清凉祭の二日目の朝、私は人識くんと大将さんとFクラスの教室で話しています。
今日は人識くんはメイド服じゃなくて普通の男子の制服です。残念ですけど、その分昨日のうちに沢山、写真を撮ったので我慢するしかないですね。
「そう言えば、今日は欠陥製品さんはいないんですか?」
「あの男は教頭の方をつけるようだ」
なるほど。確かに確実に今日、教頭先生が動くはずですからね。直接、証拠を掴むつもりなんですね。
そう言えば、教頭ってどんな人物なんでしょうか?私はまだ見たことがありません。
「ところで蜻蛉の連中が紛れ込んでいるそうだな。ちゃんと武器は持ってきているのか?」
「はい、ちゃんと持ってきていますよ」
私はいつもの場所に仕込んでいる自殺志願を見せるためにスカートを捲る。
「グハッ!」
気付いたら私の近くにカメラを持って現れた土屋くんを人識くんが蹴り飛ばしました。
にしても土屋くんはいつ来たんでしょうか?さっきまで教室にいなかったはずなのに。
「おい、伊織ちゃん。こんなところで無防備だぞ」
「そんな心配しなくても大丈夫ですよ。ちゃんとスパッツを履いていますから」
「そういう意味じゃない。そんな物騒なものを一般人の前で出すな、ってことだ。自殺志願はただのハサミで誤魔化せるような見た目じゃないからな」
ああ、そういう意味でしたか。確かに無防備でしたね。
ん?吉井くんと坂本くんが二人仲良く教室から出ていきましたね。
「じゃあ、俺は仕事があるから職員室に戻る」
「分かりました、大将さん。頑張ってください」
そして大将さんは教室から出ていきました。
とりあえず、さっきの吉井くんと坂本くんがどこに行ったのか島田さんに聞きますか。
「吉井くん達はどこに行ったんですか?」
「朝一番でテストを受けて眠いから屋上で寝てくるらしいわよ」
確か屋上は後夜祭用の放送機器が設置されているだけですから、昼寝するには良い場所ですね。
「にしても二人仲良くですか……。やっぱり腕枕でもするんでしょうか?」
「やっぱり伊織もそう思う!?」
やっぱり島田さんもそう思いますか。
「いや、それ以上のこともあるかもしれません」
「これは撮影するしかないですね」
気付いたら姫路さんも近くに来て会話に参加していました。
「おい、馬鹿なこと言ってないで休ませてやれ。吉井は姫路を転校させないために頑張っているんだから」
「……そうですよね。吉井くんは私のために頑張っているのに邪魔するのは駄目ですよね」
私も姫路さんが転校してしまうのは悲しいですから、気になりますが今日は邪魔をせずに二人を仲良く休憩させましょう。
「だから、ここは私が吉井くんのためにご奉仕するべきですね。性的な意味で」
「何でそうなるんだよ!?」
いやいや、人識くんこそ何を言っているんですか。好きな人が自分のために頑張っているんだから、性的なご奉仕をしてあげるのは当然のことです。それが吉井くんが一番喜んでくれる方法ですから。
クラスの皆がいつの間にか黒い覆面とマントを装着していました。もし邪魔をする場合は私が排除するしかないですね。
「まぁ、いい。伊織ちゃん、俺達も行くぞ」
「屋上でHなことをしにですか?」
「ちげぇよ!」
違うんですか。残念です。
「汀目くん、どこに行くんですか?」
姫路さんが何故かカメラを構えながら人識くんに質問しました。
「ちょっと用事があるだけだ」
そう言うと人識くんが教室から出ていったので私も追いかけます。
「結局、どこに行くんですか?」
「屋上」
「やっぱり二人の様子を見に行くんですか?それとも参加しに行くんですか?」
あー、その場合はあんなことやこんなことが……。妄想がはかどりますますねぇ。
「幸せそうにしているところ悪いけど違うからな」
そんなに顔に出てましたか。ポーカーフェイスを心掛けたつもりなんですが。
「いえいえ、人識くん。何を勘違いしているのか知りませんが私が言ったのは吉井くんと坂本くんが蜻蛉兄妹に襲われないように様子を見に行く、という意味です」
「……じゃあ、参加っていうのはどういう意味だよ?」
「もちろんバトル展開になっていた場合に参加する、って意味です。て言うか、人識くんはどういう意味だと捉えたんですか?人識くんも意外とそういうことが好きなんじゃないですか?」
「ちっ。段々、兄貴に似てきてムカつくな」
いつもこんな感じにお兄ちゃんに弄られてきたんですね。
これは私がお兄ちゃんの意思を引き継いで人識くんを弄っていくしかないです。
「まぁ、いい。そういうことだ。教頭のことは欠陥製品に任せて俺達は蜻蛉の相手だ」
「でも、学校で暴れて大丈夫ですかね?」
もし私達のことがバレて文月学園にいられなくなるのは嫌ですよ。
「大丈夫だろ。今は清涼祭で盛り上がっているから少しぐらい暴れても大丈夫だ」
「まぁ、そうですね」
「それに人をボコボコにした程度じゃ、この学園では問題にならないだろ。だって、そんなの日常茶飯事だからな」
ああ、そういえばそうですね。
特にFクラスは一般人が出してはいけないような殺気で人を襲っていますし。
まぁ、それでもさすがに死人を出すのはマズイでしょうが。
そして私達は屋上にたどり着いた。
そこには気持ち良さそうに寝ている吉井くんと坂本くん。そして二人を見下ろしている蜻蛉兄妹の姿がありました。
「よぉ、何やってんだ?」
「君こそこんなところで殺気を出して何をするつもりなんだ?」
出会うなり早速、睨み合う人識くんと朝陽さん。
「夜月ちゃんは屋上でお兄さんとHなことをしに来たんですか?」
「私はそれでもいいですけど違います。ここで無用心に寝ている二人を戦闘不能にするのが目的です」
ああ、やっぱりそういう展開になりますよね。夜月ちゃんとは戦いたくなかったんですけど仕方ないです。
「では私達があなた達を止めるしかないですね」
「あなた達が私達をですか?そんなこと出来るとは思えませんが」
「いえいえ、そんなことありませんよ。ねぇ、人識くん?」
すでに戦闘モードに入っているので俊希くんではなく人識くんと呼びます。
「ああ、そうだな、伊織ちゃん。かったるいが仕方ない。殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」
「では、零崎を開始します」
次回はもっと早く更新できるように頑張ります。
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