バカと殺人鬼と家族愛   作:二重世界

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第9話 Aクラス戦、前半

点数「では両名共準備は良いですか?」

今からFクラスの目標であるAクラス戦が始まるところです。

昨日は潤さんの依頼が入り、宣戦布告には行けなかったので詳しいことは分かりませんけど、一騎討ちを五回で三回勝った方が勝ちというルールらしいです。

今回はBクラス戦とは違って分かりやすいルールなのでやりやすそうです。

 

「ああ」

 

「……問題ない」

一騎討ちの会場はAクラスです。Fクラスと違って、本当に立派な教室で羨ましいです。

 

「それでは一人目の方、どうぞ」

向こうの相手は木下くんと同じ顔をしていますね。正直、制服以外の違いが分かりませんね。

 

「木下くん、もしかして相手の人って、双子か何かですか?」

 

「ああ、そうじゃ。ワシの双子の姉じゃ」

へぇ、そうなんですか。でも木下くんはFクラスなのにお姉さんがAクラスということは中身は結構違うんですかね。

 

「じゃあ、こっちからは汀目だ。頼んだぞ」

 

「ああ、任せとけ」

こっちからは人識くんですか。頑張ってくださいね。

 

「確か、あなたって転校生だったわよね。任せとけって、勝てるつもりでいるの。Fクラスの分際で」

 

「当たり前だろ。Aクラスがどんだけ偉いか知らないが、相手を舐めてると足下をすくわれるぜ」

 

「生意気ね。それに、その刺青は何なの?そんなの学校にしてきて、何のつもりなの?もしかして、格好いいとでも思っているの」

 

「うるせぇな。学園長から許可もらってんだから、別にいいだろ。それに、この刺青にはすげー格好いい由来とかがあんだよ。ごちゃごちゃ口出しすんじゃねぇ。伏線が台無しだろうが」

 

「それは悪かったわね。でも、その伏線は回収されないまま終わるんじゃないかしら」

 

「かはは。まぁいい。そろそろ勝負を始めようか。科目はそうだな、適当に数学で」

 

 

「「試獣召喚」」

 

 

呼び声に応じて、二人の召喚獣が表れる。相手の召喚獣は西洋鎧にランスを装備していて、格好いいですね。

 

「さぁ、殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」

 

「やれるもんならやってみなさい」

 

 

『数学 Fクラス汀目俊希 132点VS Aクラス木下優子 324点』

 

 

おお、さすが人識くん。前回のBクラス戦よりも少し点数が上がっていますね。

木下くんのお姉さんは、さすがAクラスですね。私よりも点数が低いとは言え、かなり高得点ですね。

 

「Fクラスにしては点数が高いようだけど、その程度で私に勝てると思っているの?」

 

「やってみれば分かることだ。いくぜ!」

そう言うと、人識くんの召喚獣が相手に突撃した。相手は人識くんを迎え撃とうとランスで攻撃を仕掛けてきたけど、それを最低限の動きで避けて、相手の懐に入りこんで切った。

 

ダメージを受けた相手の点数が表示される。

 

 

『Aクラス 木下優子245点』

 

 

「ちぃ。思ったよりも減らなかったな」

 

「Fクラスの分際で生意気ね。でも、勝つのは私よ」

その後も、人識くんが攻撃を避けながら反撃をして相手の点数を確実に減らしていった。

 

「凄いね、汀目くん。観察処分者の僕よりも操作技術が高いんじゃないかな」

 

「俊希くんは器用ですからね」

 

そして、木下くんのお姉さんの点数が無くなり、まずはFクラスが一勝した。

 

「では、次の方どうぞ」

立会人の先生って、確か学年主任でAクラスの担任でもありましたよね。自分のクラスが負けたのに冷静ですね。

 

「私が出ます。科目は物理でお願いします」

 

「よし。頼んだぞ、明久」

 

「え?僕!?」

吉井くんでは勝てないと思いますけど。それとも、何か作戦があるんでしょうか?

 

「大丈夫だ。俺はお前を信じている」

 

「ふぅ……。やれやれ、僕に本気を出せってこと?」

何か意味ありげな発言ですね。

 

「ああ。もう隠さなくてもいいだろう。この場にいる全員に、お前の本気を見せてやれ」

 

「次は吉井なのか。大丈夫か?」

吉井くんが行くと同時に人識くんが戻ってきた。

 

「どうせ無理だろ。それよりも汀目、あの点数差で勝つとは凄いな」

 

「あの程度、変態の相手に比べたら楽勝だぜ」

 

「よく分からんが、お前も苦労しているんだな」

 

「まぁな」

 

「おい、少なくとも試合は見ろよ、バカ雄二」

え。もしかして、もう終わったんですか?さっき始まったばかりですよね。

 

「もう負けたのか。予想よりも早かったな」

 

「何で試合を見ていないのに負けたと思っているんだ?僕を全然信頼していないのか」

 

「信頼?何ソレ?食えんの?」

作戦とかなかったんですね。

 

「では、三人目の方どうぞ」

 

「……(スック)」

土屋くんが立ち上がりました。

確か土屋くんは保健体育が得意で、学年トップの実力らしいですね。でも、他は駄目らしいですけど。

 

「じゃ、僕が行こうかな。一年の終わりに転入してきた工藤愛子です。よろしくね」

へぇ、あの人も転校生なんですか。

 

「教科は何にしますか?」

 

「……保健体育」

 

「土屋くんだっけ?随分と保健体育を得意みたいだね?」

工藤さんが土屋くんに話かける。にしても、随分と余裕のある発言ですね。

 

「でも、僕だってかなり得意なんだよ。……キミと違って、実技で、ね」

何かエロい発言ですね。

 

「そっちのキミ、汀目くんだっけ?同じ転校生のよしみで保健体育を教えてあげようか?もちろん実技で」

もしかして、あの人、私の人識くんを誘惑する気ですか。

 

「教えてもらわなくても、経験あるから必要ないな」

こっちはこっちで問題発言ですね。て言うか、そうだったんですか!?

 

「えっ!?そうなの?」

何で自分から言っておいて、工藤さんは顔を赤くしているんですか?

 

「誰としたんですか、俊希くん」

 

「……いや、中学の時にちょっとな」

 

「だから、私のお風呂やトイレの世話をしたときに欲情して、襲ってこなかったんですね」

 

『総員、構え』

いつの間にかFクラスの皆が黒い覆面にマントを着ていた。

 

『異端審問会の掟により汀目俊希を処刑する』

『この世のリア充は全員、死滅しろ』

『殺っちゃうヨー。人類の思いつくありとあらゆる手段を用いて殺っちゃうヨー』

 

確かFFF団でしたっけ?それが人識くんに向かって突撃した。嫉妬が恐怖を越えたんですね。

 

「え~と、どうしよっか?」

工藤さんもどうしたらいいのか分からなくて困っている様子ですね。

 

「あいつらは無視して次の、ってムッツリーニがいない!?」

 

「土屋くんなら俊希くんの処刑に参加していますよ」

 

「マジかよ。仕方ない。代わりに無桐がいってくれ」

 

「了解です」

 

「君が代わりに僕と戦うの?そういや、昨日の宣戦布告の時にいなかったけど、風邪でも引いていたのかな?」

 

「……昨日ですか。昨日はちょっと死にかけてました」

本当に昨日は大変でしたよ。朝、急に表れて、あんなところに連れていかれるとは。本当に生きていることが不思議なくらいです。大厄島の時よりはマシでしたけど、命の危険は今回の方が高かったですからね。

 

「……そっか。よく分からないけど大変だったんだね。取り敢えず、勝負を始めようか。試獣召喚」

 

「そうですね。試獣召喚」

 

工藤さんの召喚獣は巨大な斧と腕輪を装備している。確か、腕輪は400点以上の人に特殊能力を使えるようにするものでしたっけ?厄介そうですね。

 

 

『保健体育 Fクラス無桐伊織 352点VS Aクラス工藤愛子 446点』

 

 

相手が巨大な斧に電光をまとわせ、あり得ない速度で突っ込んできた。私はそれを防ぎきれず、一撃で敗北した。




Bクラス戦に続いてムッツリーニの出番が伊織ちゃんに喰われている。どうしよう。
今度、ムッツリーニメインの番外編を考えてみようかな。

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