「まったく。色々、作戦を考えていたのに汀目と無桐のせいで無駄になったぜ」
「別にいいじゃないですか。ちゃんと勝ったんですから」
初めての召喚獣だったので、ちょっと張り切りすぎましたかね。
「そうだな。さて、それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談といくか。な、負け組代表?」
「…………」
床に座り込んでいるBクラス代表。まぁ、格下のFクラスに卑怯な手を使ったのに真正面からやられたんですから、落ち込みのも当たり前ですよね。しかも、ほとんど私と人識くんのたった二人のせいで負けたみたいなもんですし。
「まさか、姫路さん以外にも厄介な相手がいるなんて完全に計算外だった」
「安心しろ、この二人が居なくてもお前の負けだったからな」
おお、坂本くん、かなり自信満々ですね。その作戦が見れなかったのは少し残念です。
「さて、本来なら設備を明け渡してもらい、お前らには素敵な卓袱台をプレゼントするところだが、特別に免除してやらんこともない」
「………条件はなんだ」
「条件?それはお前だよ、負け組代表さん」
それって、もしかして告白ですか。BL的な展開ですか。坂本くんはそういう趣味だったんですね。
「俺、だと?」
「ああ。お前には散々好き勝手やってもらったし、正直去年から目障りだったんだよ」
なんだ、そういう意味ですか。少し残念です。
「そこで、お前らBクラスに特別チャンスだ。Aクラスに行って、試召戦争の準備ができていると宣言してこい。そうすれば今回については見逃してやる。ただし、宣戦布告はするな。あくまでも戦争の意思と準備があるだけと伝えるんだ」
「……それだけでいいのか?」
疑うような視線ですね。まぁ、確かにそれだけでは面白くないですね。
「ああ。お前がこれを着て言った通りに行動してくれたら見逃してやる」
そう言って坂本くんが取り出したのは、女子の制服。何でそんな物を持っているのでしょう?
て言うか、人識くんならともかく、根本くんの女装なんて見ても意味がないです。
「ふ、ふざけるな!これを見ろ!これは俺がかくし球として持っていたものだ」
根本くんはそう言って、手紙を出してきた。
「あ、あれは!」
その手紙を見て姫路さんが驚いた顔をしている。
「もしかして、あの手紙は姫路さんの物ですか?」
「はい、そうです」
根本くんは、あの手紙を使ってFクラスの主戦力である姫路さんを抑えるつもりだったんですね。
なんというか、ものすごく小物っぽい作戦ですね。そこまでして、勝ちたいんでしょうか?
「これを公開したら姫路さんが困るぞ。それでも、さっきの要求をする気か?」
「ふざけるなよ、この糞野郎!それは姫路さんの大切な物なんだ。さっさと返しやがれ!」
吉井くんが姫路さんのために怒っている。やっぱり姫路さんのことが好きなんですね。
「俊希くん、どうにかなりませんか?」
「別に出来ないことはないけど面倒くさいな」
「姫路さんも困っているみたいですし、助けてあげてください」
「はぁ、仕方ねーな。助けてやるよ。腹が減ったし、早く帰ってお菓子を食べたいからな」
嫌そうなフリをしながらも姫路さんのことを心配しているんですね。やっぱり人識くんはツンデレですね。
「おい、吉井。俺に任せろ」
「汀目くん。あの手紙を取り返せるの」
「ああ。だから下がっていろ」
「……分かった。任せたよ」
そう言って、吉井くんはまだ怒りが収まってないようだけど、人識くんの言葉を信じて下がってくれた。にしても、人識くんが止めなかったら殴りそうな勢いでしたね。
「おい、Bクラス代表。たしか、根本っていったか?」
「そうだが。俺は何と言われようと、さっきの要求を取り消さない限りこの手紙を公開するぞ」
「そんなことを言っていいのか?俺はこの学園のスポンサーと知り合いでな。そいつに頼めばお前を退学にすることも出来るぞ」
「そんな嘘が通じると思っているのか?」
「嘘じゃないぜ。証拠もある」
「しょ、証拠だと。あるなら見せて見ろ」
「この学園は注目を浴びているから、色々と厳しいらしいな。何でそんな学園で俺が刺青をしているのを許可されていると思っているんだ?それはスポンサーの頼みだから特別に許可を貰っているんだよ。スポンサーに降りられると学園長も色々困るからな」
「無理やり生徒を退学させたら、それこそ世間の評判は悪くなるだろ」
「それはどうかな?確かFクラスの教室も破壊していたな。お前がやったことは窃盗に器物破損罪だ。そんな犯罪を犯したお前に処罰を与ない方が問題だ。それに俺は警察にも知り合いがいるからな。今から電話してもいいんだぜ。さぁ、どうする?」
「わ、分かった。頼むから許してくれ。女装でも何でもするから退学と警察はやめてくれ」
「じゃあ、さっさと手紙を返しやがれ」
「返すから許してくれ」
そう言って、根本くんは怯えながら人識くんに手紙を渡した。
「姫路、これは返すぜ」
「あ、ありがとうございます」
「別に礼なんていいさ」
「じゃあ、お前ら。さっさと根本を女子の制服に着替えさせろ」
後ろでは坂本くんが根本くんを女装させるように指示していた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。せめて友香は移動させてくれ。さすがに彼女の前で女装は恥ずかしすぎる」
えっ、根本くんって彼女がいたんですか。
「あの姫路さん、友香って誰ですか?」
「確か、Cクラスの代表だったかと」
そういえば、ここってCクラスでしたね。いきなりBクラスが襲ってきたりで忘れてました。
「……ねぇ、恭二。別れましょう」
「え?」
「正直、今日の貴方を見て幻滅したのよ。だからこれ以上は無理。じゃあね」
「ちょっと待ってくれ」
「うるさい」
吉井くんが振られてショックを受けている根本を殴って気絶させた。鬼ですか、貴方は。
それに小山さんもそれを気にしないで帰っていくし、何か少し根本くんが可哀想ですね。
その後、Bクラスメンバーが率先して根本くんを女装させていた。根本くんって人望がないんですね。
女装が終わると土屋くんによる撮影会が行われた。あんなものを撮ってどうする気なんでしょう?
「ああ、そうだ。Aクラスはもう帰っていると思うし、宣言は明日の朝にしてこい」
「ふざけるな。じゃあ、何で今、女装させたんだ」
「細かいことは気にするな。明日もちゃんと女子の制服で登校してこいよ」
「ふざけるな。登校してから着替えたらいいじゃないか。おい、ちょっと待て!」
根本くんを無視して坂本くんはこっちにきた。
「そういや、汀目。さっきの学園のスポンサーと知り合いとかいう話は本当か?」
「かはは。ただの戯言だっつーの」
人識くんの戯言が上手く出来た自信がない。やっぱり、難しい。今後、戯言遣いを登場させる時どうしよう。
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