バカと殺人鬼と家族愛   作:二重世界

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前回の更新から半年以上が経ってしまいました。まさかこんなに遅れるとは思ってなかったです。
久し振りにバカテスの原作を読んだら書きたくなりました。その割りにはバカテスキャラの活躍はないんですが。清涼祭が終わればバカテスキャラも活躍するはず。


第23話 謎のメイド

「この騒ぎは何だ?」

 

私が変態……もとい春日さんをどうしようか迷っていると大将さんが戻ってきました。

 

「大将さんこそどうしたんですか?さっき職員室に戻ったばかりですのに」

 

「ちょっと教室に忘れ物をしてな。で、これは何が原因なんだ?」

 

大将さんが醜い言い争いをしているFクラスの男子達の方を見ながら聞いてきました。

 

「変態が現れたんです」

 

「変態?レンが化けて出たのか?」

 

何で一番最初に出てくるのが、それなんでしょうか?

もしかして大将さんの中では変態=双識さんという方程式でもあるんですかね?まぁ、実際に双識さんが化けて出たことはありますけど。

本当、困った――もとい家族思いのお兄ちゃんです。

 

「お兄ちゃんではなくアレです」

 

私は大好きな兄を誘惑されて殺人鬼並みの殺気を放っている夜月さん……を興味なさそうに適当にあしらいながら朝陽さんを保健室に誘っている春日さんを指差します。

出来るだけ殺人はしないと言っていましたが、今にも春日さんを殺しそうな雰囲気です。その気持ち、分かりますよ、夜月さん。私も人識くんが私以外に誘惑されたら同じ気持ちになりますから。

 

「……どれだ?見た感じ、ほとんど変態なんだが」

 

大将さんに言われて、もう一度見てみます。

……なるほど。Fクラスのメンバーが「エロいお姉さんとヤるのは俺だ!」とか「そんな顔だけの男より俺の方が良いですよ!」とか言って未だに春日さんの周りに群がっていますからね。しかも朝陽さんの悪口を言った人を夜月さんが一瞬で気絶させています。まさにカオス。

夜月さんは普通ですけど、この状況で変態は分かりづらいですね。

 

「白衣の女性です」

 

「……アレか」

 

確認すると面倒臭そうにしながら大将さんが春日さんの方に歩いていきます。

何をするつもりなんでしょうか?……まさか!

 

「これ以上、騒ぎを大きくするような行為はやめてくれませんか」

 

何だ、普通に注意するだけですか……。大将さんまで参加するのかと思いましたが違いましたね。

まぁ、大将さんはロリコンですから当たり前と言えば当たり前ですけど。

 

「貴方が私の相手をしてくれるの?今日は年頃の少年を食べたい気分だったけど、イケメンだしギリギリありかな?」

 

「い、いえ、そういうことを言っているのでは……」

 

色っぽい表情をしながら艶かしく舌なめずりをする春日さんにどう対応していいか分からず戸惑う大将さん。

元気な男子高校生が大量にいるからか前に会った時よりも発情していて、仕草の一つ一つがエロいですね。これはFクラスメンバーが暴動を起こすのも仕方ないです。同性である私でも少し見惚れているんですから。

それでも人識くんに手を出したら自殺志願で八つ裂きですけどね。

 

「鉄人二号は引っ込め!」

 

「そうだ!折角の保健体育の実習を邪魔するな!」

 

「エロいお姉さん、結婚してください!」

 

「喧しいぞ、お前ら!少しは大人しく――」

 

ん?どうしたんでしょうか?皆に怒鳴って注意しようとしたところで急に大将さんが固まりました。心無しか体が震えているようにも見えます。

ちなみに大将さんは前に暴走したFクラスメンバーを怪我一つさせずに制圧したことから一部では鉄人二号と呼ばれて慕われてい……ませんね。むしろ恐れられています。

 

大将さんの視線の先を見てみると、いつから居たのかは分かりませんが春日さんの後ろに美人なメイドさんが立っていました。

誰でしょう?少なくともAクラスにこんな人はいなかったはずですが。

 

「……あ、あれ?何でここにいるの?」

 

「…………」

 

春日さんが目を泳がせながら聞きますが、謎のメイドさんは無言で春日さんの服の襟を掴んで強引に引っ張っていきます。いきなりの事態に驚いているからか、謎のメイドさんの無言の圧力のせいか皆が静かになっています。

 

「……まだ生きていたんですね。いえ、あの時の貴方は死んだみたいですが」

 

謎のメイドさんは通りすがりに大将さんの耳元で何か呟くと、そのまま通り過ぎて行きました。何やら春日さんが叫びながら必死に抵抗していますが無駄なようです。

 

「さようなら」

 

とりあえず私は手を振ります。よく分かりませんが、これで私の人識くんを誘惑する邪魔者は消えました。

 

「お前ら、清涼祭には外部から人も来ているんだから、これ以上騒ぎを起こすなよ!」

 

とだけ言い残すと大将さんは逃げるようにどこかに行ってしまいました。教室に忘れ物をしたと言っていましたが、それは良いんでしょうか?

 

「大将さん、どうしたんですかね?」

 

「さぁな。前にメイドにボコボコにされてトラウマになったらしいから、その時のことでも思い出しているんじゃねぇか?いい気味だ」

 

私の質問に昔のことを思い出しているのか苦々しい表情になる人識くん。

何があったんでしょう?そんな話は聞いていませんが。

 

「……何だったんだ、今の人」

 

解放されて疲れきった表情の朝陽さんが戻ってきました。後ろにいる夜月さんはまだ怒っている……と思いきや何やら真剣な顔をしています。

 

「何だったんでしょう、今の人は」

 

朝陽さんと同じ台詞ですけど、夜月さんが言っている人物は春日さんのことではなく謎のメイドさんのことでしょう。

確かに何者なんでしょう?明らかにただ者ではなかったですが。後でメイドマニアの欠陥製品さんに聞けば何か分かりますかね?




次回は早く更新できるように頑張ります。何か前にも同じことを書いたような気がしますが。

では感想待ってます。

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