広い大地の片隅で眠る   作:黒兎可

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ナゾナゾ博士ェ・・・


P019.STILL TIME

 

 

 

 

 

「うわあああああっ! や、やっぱり『首絞めティオ』だあっ!!?」

「ウヌ、首絞め……? スギナたちも前に言っておったな。一体どうなっておるのだ、ツヅリ?」

「ちょっと! あんた何言ってるのよ! ツヅリも変なこと言うと許さないわよッ!」

「ひぇっ!?」

 

 

 

「何か聞こえますね、サンビームさん」

「うむ……。シュナイダーの声が聞こえないな。ところで首絞めとは?」

「異名だよ異名。というかティオって首絞めがライフワークみたいなところあったし。夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしているみたいな」

「どんなライフワークだッ」

 

 何やら吉良〇影みたいなことを言い出したスギナにツッコミを入れる俺と、何やら真顔で興味津々っぽいサンビームさん。改めて思うけど、この三人で一緒に行動してるって言うのは、何とも妙な縁を感じる。

 

 南アメリカ某所、ジャングルの奥地にあるとある遺跡……が見えるその周辺のどこか。座標的には南側になるんだろうが、そんな場所で俺達はさ迷い歩いていた。

 

 ことのあらましはつい先日、ナゾナゾ博士から、敵の首魁たるゾフィスの拠点としている場所の情報と、襲撃予定の日にちどりのための連絡先が渡されたことから始まる…………、サンビームさんのもとに。

 うん、どうやら完全に俺やスギナは眼中にない扱いになっているらしい。なんなら先輩の方も連絡がいっていたらしく「付き合いがあるから顔出してくるわね~」と当日の朝に軽くメールが入ったくらいの滅茶苦茶さである。先輩に関しては大海恵程とはいわないにしても、アルバイトの予定調整などあったろうから、おそらくかなり前の段階でスケジュールが共有されていたことを思うと……。

 ともかくサンビームさんから連絡を受けた俺は、改めて先輩に詳細を確認しようと電話をかけたが、そちらはどうやら電話が切れていて、状況的に電源を落としているとなると、ひょっとして既に海外に旅立っているのでは? という疑念が生じた。

 あれ? ひょっとしなくても清麿君たちと一緒に旅立ってるのか? とか、色々疑念が湧いてくる俺だったが、そんな俺達に急な話だがとサンビームさんからこんな提案。

 

『飛行機のチケット、三人分すでにとってあるのだが。一緒に来るかい?』

「それは、是非」

 

 あんまり原作に関わるような話でもないのだろうが、ツヅリペアがガッシュたちについて言ってるというのがなんとなく気がかりだ。俺がスギナを変えたことによるバタフライエフェクトというかIFルートみたいな話なんだろうけど、あの妙なところで裏切りをかましそうなシビアなところのあるツヅリが完全に主人公チーム! ってなってるガッシュたちの中にいるというのは、それはそれで嫌な予感がする。

 スギナに聞いても感想としては一緒で「僕たちもいった方がいいよね」と謎の使命感にかられるように、マントを羽織った。

 そんなこんなでサンビームさんと一緒にエコノミークラスを乗り継いで乗り継いで。日本でまだ上映されてないマトリ〇クスとか見ながら到着後、サンビームさんの知り合い経由で現地のボートを出してもらったのがついさっきまで。どうやら俺達よりも先に数人が先行していたという話が聞けたので、おそらくガッシュや清麿君たちだろうとアタリをつけたのだが、いかんせん遭遇しない。

 

 そうこうして道なき道を進んでいた時に、キャンチョメ、ガッシュ、ティオ、ツヅリの叫び声が聞こえたという感じだ。

 どうやらあの感じからすると、キャンチョメだけは現地合流だったのだろうか。もっとも「うわああああああああ!?」とその後も時折聞こえる声はキャンチョメのそれだけだったので、リアクションに大変困るのだが。

 

 そして木々の間で声が反響して、地味に見つけづらい。

 

「スギナ、植物経由でガッシュたちの居場所って見つけられないか?」

「…………ん、駄目だ。対策されてる。多分あっちにも植物属性の術使いがいる。ある一定の範囲を超えると、僕の言葉に耳を傾けてくれない。

 よっぽど美味しい魔力でもしてるんだと思う。……女の子?」

 

 戦いで使う分には支障ないけどね、と言うスギナだったが、それでも地面に手を当てて顔をしかめる様は珍しい。ちょっとふてくされてるように見えたので、とりあえず頭を撫でておいた。

 サンビームさんは何故か手元に持ってる定規っぽい何かと太陽の角度、ここから見える遺跡とを見て何か携帯端末を操作している。何をしているかを聞いてみると。

 

「道としては、ズレてはいないようだ。……嗚呼、そうだな。我々の向いている方角の検証している。

 観光マップで事前に少し確認したのだが、あのデボロ遺跡を始めとしたここ近辺の遺跡は、太陽と月の動きにそって配置がされているらしい。そこから逆算して、動きにロスがないか、というのを見ていた」

「ロス、ですか。まあ確かに、距離が離れれば離れる程に角度のズレってどんどん大きくなりますからね。カメラとか」

「おおむねその理解で正しい。こうも慣れない土地に足を踏み入れるのだから、体力の温存は死活問題になりかねない。

 ドクター・ナゾナゾからも、もし来るのなら留意してくれと一報あった」

 

 まあ体力に関しても、いざとなればチャージオ・ジュモルクのヤバイ色したリンゴがあるとはいえ、あれは瞬間的なドーピングみたいなものだから長期間の使用には向かないし、妥当と言えば妥当だろう。

 それに、なるほど。このサンビームさんの言い方だと、ウマゴンことシュナイダーは「戦う決意」まだしていないのか。だからナゾナゾ博士もサンビームさんを強制するようなことは言わず、あくまでも彼の判断に任せた、と。それでも来たと言うことは、サンビームさんなりにシュナイダーを信じてるからということなんだろう。……なんとなくあの時、サンビームさんのサムズアップに嬉しそうにしてたウマゴンがどう思っていたか、判った気がする。他者間のやりとりでも、妙に心を高揚させてくれるのだ、こういうのは。

 

 スギナも同じような感想なのか「くすぐったやい」と鼻の上を少しかいて、サンビームさんから視線をそらした。

 

 ――――そして、ここで気づいた。

  

「春彦、ヤバい……! 誰か、来る」

「誰か? 誰かって――――」

 

 

 

「――――『ギガ・ラ・ミエル』」

 

 

 

 スギナが手を合わせて地面につけるのと同時に、とっさに「アーガス・ジュロン」を唱える。雑に全体防御が出来るこれだが、スギナの慌てぶりが尋常じゃない。最初にミールさんたちと戦っていた時ほどの狼狽ぶりじゃないが(あの時号泣してたし)、いきなり術を展開したことに驚いたサンビームさんをよそに、そう、何か聞き覚えのある音がアーガス・ジュロンに穴を開けた。

 ビシュゥン! とか、ビリビリビリビリ! みたいな効果音じみたものだ。聞き間違いはない、ジェ〇ザウラーとかあのあたりの砲撃の音。一発でアーガス・ジュロンが焼き切れて城半部が吹っ飛ばされて、スギナも俺もサンビームさんもびっくり仰天。多分すごいギャグ漫画みたいな驚きっぷりだと思ってる。

 

 で、ジュロンの木々がさぁと煙を立てながら焦げたまま地面に戻っていくと、その先に見えたのは。森の木々の奥で、立方体というか正八面体ダイス的な水晶状何かがぐるぐる回転しながら、徐々に徐々に変形していく様…………。

 

「ラ〇エルじゃん!? 絶対ラミ〇ルじゃん!!?」

「かか、完全に使徒のじゃねぇかコレーッ!!?」

 

 俺達の反応に「エヴァ〇ゲリオンか……」とかぼそりと言ってるサンビームさん。この人なんでこのテのに詳しいんでしょうかね。俺達みたいにアニメオタク漫画オタク気質ってわけでもないだろうに。いや話は通じやすいし面白いおじさんだから、これはこれでありがたいんだけどさ。

 

 というかこっちを狙ってまた何か変形してるのが木々の奥から見えるし、ああもうっ!

 

「第13の術『オージグル・マ・ジュロン』!」

「縛るよ春彦――――ッ!? って、これマジ!?」

 

 形成された釣り竿のような気の杖を地面から引き抜いて構えたスギナだが、あのラミ〇ルとこちらの間の木々を操作し始めた瞬間に異変が起きた。

 

 デカくなった。そう、デカくなったのだ。

 

 ガラスとかをこすり合わせたような音というか、女性の声みたいなというか、そんな音がキンキンと反響しており、耳にも痛く存在感がデカすぎる。ウルトラマ〇ほどとかじゃないが、森というかジャングルというかの木々より明らかに背が高い。高すぎる。なんとなく見下ろされてる感じがするし、そしてその感想も間違ってはいないだろう。

 

「『ラージア・ミエル』」

 

「サンビームさん、後ろに! ちょっと足止めするから!」

「わ、わかったがどうするんだ!」

「春彦、『ジュオウ』行ける?」

「ギリギリ、か? ま、やらなきゃ即死だから洒落にならねぇからなあ!」

 

 こと生命の危機にはあっという間に心の力が溜まる俺とスギナのチキンなハートよ。

 傘みたいな感じに変形してぐるぐる回転し始めた時点で、頭の中ではエ〇ァの全方位砲撃のイメージしかわかないのだ。こりゃもうどうしようもないと色々覚悟を決めて、ページを戻してめくり唱える。

 

「――――『ジュオウ・リシルド』ォ!」

 

 杖を肩に担ぎながら、左手を前方に向けるスギナ。その方向に一瞬大きな顔の幻影がうかぶと、それに合わせて地面から猛烈な勢いで人面樹が生えて来る。

 

『ジュラララララララ――ッ!』 

『――――――――――――!』

 

 一本の巨大な人面樹が大口を開き、使徒もどきから放たれる明らかにヤバイ光線をガンガン喰らっていく。口がまるでブラックホールであるみたいに、回転して照射される砲撃は「空間を曲げて」ジュオウに吸い込まれていく。

 それと同時に「きゃっ!?」と女の子みたいな声が上空、あのラミエ〇っぽい方から聞こえて、そのまま一気に小さくなってひゅ~と漫画的な感じで地面に墜落していった。森の中に入ったから見えないけれど、うーん、やっぱり魔力を使って姿を変えていたってことか。

 

「よし今のうちに……、『ジュモル・ヨーヨー』!」

「よいしょっと」

「おぉ!? た、タ〇ザンか。…………いや地域的にも洒落にならないな、ジャングルの奥深くということを鑑みると」

 

 何やらブツブツと言い始めたサンビームさんもツタで巻き込んで、俺たちはその場を「あ~ああ~」と三人仲良く輪唱しながら後にした。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 千年前の魔物たちとの闘いの最中。彼等にも全員意識があること、何かしら魔物の側にも心に縛りがかけられていること。そして、彼等を回復させるだけの何かが存在すること。そういった事情を理解した上で、それを語ってくれたアルムって魔物のパートナーだった人とか、戦った魔物のパートナーたちが入り口の方に行くのを見送った後、俺たちは俺たちでまた先に進む。

 

「わぁ! 空ね、広々と見えるわ!」

「ウヌゥ、本当なのだ!」

「清麿、水だ! 水が流れてるぜっ!」

「ああ。さっきの水のエリアといい、ここの遺跡はまだ水道が生きているのか。……いや、復活させたってところか? 濁ってないけどカルキの臭いはしないし、湧き水を使ってるみたい、だな。

 生水だから沢山は駄目だけど、そのままでも飲めそうだ」

「そうか、心を操られてる人だって水がないと生きていけないものね……」

「どこかに食料とか貯め込んでるとか? 資金力……がある感じじゃなさそうだし、まーた心操って盗んできてるのかしら」

 

 恵さんや珠紀さんの言う通り、ここには人間が生活できるだけの拠点がある。この広いテラスが休憩スペースのようになっているのと同様に、おそらくこの遺跡の施設内には何か所か、人間の補給が可能なスペースがあるだろう。

 排泄関係は途中の大型ボートである程度済ましてきたとはいえ、新たに水道施設を引いたならトイレもあって不思議じゃないだろう。そういう意味じゃ、どこかで探していった方が良いんだろうが……。

 

 …………そしてフォルゴレは「ハーッハッハッハ!」とか言いながら、何かを水に漬けて冷やしてる。アレは何をしたいんだ?

 

「あら? ツヅリどうしたのかしら。ちょっと元気になったわね」

「うん! お姉ちゃん、あのね……、たぶん来てる! 近くに!」

「あらそうなの? ふぅ~ん…………」

「珠紀さん、どうしたんだ?」

「あー、いえ。スギナ君と春彦君が近くに来てるみたいって、ツヅリが感知して」

「! そうか、それは……、助かるな!」

 

 少し元気になった俺に「ウヌ!」とガッシュも両手を握って笑顔を浮かべる。キャンチョメウマゴン、ティオはともかく、ツヅリもまたガッシュに応じて「うんうん!」と凄い嬉しそうだ。ナゾナゾ博士から「風を操る魔物の子と共に、今回は参加できるか怪しい」と聞いていたからどうなるかと思ったが、来てくれるなら心強い。

 そしてフォルゴレは話を聞いていない。……春彦さんファンだし、ちょっと可愛そうだった。

 

 とにもかくにも体と心の力を回復するために、しばらく休憩ということで各々に座る俺達。恵さんは水筒片手に水を湧き水上流に汲みに行って、ガッシュ含む子供たちは下流の方へ直に水を飲みに行ってる。ちなみにフォルゴレは最下流の方、テラスギリギリの方にいって何かやってる。

 そんなガッシュたちの後方に座ってノートを取り出し、アルムの言っていたことを簡単にまとめていく。そんな俺の手際を興味深そうにのぞき込んでくる珠紀の距離が、ちょっと近い。

 

「上手なものねぇ。方眼ノートでやってるのはスケッチしやすくするため?」

「ああ。春彦さんに教えてもらった。こうやって手動でマッピングするなら、線の角度と方向を出来る限り正確に引いた方が、後々の見落としが減るって」

「見落とし?」

「隠し部屋だったり隠し階段だったり。特に今回、俺達が――――」

 

「……何やってるの? 清磨君」

 

 恵さん? 顔を上げると、俺の水筒の蓋をしめてる、ちょっと不機嫌そうな恵さん。俺達全員の分の水も汲んでくれたので、素直にありがとうと言うのだけれど、そういう表情をとられてもちょっと困ってしまう。なんとなく横目で珠紀さんを見ると、珠紀さんは珠紀さんで恵さんと俺を見比べて「はは~ん」と半眼でニヤリと笑い。

 そのまま立ち上がって恵さんの後ろに回り、両肩をもって耳元で何かささやいた。

 

「――――」

「ええっ!?」

「大丈夫大丈夫! そこのところ気にしないで座っちゃいなさい、ほらほら!」

「いや、一体何を……?」

 

 そして何故か俺と肩がくっつくように、恵さんを座らせちょっと距離を置く珠紀さん。一体何がしたいんだあの人!? 全力でからかってるのはわかるが、そういうのはちょっと控えて欲しい。戦いが間近に迫ってるのだから、もうちょっと緊張感を……。いや、これもこれで緊張感はあることだけど、なんとなく脳裏に水野の奴の能天気な笑顔が過る。

 それはそうとして恵さん、普通に綺麗だし可愛いので、こう間近に迫る距離感だと流石に照れる。顔を背けながら「今まで来た道と聞いた情報をまとめている」と説明して、俺は顔を逸らした。

 

「あ、え、ええっと、ここから入って来て……、あっちに繋がってるの?」

「ああ。どうやらゾフィスがいるのは、あの巨大な球みたいなものがある塔ってことになる。そこまでにどんな敵が待ち受けているか……」

「先は短いようで長いってことね。…………そういえば清麿君、真美子さんのパートナーだった、えっと、アルムって子が言ってた話だけど。月の光って――――」

 

 そして真面目に話してる後ろで、ガッシュたちがわちゃわちゃと煩い。聞こえる言葉の応酬を聞くに、全裸のガッシュがキャンチョメやウマゴンに圧されてティオと追いかけっこしている感じか? ツヅリはいつの間にか珠紀さんの膝の上でうつらうつらしているらしい。

 流石にそっちに気を回す余裕はないので、恵さんの話に集中する。月の光、それを浴びると力が満ちるとあのアルム、どこかピエロのような、ロボットのような魔物は言っていた。大なり小なり、その正体や所在を掴んでおきたい。おそらくそれが今回の戦いの鍵になっていく。俺達が利用できるかもしれないというのもそうだが……、それ以上に一つ気がかりな可能性が、俺の中で疑念として存在している。

 実際にゾフィス、ロードを名乗っていたあの魔物が人を操る場面でも見れば、それは確信に変えられるんだろうが――――。

 

 

 

「うわぁあああああ!? ティ、ティオが『首絞めティオ』にっ」

「メルメルメルメルメルメルメルメルメルメル――」

 

「ヌ……ヌグ、ハァアアアァ……ッ」

 

 

 

 そして怒りのあまりか額のあたりをすりむいているティオが、ブチギレてガッシュの首を締めあげていた。今までのことから結構頑丈だから大丈夫だとは思うのだけど、相変わらず凄い顔してるな。ウマゴンもキャンチョメも泣きながら逃げまどっている。ツヅリはツヅリで珠紀に抱き着いて顔をうずめているから、どちらにせよ魔物たちに怖がられているらしいティオだった。多分、スギナもいたらいたでキャンチョメたちと大差ないリアクションを取っているだろう。

 恵さんの「少しは身体をやすめなさーいっ!」という一喝で気を取り直して……、何故かフォルゴレが冷やしたメロンを持って来た。ともあれ人数分、恵さんが器用に切り分けてみんなで分け合って食べている。珠紀さん達も含めてメロンはもう「ビクトリーム!!!」一つ。少しだけ気が抜けてるけれど流石にこうして笑顔になってるのを見ると、なるほど確かにフォルゴレが言うように、気が立っているのはお腹が空いている証拠というのも納得させられる。あのオドオドしてるツヅリですら素直に笑顔になっているし、さっきの正気を取り戻したパートナーたちに関しても、フォルゴレのネームバリューが大きかったことも理解できるし、心の力の回復にも効果がありそうだ。

 こういう気遣いができるのは、春彦さんも言っていたし、実際にあの病院でのリトルコンサートを考えると、子供達にとってもスーパースターだというのに説得力は「ビクトリーム!!!」あるか。

 そしてフォルゴレは「私は一個で良いよ。運動がてら、メロンの素晴らしさを身体で表現せねば!」とか言ってブリッジを取り始めてる。いや、うん、スーパースターなのは間違いないんだろうが、やっぱりフォルゴレは変な人だった。

 

 さて。魔物の子たちがまだわいわいとメロンがどうこう言ってるのを聞きつつ、俺も情報整理を続けようとして。恵さんが「まだもう一個あるから取り合いしないのっ」と笑顔で諭してるのを聞きつつ――――。

 

「ご歓談中のところ申し訳ないが、敵がやってきたようだ。すまない……、空気の読めない男で、本当にすまない……」

「ねぇそれ何のネタ? 何のネタ?」

 

「は、春彦さん!?」

 

 そしてどこからか現れた……って、テラスのところにスギナの手から伸びるツタが繋がれてるから、そこから這い上がって来てるな。再会の挨拶とかをするよりも先に何とも言えない顔をした春彦さんが、建物の奥の方を指さしていて。

 そちらを見た俺達は。

 

 

 

「~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

「て、敵だァ!!?」

「しかもめちゃくちゃ怒ってる!!!」

 

 

 

 そこにいたのは、俺達に向けて怒りに震えている「V」のような形状の装甲が頭と胴体に連なった独特な魔物の子。

 と、とにかく本を、と構える俺達をよそに、春彦さんだけは「メロンか……」と何とも言えない表情で呟いて、はっと何かに気づいたような顔をしていた。

 

 

 

 

 


・ナゾナゾ博士からスルーされる春彦たち:

 今までの流れから言えば残当。化野先輩が情報共有しなかったのは、先輩的な眼力で意外と荒事に向いてはいない性格だと見抜いているため。ただサンビームさんからは太鼓判を押されているため、一緒に誘われた。

 

・使徒じゃん!?:

 絶対言わせたかったやつ。今回の戦闘でもジュオウを使わなければ普通に敗北していたので、春彦的にはそこそこ心の力を削った流れ。ちなみに本作ミラコが女の子の声なのは、本家〇ミエルの断末魔(新劇場版)由来。翌日にはジュオウに吸われた能力も回復してるので、原作通りブラゴ足止め用にぶつけられる予定。

 スギナくらいの年齢の子に当たり前のようにエヴァを見せている本作春彦の神経はちょっとどうかしていると思う(小並感)。

 

・ツヅリが合流してる石板魔物編前半戦:

 清磨がそれなりに上手く使い、魔物が一人増えたことで多少余裕ができたはず。ただバオウ・ザケルガを使ってるので、清麿本人はどちらにせよエネルギーをいっぱい分捕られて疲労は積み重なっている。

 

・ハイド&泳太ペアについて:

 一応生き残ったけど、普通に大けがして入院した。現在リハビリしながら通学中。

 地味にこの時点でのシン級到達者なので、MJ12が警護に回ってるかもしれない。

 

・嫉妬する恵さんと意外とポンコツじゃない化野先輩:

 一応化野先輩は美人さんなので、弟分を扱うくらいの近い距離感ならそりゃ恵さんも嫉妬する。当然察されてるので、耳元で「せっかくだしもっと密着しちゃいなさい! あれでかなり初心っぽいから」とか囃し立てられもする。

 

・サンビームさんが合流してない:

 ウマゴンの心が決まるのを、入り口近くで待っている。多分解放されたパートナーたちともちょっと顔合わせしてる。

 

・華麗なる「V」

 お ま た せ(比丘の鬼)。アニメ準拠なので次回、ベリーメロン(予定)。

 

 

 

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