広い大地の片隅で眠る   作:黒兎可

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アホのビンタをお見舞いよォ! by Ⅴ


P027.FLY ME TO THE MOON

 

 

 

 

 

 魔物たちを一掃し、パートナーをこちらに投げ出し。かなり余裕のないゾフィスを嘲笑い、シェリーはいよいよ決戦という気迫。そのまま場所を変えると移動するゾフィスの後を追って、シェリーとブラゴは駆けて行く。彼女たちを見送った後、俺達は月の石の破壊へと向かうことにした。

 催眠が解けているとはいえ、ジュオウ・リシルドの効果から考えれば一時的なもののはず。魔力を万全に取り戻したゾフィスが、再び月の石の力を使えば、元の木阿弥だ。例え掛け直す際に対象の相手の目の前に立つ必要があるとはいえ、万一の失敗を考慮するべきだろう。

 

「済まない、ランスが目覚めないと星の操作に難があるんだ。……起きるまで、ここで待機させてくれ」

「ウヌ! ようやくパートナーと一緒に戦えるのだな!」

「嗚呼、そうだな……!」

 

 パムーンは申し訳なさそうに俺達に謝るが、ガッシュはそんなことより、パムーンに良かったなと声をかけていた。心底嬉しそうな笑みに、つられて微笑むパムーン。

 と、春彦さんとスギナも、パムーンと一緒に残ると言う。

 

「流石にすぐ戦えない状態の魔物の子一人、残す訳にもいかないだろ」

「それは、確かにそうだね」

「春彦さん……、大丈夫なのか? その、何というか…………」

「戦闘力的な話? まー、大丈夫だとは思うが。博士たちが昨日、植物を操る魔物の子を倒してくれたおかげで、スギナもしっかり植物操作できるようになってるし」

「どの植物も不満そうだけどね。やっぱり同じ魔力でも、可愛い女の子から魔力を分けてもらった方が嬉しいとか言ってくるし。

 ……あー、ちなみに、仮に僕が倒されても大丈夫。魔本が燃えても、術の効力は24時間くらいはもつから。普通に日中決着がつけば、気にしなくていいはず」

「ヌゥ、そうではなく春彦やスギナの身を案じているのだ! 清磨も私も、飛びぬけて強いと言う訳ではないが、お主は私たちよりなお戦いは嫌いだろう!? 危ないではないか!」

 

 と、ガッシュのそんな心配するような言葉に、スギナは目を真ん丸にした。数秒そのまま固まった後、春彦さんの方を見るスギナ。

 春彦さんは春彦さんで、何かこうニヤニヤ良い性格してる笑顔を浮かべてる。

 

「…………ありがとう。でも、真面目に大丈夫だから」

 

 ぷいっと視線を逸らすと、スギナはガッシュにそう言った。ちょっと照れてるらしく、ガッシュと顔を合わせない。

 ウヌ! とガッシュもちょっとニヤニヤして俺やウマゴン、サンビームさんの方を見てから「では、後で来るのだ!」と言い、先頭を走っていった。

 

 って、オイ待て!? いきなり走り出すやつがあるかっ! 

 とにかく急いで走っていく俺達だったが、ほどなく遺跡の横穴から「月の石」のある部屋の真下の部屋にたどり着く。そう推測できるのは、かなり太い月の光が天井の穴から差し込んでいるからだ。

 

 そして――――。

 

 

 

怨怒霊(おんどれぇ)――――!!! ガッシュちゃんと私の再会を邪魔するものは、ギッタンギッタンにしてくれるわコンチクショ――――!」

「ぱ、パティ、落ち着くゲロ!? 本物! オイラは本物の方ゲロォ!!?」

「ハハハ、何を言うゲロ。ゲロが本物のビョンコだゲロ」

「よし、今のうちに本を――――っ! 流石にそう簡単にはいかないか!」

 

 

 

 あー、何か見覚えがあるな、アレ。……大きな二つ結わえの髪をしたお姫様みたいな衣装の魔物の子、水の術を使うパティと、かなり初期からゾフィスに従っていたカエルのような魔物の子、ピョンコだったかビョンコだったか……。

 パティが両手両足に鉤爪のようなものを装着したまま(水の術で出来た鉤爪みたいなものだ)ピョンコを追い回していて、そんなパティたちの後方には「異様に身長の高い」ピョンコの姿。いや、間違いなくキャンチョメがポルクで化けているんだろうが……。フォルゴレが「ハッハッハ! どっちが本物かなんて一目瞭然じゃないかっ!」とか言って称えてる。いかん、初めてアイツ等に会ったときのトラウマが……。

 そして隙を見てキッドがパートナーの本を奪おうとしているが、流石にそっちは騙されないのか、パティのパートナーの青年が苦笑いして本を庇っている。ピョンコのパートナーの方はフガフガ言ってて、そっちはナゾナゾ博士と何か話し合ってる。

  

「そうですか、それで…………」

()イツは何じゃ、簡単に悪いやつに従()おって。気持ちは判るが、手は貸せん」

「あの子のことを、しっかり考えてあげているのですね。うむ……」

 

 交渉してるとか、舌戦しているという感じではない? 何というか、普通に意気投合しているように見えなくもないんだが……。

 どういう状況だ、これ?

 

 いや、それよりもキッドたちがいるにるのに、珠紀さんたちの姿が見えないのは、まさか――――。

 

「――――あっ、清麿、ガッシュ」

「ウヌ? レイラではないか!」

「っ! 無事だったのか、レイラ!」

 

 一番太く、月の光が降り注ぐ一角。そこにレイラは、パートナーのアルベールと一緒に居た。アルベールはすやすやと、大きな瓦礫に背を預け眠っている。

 ……そんなアルベールの頬をびたんびたん軽くビンタしているレイラは、一体何を? 普通に痛そうなんだが、月の光のお陰もあって傷にはならず、すぐさま回復しているのが救いか。

 

 それはそうと、レイラはすぐさま立ち上がり「月の光の外へ出て」走って来て、ガッシュの手を取り頭を下げた。

 

「ごめんなさい、じゃなくて、本当にありがとう! パティとビョンコ(あの二人)がいるからゾフィスが負けたわけではないんでしょうけど、それでも、私たちにかけられた暗示をといてくれたの、あなた達なんでしょ?

 大丈夫、もうゾフィスも石化も怖くなんてないもの!」

「ウヌ! 清磨の作戦と、スギナの術なのだ! 

 良かったなレイラ!」

「スギナ? ……へぇ、あのダウナーな感じの子が。そっちにもお礼、言っておかないとね」

 

「レイラ、何があったんだ? って、そういえばビクトリームも居ないな……」

 

 昨日あった時よりもはるかに高いテンションで、ガッシュの手をブンブンと上下にふってるレイラ。俺の方を見て、にこにことしたままガッシュの手を片方だけ放し、今度は俺の手を片方握ってぶんぶん振ってきた。……いや、何か、本当にテンションが高いな。どうしたんだろう。ちょっと痛いから思わずしゃがんでしまう。

 って、おっと!? そのままガッシュと一緒に、月の光の下まで引っ張られた。「ボロボロじゃないの」と言っていたし、なるほど、多少なりとも回復させようってことか

 

「そう! ビクトリーム、ビクトリームも助けないといけないわ! 私に見せしめにするために石にされて、地下に投げ捨てられちゃったの!」

「な……!? でもビクトリームなら、その前にゾフィスに反抗してそうな――――」

「『Ⅴの体勢のまま石にしてやる』って言われたらノリノリで大きな隙を見せて、その間にあっという間だったわ」

「いや何やってるんだよアイツ……」

「ウヌゥ……?」

「でも清麿が昨日、話した通りだったってことよね? こうして『月の光の外に出ても』何ともないんだもの! だったらビクトリームもモヒカン・エースも、今頃意識が戻ってるはずよ!

 それにアルベールだって、もうじき目を覚ましてくれる……!

 本当に、ありがとう!」

「あ、ああ。それは判ったんだが、一体…………」

 

 

 

「ヌグワー!? れれ、レイラが私()ガッシュちゃんと浮気してるじゃないの――――!!?」

「ヌゥ、私は元から誰のものでもないのだ!!?」

 

「哀れね、逆に嫌がられてるじゃない」

 

 

 

 あっ、どうやら流石にパティが気づいたらしい。

 ガッシュが震えながら振り返ると「うヴぁにらぃ――――!?」とか形容しがたい悲鳴を上げてこっちを見てる。

 

「とにかく状況はわからないが、加勢するしかなさそうだ……」「う、ウヌゥ……」

「ガッシュ君、あの怒り様は一体……?」「メルメルめ~~~~~」

 

 ウマゴンが顔を覆ってるのと、なんだかさっきもだったけどサンビームさんこう、結構空気読まないな!? いや、まあそれだけ平常心ってことなのかもしれない。悪い面ばかりじゃない。

 

「撃てる術はまだ、一発! いくぞガッシュ!

 第六の術――――『ラウザルク』!」

「私はまだ回復が追い付いていなくてな。耐えてくれウマゴン。

 第一の術――――『シュドルク』!」

 

 そして術を唱える俺達に応じて、ガッシュとウマゴンそれぞれに電撃が放出されたり、あるいは身体が鎧のように変化。そのまま二人そろって、こっちに爪を振り上げて来るパティへ目掛けて走っていった。

 

 ……ガッシュから「ヌゥ」という困惑の声が聞こえたが、済まない、耐えてくれ色々と…………!

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「あっひゃひゃひゃひゃ! あひゃひゃひゃ!? いや、ゴメン本当にゴメン! だけど耐えられないってその頭は、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ――!!」

「はうっ、スギナのおバカッ!」

 

 爆笑するスギナに、ツヅリは頬を膨らませた。いや、まあ謝ってるから実際悪いとは思っていそうだが、それはそうとして俺も俺でちょっと笑いをこらえるのに必死だ。実際、壮絶な戦いがあったろうことはわかるんだが、それ以上に今のツヅリのビジュアルがビジュアルなのだ。なんなら化野先輩すら笑いをこらえているように見えるので、よっぽどである。

 そんな俺達に、パムーンが「止さないか」と普通にツッコミを入れて来てるあたり、彼の良心が非常によくわかる。

 

 麗しきシェリーお嬢様とブラゴが去った後、俺とスギナはパムーンのパートナーが起きるまでの警護がてら、彼と一緒に表にいた。さっきの「バベルガ・グラビドン」で削り取られた地面がここから見えており、ドン引きしているスギナと対照的に何も感じてなさそうなパムーン。割とここってマヤ・アステカとかの歴史的建造物な気がするんだが、そんなホイホイ原形留めないくらいぶっ壊して大丈夫なんだろうか。こういうところ修繕とか私費ではらうの? 大丈夫か、お嬢様の財政。

 

『せっかくだし聞いておきたいんだけど、カルーラって魔物を知ってる?』

『カルーラ? ああ……、バビルとよく一緒に居た魔物だな』

 

 俺の謎な懸念は置いておいて、スギナはパムーンに例のカルーラのことについて聞く。情報収集か? 何の、と言われてもわからないが、スギナが確認している内容を聞く限り、どうも植物制御についての話らしい。

 言い回しからすると、もしかして若干スギナよりもカルーラって子の方が制御が上手だったって事だろうか……?

 

 そしてそんな話をしていると、清麿君たちが入っていった横穴の方から、1組のペアがやってきた。化野先輩とツヅリだ。化野先輩は「疲れたー」って言いながらワイシャツ姿のままだが、よく見なくてもボタンを掛け違えていてそれはそれでどうなんだろう。あと汗で普通に下着が透けている。色気は…………、うん、まあ、そっとしておこう(薄いスポブラ)。

 そして先輩に注目していた俺と対照的に、スギナはツヅリを見てその時点から大爆笑だった。

 

「いやでも、なんでそんなピカチュ〇の電撃喰らった□ケット団とか、実験失敗で爆発に巻き込まれたみたいな髪型してるのさ。身体も焦げてるっぽいし、完全にアレじゃん!」

「あ、アフロじゃないもんっ!」

 

 そう、アフロだ(無慈悲)。

 いっそギャグマンガの類と言われた方が信じられるくらい、びっくりするほど大爆発ヘアー。浴衣なんだか和服なんだかも黒焦げでボロボロ、先輩がブレザーを貸しているような有様。そしてツヅリは自分のそんな頭をかなり恥じていた。

 

「ま、まあ、その、ね? スギナ君もそれくらいにしてあげてくれないかしら……、プッ」

「お姉ちゃん!?」

「ご、ごめんごめん」

「一体何がどうしてそんなことに……。というか、先輩ちょっと機嫌良いっスか?」

「えっ? わかるんだ。ふ~ん……、ちょっとポイント高い」

「何のポイント?」

 

「その魔力の感じ、お前はベルギムと戦ってきたのか?」

 

 パムーンがそんなことを確認してきて、ツヅリははっとなって化野先輩の脚に抱き着いて隠れた。人見知りを発動したというより、見知らぬ魔物=敵という判定になったのかもしれない。一方の化野先輩は、スギナとパムーンが普通にしゃべっていたのを遠目に見ていたのか「多分味方よね?」とだけ俺に確認して来た。当然、首肯しておく。

 

「だったら大丈夫よ、ツヅリほら。

 ……ベルギムっていうと、あの大きい子のことよね? ええ、戦ってきたし…………、ちょっとツヅリも頑張っちゃって、こんな感じになってるわね」

 

 頑張っちゃって? と聞く俺達に、先輩はツヅリの頭を撫でながら回想する。

 

 同じ術属性ということもあってか友達になれそうだったベルギムが、突如怒りの感情に支配されツヅリペア、キッドペア、キャンチョメペアに襲い掛かった、らしい。まあ細かくは色々あるんだろうけど(ガッシュの世界だしツヅリの今の様子から絶対ギャグ描写入りだろう)、その際に新しい術で身体を強化したツヅリが、ベルギムを抑え込む形で、キッド君の新術を囮になって受けたそうな。

 

『ちくしょうめぇ……、でも魔界に帰ったら友達になってくれると、ベルギムE・Oはとっても嬉しいです』

『情緒不安定なの…………?』

 

 共に大きな攻撃術に晒されながらも、ツヅリも一緒に本が燃えていないのは、その新術の影響らしい。そもそも身体的にかなり強い強化を与えるものだったらしく、ツヅリ本人いわく「ディオガ級」でも消し飛ばないくらいの身体にはなるんだとか。

 ただそれは、あくまで本人に限った話。衣服は本人の判定に含まれなかったらしく、この通り軽傷で無事といえるが、見た目だけはボロボロというまさにギャグマンガな状態。スギナが笑ってしまっても、本気で怒っていない(?)様子から、大丈夫だということなんだが、まあ妙ないじわるさを発揮するスギナの笑い方にちょっと拗ねたのか、半壊した鬼のお面を被ってスギナを追い掛け回すツヅリだった。いや、アフロと言うかパンチパーマというか爆発ヘアだと完全にそれ本当に鬼になっちゃうんだよなぁ……。

 

「あれだと本当に鬼さんみたいなのよねぇ……。下も虎柄だし」

「何で!? 何でその下着をチョイスしてるんですか先輩!!?」

「いや、鬼のお面を被るのをやめさせようと色々努力した結果というか……。鬼のお面に虎のパンツで本物の鬼みたい、とか煽ると嫌がってお面外すのよねぇ」

 

 と、そうやって色々話している間に、パムーンが「疲れるだろ、止さないか」とスギナたちを止めに入っていたり。うーん学級委員長というか、年上のお兄さん的なこの振る舞いよ。そしてスギナの背後に隠れるツヅリと「やっぱり焦げ臭くない?」とか言い出すスギナ。いや、ツヅリがお前のことちょっと好きっぽいから成立している距離感なんだろうが、あんまりやってると嫌われるぞ流石に……。別に「好きな子ほどいじめたくなる」タイプのお子様でもないのだが、どうにも自分の周囲に対するアプローチの大半が捻くれているスギナだった。

 俺のときも、ミールさんたちと遭遇しなきゃ打ち解けるのにもっともっと時間がかかったろうしな……。

 

「やれやれ、どうしてお前はそう人にネガティブな態度をとるんだスギナ」

「ネガティブじゃないよ、リアリスティックって言って欲しいね。暴力振るってきたり陰口言ったり仲間外れにしてきたり人を居ないものあつかいしたりしないから、嫌いじゃないけど」

「きゅん!?」

「「きゅん……?」」

 

 変な叫び声のツヅリに首をかしげるスギナとパムーン。

 先輩に「先は長そうっスね」とだけ愚痴って、お互い苦笑いを浮かべ――――。

 

 

 

「…………パムーンも真面目すぎてビクトリームに気遣われてるのに気づかなかったりするし、男の子はまだまだあのくらいの年代でも子供だろうからな」

 

「「わっ!?」」

 

 

 

 そしていつの間にか意識を取り戻していたらしいパムーンのパートナーの青年が膝をつきながら、ニヤニヤとパムーンたちの方を見て笑っていた。

 

 

 

 

 


・スギナとパムーン、しばし残留:

 パムーンのお星さまは「ファルセーゼ・バーロン」の術で出現させてるタイプの操りだと本作では解釈します。なのでランスが気絶している状態ではお星さまを形成できず足手まといなので、後から追っていくと言う判断に。スギナたちが一番余裕があって、緊急時でもチャージオすれば時間稼ぎくらいはできるだろうということで、清麿も任せた流れ。

  

・照れるスギナ:

 春彦以外から普通に心配されて動揺してる。本作では魔界時代は、普通に嫌な感じの虐められ方をされた結果卑屈になり内向的になった的な解釈になっているので、人間不信というか、周囲に期待しない姿勢はそのあたりから来ている。

 なのでストレートな言葉には結構弱い。ツヅリも回りくどいアプローチやめて初手「大好き!」って言った方がまだ異性として意識される疑惑。

 

・見せしめビクトリーム:

 経緯については後述おまけにて。ダルモス敗北について当然のように原作のような流れ。とはいえビクトリームが率先してレイラを庇った(?)こと、清麿の話によって疑念を抱いていたことで原作より逆に恐怖心に加え、最初から葛藤が強かった。

 

・ハイテンションレイラおねえさん:

 ↑によって精神的にギリギリだったところでアルベールが解放、自分も幻覚がなくなり、反動ではじけてる。原作より早いタイミングで色々取り払われた結果、おませさんな態度を投げ捨てかけるくらい喜んでいた。

 なお、かわいいレイラさんだがパティたちにはちょっと冷たい。

 

・パティ&ビョンコペアVSキャンチョメ&キッドペア:

 もともとジュオウ・リシルドの効果でゾフィスの制御が外れる→フェリウスとバディオスの背に乗っていた大半の人間が落ちそうになるのを無理に拾いにいって、あまり高速で飛べない、となったのでパティが三人腕に掴んで顔芸しながら走って来た。

 なお遺跡ではレイラが解放されていたので、手下として従わせようとしたら辛辣に言い返されキレ、肉弾戦で遊ばれた。ウルルもアルヴィンもこの辺りでだいぶやる気が無くなり、その後に合流して来た組とがレイラに代わって戦闘に入ったが、アクロウクを装備する程度に留めている。

 

・ツヅリェ…:

 新術「ディノ・チャーブル・グラポルク」の効果(というより強化された身体)により、ミコルオ・マ・ゼガルガでも消滅しない程度の耐久を発揮した。とはいえ衣服やら諸々はダメージを受けるので、本編通りの流れ。

 

 

 

おまけ:華麗なるカットシーン

ゾ「皆の者も警戒するように。数体の魔物には後で特別な指示を出すかもしれません。

 奴らの情報が少ないときに、相手の拠点へと攻め込むのは不利でしょう。そして明日になれば連中はこちらに再度侵攻をかけてくる。

 その時のために、こちらの有利な拠点でまた準備を行いましょう。

 そして――――この中に裏切り者がいないかどうか、問題だと思いませんかねぇ?」

レ「…………」

V「しかしロードよ、約束のベリーメロンをお一つおくれ?」

ビ「ゲロッパ!? 全然空気読んでないゲロっ!?」

ゾ「メロンが何だというのです? そんなもの、連中を全員魔界に送り返してからにしなさい」

V「何だ知らないのかァ。無知とは罪だぞロードことゾフィスくふぅん。好戦的な本能も、美味しいメロンを食べれば無問題。ダルモス君ですら、私が推薦し続けた麗しきメロンにハートは釘付けよぉ」

☆「そうなのか? ビクトリーム、メロンはそんな効果があるのか?」

V「あぁったりきしゃりきの車引き! あたぼうよぉ、メロンさえあれば魔界も人間界も平和に導かれるとも」

☆「そうか。…………」

レ「パムーン!? ちょっとパムーン!!? 落ち着いてもうちょっと色々考えなさい!!?」

パ「ガッシュちゃん達も皆でメロン、食べてたのよね……」

ゾ「おや、寂しいのですか? パティ。しかしもう後には戻れない。あちらに例え行きたいと思っても……裏切り者の末路がどうなるかなど、わかりきったことですとも」

V「ぬうぅん!? こ、これは――――我が美しきVの身体が、にっくき石に汚染されてるぅ!?」

レ「……!」

☆「ビクトリーム!?」

ゾ「既にモヒカン・エースに書かせた戦闘結果のレポートからいって、貴方が魔界へと帰っていない方がおかしいのですよ。つまり、少なくとも貴方には容疑がかかっている」

V「ブラァア……、いかに『心通わせ』ども、縛りが強いのもまた事実か、ベリー・シット!」

レ「(石化しはじめてるのに余裕そうね。……清麿の言っていたこと、うん。…………)」

ゾ「さあ、改めて跪き忠誠を誓いなさい! 自らの身を粉にして戦うことを――――」

V「せめて……、せめて『V』の体勢のまま石にさせてくださいまっせぃ!?」

☆「ラララァイ、お前それでいいのか!?」

V「板挟み故に、しかし為せることもあるだろうさぁ」

レ「ビクトリーム…………」

ゾ「……面倒なので、望み通りVの形になってから石にしてあげましょう」

V「フハハハハハハハハ! それだけは感謝しておこう! そして! 我が栄光の力を全身に――――」

パ「えぇ……、そんなんで本当に石になっていいの?」(※話を合わせているがそれはそうとドン引きしてる)

ビ「ゲロッパ!?」

 

 

 

 

 

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