『マクシマ……ックションッ!』
「狙いが逸れてるぞデモルト! 落ち着いて……ぶぇっくしょんッ!?」
圧倒的……、圧倒的場違い感……!
少なくともスギナが新たに発現したその術は、あまりにも状況のシリアスさをブレイクする威力を持っていた。ほら、あっちでパティとかビョンコすら呆然としてるし。パムーンとか白けた目を向けて、ティオとか恵ちゃんですら回復術のサイフォジオを停止してあっけにとられてる。
そんな中、とりあえず俺はスギナを抱えて走るのみ。……体力はそんなにある訳でもないが、逆に言えばそんなに体力がないわけでも無い。これでもちゃんとアルバイトは熟してるし、足腰もアスリート級とは言えないが自信あり。
なんならパルコ・フォルゴレ名曲中の名曲(迷曲?)「チチをもげ!」すら完成度高めに踊れるくらいだ。運動神経は悪いわけでも無い。大学入学期にサークル見学してた頃、受講先が一緒だった子から誘われた飲み会で、一発芸として披露して大ウケ。ただその子とのフラグはポッキリ折れてるっぽいので、世は世知辛い。
まあ、何をやっているかと言えば簡単に言うと……、新しく発現した術「ディオノ・ジュガルドン」を放ってから、ずっと走って逃げてる最中だ。目的は囮なので、清麿君たちからは離れていってるんだが、こちらの使った術があまりにもあんまりな効果だったせいか、上手い事ヘイトを向けてくれてるのでタンク役がこなせそうだ。
まあタンクとして見ちゃ、俺もスギナも
だが、今の俺は一味違う。未だ2回しか使ったことのない「チャージオ・ジュモルク」三つ目の果実を口にしている。お陰でさっきからか供給されたエネルギーやら何やらのせいか動悸が止まらず、目が嫌なくらいにさえわたり、なんならデモルトが次にどう攻撃してくるかすらなんとなく「視え」ちまいそうな、明らかに脳みそが到達してはいけない領域に到達しかかってる様な、そんなテンションだ。
間違いなく後で身動き一つとれないくらいぶっ倒れるのは確定なので、今から不安で不安で仕方ない所だ。そればっかりは恐怖が強いが……、しかし俺もスギナも、それが気になるテンションではない。
『「エクセレス・ファシルド」!』
『ラララララライ!』
『――――ブラァアアアアア! 行くぞモヒカン・エース!』
『「マグル・ヨーヨー」! って、その状態で使えるのかビクトリームッ!』
『アル! 気合入れていくわよ!』
『そっちこそな、レイラ!』
千年前の魔物、三ペアそれぞれの連携は見事で、ディオエムル・ゼモルクとかいったか角に炎を纏わせて突進してくるデモルトでさえ、上手い事切り返して対応して。
その隙を塗って走るパティも、途中で清麿君が新しく作戦を共有しなかったら、悲壮な決意のまま戦っていただろう。
「――――これでいいのよ、ウルル。これ以上本が燃え尽きるのを待ってたら、ウルルがデモルトに殺されちゃうじゃない。
それに魔界に無事戻ったって、こんなひどい事してた私と誰が友達になってくれるっていうの……? 『ミラコ』だって、そう言って、絶望して、魔界に帰っていったのに」
「パティ…………ッ」
「さあウルル! 撃って、お願い…………!!」
「ぐ、お、おおおお――――『スオウ・ギアクル』!!!」
ビョンコに庇われ、その後も自分の特徴的な髪を利用して囮をつくり。
最終的に月の石を破壊しに、上空で術を放ったパティは、囮として引き付けたはずのデモルトの視線をあえて自分に集中させ。
嗚呼、わかる。これはたぶん、漫画通りの展開だ。
今まで犯して来たことの罪の意識を改めて何度も突き付けられ、ついに自覚した彼女が。こんな自分じゃガッシュに好かれるどころか、友達としてすら思ってもらえないと考えたからこその行動。
それを凌駕して、全員生き残りそうなままに今に至ったのは、間違いなく清麿君のお陰で。だからこそ、このまま最後まで彼に任せて、なんとかなるとタカを括っていたのかもしれない。
だからこそ、変貌したデモルトにあっという間に蹂躙された全員を見て……、ティオがウォンレイの回復を終えたのを確認して、スギナに声をかければ。
『気に入らない…………、間違えてもいない。みんなやれるだけのことは、やってるんだ。だっていうのに、どうしてズレた結果に収束でもしようとしてるんだよ、春彦』
『俺に言われてもな』
スギナは、明らかに苛立っていた。
『勘違いも、行き違いも、そういうの全部なくなってから、なんなら新しく関係を初めてさ。生きることが、一緒に生きることが大事なんだよ。ブラ〇ド〇とハリ〇だって、もしほんのちょっとボタンの掛け違えがおきなければ、なんだかんだファミリーとしてずっと一緒に、家族としてずっと一緒にやっていけたはずなのに。
だっていうのに、何だよアイツ。自分たちばっか分かり合って、心を通わせて、そのままこっち全員滅茶苦茶にしようとか、許せるわけない。勝手にどっかいくならまだしも』
『あー、……』
ガ〇ブレイヴ的な話で言うのなら、結局ハ〇ーは大きな野心が未知の技術による怪物兵器を手にした時点で覚醒していた訳で、そのあたりは例えどのような形であれ、中々うまく御すのは難しかったと思うんだがなぁ。まあそれを言い出すと、そもそも諸悪の根源はマリア、というよりマリアが拒否できなかった〇葱のオヤジというところになっちまいそうなので、追及すれば追及するだけ救いがないのがあのエンディングな訳で。
一番キツかったのは間違いなくブラ〇ド〇なんだよなぁ…………。ビ〇グダディがあの時するべきだったのは、マリアの心を慰めることより、ブラ〇ド〇の心に寄り添うことで、そうであるならヒロイン出生周り含めブラ〇ド〇の悲壮な決意も、ハ〇ーからの印象も色々と変わっていたかもしれないと思うのは、俺が穿った見方をしすぎだろうかね? まあその程度で心揺らぐようならそもそもマリアも惚れちゃいない訳だが……。
アレのせいもあるか判らないが、どうにもブラ〇ド〇は愛のため過去に生きて、ハ〇ーは愛のため未来に生きてるところがある。どっちもお互い想ってることは一緒だってのに、何かが致命的にズレちまった二人。そこに今を生きる何もかもわからなかったミカの存在というのが、その存在そのものも含め上手い事皮肉が効いてるというか、本当こう……、よくできたスジだよ本当。
まあどちらにせよ、楽しかった、一番自由だった頃から、奪われ何物にも犯されぬ自由を求め、足掻いてもがいて、縛りに縛られ、一番間違えちゃいけなかったものを間違い続けた二人の話なのだ。アニメの方は。流石にあそこまで拗れに拗れるようなことは、人生早々置きはしないと思いたい。
だが、どうにもスギナ的にはあのアニメのラストはトラウマになっているらしい。行き違った末に、心にわだかまりを抱えて、関係がこじれてイビツな形になって、そのまま全てが崩れ去った形でお別れになるということが。どうも普段のキャラを忘れるくらいには、忌避感が強く怒りを抱くらしい。
やっぱ今更だが一緒に見るんじゃなかったかなぁ……。
ただ、そんなスギナの今の心境はともかく、さっき発現した術は残念ながら色々とアレだった。
『第15の術…………、「ディオノ・ジュガルドン」!』
巨大な花が出てくるのはラージア・ジュガロの時を思い出す。ジュガロがそのままスギナの手から植物の大き目な種(木の苗?)を放つ術なこともあって、それを強化したラージア・ジュガロは大きな種か苗かを花の大砲から放つ術になっている。
そこから考えて、術の名前的にこいつもまた似たような術だと思っていたんだが……。ぱっと見はソ〇ラ〇ビ〇ムみてぇな感じでエネルギーを収束して、玉虫色のようなそれを花弁の中央から放つ。放たれたエネルギーみたいなものはどんどん巨大化して言って、何と言うか明らかに、見ていてヤバイ感じが伝わってくる(語彙力)。
そんなブツを前に、デモルトは絶叫しながらぶん殴る。
最初は拮抗していたエネルギー球のようなそれは、しかしデモルトの咆哮と、「ヘタ打つんじゃねぇぞデモルトォ!」という、相変わらず頭上の檻みたいなのに入ったパートナーの呼びかけによってテンションが上がり、供給された心の力もあってかより拳からは強大な力が放たれ。
砕け散った光球に「ダメ、なのか……?」と困惑する清麿君。やっぱりダメなのか、と言わないところに彼の善性というか、素直に他者に期待できるまっすぐさがある用で、個人的には眩しい感じだ。
だが、事態はそう簡単には進まない。
『……力が強い相手に、正攻法で勝てるイメージが僕には湧かない。
だから…………、苦しむといいよ』
『スギナ?』
『ルオオオ――――クションッ!? ルォ、ルォ、ルォックション!!?』
「へっ、どうしたデモルト。何か鼻に引っ掛かって――――ックション!? あ、あァ……? どうしたいきな、クッション!! ヘェックション!!?」
唐突にくしゃみをし出した連中を見て、なんとなーく、いやまさかとスギナの方を見てから、あの巨大なデモルトの方を見る。甲冑というか狂戦士と言うか、色々装備がゴテゴテしてきてるデモルトだが、その周囲を漂う玉虫色の何かは、さっきのディオノ・ジュガルドンの残滓だろう。
その残滓が、こちらには流れずにデモルトたちの周囲「だけに」漂っているのが、何と言うかこう…………。未だにずっと玉虫色に光っていて、よく見ると粒子と言うか何と言うか、霧よりも密度が濃くて質量のある煙みたいになっていて。
おおよそスギナの術属性から逆算して、この術の正体を理解した。
「毒……、というか花粉かよ!? 花粉症じゃねーの!!?」
「くるしむがよい」
指を指して半笑いというか、嘲笑を含んだ目でデモルトたちを見るスギナ。花粉症など経験がなかったのか、目と鼻から水を垂らしまくって「痒い」とルオルオルンルン叫びながら、変形した自分の指で鼻の孔の周りを引っ掻いてる……。
パートナーの方も、デモルトと一緒に直撃を浴びたせいか無事じゃ済まない。檻っぽい何かというか、コックピトみたいになってるそこの中で七転八倒して「目がかゆい……! くそが、涙なんざそう簡単に流せねぇぞ!」とか苦しんでいて、もう色々と見ていて辛いものがある。
ほら見ろ、清麿君たち意識がある味方勢力が完全に思考停止してるぞ。レイラとかドン引きしてるし、キャンチョメは震えがってるし。
恵ちゃんたちは早い所、我に帰ってどうぞ。
そんな中で、唯一正気のまま大爆笑するナゾナゾ博士は……、年の功ってことにしておこう(適当)。
「そんな訳で、多少は精神的に余裕が出来ている。以上、回想終わり」
「何言ってるのさ、春彦」
「何でもないぜ。でも、アレだな……、攻撃の正確性はなくなってきたけど、その分威力が頭おかしいことになりつつあるな」
ジュガルドンの花粉は、あまりにも強力だ。なにせ段々、パートナーも魔物も「鼻水に思考を犯されて」あー、だの、うー、だの、言いながら攻撃が相当雑になってる。キレッキレの殺意ムンムンだった拳の一撃すら、かなりスローペースで運動部でもない俺でも見てから回避できるくらいになっていた。術によるサポートすら出来ない程、鼻水やら涙やら頭痛やらで思考が朦朧としてどうしようもないんだろう。俺もスギナもよくわかる。
そんな状態でも俺たちを狙ってるあたりは上手い事ヘイトを稼げたってことなんだろうが……、その代わり今のデモルトは、コントロールを失ってるってことに等しい。
「でも、ると……、あー、あ、……」
『ヴァイル……! ルオオオオオ、クションッ!』
今だってほら、攻撃が外れて壁に激突したってのに、その壁ごと俺が走ってるところまでまとめて粉砕しにかかっていやがるし。どんな威力してんだあの一撃!? スギナもちょっと「ヒッ」って怯えてるし、よくガッシュはひるまず立ち向かえるものだ。
だが、それもそう長くは続かない。チャージオの効果で俺自身はまだまだ元気もりもりな気分になってはいるが、あくまでそれは俺の精神とか心のパワーとか、痛覚とかだけだ。アドレナリンがガンガン分泌されてるんだろう、そんなことを思わせるくらいにはやる気ムンムンな状態だからこそ……、先に身体が悲鳴を上げる。
『……クソ野郎共、オレの、オレたちの縄張りで好き勝手してんじゃねぇ――!!?』
「がァッ!?」
「は、春彦!」
脚がもつれて、体勢を立て直すのに数秒。だがそんな隙を、見逃す程相手も馬鹿じゃない。
大ぶりな一撃は、それこそパートナーによる指示がない分、デモルトの全力が乗ったものなんだろう。
大型のクローのようなものに覆われた一撃が、俺の身体を引き裂く――――。ギリギリでスギナが「オージグル・マ・ジュロン」の杖を構え、それが盾のような役割を果たし、身体が真っ二つに引き裂かれることは無かった。
無かったが、いよいよ限界だった。
頭はすっきり驚くほど冴えてるってのに、身体がぴくりとも動かない。金縛りにあったような状態で、いっそ薄気味が悪い。
五体を投げ出して全くどうしようもない俺に、スギナは「術、唱えられる!?」と叫んでいるが……、脳みそは元気リンリンに信号を出していても、身体が追い付いていないからなぁ。
「スギナくん、伏せて! 『マ・セシルド』――――!!!」
「いっけーッ!」
そしてそんな、身動き取れなくなってる俺たちの隙間に、ティオと大海恵が割り込んだ。
こっちに来たと言うことは、清麿君たちの回復は終わったってことか。
ならまあ一安心かなぁ、と……、キャンチョメが「ディカポルク」って術で巨大化? したのを見ながら、とりあえず1ミリたりとも動けないので、そのまま事の推移を見守ることに決めて。
「…………な、なんで来てるんだ、あの怖いやつ」
何故か突然、ちょっとブルブルと震えはじめたスギナに、声もかけられず、視線だけで「どうした?」と送る他なかった。
当然伝わっていないので、清麿君たちが格好良く色々やってる隣で、俺達はまあこんな感じだった。
※ ※ ※
「集中よ、恵! サイフォジオの力を最大限まで高めるの!! ここまで来て負けるなんて承知しないんだからっ! パティもビョンコも来て、皆、みんなあれだけがんばってるんだからっ!
私たちが意地をみせなくて、どうするっていうの!!」
「ええ、ティオ! ウォンレイも息を吹き返したんだもの!
ガッシュ君も、ウマゴン君も、キッド君たちも、皆みんな、絶対死なせないっ!」
「やーいデモルト、ボクの方がお前よりでっかくて強いぞー!!」
「キャンチョメ歌うぞ、『鉄のキャンチョメ』だ!」
「わぁーい! ボクバージョンだねフォルゴレ!」
「俺達も意地を見せなきゃなぁ、レイラ……!」
「アル……、えぇその意気よ! でも、あなたは絶対死なせないんだから!」
「仲間たちの友情に……、勝利のVサインをォ…………」
「変形合体したの解けちまったな。…………だがまだ行けるだろ? ビクトリーム」
「応とも! 我が誇りを右肩に――――」「――――『チャーグル』!」
『ルォオオ!!!! クソ野郎共が、クション!!? 全部ぶっ潰して粉々にしてやる――!!!』
春彦さんが稼いでくれた時間で、ガッシュやパムーンやウマゴン、それに俺達も、最低限は立ち上がれるだけの回復は出来た。
あっちも術の後遺症でまだコンディションが完全じゃない。パートナーの怜悧な分析と指示をなくしたデモルトは、怒りと野生に振り回される巨大な獣。だからその分だけ勝機があると、決して油断はしない。
俺達にできることは、仲間の頑張りに応えたいという、この気持ちを乗せることだけ。
だろ、ガッシュ?
「ウヌ……! 皆の声が、みんなの頑張りが私の中の『何か』をゆさぶっているのだ……!」
本はいつかのように、金色に輝きはしない。だがそれでも、金色と見まごうばかりに眩く輝く、ガッシュの赤い本。
刻まれた文字は……、第七の術「ザグルゼム」。
身動きできなくなった春彦さんは「儂が抱えていこう」とナゾナゾ博士が肩を貸して一時撤退。そんな中、戦える俺達でデモルトに最後の決戦を挑む。
ザグルゼムの効果は、電撃のエネルギーを相手の身体に蓄積させるもの。
戦ってる最中にそれを知り、レイラにお姫様抱っこ(!?)されて駆けるアルベールたちのサポートもあり、なんとか、なんとか3発当てることが出来た。
後一発、今の電気を帯びたデモルトに「バオウ・ザケルガ」を当てることさえできれば――――!
『グ……、マズイ、これで
イヤだ……、まだオレは、クソ弱ェ人間どもや雑魚の魔物どもを滅茶苦茶にしてやるんだ……!
そうじゃなきゃ、そうでもなきゃ、何のために千年も石になってなきゃいけなかったんだ――何のために、オレとヴァイルはロードの奴に引き合わされたってんだッ』
スギナと、春彦さんが少しだけ痛ましいものを見るような表情になる。
ナゾナゾ博士は、そんな二人に「じゃが、あのままには出来ん」と、こっちも痛々しい表情。
嗚呼そうだ、あの暴力が何の関係も無い人たちにさらされるかもしれないなんて、そんなことを許せるはずはない。……デモルトにも、石になった間のことで思う所もあったんだろう。辛いこともあったんだろう。だけれども――――。
今は逃げてでも、と上空に飛び上がるデモルトに、事前にキャンチョメに言い含めてた作戦をもって、その裏をかき。
背後に追従していた、ウマゴンに乗ったガッシュを見て、巨体に似合わず子供らしい驚愕の表情で「ルアアアアアアアアアン!?」叫ぶデモルトに。
「『バオウ・ザケルガ』――――!!!」
「――――『ディゴウ・ゼモルク』!!!」
な、何!?
俺達のバオウ・ザケルガに、合わせて来たっていうのか……!? さっきまで意識が朦朧としていたはずの、デモルトのパートナーは。息遣いだけでわかる、デモルトの頭上で、やっぱりぜいぜいと言いながら。
「だらしが……、ねェぞ……! やっぱり、俺がいねぇとなぁ、デモルト……!」
『ルン、ルン……!!』
まずい、全身が一瞬で、再び大量の角の衣に覆われたデモルトは。その角は「帯電していない」、つまり今バオウ・ザケルガを当てても、ザグルゼムに蓄積された電撃のエネルギーは、炸裂しない!!?
ガッシュの口から放たれたバオウは、ガッシュも驚いたせいか少しだけ機動が上に逸れていて。しかしデモルトをねめつける、バオウの雷竜は――――。
「…………『ジガディラス・ウル・
『
バオウの雷竜は、急にその標的を変えた。
上空には…………、何だ、あれは? 突如出現した、巨大な羽根を持った、球か筒のような胴体を持つ、悪魔か天使か、形容しづらい姿の何か。まるで神話か何かの神様のようですらある、異形のそれは……、「五つの雷の文様」に、その中心に巨大な雷のエネルギーを蓄積していた。
「な、何よあれ……!?」
「清麿君、あれって…………!!?」
ティオたちだけじゃない、ほとんど全員が、突如現れた謎の存在に言葉を失っている。
標的をそちらに定めたバオウは、まるでそれが当然のように……、あるべき形だとでも言うかのように、異形の何かの中心にある雷の球へと吸い寄せられ、その「内側へと潜り」――――。
本が、赤い魔本が輝く。もう一度、俺に唱えろと言うのか。
「…………ッ、ば、『バオウ・ザケルガ』!!!」
『
『――――バオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!』
……バオウ・ザケルガは、その姿を見たことも無い姿へと変化させ。牙と、角と、鎧のようなものと、とにかく明らかに今までと異なる姿となったバオウ・ザケルガは。
『ちくしょおおおおおおお!!! だが……ッ』
「デモルト!? お前、何で……」
『…………ルン!』
頭上のパートナーが乗り込んでいた部分の「角の檻」、あるいは椅子をもぎとり。
そのまま庇うように体を丸め…………、バオウ・ザケルガに呑まれていった。
・春彦の現在のコンディション:
チャージオを3回キメたことによって、1日は(ほぼ脳だけ)ガンギマリ状態。たぶん今ならテスト勉強してたらトリップして「今まで見えてなかった教員の出す出題の規則性法則性」を発見したりとか出来る。なおアンサートーカーの類ではないので、当然ながら頭だけイっちゃってる状態。
・ガングレイヴ語り:
ある意味本作の主題の一つなので、そりゃいっぱい語る。アニメ未視聴の肩は是非ごらんくださいというこで……。
ちなみに仮〇ラ〇ダー剣とかもその後に見せたりしてるので、スギナはますます自分の中で「そういう」エンディングを消化しきれていない。
・ディオノ・ジュガルドン:
ソーラービームに見えたが、アレは嘘だ(迫真)。元ネタの術は巨大化弁から毒霧を放つディオジュガロ(ディオ・ジュガロ?)なので、それをベースに巨大な花弁から花粉を放つ術としました。ただしっかりディオガ級相当なので、術効果は害悪。放出される時の花粉はディオガ・グラビドンみたいなエネルギー球の形を取り、ゲーミングカラーに輝いて砲撃される。
放たれる花粉は、強い毒性……というかアレルギー性を持つ花粉。直撃を喰らった相手は、一定時間猛烈な花粉症に襲われ、重度の症状により段々と思考力を奪われることになる(術効果なのでアナフィラキシーは起きない)。
もともとスギナがデモルトに「正攻法で絶対勝てない」という恐怖を抱いたことから、スギナ自身が人間界日常生活で最も苦しんだものが発現したと思われる。ニッポンの花粉はなめたらいかんぜよ……。なお現在は市販薬と目薬で抑えられている模様。
・花粉症未経験デモルト:
本作設定ですが……というか絶対設定されてないやろこんなん(確信)。ヴァイルも多分かかったことは無いと思うので、パートナー共々未体験のダメージを喰らってる。
・ナゾナゾ博士のリアクション:
花粉症で苦しむデモルトたちを見て指を指して爆笑。キッドが退場してないので精神的にはまだ余裕があるから、これくらいのことはどうせすると思ってる。ただ最終的に囮役を買って出て、ぴくりとも動かなくなるほどに身体をはって時間を稼いだ春彦を見て、完全に気持ちが仲間側に傾いた。
曇るスギナと春彦に、自分も痛々しく思いながらも諭すのはそのせい。
・バトルの流れ:基本は原作の形ですが、メンバーが増えてるので回復後はそこそこにぎやかになってた。多分ミベルナ・マ・ミグロンとファルセーゼ・バーロンにギガノ・ニュシルドがコンビネーションしてデモルトをめちゃくちゃ拘束したり、スオウ・ギアクルに乗ったビクトリームがイミスドンしたりしてる(それでも勝てない)。
・デモルトの本心:
細かく突っ込みだすと、たぶん春彦たちが曇る程にはパートナーへ強い感情が芽生えている訳じゃない。ただそれはそうと、何もなかったわけではなかった。
・ジガ……:
上空で放たれてるので、ガッシュたちには聞こえていない。
ちなみに詳細は、ガッシュたち視点だと「101冊目の魔本」編以降予定。術名と効果から推測は可能かと思いますが汗