広い大地の片隅で眠る   作:黒兎可

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どこをどれくらいカットするかの調整が難しく、苦戦している感じです……


P030.inside your heart

 

 

 

 

 

 視線が何か知らないパーツと変形合体したビクトリームに集中している中、俺はスギナの肩を叩いて我に返らせた。ちょうどデモルトとか言ったか、あの悪魔の大将みたいな巨大な魔物もビクトリームの方見てちょっと口開いてら。「格好良い……」とでも思ってんのか、アイツも。

 ただ、そんなことよりこっちは人命優先! インパクトでビクトリームの方に目がいっちまうのはわかるが、それはそうとこっちもこっちで洒落になってねぇぞアレ!? 胴体穴開いてるだろうが!!? 主人公の仲間、あんな雑に殺されてたまるかってんだ! 下手すると俺とかスギナとかも簡単にぶっ殺されかねないぞ!!?

 

「スギナ、あっち。『オージグル・マ・ジュロン』! ついでに『チャージオ・ジュモルク』!」

「オーケイ」

 

 スギナの足元から木が生えた。なってる果実は例によって禍々しい色をしたリンゴみたいなやつだ。それをもぎると、ひと齧り。流石にここが正念場だろう、最悪アーガス・ジュロンにも追加で攻撃が来た場合を考えると、ちょっとだけエナジー補給しておかないといけない。ジュオウを使って無ければ余裕はあったが、このあたり心の力の配分が難しいのだ。……俺とスギナ単独戦とかじゃないから、そこまで心の力が出ない(恐怖心が薄れてる)って意味でも。

 齧った果実をその場に捨て、アーガス・ジュロンから木の枝を伸ばし、そのまま地面にもうねうねと木の根とツタを走らせるスギナ。「何あるこれ!?」とリィエンが悲鳴をあげてるが、そのあたりはスマンということで。二人をそのまま上に乗せると、順繰りこちらへと「地面の下をくぐって」根とツタが行き来し、そのままベルトコンベアの要領で二人をこっちに運ぶ。

 

「恵ちゃん、こっち!」

「えっ? あ……! わ、わかりました! ティオ!」

「え、えええっ!?」

 

 あー、二人ともまだちょっとビクトリームの衝撃が抜けきっていない。あっちの敵さんのパートナーも「おいデモルト! いつまでバカみたいなツラしてやがる、デモルト!」とか声をかけてるから、警戒はしっかりしておいた方がいいんだが……。

 

「フォルゴレ、キャンチョメ! 春彦さん、スギナ!」

 

 清磨君はパルコ・フォルゴレを引き寄せると、同時に俺に対してはスギナの「杖」を指さして、デモルトの頭の方へと指を差し向ける。

 あー、なるほど? 大体だけど言いたいことがわかった。多分あってる気がするんだが、よくあれだけの指示で言いたいことがわかったな俺。ほぼ指示になってないぞ、その指の動かし方……?

 まあいい。しゃがんでスギナに耳打ちをして、作戦を共有する。

 

「オッケー。カルーラがいなくなったから、このあたりの制御は完全に僕の領域だ――――はッ!」

 

 杖を振るったスギナ。次の瞬間、いっきに俺は尻もちをつく。かなり心の力とスタミナ的な何かを引っ張られて奪われた感じだ。

 ただそのかいあって、一気にデモルトと足元のパートナーの周囲を覆うように、天井と地面から樹木が展開してドーム状に覆う。とはいえど密度は薄く、このままだと只の籠みたいなものだが。

 

「『アーガス・ジュロン』!」

 

 遠隔で、この籠のような木々を骨組みとして、デモルトを覆う。

 結果的にそれは、通常ならあり得ない、かなり巨大なアーガス・ジュロンとなった。10メートル以上はありそうだな、アレ……。

 

 その隙にウォンレイたちを背負って駆けるウマゴン。いつの間にか術を使ったのか、金色と赤のアーマーに覆われてる。その後を走って追う大海恵とティオ。ついでに「ポルク!」とフォルゴレさんが術を唱えて、その着地点まで幅広く「地面と同系色」にカモフラージュした、ハリボテタイルが作られた。

 これでアーガス・ジュロンが破壊された後に、ウォンレイとティオは敵から見えなくなるって寸法だ。

 

 ビクトリームは指示を受けないまでも「ぬぅん」と腕をぶつけてファイティングポーズを構え、全身からバチバチと光と言うかエネルギーというかオーラを迸らせてる。

 

『ルァアアアアア!!!!』

「パムーン! 今のうちにあの月の石を――――」

 

 若干くぐもったデモルトの叫び声が響く中、ガリガリガリガリと再生する木々をヌンチャクみたいになった角っぽい何かで削ってる様な音がする。

 確かに今のうち、今なら上はがら空きなんだ。

 けれども…………。

 

「……ッ、済まない。それは、出来ないんだ。今の状態では、せいぜい表面を削る程度になる」

 

「ヌゥ……!」

「どうして……、いや、まさか!? 足りない(ヽヽヽヽ)のか?」

 

 固まるガッシュと驚く清麿君。何と言うか、全然説明してないのに当たり前のように正解にたどり着くこれ本当何なんだろうか。ちょっとした超能力か何かなんじゃ? とか思ってしまうくらいに、清麿君の一言は的を射ている。

 パムーンが視線をそらし、その先へと俺達も釣られる。

 そして部屋の入口、階段の側でこちらを伺っている独特なマフラーをした青年、ちょっとジョ〇・レノ〇風なおかっぱっぽい髪型のランスは。「小さく輝く」本を片手に、清麿君の方を見て肩をすくめた。

 

 つまり、その本の輝きこそがパムーンが辛い顔をしている原因だ。よく見れば、出現している星型ファ〇ネルみたいなやつも、俺達と戦っていた時よりかなり少ない。

 

「……ゾフィスの洗脳は、確かにパートナーの心の力の出力を常に一定に保つような、そんな動きをしていた。だから素のパートナーの心の力が、戦いに追いつかないかもしれないって言うのは、理解できる。

 だけど、この状況でどうして……?」

「いや清麿君、それはちょっと酷だぜ!」

 

 この最終決戦、多くの人の自由意思がかかっている戦い。戦いに対して気が張れば相応に心の力も大きくなるはず。そういう清麿君の物言いに、ランスは何も言わず目を伏せる。

 決してランスを責める意図のある発言じゃない。鬼気迫る様子ながら、しかし困惑と残念さが見えるその声音は、この状況にあっても正しく普段の清麿君を見失っていない。だからこそ、魔物の戦いに慣れてしまっている彼だからこそ、見落としていることがある。それを俺は、ここに来るまでにランスと話して直に聞き、知っている。

 それを言うのが、自分自身が辛いからこそ、立場が無いからこそ。バツが悪そうな顔をしてるランスに代わり、俺が清麿君に伝える。

 

 ただ、清麿君は頭がものすごく良い。俺も多く言葉を重ねなくても、ちょっとだけ言えば察してくれるだろう。そう言う確信があったから、出来る限り暗くならないように言う。

 

「ランスに限らない! ここに集められてる人は『その気がなくて』勝手に浚われたんだぜ!」

「それは、当たり前――――ッ、そういうことか、ごめんなさい!」

 

 そして、一発で謝った清麿君に「こっちこそ悪い」と頭を下げるランス。

 つまり、言い方は非常に悪いが……。洗脳から解放されたからと言って、すぐさま戦いにかかれる人間の方がちょっと変わってるということだ。例えばあっちで本を構えてるモヒカン・エースのように。例えば、レイラの方を見ながら本を構え、こっちを気にするアルベールのように。

 

『……また洗脳されないために戦うっていうのは、納得できる。だけど俺は、こんな訳の分からない戦いに巻き込まれたことに、全然納得がいっていないんだ』

『ラ、ランスっ』

『だから、悪い。パムーン、俺のことを気にかけてくれてたのはよく知ってる。身体に自由がなくても、それは理解できていた。ちょっと不遇な扱いを受けていても、俺に累が及ばないよう庇ったりしてたしな。

 それでも…………、怖いんだ、こんな戦いみたいなのって』

 

 自嘲しながら言っていたランスに、俺もスギナも、先輩もツヅリも、それこそビクトリーム組や一緒に来てたミラコって魔物の組も、何とも言えない顔をしていた。ビクトリームはモヒカン・エースの方を気にしてたし、ミラコの方のパートナーも神妙な顔をしていた。

 多かれ少なかれ、それはゾフィスが洗脳した理由の一端でもあるだろう――――戦いに向いていないパートナーすら操り、魔物を戦わせようとするっていうのは。

 

 ただ、それでもなけなしの勇気でこの場に来てくれたランスは、それを受けたパムーンは、最低限は戦えるに違いない。

 清磨君も、ガッシュに少しだけそんなことを説明して、すぐさま意識をデモルトの方へと向けた。……ぼそっとパムーンが「俺は謝られていないがな」とか言ってるのは聞こえてないのは、いいんだか悪いんだか。とりあえず俺だけでもジェスチャーで謝る素振りをすると、「フン」と鼻を鳴らして真面目な風に腕を組んだパムーンだった。

 

 さて、じゃあ俺も立ち上がらないとな……、立ち上がらないと、ん?

 あ、ヤバイ、脚がガクガク震えて力が入らない。流石にあのデモルトって魔物の威圧感は、ちょっと冗談じゃないくらいだったらしい。自覚してなかったけど、けっこう全身が震えて恐怖を表現しているらしかった。その割に心の力は出ないし、また微妙なところだなこれ……。

 

「春彦?」

「いや、大丈夫だ。ちょっと待ってろ――――、ッ」

 

 目を閉じて、脳裏に思い描くのは、ミールさんたちとの闘いと逃走の記憶。どんなに町の障害物やらを樹木でいじったり、あるいは樹木自体を壁として逃げても、空間を裂いて現れた魔物に腕を潰されかけた記憶。もう今世じゃ漫画を描きもしてないってのに、ペンを握れない恐怖が先立ち、それでもスギナを抱えて逃げるしかなかったあの時。最大術の打ち合いであっちも空間転移できなくなって、銃弾の雨霰を彼女たちと一緒に駆け抜けた記憶。当たり前のように鉛弾で人が死ぬ、そんな世界。

 ミールさんが当然のような顔をして、敵対者の脳天を撃って、銃殺していたのを目の当たりにしたあの時。血しぶきを浴びて、スギナの目を隠すくらいしか何も出来なかった、あの時。地獄みたいに真っ暗な目で見つめられ、俺が怯えてるのを見てはっとして、バツが悪そうに、それでも弁明すらしなかったミールさんのあの顔…………。

 

「……、もう大丈夫」

 

 まだ震えは収まってないけど、立てない程じゃない。あの時に浴びたストレスに比べれば、あの時に感じたやるせなさに比べれば、知りたくも無かった世界に比べれば――――。

 こんなのまだ少年漫画だ、と。自分にそう言い聞かせながら、俺は自分の力で立ち上がり。

 

 ――――そんな俺を、ナゾナゾ博士は何故か痛ましいものを見るような目で見ていた。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

「ビクトリーム・ナコォ!」

「『マグル・ヨーヨー』!」

「ナイスだモヒカン・エースよ……、ブラァアアアッ! 1・2! 1・2!」

 

『ルァアア、面倒、クサイ……!!!!』

 

 大きくなったビクトリームの追加パーツらしい両腕(よりロボットっぽい感じの外見になってる)は、呪文の効果でしっかり大型のヨーヨーに変形。そのままビクトリームの声に合わせて左右交互に射出され、デモルトはそれを乱暴にさばいている。とはいえ動きがかなり素早いこともあってか、デモルトのヌンチャクの払いで対応しきれていない。

 

 追加パーツ(追加パーツ!?)と変形合体して巨大化したようなビクトリームだが、それだって大きさはデモルトの足元くらいなものだ。だがビクトリームは当然のように、デモルトとわたりあっている。 

 何やってんだデモルトもっと細かく動け! と口頭で指示しているあっちのパートナーに対し、こっちのモヒカン・エースと呼ばれたパートナーは何もしていない。

 だけど、変形したビクトリームに対して追加で出す呪文は――――。

 

「『マグルガ』!」

「放て、我が栄光のビクトリーム・カッター!」

 

 ……いや、術は的確なんだろうが、それを使うビクトリームはどうにもギャグめいていてどんな顔をしたらいいんだろうか。当たり前のように自分の頭部を腕で捥ぎ取ると、そのままブーメランみたいに投げるビクトリーム。その頭部から術により光線が放たれ、デモルトの外周を回りながらずっと照射し続けている。どこがカッターだ、それだとブーメランだろ!?

 

「ヌウウ、清麿!」「いけガッシュ! 『ザケルガ』ァ!」

「メルメルメ~~~!」「ビクトリームに合わせて、敵の視界をかく乱するんだ! ウマゴン!」

「パムーンの力が足りないなら、私が――――」「『オル・ミグルガ』!!!」

 

 それぞれがそれぞれに、ビクトリームの動きに合わせて連携していく。ナゾナゾ博士は新たに覚えたらしい最大術のために、心の力をためてもらっている。そのままアルベールや春彦さんの方で構えるキッドは、表情がもどかしそうだ。

 それもそのはず、あれだけ即興とは言えしっかりコンビネーションを成立させ、デモルトの隙をついて「月の石」の破壊に動いているって言うのに。

 

「『バウロ・ウルク』! 少しはこれで防御しとけデモルト!」

『ルン、ルン…………!!!』

 

 信じられないくらい、当たり前のようにコンビネーションを成立させて。デモルトのパートナーは的確に術を選んで対処している。大きくなった背中の羽根がレイラの月のようなそれを弾いて叩き落し、尾が追撃をする。

 ミシルドで尻尾は防いだものの、衝撃までは殺しきれなかったのかあっちの壁に放り出されるレイラ。その隙を埋めるように「ブラァアアアアア!」と絶叫しながらビクトリームがガッシュと一緒に殴りかかっていく。 

 

「ランス!」

「『オルゴ・ファルゼルク』!」

 

 パムーンも肉弾戦に混じりながら、ガッシュとビクトリームともども接近戦に合わせてパートナーがザケルや、他の術で補っていく形だ。一体一体なら余裕があるだろうに、さらにそのわずかな隙間すらウマゴンが埋めて、徐々に徐々にデモルトを押していく。

 ガッシュもまたボルテージが上がっているのか、赤い本の光もさらに強くなっている。当然、俺だってガッシュに呼応して、心の力も溜めて、バオウをいつでも撃てるようにしている。

 

 月の石を守っていることがデモルトの足かせになっているのもあるんだろうが、そのお陰でようやく見えた!

 月の光のせいで俺達が与えているダメージは、せいぜいが怯ませる程度。ビクトリームとパムーンですら、あの武器を砕くにすら至っていない。

 

「サンビームさん! ガッシュに道を! ナゾナゾ博士!」

 

「ウマゴン、頼むぞ!」

「キッド、出番じゃ!」

 

 パムーンはちらりとこっちに視線を向けると、何も言わずに上手いくらいに位置どって「自分を踏み台に」できるような配置に浮遊。

 ビクトリームはいまいち気づいていないんだろうが、それでもデモルトの注意を引くように高速移動しながら殴りかかっている。

 その隙にウマゴンがキッドをくわえて回収して、ガッシュを乗せ運び――――。

 

 空中に投げ出された形になった配置のまま、さっき一瞬見つけたあの位置、デモルトの急所だろううなじ周辺の位置へ――――。

 

「急所を見つけたくらいで、甘いわァ! 対策なんざ、あるに決まってるだろ! 『ヘドュン・ゼモルク』!!!」

「そっちも甘いけどね!」「『ミコルオ・マ・ゼガルガ』――――!!!」

 

 デモルトの頭部の角が変形し、後方のガッシュたちまで目掛けて伸びようとする。

 その一瞬を、ナゾナゾ博士は逃さない。

 

 そして現れた、あれは、時計の女神? 機械の女神? 上手く説明はできないが、「キレイ……」というティオのささやきが聞こえる。

 その女神がデモルトの角を当然のように叩き折り、攻撃を通さず、道を開き――――。

 

「頼むよ、ガッシュ!」

「ウヌゥ……!」

 

「――――っけえええええ!!! 『バオウ・ザケルガ』!!!!」

 

 

 

「バオオオオオオオオオオオオオ――!!!!!」

 

 

  

 そのまま直撃するバオウとミコルオ・マ……、く……ッ! 身体の力が、抜けるっ。立って居られず倒れる俺は、しかし状況だけは絶対に目をそらさず、しっかりデモルトの状態を確認する。

 ただ……、それでもデモルトは、倒れない。

 

 砂煙が立つ中で、絶叫するデモルト。

 

「ガッシュ! 体勢を立て直せ、もう一度だ!!!」

「オオゥ、清麿……! 我々はまだ、負けてはおらぬぞ!!!!」

 

 ガッシュに声をかけ、気合を入れ直す。この程度の体力の消費、なんてことはない! なんてことはないんだ! 早く立ち上がって、アイツらを――――。

 

「アル、行くわよ!」

「今ならいけるな、よし! 『ミベルナ・マ・ミグロン』――――」

  

「――『アーガス・ゼモルク』!!!」

『ルァアアアアアアアアア!!!!!』

 

 そしてレイラたちが術を発動した瞬間、デモルトの周囲に、腕の角が折り重なったような巨大な円柱状壁が、形成される。

 周囲に浮かぶ、レイラの月の分離したそれの侵入を阻むように、その円柱は月の石すら覆っていて。

 

「参ったな……。出てくるまで維持するのも大変なんだが」

「やっぱりあの本の使い手のせいで、デモルトの戦力が何倍にも膨れ上がってるわね」

 

 たぶん私たちがいなかったら清麿に追撃していたでしょうし、とレイラはこっちに来て、アルベールと一緒に俺に肩を貸して起こしてくれる。かろうじて角の隙間から漏れる「月の光」で回復していくが、走れるほどまでは戻っていない。そんなこっちの状況を見て、レイラは頷く。

 

「向こうも準備しているんでしょうけど、もう自由にはしてあげないもの。私たちがこの術を展開したなら、デモルトにもう自由はない」

「それは頼もしいな。えっと、どんな術かっていうのは――――」

 

「――――ヒィイイイイイッ!!!!!?!」

 

 と、突然スギナの悲鳴が聞こえる。

 あっちはあっちでビクトリームやらガッシュ達の邪魔にならないよう、あえて後方での防御に専念してもらっていたんだが(混戦具合から言ってそこまで上手くはいかないので)、それでも杖を構えて待機していたスギナが、突然震えて鳴き声を上げた。

 

 春彦さんが声をかけて後ろから抱きしめ、落ち着かせようとしても全く落ち着く気配もない。そんな中、その様子のあまりの急変振りに何かを察知したナゾナゾ博士が、角の円柱の方を見て。

 次の瞬間、俺達はスギナの感知した恐怖の正体を知ることになる。

 

 

 

「――――『ディゴウ・ゼモルク』」

 

 

 

 

 


・合流魔物の内訳:

 この場にかけつけたのはスギナ組、パムーン組、ビクトリーム組。

 ツヅリ組とミラコ組は、パティたちのところで色々話したりしている。どちらにせよツヅリはロクに戦えないので、月の光で回復中……。

 

・超合体ロボなビクトリームに気を取られなかった春彦:

 一番先に我に返った訳ではなく、ウォンレイが瀕死な方のショックが大きすぎてそれどころじゃなかった。「これ少年漫画の世界だろ、アレ確実に死ぬよね!?」という恐怖。下手すると自分たちも死にかねないのはかなりダメージが大きかった模様。

 

・心の力が足りないランス:

 アムルのパートナーだった高橋真美子しかり、いきなり素のまま戦うことが出来るか? という問い。レイラの苦悩を間近で見ていた上に清麿たちに恩の有るアルベールはともかくとして、無理な人もいるよねと言う解釈からランスはこのようにしました。ガッシュカフェでの振る舞いから、パムーンとの信頼関係の具合を考えこのくらいの距離感に。

 

・春彦の回想ェ……:

 今の恐怖を押さえつけ奮起するために思い出したのが、よりにもよってミールによる敵対マフィアの殺害の瞬間だった。多分軽い感じで引き金を引いて脳漿がその場に飛散してる。ファンタジー的な生命の危機と、純粋に「今の世界の延長」での生命の危機を両方味わっていたので、この分の恐怖はかなり尋常じゃ無かったと思われる。

 その上でミールと今でも仲良くやってるのは、実はミール側の尽力が大きいかもしれない。

 

・痛ましいものを見る目なナゾナゾ博士:

 春彦がビビリ散らしていたのを、それでも立ち上がったのを見て感情の推移を予想し胃を痛めている。ここだけじゃなく真っ先にウォンレイの方を助けにかかったり、ランスの心理について配慮した物言いを清麿に言ったりしたあたりで、ちょっとだけ春彦に対する見方が良い方に変わりつつあったり。

 

・ディゴウ・ゼモルク:

 詳細は次回あたり? ただデモルトよりシェリーやブラゴの方にビビってたスギナが改めてこちらにビビるくらいなので、何が起こるかと言えば…………。

 

 

【ここまでで登場した術】※術数が不明なので割愛

ビクトリーム編……

・ロボルドム・ビクトリーム・マグルク:

 ビクトリームがレイラに内緒で、現代で「作った」術。デモルト並の魔物との戦闘を想定して作ったもので、追加パーツとの4体合体による肉体の超強化。要はコ〇バトラーⅤ。また術韻にバルスルク系のものを含んでいるせいか、若干だが暴走しやすい。

 この術を作ったとき、追加パーツとの合体に失敗するので何度も練習していた際、その飛行制御がパートナー依存になってることに気づいたことで、ビクトリームはパートナーの意識がちゃんと残ってることを確信した。

 追加パーツはどこから飛んで来るか? 私にもわからん(メタルマ〇)。

 

 

 

 

 

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