小町『この曲なんでしょー!!!!』   作:卯月御餅

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今回もやって参りました。
ちょっと強引気味ですけどまあええでしょう!


第2話『戸塚彩加』

冬。それは1年で1番寒い季節。沢山の別れが訪れる季節。そして人恋しくなる、そんな季節。

僕、戸塚彩加は走っていた。

日が落ち帰宅やらなんやらで慌ただしく流れる街並みを横目に、会いたい…その一心で走り続ける。

 

これは僕が走り出すほんの少しだけ前の話。

 

 

 

「って感じでね!八幡って全然連絡くれないんだよ」

 

高校を卒業して7年、お互いの職場に近いということもあり八幡とルームシェアをしていたのだが八幡の長期出張ということで休みを利用して僕は実家に帰ってきていた。

実家では同じく休みなのか妹がよく話し相手になってくれていて今日も妹に普段の八幡の話をしていたところだ。

 

妹「へぇ、あの比企谷さんがねぇ。結構マメ…というか兄ぃのことならむしろ即返信しまくりのイメージなんだけど」

 

「仕事が忙しいのかな?最近八幡電話できないくらい残業に追われてるって言ってたし」

 

そう。ついこの間八幡と電話した際に何やら仕事が立て込んだり納期ギリギリの案件があるということでかなり時間を取られていると言っていたのだ。

 

妹「それで家に帰っても1人だから実家に顔出した…と。兄ぃもなんていうかあれだよね〜」

 

「あれってなにさー!」

 

妹「ううん。それでさっきの続きはー?」

 

「そうそう。それでね、八幡がね〜」

 

なんてことない話をダラダラと妹にして過ごす。

 

妹「ほんと兄ぃって比企谷さんの話好きだね〜」

 

「そうかな?まあでも八幡ってほら万人受けするような容姿ではないでしょ?まあ僕はシュッとしてたりとか身長高いところとかかっこいいと思うんだけど、とにかくみんなは魅力を知らなさすぎるんだよ!彼女ができないのも見る目ないなっていっつも思ってるんだ!最近はニットの帽子とか被ってるんだけどニットからはみ出てる前髪とかいつもは知的な感じなのに可愛いんだよ〜。そういうところ見てると飽きないよ〜!」

 

妹「兄ぃ本気で好きすぎ笑」

 

「後は普段礼儀正しがったりきちんとしたイメージあるのにご飯にソースかけて食べたりとか…。あ、そうそう寝ぼけた時とか靴下いっつも違うものを履こうとして大変なんだよ!そこも可愛らしいんだけどね」

 

八幡と暮らし始めて何ヶ月か経ったけど色んなことが目を閉じるだけで再生されるくらいには見てきたからどれもこれもいい思い出なんだよね。

 

最近電話が出来てないから少し寂しい。あの耳を離れない優しくて心地いい声が聞きたくなる。今も耳に残る音をもう一度聞きたくて恋焦がれてる。

 

 

こうして離れてみると昔のこととか思い出してしまう。そもそも八幡とルームシェアするのだってあの事があったからしたんだし…。

 

あの事っていうのは1年前に八幡が川崎さんに振られちゃった時の事。

珍しく八幡から電話が来て出てみたら暗い声した八幡がポツポツと僕に話をしてくれて、2人でまたご飯でも行こうと誘ったら八幡泣いちゃったんだよね。

八幡が泣いてるのはなんだか気持ちがソワソワして、いてもたってもいられなくなった。

僕が好きなのは自信ないのに大事なものを守るために強気でいるあの優しい声なんだって。こんな悲しそうな声した八幡ほっとけないって思った。

 

妹「兄ぃ携帯なってるよ?」

 

「えっ?」

 

ふと携帯を見ると誰かから着信が来ていた。

反射的に手に取り通話ボタンを押す。

 

八幡『あー。もしもし彩加』

 

八幡だ。

 

「もしもし!どうしたの八幡!」

 

八幡『いや、仕事が早めに片付いたから今帰ってるんだが、このあと2人で飯でも行かねえか?』

 

「行く!!あとどれくらいでつきそう!?僕も急いで帰るね!!!」

 

八幡『あー、別に急いでは無いから大丈夫だぞ?それに何か用事あったならそっち優先でも…』

 

「いいの!僕準備とかして急いで帰るからちゃんと待っててね!!!!それじゃ!!!」

 

久しぶりに八幡に会える、それだけですっごく嬉しい。

 

妹「兄ぃ今の比企谷さん?出張じゃなかったの?」

 

「早めに終わったんだって!これから帰ってきてご飯行こうって!こうしちゃいられない!僕もう帰るね!!!お母さんに伝えといて!!!」

 

言い終わるとすぐに玄関を飛び出して帰路に着く。

 

今は傷ついてるから無理かもしれないけれど

八幡にいつか彼女が出来ても関係ないよね

僕は今日も同じだよ、変われずにいるんだよ

あの頃の八幡の声がたまらなく居心地がいいんだ。
あの愛しい響きに、今すぐ帰りたい。聞きたいと揺らいでいるんだ。
ねえ、もう一度聴かせてよ
僕が好きな八幡の声を聞かせて

 

 

 

 

 

 

妹「兄ぃ達別に付き合ってはないんだよね?BLとかじゃないんだよね?」

 

???「八×彩!?!?!?」ブシャッ




さてさてなんの曲でしょうかね〜
ちなみにBLではないですよ。ただ八幡が好きな彩加君の話です


[参考資料]

戸塚彩加 25歳 大手家電量販店社員
比企谷八幡 25歳 IT企業営業部社員

メモ : "付き合っていない" 比企谷八幡と戸塚彩加は良き友人でありルームシェアをするルームメイトである。現在比企谷八幡は傷心中。比企谷八幡、戸塚彩加両名恋人無し。
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