《ギガプラント》星6/守1200
《ヘル・ブランブル》星6/守1800
魔法・罠
《スーペルヴィス》(装備《ギガプラント》)
伏せカード1枚
フィールド魔法
《ブラック・ガーデン》
ジェイド LP4000 手札5→6枚
《ローズ・トークン》星2/攻800
《ローズ・トークン》星2/攻800
《ローズ・トークン》星2/攻800
《ローズ・トークン》星2/攻800
《ローズ・トークン》星2/攻800
「私のターン、ドロー! 2体の《ローズ・トークン》をリリースし、《メメント・ホーン・ドラゴン》をアドバンス召喚する!」
「召喚を妨害するためだったのに、アドバンス召喚に利用されちゃうなんてね……けど、手札から植物族以外のモンスターを召喚するためには《ヘル・ブランブル》の効果により1体につき1000のライフを払わねばならない!」
植物と混ざったような女性がジェイドへと腕を向ける。ハエトリグサのような手からエネルギー弾が放たれ、狙った相手に直撃。ジェイドから生命力を奪っていく。
「いづっ……!」
ジェイド
LP 4000→3000
迫ってきた光弾に対し反射的に腕で庇うも、効果を止められるわけではない。ライフポイントの4分の1を削られる。
『トークン地獄の解除の代金は1000ものダメージ! ジェイド先生は果たしてどこまで巻き返せるのだろうかーっ!』
どちらを応援しているのかはっきりとさせない……いや、やや生徒寄りな実況がデュエルを盛り上げる。
ジェイドがダメージを受けた後、二輪の薔薇を生贄にし紅色の角と爪を持つドラゴンが登場。レベル8に相応しい高いステータスを持つが、現在はフィールド魔法の蔦でぐるぐる巻きにされて思うように動けなくなっている。
「《ブラック・ガーデン》の効果で《メメント・ホーン・ドラゴン》の攻撃力は半分になり、《ローズ・トークン》を相手に特殊召喚する」
《メメント・ホーン・ドラゴン》
星8/攻2850→1425
《ローズ・トークン》
星2/攻800
じたばたする骨のドラゴンから栄養を吸い取り、一輪の薔薇がアキのフィールドに芽生えた。
「もてなしてくれて悪いけど、厄介な庭には退場願おうか! フィールド魔法《冥骸府-メメントラン》発動!」
フィールド魔法が変化し、蔦が冥府より浮上してきた遺跡に引き裂かれていく。
骨と宝石が融合したオブジェが大地に無数に突き刺さり、祭壇へは火が灯る。怪しく照らし出される骨の玉座は空席で、王の到来を待ち続ける。
――この時代では互いに同時に発動できるフィールド魔法は1枚のみ。遺跡が魔女の庭を退かしたことで呪いは解け、モンスター達の攻撃力は元に戻る。
「最初からフィールド魔法を張り替えられたのに、わざと《ローズ・トークン》を与えて……まさか!」
カードを使う順番によってアキはジェイドが何を狙っているのかに気付いた。
トークンは攻撃表示で召喚され、しかも攻撃力は800と低い。攻撃のマトにするにはうってつけだ。
アドバンス召喚でリリースされたトークンは2体。よって、モンスターを出せる場所がまだひとつ空いている。
空いている、ということは如何様にでも使える。……ジェイドの操るメメントには、モンスターを特殊召喚できる魔法カードが存在している。
「《メメント・ボーン・パーティ》発動。手札の《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》を破壊してデッキから《メメント・シーホース》を守備表示で特殊召喚」
《メメント・シーホース》
星5/守1600
ぱぱん! とお祝いなのか弾けるクラッカーの音。それは彼の展開開始を告げる号砲。
フィールドに姿を見せた半魚馬は早く早くと急かしているのか蹄で地面をかくような仕草を見せる。
「《シーホース》の効果で自身を破壊し、デッキから《エンウィッチ》、《ゴブリン》、《メイス》の3体を墓地へ」
墓地へ送るモンスターについて迷いはない。半魚馬は即座に命令に応える。
そしてモンスターが自身の効果で破壊されたのをきっかけに、フィールド魔法により出現した宝石が光りだす。
「《冥骸府-メメントラン》の効果。破壊されたモンスターのレベル以下の『メメント』モンスターを墓地から特殊召喚できる。私は墓地より《メメント・エンウィッチ》を特殊召喚!」
《メメント・エンウィッチ》
星3/守1000
「特殊召喚した《エンウィッチ》の効果で《メメント・カクタス》を手札に。《エンウィッチ》を自身の効果で破壊し、墓地の《メメント・メイス》を特殊召喚」
《メメント・メイス》
星1/守300
「《メイス》の効果で自身を破壊、効果でデッキから《冥骸融合-メメント・フュージョン》を手札に」
『フュージョン……と、いうことは!?』
ぐるぐると目まぐるしくモンスターが入れ替わる中、実況は聞き取れた魔法カード名を反復する。
「《冥骸融合-メメント・フュージョン》発動! フィールドの《メメント・ホーン・ドラゴン》と手札の《メメント・カクタス》を融合! 来い、《メメント・ツイン・ドラゴン》!」
《メメント・ツイン・ドラゴン》
星7/攻2800
渦の中から雷を伴った二口の竜が姿を見せる。
十六夜アキはその姿を見て攻撃力と効果に警戒を……いや、彼女が気にしているのはそちらではない。
「これで墓地にいる『メメント』が5種類を超えた……!」
融合によりモンスターは墓地へ送られ、準備は整った。
「墓地の5種類の『メメント』モンスター――《シーホース》、《エンウィッチ》、《ホーン・ドラゴン》、《ゴブリン》、《メイス》をデッキに戻し、墓地より《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》特殊召喚!」
《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》
星11/攻5000
大地を割り登場するのは強大な骨の竜にしてジェイド・アトラスのエースモンスター。
なお、毎回恒例の召喚口上要求チラ見は無視している。いつものことである。
『こっ……攻撃力ごせんン!? な、なんと凄まじいモンスター!!』
ジェイドは臨時講師として働いているが、彼のデュエルをこの場で初めて見る生徒は多い。圧倒的なパワーを前にして多くが絶句する中、実況が言葉を紡いでいるのは流石と褒めるべきだろう。
「ここだけは絶対に止める! 罠カード《幻影破壊》発動! 《テクトリカ》を裏側表示にする!」
現在、アキのフィールドには攻撃力800の《ローズ・トークン》が存在する。攻撃力5000だけは絶対に通してはならない。
お祭りで人が多いなぁよーしいつもより大きめの咆哮をしちゃうぞと竜は息を吸っていたが、カードがひっくり返りそのままおやすみ状態となる。
横にいた融合ドラゴンはその様子を見てすごく気まずい表情をしていた。
「裏側か……仕方ない、バトルフェイズに入る。《メメント・ツイン・ドラゴン》で《ギガプラント》に攻撃!」
気まずさを振り払うためか、雷の竜は大口を開けてばりばりと植物を噛み砕く。
戦闘破壊された《ギガプラント》だが、守備表示のためアキへのダメージはなく、バトルに負けたことで装備していた魔法が墓地へと送られる。
「《スーペルヴィス》が墓地に送られたことで、墓地から通常モンスターを特殊召喚できる、けど」
何度もジェイドとデュエルを重ねているためアキは効果をわかっている。けれど説明を必要とする観客が大勢いるため、あえて口にしていた。
「《メメント・ツイン・ドラゴン》の効果で『メメント』モンスターが戦闘破壊したモンスターは除外される。よって《スーペルヴィス》で《ギガプラント》を蘇生することはできない」
墓地に《ローンファイア・ブロッサム》がある状況で《ギガプラント》を維持されるのは危険であるか? なんて問いを出されたらデュエルアカデミアに通うものなら誰だって正解できる。
幻竜の攻撃で倒しきれない可能性を考えて隣に並べていたモンスターの効果で次のアキの展開を抑制し、ジェイドはメインフェイズ2に移る。
「《ローズ・トークン》を全て守備表示に。カードを1枚セット。エンドフェイズに《メメントラン》の効果で墓地の《メメント・ボーン・パーティ》をセットしてターンエンド」
このターンの攻撃は凌げた。しかし、《冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ》はジェイドのターンになれば反転しすぐさま攻撃に移るだろう。
残された猶予は次の自分のターンのみ。……アキは少しだけ動きが固くなる。
「私のターン……ドロー!」
手札は2枚。活路を見出すべく魔法カードを使用する。
「《フレグランス・ストーム》で《ヘル・ブランブル》を破壊してドロー! ドローしたのは植物族の《
モンスターも、追加ドローしたカードも、この状況を変えられるものではない。
「このカードじゃない……! 《闇の誘惑》で2枚ドローし、その後手札の《
ピースは集まりだしたが、まだ足りない。
「手札からチューナーモンスター、《レッドローズ・ドラゴン》を墓地に送り《調和の宝札》発動! 2枚ドロー!」
『十六夜アキは魔法の連打で手札の交換を積み重ねていく! 一体何を企んでいるのだー!?』
「……《調和の宝札》、というか《レッドローズ》……?」
ジェイドは思案する。《レッドローズ・ドラゴン》はこの時代にまだないはずのカードでは? いや、それを言ったら遊星とのデュエルでも本来ないはずのカードが使われていた。
もしかするとうちの押し売り幻竜族と似た感じでシグナー竜も頑張ってカードを作っているのかもしれない。
……こちらが改変を目指すとイリアステル側も対抗するためにパワカを積んできそうで少し不安になるが、このまま皆とデュエルを重ねればオカルト的カード生成を早められるかも? という結論に至りこの件についての思考を止める。
「――来た! 私は《ホワイトローズ・ドラゴン》を召喚!」
《ホワイトローズ・ドラゴン》
星4/守1800
通常召喚したのは白薔薇を背負ったドラゴン。
可憐な見た目から植物族っぽさを感じるがれっきとしたドラゴンだ。植物族と関連した効果を持つ【ローズ・ドラゴン】の一体。
「召喚に成功した《ホワイトローズ・ドラゴン》の効果で墓地の《レッドローズ・ドラゴン》を特殊召喚!」
《レッドローズ・ドラゴン》
星3/守1800
仲間の声に導かれたのは二輪の赤薔薇を背負った――チューナーモンスター。
「レベル4の《ホワイトローズ・ドラゴン》に、レベル3の《レッドローズ・ドラゴン》をチューニング!」
「――冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け! シンクロ召喚! 現れよ、《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
《ブラック・ローズ・ドラゴン》
星7/攻2400
シグナーの竜が一体、激情を秘めた黒薔薇が咲き乱れる。薔薇のような見た目から感じる美しさとは正反対の獰猛で残虐な攻撃能力を宿し、ドラゴンは咆哮する。
ぎらぎらと本能を燃やし輝く眼は倒すべき敵としてジェイドを捉えた。
「シンクロ召喚した《ブラック・ローズ・ドラゴン》と、シンクロ素材になった《レッドローズ・ドラゴン》の効果を発動!」
それは全体除去効果の発動宣言。このまま何もしなければジェイドはただカードを失うだけで終わってしまう。
「そりゃそうくるよね、チェーンして伏せていた《メメント・ボーン・パーティ》発動! フィールドの《メメント・ツイン・ドラゴン》を破壊し、デッキから《メメント・スリーピィ》を手札に加える」
「《レッドローズ》の効果でデッキから《ブルーローズ・ドラゴン》を特殊召喚し、その後《ブラック・ローズ・ドラゴン》でフィールドのカードを全て破壊する! ――ブラック・ローズ・ガイル!」
黒薔薇の花弁による嵐が全てを巻き込む。フィールド魔法が破壊されたことでデュエルする二人の周囲は後夜祭会場へと戻る。
竜の身体すら破壊する暴風が吹き荒れる中、青い花びらがよく目立っていた。
「破壊された《ブルーローズ・ドラゴン》の効果で墓地より《ブラック・ローズ・ドラゴン》を特殊召喚」
「『メメント』モンスターが破壊されたため墓地より《メメント・カクタス》を、手札より《メメント・スリーピィ》を特殊召喚」
《メメント・カクタス》
星5/攻1700
《メメント・スリーピィ》
星3/攻800
『ななな、なぁーんと! フィールドのカード全てを失ったはずなのにモンスターが増えているぞぉー!?』
奇跡の青薔薇が黒薔薇の竜を呼び戻し、破壊を多用する冥骸は難なく立て直す。盤面はリセットされたが、即座にモンスター達が揃った。
「《カクタス》の効果で墓地の《テクトリカ》を手札に。そして特殊召喚した《スリーピィ》の効果で――」
加わったモンスターを合わせた合計⬛︎体で融合召喚をすれば、
なぜだか、とても胸が苦しい。物理的に痛いわけではない。心がきゅうっと締め付けられるような、とても、悲しいような。
……あれ? 何を、出そうとしていたのだっけ。
「ジェイド……?」
対戦相手の心配そうな顔と、彼女の腕にある痣がぼんやりと光っているのには気付かず、ジェイドはデュエルを続ける。
「――《スリーピィ》と《カクタス》を素材に《メメント・ツイン・ドラゴン》を融合召喚!」
《メメント・ツイン・ドラゴン》
星7/攻2800
出したのは2体目の融合ドラゴン。
守備表示にすることはしない。《ブラック・ローズ・ドラゴン》の前で守備表示は命取りになるし、素の攻撃力は相手を上回っている。
「《メメント・ツイン・ドラゴン》の効果で手札の《テクトリカ》を破壊し、デッキから《シーホース》と《エンウィッチ》を手札に加える!」
次のターンへと繋げれば手札にあるカードを使いジェイドは勝てる。
……次のターンが来れば。
「気のせい? だけど……ううん、今はそっちを考えている場合じゃない。《ブラック・ローズ・ドラゴン》に《憎悪の棘》を装備し、攻撃力600アップ!」
《ブラック・ローズ・ドラゴン》
攻2400→3000
「攻撃力3000……」
それはジェイドの残りライフポイントとちょうど同じ数字だ。
「そうなると残り1枚の手札は」
「速攻魔法《月の書》! 《メメント・ツイン・ドラゴン》を裏側守備表示にする!」
「だよねぇ」
あれだけドローカードを連打して逆転できないわけがない。シンクロ召喚されてからなんとなくで察していた負け筋は現実となり襲いかかってくる。
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果! 墓地の植物族モンスター1体を除外して相手の守備表示モンスターを攻撃表示にし、攻撃力を0にする! ローズ・リストリクション!」
ドラゴンの能力によりひっくり返っていたカードが表に戻り、さらに力を奪われる。
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》で攻撃力0になった《メメント・ツイン・ドラゴン》へ攻撃! ヘイト・ローズ・ウィップ!」
黒薔薇の竜は無数の棘を鞭のようにしならせ、無力な相手へと一切の慈悲なく振り下ろした。
骨と石が無惨に砕ける音。勝ち名乗りを上げるように竜は天へ咆哮した。
ジェイド
LP 3000→0
『勝者、十六夜アキーーーーッ!! 濃密な展開のデュエルでしたが、経過したのはわずか3ターン! 素晴らしいデュエルを見せてくれたお二人に盛大な拍手をーーっ!!』
拍手に背を押されながら二人とも舞台から降りる。
『それでは次の試合は――』
「あの時に裏側……裏側でさえなければ……っ! 《クレニアム》伏せてたから裏側じゃなければ【ローズ・ドラゴン】たちの効果を止められたのにぃ……!」
降りきった瞬間、ジェイドは終わったデュエルに対してぐぬぬと唸る。
初手に持っていた罠が《メメント・フラクチャー・ダンス》でも巻き返すことはできた。できたけども、現実はそうならなかった。
「ジェイドにーちゃん、デッキ作ってからカードほとんど入れ替えてないんだっけ? 流石に手の内バレたまま放置はよくないってぇ」
「そうする……裏側……」
ジェイドは龍亞からの正論を受けてちょっとしょんぼり。
一方、アキは痣のあたりへ手を添えながら龍可へ語りかけていた。
「あの時、反応していたのは間違いないわよね」
「うん。私の痣も光ってた」
融合召喚しようとしていたあの時、シグナーの痣が反応していた。ダークシグナーとの戦いで、初めてあの竜を見た時と同じ熱だった。
しかし呼び出されたのは《メメント・ツイン・ドラゴン》。融合効果が終わると先程の反応が嘘だったかのように熱は消えた。
「【メメント】には、まだ何かがある……」
あの時、彼は手を己へと向けていた。自分の内側に何が潜んでいるのかわかっていたのだろうか……いや、デュエル中の態度からするに記憶に残ってはなさそうだ。
彼の中にいるだろう未知の『メメント』融合モンスター。
それがジェイドに悪影響を及ぼすものでなければいいのだけれど、とシグナーの女性二人は不安を抱いていた。
ブラック・ローズ・ドラゴン「【ローズ・ドラゴン】の展開能力を得て出やすくなった私で全てを破壊する」
冥骸合竜-メメントラル・テクトリカ「みなぎる殺意……!? ケッツァーコアトルなんでこんな怖い子を人の子に与えたの……?」
《⬛︎⬛︎⬛︎-⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎》
ジェイド・アトラスの⬛︎⬛︎に関わっている。