広い大地の片隅で眠る   作:黒兎可

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お久しぶりです!ようやくちょっとまとまりました・・・!
今回からガッシュパートも入ってきます!


P040.君にこの声が届きますように

 

 

 

 

 

「────コトハ殿は琴乃(ことの)殿が、あんな優しいママ殿がいて幸せだのぅ」

「ふん! だ。……って、あれ? ガッシュ君はお母さんいないの?」

「ヌ、居ないかどうかわからぬ。覚えておらぬだけだ」

「覚えてないって……、それって? えっと…………」

「わからぬのだ。母上の事も父上のことも、家のことも家族のことも、何も」

「複雑なんだ、結構。ごめんね? 何か……」

「ウヌ! 大丈夫なのだ! わからぬのだから、いつか会える日が、会うのが楽しみなのだ! 私の家族に!

 朝、清麿のように学校に行くのにワガママを言ってもしょうがないと笑ってもらって、作ってもらったごはんを食べたり、雅人(まさと)のママ殿のように外で遅くまで遊んだら心配して怒ってもらえたり!」

「まさとって誰よ……、清麿って人でしょ、保護者さん」

「ウヌ、友達なのだ! …………な、ナオミちゃんより優しいのだ」

「大丈夫? すごい震えてるけど」

「う、ウヌゥ…………、だから、とにかく母上とも一緒に遊んだりしたいのだ! お風呂で頭を洗ってもらったり、バルカンで遊んだりするのだ──────」

 

────────────(ダ──────────────────)

「────はうぁッ!!?」

 

 山の奥、聞こえてきた声を頼りにして辿り浮いたオープンテラスのカフェでくつろぐガッシュ。そんなガッシュに近寄った俺は、とりあえず怒りの限りの感情を全身に集中した。所詮人間がやってることだ、そこまで怖くも無いだろう。だけどガッシュと、一緒に話していた女の子はまるで悪魔とかこの世の終わりでも見たような、ものすごい顔をして一歩引いていた。

 いや、だから別にそんなに怖くは……。いや、そんな話はどうでも良い!

 

 風呂敷を腰に巻いてるガッシュに(水にぬれたか?)、色々と言わないといけない。

 

「ガッシュ何やってんだ! いくらお前がパラシュートなしに落ちても大丈夫なくらい頑丈だって、万が一もあるだろ!」

「う、ウヌゥ……! スマヌ、清麿」

「それにお前の首には今回、みんなから集めたキャンプ用の資金の袋付けてるの忘れてただろ! お陰でみんなBBQのセット、サンビームさんが持って来たりしたけど具材はセンターで買えないし、遊園地にも遊びに行けないし、おまけにお前も心配して探してるしでそれどころじゃないんだぞ!」

「ウヌゥ……! あっ、お金はこれか」

 

 忘れてたのだ、スマヌ、と。ガッシュは申し訳なさそうに頭を下げる。まあとにかく無事なら良かった、と言う俺に、はっとしたような顔をしてから「ウヌゥ」と唸った。

 

 今日は待ちに待ったキャンプ当日。千年前の魔物との戦いが終わって一息ついた俺達。ここ最近の異常気象のせいか魔物同士の戦いでも影響したのか、冬場だっていうのに暑くて暑くて仕方ないような、今の時期だからこそ「遊びに行こう!」とフォルゴレが中心となって色々とチャーターをしたのだ……、週末、つまり帰って来てその週の末、ほぼ三日後に。

 早すぎないか!? と思わずツッコミを入れれば「善は急げって言うじゃないか!」とキラリと歯を光らせるフォルゴレ。電話連絡ではなく、フォルゴレ本人がちゃんと俺達の家に顔を出した上でそんな話をされたものだから、俺もかなり困惑した。まあ、その日程になったのがサンビームさんの仕事の都合とかだったりするらしいし、ただの学生な俺からすると、正直あんまり言えることがない。

 恵さんも忙しい中スケジュールを調整したとティオがウインクして言ってきたり(ガッシュたちと遊びに来た)もして、なんだかんだととんとん拍子に計画は埋っていた。むしろ富士山ふもとだっていうから、フォルゴレの方が予定の調整とか大変だろうに……。そこは、幹事をやってない立場からすれば頭が下がる思いだ。

 

『ちなみにレイラたちも誘ったぞ! 復学の手続きとか色々あるらしいが、こっちで何とか都合はつけたさ、ハッハッハ!』

『大丈夫なのかアルベール!?』

『ああ! ……「留年は確定だしやってられるかッ!」と笑っていたとも。せいぜい慰めてあげようじゃないか』

『こんなところにゾフィスの爪痕が残ってる……』

 

 まあ、そんな訳で。……春彦さんたちは何か都合がつかず今回は来ていない。なので参加メンバーは、俺とガッシュ、恵さんとティオ、フォルゴレとキャンチョメ、サンビームさんとウマゴンに、アルベールとレイラの5組となった。

 ……で、これもまたフォルゴレがチャーターしたヘリからのパラシュート降下(恵さんの仕事の都合で移動がそうなった)で目的地までダイブしたんだが。途中でガッシュが生きた鰤を落として(荷物どうしたお前!?)、それを追いかけて川に落下。

 

『どうしましょう、大丈夫かしらガッシュ君……』

『流石にライオンさんでもあの高さは難しいと思うなあ。探しに行こうか』

『いや、待ってくれ。前に古城で崩落に巻き込まれても無事だったし、さっきちょっと鰤を追って泳いでるのが見えた』

イカしてる(グルービー)……!』

『やっぱり人間とは違う生き物だな……。って、そういえばレイラも前にあっちの城に居た時に────』

『アル、お黙りなさい! いつからそんなノンデリカシーなビクトリームに弟子入りしたというの!』

『メル?』

『一体何が……って、ヒィィィ!? レイラが首絞めティオみたいな顔にィィィ!』

『ちょっと、引き合いに出すの止めなさいよ! というかガッシュ、みんなで出し合ったお金持って行ってるじゃない!? 清麿と今度こそジェットコースターに乗るつもりだったのにいいいいいいいッ!』

『(また身長制限にかかるんじゃないかしら、ティオ、あはは……)』

 

 ま、まあ、そんな訳で。テントの準備だけ手伝ってから、俺は急いでガッシュを探した。幸い? 落下した地点はちゃんと確認していたし、そこからどれくらいの時間をかけて下流に流れるかの計算も、天候が変わってないので難しくない。そして道中にブリのお頭や尻尾が残った骨が落ちていたのと、そこから明らかに全力疾走したと思われる足跡が残っていたので、それを辿って行ったのだ。

 

「少しはしゃぎ過ぎていたのだ、清麿……」

 

 とりあえずその辺で乾かされていた着替えをガッシュに渡して、対面してた女の子に頭を下げる。どうもガッシュが済みませんと頭を下げる。髪を二つに結ったワンピースの可愛らしい女の子。彼女は「い、いえいえ……」と少し照れたように、謙遜するように言った。

 

「えっと……、大麦(おおむぎ)琴葉(ことは)です。ガッシュ君の保護者の清麿さん?」

「ああ。高嶺(たかみね)清麿(きよまろ) だ」

 

 聞くと、やっぱり軽くけがはしていたらしいガッシュ。手当してもらったりおやつをもらったりして、とにかく初対面にしてはかなり世話になってしまったらしい。

 倒す倒す俺に「良かったね? ガッシュくん」と笑うコトハと。「ウヌ! ……ヌ、さきほどまでのコトハ殿と声音とか色々違うような」みたいなことを口走って「余計なこといわない!」と怒られたりしてるが、いや、何だこれ……? どうやら、とりあえず仲良くはなったらしい。友達が増えたって意味では、それはそれで良い事なんだろうが……。

 

「お母さーん! 清麿さんにも飲み物とか何か!」

「あ、いやー、流石にちょっと申し訳ないですし、もう行きます。どうもありがとうございました」

「ウヌ! ありがとうなのだ!」

「じゃあ、買い出し行くぞ? ガッシュ──────って、どうした?」

 

 待つのだ清麿、とガッシュが俺の足を引っ張りその場に留める。

 私の母上が森の先にある洞窟で待っているのだ! と、楽しそうに笑うガッシュ。

 

「何の話だ? というか、お前の母親ってそもそも顔も名前も……」

「だがコトハ殿の本に書かれていたのだ! コトハ殿の持っている白い本のお告げは、今の所ずっと当たっているのだ! だからきっと、私の母上も……!」

 

 白い本? 疑問を胸に振り返れば、コトハは「この本よ!」と言って、椅子の上に乗せていたバッグから白い本を取りだした。本当に真っ白な本だ。何も書かれていない。ただその大きさが気になった。ハードカバーというには大きく、分厚さもどこかで見覚えがある。

 

「(見たところ魔本ではない……ようにみえるが、千年前の石板魔物たちのこともある。よし……)これは一体どこで?」

「え? えっとー、さっきその辺りで……。で、こうして開くとお告げみたいなのが現れて、その通りのことが起こるの。ガッシュ君と会ったのもそのせい? だし──────」

 

 そうして話していると、ちょうど俺達の目の前で、本が輝く。どことなく光り方が、心の力を吸った魔本の光り方を思わせるそれ。そして、刻まれた文字は。

 

 ────あなたの母親は原因不明の病に倒れます。

 

 文字を音読して見れば、そこから数秒もかからず店内の方で陶磁器が落ちて割れる音。

 

「ママ!?」「琴乃(ことの)殿!」

「何……っ!」

 

 慌てる二人の後を追って店内に入る。琴乃さん────コトハのお母さんは、顔を真っ青にして床に倒れていた。ガッシュとコトハが駆け寄り手を引いたりする。

 

「清麿、体温がない……! どんどん冷たくなっていってるのだ! 氷みたいに、どんどん!」

「何だと!? ちょっと、失礼します────」

 

 アルベールから少し聞きかじって、医療系の知識も増やしているが、何かしらの急性症状だとして何処に問題があるのか素人判断だとさっぱりだ。脈は安定しているが、ひたすらに体温が落ちていってる。呼吸に雑音が混じっていないし、呻いてはいるが呼吸困難にはなっていない。

 見た目で言うと、それこそ()()()()()()()()()()()()、というとうがちすぎか? とにかく普通の病状ではなさそうだが、仮にここで救急車を呼ぶにしても時間がかかりすぎる。ラウザルクを使用したガッシュでも、病人を抱えての運搬は厳しい。

 

 こんな時、春彦さんとスギナがいてくれたら、植物のツタでうまいこと何か運ぶ手段を考えてくれそうなものだが…………。

 

『――――友達を助けに行くんだ。これは、俺にしかできないことなんだ、きっと』

 

 ……詳細は語ってくれなかったが、春彦さんは春彦さんで何かに巻き込まれている、それだけはわかる。ただ、いつもなら簡単に教えてくれるかもしれないのに、それすらせずに自分がやらないといけないと言い切った。

 だからこそ、今日キャンプに合流していないのだ。

 

 つまり、俺たちで考えないといけない。

 俺よりアルベールの方が正確な診断が出来そうだが、みんなのところまでここから歩いても1時間弱。

 

 考えろ、考えろ高嶺清麿……!

 

 慌てる俺の耳に、これよ! とコトハの声が聞こえる。見ればどうやら、また白い本が新しいお告げを出したらしい。

 

「『森の洞窟で、治療薬が見つかります』……! これよ、清麿君、ガッシュ君!」

「原因不明の病の治療薬……?」

 

 嫌に都合が良すぎる展開。いやそもそも、ここで彼女の母親が倒れたことも含めて、色々な状況に()()()()()()()()()()()を感じる。

 心当たりがある、と帽子を片手に掛けだしたコトハに、俺とガッシュも続いて走り出した。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

呪山(のろいさん)……、『吉凶占師・オマモリ隊』の漫画だと秘密基地があるのはそこなんだけど、モデルは作者いわく富士山だから、まあそういうことだよな。道中でなんかちらほらノロイ隊の雑魚戦闘員みたいなのが居た訳だし、なあ?」

「みっこーん……! 謎解きとか成立してないわねぇ……」

「今更だろ」

 

 半笑いになりながら、俺たちは先行するタマモ(?)が変身した狐の後を歩いている。俺とスギナ、すぐ後ろに「暑いぃ……、うぅ……」と高校の頃のなのか中学の頃のなのか判らないけどジャージの袖とかをまくった先輩と、肩車されてるツヅリ。ついでに何故かさっきから静かなビクトリームと、一人率先してキャンプ用具とか荷物を持ってくれているモヒカン・エース。

 

 俺達は現在、富士山の樹海にある洞窟を目指している。「吉凶占師・オマモリ隊」において、彼等の秘密基地の入り口がそこになっているからだ。まあ普通はどう考えても遭難コースなんだが、こっちには植物の専門家なスギナもいるし、怨霊の友達(?)なツヅリもいる。物理的な理由に加え、おおよそオカルトな理由での遭難もそうそうないだろうと見込める。

 そして何より────。

 

「博士が来てる時点で、そういうトラブルの確率は低いからなあ。最悪ヘリで脱出だろうし」

 

「ハハハハハハハ! そうとも春彦君、なにせ私はマジェスティック12(トゥエルブ)と共に世界の秘境と言う秘境でさ迷い歩き生還した、正真正銘のシャーマンだからね! 生き残る術は誰より心得ているとも」

「本当? 博士、本当なの!?」「春彦そうなの!?」「……!」「ほぉう……?」

「ハハハハハハハ! もちろんウソじゃ」

「「「――――――――!!!!」」」「ベリィシッッッッッッッッッットゥ!!!!」

 

 まあ、このように相も変わらず子供たちを揶揄い通すナゾナゾ博士が、何故かタマモよりも先に先行して歩いているとか、そんなよくわからない状況だったりもするからなあ。しかもいつも通りの紳士然とした恰好で。登山ナメんな。

 

 ことの経緯は割と簡単で。タマモがよみがえったらしいそれが、おそらくは俺の友達である佐久間(さくま)菜須香(なすか)のパートナー魔物の術か何かだろうと当たりを付けてカマをかけたんだが、それこそ嘘みたいに動揺したタマモのお陰で、そのことに関して尋問の必要はほぼなし。

 そうなると敵の拠点がどこにあるかという話になって、ジュロンとかその類のツタで拘束してるタマモを相手にさあどうしたものかと(何故か化野先輩が半眼で睨んでくるが)考えていると、ちょうど携帯に一本の電話。

 

『ウム、春彦くんご無沙汰だねぇ』

『…………本当、当たり前のように電話かけてきますね博士』

『ハハハハハハハ! そうとも、私はナゾナゾ博士。何でも知ってる不思議な博士だからね! もちろん君が今、最近関東で多発している行方不明事件の解決の入り口に立っていることも、その原因である魔物のパートナーについて君が今気づいたことも知っているとも』

『…………絶対誰か監視いるだろここ! 現在進行形で映像中継されてるだろ、誰だマジェスティック12(トゥエルブ)! 出てこいッ!!』

 

 状況と電話がかかってきたタイミングからしておそらく誰か近隣に監視がいるだろうと思って叫んでみれば、その辺の藪から「イエェ~~~~~ス!」とビッグ・ボインの美人がドカ~ンとありとあらゆる脈絡を破壊して現れる。衝撃やら何やらで思わず呆然とする俺と、つい吸い寄せられる俺のビッグなボインを追う視線にさらに不機嫌そうになる先輩、一体いつから!? と普通に驚くモヒカン・エースと、人間の空気も破壊されるし魔物も死んだ魚の目をしておかしなことになってるし、うん、元々半分コントじみてたけど一気に空気が取り返しがつかなくなるくらい破壊された。

 とりあえず「イェ~~~~~~ス♡」と胸をビシバシ叩くボイン・チョップを繰り広げるビッグ・ボインに合わせてボイン・チョップをしておいて(前にパルコ・フォルゴレと一緒に彼女に習った)、多少落ち着いてからナゾナゾ博士と打ち合わせ。結果として、博士が提示したヒントを一つ一つ回答していき、敵の本拠地が樹海にある洞窟からいけること、というかおおよそが漫画「吉凶占師・オマモリ隊」を踏襲したアジトやら何やらになっているということを、追加でタマモに尋問して理解できた。尋問と言うか、聞くだけで「こんこんこんこん!?」と動揺しまくっているし、よっぽど一発で菜須香の名前を言い当てたのが衝撃的だったんだろう。

 

 そんなこんなで翌日、飛行機で飛んできたナゾナゾ博士と合流して調査。主犯が菜須香であるという前提の元にプロファイリング的なことを始めた博士と、必要に応じて回答する俺。ほどなく、アイツの行動は「オマモリ隊」の原作をベースにした、非常に質の悪いファン活動? めいたことになっていると結論したからこそ、富士山の樹海にある洞窟という結論がついたのだった。

 あまりに早い? いやー、うん、正体が割れてると露骨と言うか……。ナゾナゾ博士いわくの、失踪事件とやらの被害件数も関東中心って訳じゃ無く、周辺地域をみると富士山が中心になってるっぽいし。

 

 もうちょっと色々拘れなかったのか、うまいことやれなかったのかと思わなくも無かったが。

 

『いくら何でも早すぎただけかしらねぇ、こぉん』

 

 とのことだった。

 

「で、まあビクトリームたちはともかくとして……、先輩まで何で来てるんスかね。大人しく清麿君たちと一緒にキャンプ行ったら良かったじゃないっスか」

「行ける訳ないでしょ、ツヅリ嫌がるわよスギナくんいないと。というか、むしろ清麿君たち頼ってないあなたの方が何かおかしいわよ? いつもなら、スギナ君のためにってことで安全策もっと取ってると思うし。それこそどうしようもないなら、清麿君たちに頼み込んでるんじゃない?」

 

 化野先輩の訝し気な視線から、目を逸らす俺。前方ではビクトリームに「をのれィ! 晴明のようなからかいをしおってからに!」とキレてマグルヨーヨーを仕掛けるビクトリームと、流石にちょっと汗を流しながらキッドとともに慌てて避けつつも前進してるナゾナゾ博士たち。ツヅリは「懲りないなああの博士」とぼうっとしてるスギナの隣に立ってスギナの顔を除き込みながら一緒に歩いている。

 我関せずなタマモは、ちらりと俺達の方を見る。タマモで、何やら「館長さん」からの命令が変わったとかで、とりあえず俺達に同行しているのだが、このあたり俺は俺で館長=菜須香のことはある程度信じている。つまり、わざわざこんなラストダンジョンご招待! みたいなことをやってくるんだから、水先案内人代わりに使うことにしたっぽいタマモを差し向けて、わざわざ改めて俺達の全滅を狙ったりはしないだろうということだ。

 まあそれはそうと、スギナが()()()をしているので、タマモ自体の無力化も難しくはないと言う点はあるんだが。

 

「あなた、本当にスギナくんと二人で行くつもりだったでしょ。その、ナスカって相手を倒しに」

「倒しにっていうか、ちょっと話を聞かないといけないなってだけっスよ。一応、同好の士なんで」

「えぇ……? オタク…………?」

「ま、たしなむ程度に。いや何引いてるんですか、そんなの割と初期の頃から知ってるでしょ先輩。俺の家にだって上がり込んでるんだし、グッズもディスクも全部存在確認してるでしょーが」

「それはそれ、これはこれ。……そんな趣味一つで、危ない橋を渡っちゃダメってことよ」

 

 先輩は、ものすごく真面目な顔で俺にそんなことを言って来るが。

 

「そう簡単に割り切れる話じゃないって、それだけですよ」

 

 ………………もしかしたらナゾナゾ博士が語っていたもの含めて、彼女なりのSOSのような何かが潜んでいるかもしれないと。

 俺の我儘だとしても……やっぱり、「俺が」向き合いたいと思うってしまう感情を、どうしても捨てることが出来なかった。

 

 

 

 

 


・ガッシュパート:

 今回から劇場版突入。主な違いとしては時期、参加メンバー(レイラチーム追加)、魔界描写関係になる予定です。(※流石にいきなり無人ではない予定)

 

・大麦琴葉:

 劇場版「101冊目の魔本」ヒロインのコトハちゃん、本作での名前。大麦の由来はダルメシアン(101匹わんちゃんから)の中国語の当て字から。

 

・キャンプの時期:

 原作というか劇場アニメだと夏休み、富士山の近くということになってるけど、本作的には「アニメ放映時期と劇場版放映時期」との兼ね合いを見計らってこのタイミングに無理やりねじ込んだ形。サンビームさん加入後でのあの時期なので真面目に考えるとファウード終了後のどこかの時系列でしかないのだけど、クリア篇を考えると時間がかなりギリギリになってしまいそうなので、本作的にはこんな対応。

 

・キャンプに同行してるレイラ組:

 本作的な理由はフォルゴレが言った通り。メタ的な理由はたぶん次回あたりわかるかもしれない……?

 

・準備が良いナゾナゾ博士:

 春彦は気付いてなかったけど、病院からミールによって強制連行された時点で当然察知されてるので、マジェスティック12経由で監視なり情報収集なり色々手を回していた。既に仲間判定になってる春彦とはいえ、ミール個人には最大限警戒を抱いてるナゾナゾ博士。

 

・キャンプ場と秘密基地の位置関係:

 原作的にも場所は違うけど、どちらも大きなヤマ、樹海、洞窟の3ワードが揃ってる。本作は「魔界のブックマーク」にしれっとワイズマンたちがいたことを踏まえて、ゲームの場所を富士山に設定しなおしてます(つまりかなり近い)。

 

 

 

 

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