姫路さんを保健室に運んでFクラスに戻ってきた。
「無桐に汀目、戻ってきたか」
「あれ?今の時間は召喚大会の三回戦じゃなかったんですか?」
「実は相手が食中毒で棄権したから不戦勝だったんだ。だから早く戻ってきたんだよ」
「それはラッキーでしたね」
まさか、あの二人が関係しているなんてことは。いや、こっちが有利なるようなことをするとは思えないから、ただの偶然ですね。
「ところで姫路さんはどうしたの?一緒じゃなかったの?」
吉井くんが心配そうに聞いてくた。どうやって誤魔化しましょうか?
「あの二人を女装させたら気持ち悪くなって倒れたそうだ。だから、今は保健室で休んでいる」
そんなあからさまな嘘で騙せますかね。
「そうなんだ。確かに常夏コンビの女装なんて想像しただけで気持ち悪くて吐きそうだよ」
確かに気持ち悪いですけど、よくこんな嘘に騙されましたね。
「おい、気持ち悪いから吐くなよ」
「吐かないよ!」
「ここがFクラスか。予想していたよりはマシだな」
新しい客が来たみたいですね。にしても失礼な客ですね。
「いらっしゃ……何で貴方逹が来ているんですか?」
「ただ、暇だから清涼祭とやらを満喫しているんだよ」
そこにはさっき戦った蜻蛉兄妹がいた。さっき私と姫路さんをボコボコにしておいて何で普通に現れるんですか?
「私達は客ですよ。しっかりもてなしなさい」
「無桐、そいつらと知り合いなのか?」
「一応、知り合いです」
欠陥製品さんにも相談したいけど、まだ帰ってきてないですね。
もしかして、まだAクラスにいるんですかね?どれだけメイドにこだわりがあるんですか?
「じゃあ、そいつらの接客は任せた。俺は厨房の方を見てくるわ」
そう言うと、坂本くんは厨房に行ってしまった。
とりあえず、人識くんとこの二人を席に案内して注文をとる。
「何かオススメはある?」
「そうだな、ダークマターとかどうだ?舌がとろけるような味だぞ」
物理的にですね。
て言うか、あるんですか!?あんな物、間違って客にだしたら大変なことになりますよ。そう言えば、吉井くん逹の三回戦の相手、食中毒だって言ってましたけど、これが原因じゃないですよね。
「……何、その怪しい名前の食べ物?そんなのを私のお兄様に食べさせる気?」
あれ?もしかして、この人。私と同じ人種ですか?
「……何、その目?」
「いえ、別に。何だが仲良くなれそうな気がしただけです」
「何を言ってるの?」
「気にしなくていい。こいつはただの馬鹿だからな」
失礼ですね。私は家族を愛しているだけなのに。
「ところで夜月さん、でしたっけ?これはいりませんか?」
私は写真のカタログを見せる。これを気に入らない人間がいるはずがありません。
「……何これ?」
「この喫茶店のイチオシです」
「あれには何がのってるんだ?」
朝陽さんが人識くんに不思議そうに聞いている。
「気にするな。て言うか、絶対見るなよ」
何かフリみたいですね。
「夜月が見てるのはいいのか?」
「本当はかなり嫌なんだがな。とりあえず、伊織ちゃんの晩飯は抜きだな」
「酷いですね、俊希くん。家族虐待ですか?」
「違う。教育だ」
教育と言えば何でも誤魔化せると思ったら間違いですよ。絶対、作らせます。
「……お前も妹には苦労してんだな」
「お前もか?お互い大変だな」
何か兄どうしで不本意な理由で仲良くなっていますね。
可愛い妹を大変とか、二人とも分かってませんね。世間の男子からしたら夢のような状況なのに。近くにある幸せには気付きづらいんですかね?何か青い鳥みたいです。
「それはどういう意味ですか、お兄様。私はこんなにもお兄様を愛しているのに。もちろん、一人の異性として」
第一印象はクールなイメージだったのに、熱っぽく言う夜月さん。
「頼むから人前で、それを言うのをやめてくれ」
頭を抱えて困ったように言う朝陽さん。
「どうしてですか?私はこんなにお兄様を愛しているのに」
「私も良く気持ちが分かります。私は俊希くんのことを愛しているのに、つれない態度ばっかりとるんですよ」
ガシッと手と手を取り合う私と夜月さん。
「さっきの貴女の言葉の意味が分かったわ」
「それはなによりです」
こんなところで同志に出会えるとは。出来れば夜月さんとは殺しあいたくないですね。平和に解決出来る方法もあるはずです。
「……おい、それより早く注文をとらなくていいのか?」
「そうだな。僕もそろそろ腹がへってきたんだが」
「ああ、そうでしたね。忘れていました」
もう少し話していたかったんですけど仕方ないですね。また後にしましょう。
「俺はハンバーガーを注文する」
「私はお兄様と同じ物を」
「分かりました」
そして注文を須川くんに伝えたところで坂本くんに話かけられた。
「実は困ったことになってな」
「どうかしたんですか?」
「ああ、もうすぐ姫路の試合なんだが、まだ保健室にいるんだろう?このままだったら棄権するしかない」
ああ、そういえば色々あって忘れてましたけど姫路さんの転校がかかっているんでしたね。正直、それどころじゃないですけど。
「代役でもたてるか?」
「そうしたいところだが、無理だろうな。それに姫路の代わりを出来るヤツなんて、ウチのクラスには無桐しかいない」
「だったら私が出ましょうか?」
如月グランドパークのプレミアムチケットが欲しいですからね。
「馬鹿か?俺達は他にすることがあるだろう」
人識くんが周りに聞こえないように小声で言ってくる。
「ああ、そういえばそうでしたね」
私も小声で返事する。
「おい、お前ら。小声で話してどうかしたか?」
「あの……すみません。やっぱり出れそうにありません」
「別に気にしていない。どうせ、代理なんて無理だろうかな」
「おい、無桐。出来たから持っていってくれ」
須川くんがハンバーガーを持って言ってきた。
「分かりました。ついでに俊希くんもついてきてください」
「何で俺が?」
人識くんは文句を言いながらもついてきてくれました。やっぱり優しいです。
「ハンバーガー持ってきましたよ」
「私達はお客様ですよ。何ですか?その友達に話ような対応は?」
「何言ってるんですか?私達はもう友達じゃないですか」
「私達は同志ではあっても友達ではありません」
残念ですね。私はもう友達のつもりでしたんですけど。
それとも本当にお兄さんしか見えてないんですかね。
「まぁ、その辺は後で話ましょう。それよりも良い物は見付かりましたか?」
「こんな写真は必要ありません。私はお兄様一筋ですから」
この写真でも駄目とは。本物ですね。私以上かもしれません。
「さっきのあれには写真がのってたのか。何で俺には見せられないんだ?」
「本当は誰にも見せたくないんだがな」
そんな格好している時点で気にしなくてもいいと思いますけど。
「もしかして先生とかにバレるとマズイ写真なのか?」
「……別にそういうわけじゃないがな」
「良く分からなんな」
「だったら見せてあげましょうか?」
「見せたら一生、飯抜きだからな」
物凄く怖い顔で睨まれました。仕方ないですね、諦めます。今のところは。
以前よりは更新速度が落ちるかもしれませんが頑張って書いていこうと思います。
感想、評価、お気に入り登録待ってます。