「いや、姫路さん。さすがにぶっ殺さなくていいよ」
「そうだぞ、伊織ちゃん。さすがに殺すのはまずいだろ。て言うか、そんな理由で怒られると、こっちも複雑なんだが」
確かに人識くんの言う通りですね。そんなことをすると潤さんに私達が殺されますから。
「分かりました。ボコボコにして女装させた上で撮影。それをweb配信するだけで我慢します」
「んー。まぁ、それぐらいならいいか」
「いや、良くないよ。汀目くんまで何言ってるの!?」
「そんなことよりも伊織ちゃん。早くAクラスに行きませんか?」
「そうですね、瑞希さん」
そして、私達はAクラスに向かう。
坂本くんは逃げようとしていたけど、吉井くんと欠陥製品さんが面白がって連行していた。
Fクラスのことは行く途中で会った大将さんに任せることにしました。
Aクラスの出し物はメイド喫茶で〔メイド喫茶『ご主人様とお呼び!」〕という名前です。
凄い名前ですね。まぁ、私が考えたんですけど。
Aクラスにつくと指が擦りきれんばかりにシャッターを切っている男が一人いた。
「……土屋くん?」
「……人違い」
女装姿のクラスメイトはカメラ片手に否定のポーズを取っていた。
そう言えば、さっき教室にいませんでしたね。いつも神出鬼没なので気付きませんでした。
「もしかして、メイドの写真を撮っているんですか?」
「……敵情視察」
そんなに隠さなくてもいいと思うんですけど。
「駄目だよ、土屋くん。女の子にもプライバシーというものが――」
「……一枚100円」
「2ダース貰うよ。盗撮はバレないようにね」
切り替え、はやっ!欠陥製品さん、今度、結婚するのにそれでいいんですか?
そして土屋くんは欠陥製品さんに写真を渡してき教室の方に戻っていった。にしても、プリントアウトまで済ませているとは。相変わらず底が知れませんね。
「……お帰りなさいませ、ご主人様にお嬢様」
Aクラスに入るとメイド服姿の翔子さんが出迎えてくれた。
「……ちっ」
最後に坂本くんが渋々入店してくる。翔子さんみたいな美人がいるのに嫌がらなくてもいいじゃないですか。
「……お帰りなさいませ。今夜も帰らせません、ダーリン」
も?まぁ、私は翔子さんから大体の話は聞いてますけど、毎日のようにやっているんですかね?
「駄目だ。そんなのメイドじゃない。僕が本当のメイド魂というものを教えてやる」
そう言うと欠陥製品さんは翔子さんを連れて裏の方に行ってしまった。
欠陥製品さんはメイドマニアだったんですか。あんな真剣な欠陥製品さんは初めて見ましたね。
「……ふぅ。助かった」
坂本くんが心から嬉しそうな顔をしている。
「代表が見知らぬ男に連れていかれたけど、どうしたの?」
メイド服姿の優子さんがやって来ました。
「気にしなくていいですよ、優子さん。あの人は私の知り合いのメイドマニアです」
「何それ?逆に心配なんだけど。って秀吉!また、そんな格好して。あんたが女装する度にわたしは――」
「いや、姉上。話をうわぁあああ!」
言い訳する暇もなく木下くんが連行されて行った。
なんだが、どんどん人がいなくなっていきますね。
その後は、他のAクラスの知り合いに案内されて席についた。
工藤さんは休憩中みたいで、今はいませんね。
「無桐さん、Aクラスの人達と知り合いなの?」
「はい。試召戦争の後に仲良くなったんです。特に翔子さんとは仲良しですよ」
「ちっ!!」
坂本くんが面白くなさそうに舌打ちをした。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「おう。二人だ。中央付近の席は空いているか?」
新しい客が来たみたいですね。にしても、不愉快な声です。
「あ、あの人達だよ。さっき大声で『男女逆転喫茶は気持ち悪い』って言ってたの」
なるほど。あの人達が犯人ですか。
人識side
いきなり伊織ちゃんと姫路が消えたと思ったら、さっき入ってきた犯人らしき二人組も消えた。
「……今、何が起こったんだ。人が消えたんだが」
「ああ、伊織ちゃんと姫路が犯人を拉致ったんだろ」
俺が見えなかったからな。一般人に見えるはずがない。
女の怒りはあそこまでの力を発揮するのか。恐ろしい。
て言うか、さっきから人がよく消えるな。
「え~と、色々と大丈夫なの?」
「大丈夫だろ。人目のないところで殺ってくれるなら、Fクラスに悪評が広まらないしな」
「いや、雄二。そういう問題じゃないと思うんだけど。後、字が違くない?」
「吉井。お前の言いたいことも分かる。あの二人が後で言いふらさないか心配なんだろ?だが、今のあの二人なら、そんな気をおこせないような目に遭わせるだろうから心配ないだろ」
まぁ、1つ心配があるとすれば殺してしまわないか、ということだけだな。そんなことをしたら俺まで人類最強から酷い目に遭ってしまう。
まぁ、その場合は色々手を回して誤魔化すしかないか。
「あれ?もしかして僕が間違っているのかな?自信がなくなってきたよ」
「安心しろ、明久。お前が正しかったことなんて一回もないから」
「それで何を安心しろ、って言うの!」
「っ!?」
今、殺気を感じたな。伊織ちゃんの他に二人。さっき拉致られた二人だとは思えない。まさか、人類最強が言っていた雇われたプロ、ってヤツか。これはまずいな。人類最強はもう帰ったし、大将さんが動くとは思えないからな。大将はもう零崎を止めているからな。
「……汀目くん。どうかしたの?」
「いや、別にどうもしねぇーぜ。ちょっとトイレに行ってくる」
そう言うと、俺はAクラスを飛び出し殺気を感じた場所に向かう。
屋上に着くと伊織ちゃんと姫路。そして、女装した気持ち悪い二人組が倒れていた。正直、気持ち悪過ぎて少し吐きそうだ。
そして、その近くに制服姿の男女の二人組が立っていた。
「お前らがこいつらを殺ったのか?」
「別に死んではいない。依頼人から出来るだけ殺さないように言われているからな。ところでお前は誰だ?」
「……俺は汀目俊希。そこに倒れている女子のクラスメイトだ」
「そうか。ただの学生には見えないが。お前もプロのプレイヤーか?」
一応、殺気を隠しているつもりだったんだかな。やっぱり隠しきれないか。
「そんな訳ないだろ。俺はただの高校生だよ」
「そうか。まぁ、いい。じゃあ、僕達も名乗ろうか。僕の名前は蜻蛉朝陽」
「私の名前は蜻蛉夜月。よろしくね」
蜻蛉?まさか、こいつら。殺し名序列一位『匂宮』の分家か?
匂宮の分家とは何回か殺り合ったことがあるが厄介だな。
「これ以上、関わらないでくれると有難い。必要以上に殺人をしたくないからな」
殺し屋が何言ってんだが。だが、ここで殺り合うのはまずいな。今、武器持ってないし。
一旦、引くしかないな。
「そうか。分かったよ。俺も死にたくないからな。お前らのことを聞かないし、他の連中にも言わない。これでいいか?」
「ああ、そうしてくれると、こっちも助かる」
「じゃあ、とりあえず、そいつらを教室に運ぶか」
そう言って、俺は伊織ちゃんと姫路をかつぐ。
「こっちの気持ち悪いのは運ばないの?」
「そっちはお前らで運んでくれ。お前らの仲間だろ」
「こんな気持ち悪いヤツは仲間じゃないわ」
「でも仕事だろ」
「キミ、何者?ただの一般人じゃないでしょ?」
ちっ!やっぱり疑っているな。めんどくさい。
「俺が仮に一般人じゃなかったとしてどうするんだ?依頼人から出来るだけ殺さないように言われてんだろ?」
「そうだな。あんたの言う通りだ。夜月、ここは一旦下がるぞ。だが、もし邪魔をしてきたら、その時は容赦なく殺す」
そう言って、二人は気持ち悪い二人を担いでどこかに行ってしまった。
にしても、ただの学園祭でプロのプレイヤーに会うとはな。
まぁ、いい。明日はちゃんと準備をしてくるか。
最初は常夏コンビはボコボコにする予定だったけど、ここでリタイアすると後で困ることに気付きました。
そして、オリキャラは考えたはいいけど出すタイミングに迷っていました。
そこで、都合が良かったので今回、ついに登場させられました。
さて、バトルシーンはどうしようか。
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