能力覚醒少女の転生キヴォトス譚   作:無限ループ

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黒髪黒目ショートヘア小柄低身長元一般人少女を、
オーヴァードに覚醒させた上で銃社会へ転移させるという暴挙。
ヴァルキューレ警察学校に自首するべきか……。


臆病少女の転生キヴォトス譚

 

 あの世界には表の顔と裏の顔があった。

私は偶然にもどちらの顔も知っていた。

 

 家族、というよりも尊敬できる大人であったと思う。

親も親戚もいない私を拾った普段のだらしなさを時々忘れさせてしまうような、

何だかんだで頼れる人。そんな人は煤着シナ(わたし)を拾って育てた。

その上でこの世界の裏の顔も教えてくれた。

 

 知らないよりは知っていた方がいいと思うからと。

覚悟したつもりで事情を聞いた私に彼は詳しく教えてくれた。

 

 元はUGN(ユー・ジー・エヌ)のエージェントだったという、

私の恩人にして頼れる()()。だからこそ世界が覆い隠す裏の顔も知っている。

そんな()()も最近はとても忙しそうだったから、

邪魔をしたくなくて今日も深くは事情を聞かないようにした。

怖くなってしまって大人の領域に踏み入らなかった。

 

 そうしていつも通り学校から下校している途中で私は意識を失った。

朦朧としていた意識を何とか取り戻そうとして、

無理矢理倒れていた自分をたたき起こすと、

そこは地獄のような光景が映った。

 

 その光景を見た私は思考できず息さえも止めてしまっていた。

いつも変わらない平和があった筈の町は非日常に浸食され、

恐ろしい戦場へと変わっていたショックは大きく、

私はその場からショックのあまり動けなくなってしまう。

 

 UGN(ユー・ジー・エヌ)のエージェント達と、

FH(ファルス・ハーツ)超人(オーヴァード)の戦いは事情を知っているだけの、

脆弱な一般人であった私が目で追える領域ではない。

 

 高速の戦闘。一瞬の読み合い。

そして、命の奪い合い。

 

 その現実を私は受け入れきれなかった。

そんな隙を見逃さないように、

いつの間にかこちらへと飛んできた巨大な火球によって、

とてつもない衝撃と熱量を感じながら意識を再び手放した。

つまり、()()()()()()()()()()()()()

 

 なのに何故私は生きているんだろう?

そもそも何故意識が突然覚醒したと思ったら、

()()()()()()()()()()()()?と思ってもいる。

 

「ここはどこ……?」

 

 ――切実に誰か親切な人にでも近くにいるなら、

この街の事などを詳しく聞きたいけれど、

()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()女学生達や、

ヘルメットを着けている少女達の銃撃戦、

大暴れしているヘルメット武装集団の乗り回す戦車を見ていると、

安易に声は掛けられそうにもない。というか無理だ。

 

 大人の男性も見慣れない制服の少女達に守られるように走っている姿を見ていると、

この街の住人達は全員今見てる光景のように、

銃弾を喰らっても痛い程度で済むという訳でもないらしいけど。

 

 私の場合も銃弾が命中すれば当然痛い程度で済む訳もないから、

この場所から避難したいという気持ちも強い。

でも下手に動ける状況でもない。

というか下手に身動きしたら私は銃弾に撃ち抜かれて死にかねないのだ。

 

 銃弾が飛び交うこの見知らぬ街で、

()()どう動くべきなのだろうか。

 

「……こわい」

 

 そもそも私自身、もう色々と限界だった。

非現実的な破壊された町を見てショックを受けた。

一度殺されたと思ったのに。

気付けば何故か知らない街にいて。

 

 更に銃撃戦によってもう一度死にかけている今の状況。

受け入れられる許容量を大幅に上回っている。

 

 頭を抱えて潜んでいた建物の陰で。

 

 恐怖を堪えるように必死に蹲り耐える、

しかし泣いたところで何も変わらないというのに、

混乱と恐怖のあまり涙を流してしまう。

 

 どうするべきなのかもどうしたいのかも分からない。

こんな状況では答えが出てくる筈もない。

 

 そうしてしばらく蹲って怯えていた私に、

何か心配するような声音が聞こえた。

 

「大丈夫!?不良達も戦車も私達で鎮圧したから、

 もう泣かなくていいわ。銃撃戦はもう終わらせたからね!?」

 

「……え?」

 

 その言葉への反応が思わず少し遅れるも、

私は蹲って泣いていたせいで酷い事になっている顔を上げる。

 

 そこにはたった数人でヘルメットの武装集団を鎮圧した、

四人の少女達と一人の大人の男性の姿が目の前にあった。

 

「やっぱり怖くて泣いてるわね。ごめんなさい。もう少し早く気付くべきだったわ。

 ()()()()()()がなくて()()を持たないこの子を置いてはいけないのもありますし。

 シャーレの部室はすぐそこだという事なので、

 この子の事は私に任せて先生は目的の場所に向かってください!」

 

「ええ、今は目的であるシャーレへと向かってください、先生。

 この子の事は私達も全力で守りますので!」

 

「私達にお任せください!」

 

「先生もお気をつけて!」

 

「うん、皆ここまでありがとう。

 その子の事、しばらくよろしくね!」

 

「……???」

 

 ――こうして私は、

何が何だか分からないまま彼女達と彼によって救われて、

この街、()()()()()で暮らしていく事になるのであった。

 

 まだ私は何も知らない。

私の内側で()()()()()()()()()()()()()()()事も。

 

 そんな事に気付く余裕もなく。

未だに私は守られていた。()()()()()に。




オーヴァードのエフェクトを一切描写出来ずに力尽きる我が身よ許されるな許されるな。我が罪を全て許されるな(某運命の妖精をにわか再現)
一応もう一話だけ続けられるように更新頑張りたい(願望)

酷い転移の末に筆者が泣かせた少女オリ主の設定集

名前 煤着シナ(すすきしな)

性別 女

年齢 15歳

容姿 黒髪黒目の小柄低身長。セミショートヘア。
   可愛いと真面目っぽい雰囲気を両方纏う系の、
   平和な場所でなら間違いなく落ち着いている少女。
   現在は学生服を着ているが前の学校の物である為、
   キヴォトスに存在している学校の制服ではない。

所持品 制服と学生鞄以外なし

オーヴァード 覚醒完了

シンドローム ???

ヘイロー なし

神秘 なし

説明 薄幸転生少女。もう一般人ではいられないかもだが、
   この世界は悪い人しかいないわけではないので、
   多分大丈夫である。しかし臆病でややネガティブなので、
   銃社会なキヴォトスに慣れるまではしばらくかかりそう。
   真面目で勉強も嫌いではないし、家事も得意。
   しかし友達はほぼいなかったという。
   オーヴァードに覚醒した事を現段階ではまだ気付いていない。
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