「すみません。負けてしまいました」
腕輪の力って厄介ですね。まさか一撃で負けるとは。
「気にするな。相手が悪かったんだ。それに残り二勝すれば問題ない」
「そうですよ。私も頑張りますから」
「では、次の方どうぞ」
隣でFFF団と人識くんの戦闘が続いているのに、よく淡々と作業を続けられますね。
「あ、はい。私です」
次は姫路さんですか。期待していますよ。
「それなら僕が相手をしよう」
「やはり来たか、学年次席。ここが一番の心配どころだ」
「次席ってことは強いんですか?」
「ああ、姫路と総合科目で20点程度しか差がないからな」
それはちょっとヤバいですね。ここで負けたら、Fクラスの敗北が決まりますし。
人識くんの方を見てみると、もうすぐ決着がつきそうだった。さすが人識くんですね。あの人数を相手にしても息1つ乱していないなんて。
にしても、これから大好きな姫路さんが戦うというのに、吉井くんは見なくていいんでしょうか?
『総合科目 Fクラス姫路瑞希 4409点VS Aクラス 久保利光 3997点』
人識くんの方を見ていると、いつの間にか戦闘が始まっていた。
姫路さん、凄い点数です。坂本くんに聞いた話とは違いますね。
周りから(FFF団と人識くんを除く)も驚きの声が上がる。
そして、戦闘は一瞬で決着がついた。
「ぐっ……!姫路さん、どうやってそんなに強くなったんだ」
「……私、このクラスが好きなんです。人の為に一生懸命な皆のいる、Fクラスが」
「Fクラスが好き?」
「はい。だから、頑張れるんです」
良いことを言っていますけど、正直、理解できませんね。人の為というよりも、他人に対する嫉妬で動いているように見えますね。特にFFF団。
「これで二対二です」
さすがに追い込まれたからか、立会人の先生も戸惑っているようですね。
「最後の一人、どうぞ」
「……はい」
この人がAクラスの代表でしょうか?綺麗な人ですね。
「俺の出番だな」
こちらからも代表の坂本くんがでる。
「木下くん、相手はどんな人なんですか?」
「学年主席で、二年の中では飛び抜けた実力の持ち主じゃ」
「それじゃあ、坂本くん、ヤバいんじゃないですか?」
「大丈夫じゃろ。一応、作戦もあるみたいじゃし」
へぇ、そうなんですか。でも、やっぱり心配ですね。
「教科はどうしますか?」
「教科は日本史、内容は小学生レベルで方式は百点満点の上限ありだ!」
成る程。それなら、満点確実で注意力と集中力の勝負になりますね。
でも、それだけで勝てるとは、やはり思えませんね。
「分かりました。それでは問題を用意してきますので、少しこのまま待っていてください」
「ぐわっ!?」
先生が教室を出ていくのと同時にFFF団のメンバー(名前は何でしたっけ?)が飛んできた。
「残りはお前一人だぜ、吉井」
FFF団は吉井くんを残して全滅していた。FFF団VS人識くんの方も佳境みたいですね。
「くっ。こうなったら、仕方ない」
「何か作戦でもあんのか?」
「すみませんでしたぁ!」
いきなり吉井くんが土下座をした。プライドはないんですか。
「はぁ?」
さすがの人識くんも予想外だったのか、びっくりしています。
「お前ら、いつまで馬鹿やってんだ。次でラストなんだから、ちゃんと見とけよ」
「ほら、雄二もこう言ってるし、そろそろ止めようか」
「仕方ねぇな」
人識くんは、まだ暴れ足りないようだけど、何とか止めてくれました。
「それで、今どうなってんだ?」
「今は二勝二敗で次で最後ですね」
「伊織ちゃんは勝ったのか?」
「負けました。腕輪の力が厄介でしたね」
「では、最後の勝負、日本史を行います。参加者の霧島さんと坂本くんは視聴覚室に向かってください」
先生は戻ってくると、クラス代表の二人に声をかけた。
「……はい」
「じゃ、行ってくるか」
二人は返事をすると教室を出て戦場に向かった。
これで遂に決着ですね。泣いても笑っても、試召戦争は終了です。
「皆さんはここでモニターを見ていて下さい」
先生が機械を操作すると、壁のディスプレイに視聴覚室の様子が映し出されました。
「そういえば、さっさ言っていた作戦って何か知っているんですか?」
「ああ、知っておるぞ。雄二が言うには霧島は大化の改新の年号を間違えているそうじゃ」
「大化の改新って、確か645年でしたよね。そんな簡単な問題を学年主席が間違えるんでしょうか?」
「雄二と霧島は幼馴染みらしくての、間違いないそうじゃ」
美人の幼馴染みがいるなんて、坂本くん、羨ましいですね。にしても、何で間違えて覚えているんでしょうか?
話しているうちにも問題がどんどん映し出されていく。にしても、さすが小学生レベルの問題ですね。間違いようがありません。
( )年 大化の改新
そして、遂にその問題が出ました。
これで最低クラスのFクラスが最高クラスのAクラスに劇的な勝利を収めることになるんですね。
Fクラスの大半が屍になっていなかったら、凄い盛り上がりになっていたでしょうね。
『日本史勝負 限定テスト 100点満点 Aクラス霧島翔子 97点VS Fクラス坂本雄二 53点』
はぁ?
「三対二でAクラスの勝利です」
え~と、どういうことてしょう?もしかして負けたんですか?
「……雄二、私の勝ち。だから、約束を守ってもらう」
床に膝をついている坂本くんに霧島さんが歩み寄って言った。
「木下くん、約束って何のことですか?」
「昨日の宣戦布告の時に負けた方が何でも1つ言うことを聞く、という約束をしたんじゃ」
へぇ、そんな約束をしたんですか?霧島さんはどんな要求をするんですかね。
「わかっている。何でも言え」
「……それじゃあ、雄二、私と付き合って」
もしかして告白ですか?しかも、こんな人前で。
「……というわけで約束だから。今からデートに行く」
「何がというわけで、だ。放しやがれ。やっぱこの約束はなかったことに」
霧島さんが坂本くんの首根っこを掴み、教室を出て行った。
何で坂本くんは、あんな美人に好かれているのに嫌がっているんでしょうか?二人の関係が気になりますね。後で霧島さんに聞いてみますか。
「さて、Fクラスの皆。お遊びの時間は終わりだ」
声のした方を見てみると、西村先生が立っていた。
「あれ?鉄人。僕らに何か用ですか?」
「西村先生と呼べ。おめでとう。お前らは戦争に負けたおかげで、福原先生から俺に担任が変わることになった。これから一年、死に物狂いで勉強できるぞ」
この言葉を聞いて、吉井くんが絶望したような顔をしている。西村先生って、そんなに怖いんでしょうか?
「後、Fクラスに副担任がつくことになった。入ってくれ」
西村先生がそう言うと、スーツ姿で長身の男の人が入ってきた。
「学園長が雇ったプログラマーで、試験召喚システムの調整の手伝いが本業なんだが、Fクラスの副担任も兼任する事になっている」
人識くんが副担任の人を見て驚いている。
「た、た、大将~~!?。何でこんなところにいるんだ!?」
「もしかして人識か!?お前こそ何で高校生なんかやってんだ!?」
もしかして、人識くんの知り合いですか?
活動報告にも書きましたが、番外編のアイデアを募集しています。何か意見を書いてくれると嬉しいです。
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