイトなのだが、あの妙な距離感の近さを思えば誰だって勘違いする筆者だって近年までする(してた)。

 

・強襲!! 仮面の悪魔ロード:

 本作ではこちらもアニメ準拠でシナリオに組み込み。多分ゼオンが近隣にいることを察知して、同じ「ベル」だろうガッシュの強さを測りに来た。

 ちなみにあっさりゾフィスって名前を教えられてるので、ゾフィス君は泣いて良い。

 

・謎の只者ではないオーラなサンビームさん:

 初期サンビームさんはほぼアンサートーカ―のそれなので、本作でもそんな感じになってます。ただスギナの謎の抵抗(?)に即答できたのは、能力故ではなく普通に面白おじさんだから。なおサンビームさんを特定した方法は、原作ナゾナゾ博士の動向からの類推です。

 

・シュナイダー呼びをしないスギナ:

 例によって現代に来た時に忘れられてたので、スギナの方も忘れられたフリをしてる意趣返し。クラスとかでも浮いている人間特有(?)の耳の良さによって収集された情報の使い所がないと言う話でもある。成長してもやっぱり性格が陰の者。

 

 

 

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