なんかいきなり剣と魔法のファンタジーが始まったんだが   作:白金麗夜

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久しぶりに筆を取りました
暖かい目で見てください


龍と剣とカードと俺

もしも、世界が一変する瞬間に立ち会うことになったとしたらどうする?

 

科学とシステムに支配された世界が剣と魔法のファンタジーへと変わって、そして自分がオカルトな力を手に入れたら。

 

答えは人によって違うと思うけど、僕の答えは「流れに任せること」だった。

 

 

あの日のことは今でもよく覚えているよ。

 

よーくね。

 

今から20年前の2046年7月17日火曜日、まだ日も長く7月も後半に差し掛かった夏休み前のその日、僕は中学校の屋上で1人菓子パンを食べていた。

 

当時の自分は勉強が出来る訳でもなければ、根っからのコミュ障なので友達がいる訳でもなく、返却された期末テストの結果を手に当時ですら骨董品扱いされている有線イヤホンを格安のスマホに繋いで音楽を聴きながら空を見上げていた。

 

その日は皆既日食が東京から見ることが出来る、それも運良く昼休み中に見れる、ということで理科の先生から遮光レンズが貸し出しされていて、校庭では遮光レンズをつけて日食を観察している生徒の一団が完全に太陽が隠れるその瞬間をまだかまだかと待っていたよ。

 

 

ここで、当時の世界情勢の話をしよう。

 

2029年に始まり2035年に終戦した第三次世界大戦は知っているね。

 

実は僕の両親もそこで死んじゃったんだ。

 

まあそんなことは置いておいて。

 

そのとき日本もその主戦場の一つになってそこで両勢力がぶつかり合ったんだ。

 

しかも終戦直後に南海トラフ巨大地震が起きた。

 

もう国家機能というものは完全に崩壊したよ。

 

しかしそこで日本が終わることはなかった。

 

そこからの復興による内需の増大、そしてシンギュラリティによって発展するAI産業への日本企業の参入によって日本はバブル崩壊以来の好景気となり、それに伴った人口増大もあって日本は大発展したんだ。

 

それくらい当時の日本は力を持っていたんだ、当時のアメリカのジャーナリストをして「日本は世界有数の先進国として帰り咲いた」とまで言われるくらいにはね。

 

 

おっと、話が逸れたね。

 

話を戻そう、その日は雲ひとつない快晴で日食を見るのにはピッタリだった。

 

だんだんだんだん月と太陽が重なっていく、あたりが暗くなっていく。

 

そして太陽と月が完全に重なったその瞬間、地面が()()()と大きくそしてゆっくりと揺れた。大きな揺れにバランスを崩した僕は屋上に転がった。

 

落ちてイヤホンが外れたスマホからは緊急地震速報が大きな音を立てて鳴って、そこで初めて地震に気づいた僕は頭を必死に守っていたよ。

 

長い地震だったな。

 

揺れが収まった時、僕はスマホで揺れを確認しようと顔を上げた。

 

その時、信じられないかもしれないけど、空に日食と重なるように大きな門があったんだ。

 

そしてそこに光の鍵がが向かっていって門の鍵が開いて、門が開くとそこから無数の龍が現れたんだよ。

 

みんなそんなもの見なかったといったけどね。

 

まあでも当時からいる資格者(ライセンスド)達は大体見たと言っているよ。

 

この門は世界中に同時に現れたんだ。

 

そのあと、門を中心に大きな亀裂が空に走り、そしてガラスのように割れた。

 

そして門はいつのまにか消えていたよ。

 

それで、辺りを見渡すと、これまでの世界とは全く違った世界が広がっていて、僕はスマホを拾うことも忘れてその景色に見入っていた。

 

空には翼を広げた龍達が飛翔し、空の破片が落ちた場所にはとても美しい森や平原、湖が生み出されていた。

 

でも、そんな景色に見惚れていることは長くは出来なかったよ。

 

龍が1匹、校庭に降りたった。紅蓮に染まった()()()に身を包み、10メートルほどの巨体と長く曲がった角、そして殺意に満ちた目を持っていた。

 

不幸なことに校庭には生徒や先生達が既に地震から避難していた。

 

龍はそこにいた者をその巨体と、牙と、爪と、そしてその口から吐き出す炎でその老若男女の区別なく全てを殺して、喰らっていった。

 

僕は恐怖で立ち尽くしてただ龍が全てを蹂躙していく様を見ているしかなかった。

 

龍が蹂躙を終えた時、僕と目があってさ、僕は一瞬で理解した「殺される」と。

 

龍が口に炎を溜めたのを見た僕は急いでその場から逃げた。

 

次の瞬間、さっきまで僕がいた場所は龍が吐いた火球で木っ端微塵さ。

 

そしたら龍は校舎をよじ登って頭を屋上と同じ高さまで持ち上げた。

 

龍は再び口に炎を溜めたんだ。

 

僕は死にたく無いの一心で屋上の小屋の扉を開けて階段を駆け降りた。

 

それで次の瞬間には小屋は龍の炎で吹き飛ばされてたんだ。

 

それでね、龍は僕が屋内に逃げたと理解すると校舎から降りて建物への攻撃を始めた。

 

急いで学校から逃げださないと、と階段を駆け降りていったんだけど3階に繋がる階段がさっきの地震で崩れ落ちていてね、僕は仕方なく廊下を走っていった。

 

でも僕はそこで龍に見つかってしまったんだ。

 

龍は火球を吐くと僕と龍の間にあった教室は爆発で満ちて、炎が廊下まで溢れてきてさ。

 

咄嗟に壁に隠れて炎から隠れたんだ。

 

そのあとそこを離れて近くの階段から1階まで降りたよ龍に見つからないようにね。

 

僕が通っていた学校は校舎が幾つかあって龍のいる校庭を通らずに外に逃げるには、3号館の裏口を使う必要があった。

 

一階から通路を通って3号館に着いてときには、さっきまで僕がいた一号館は完全に龍の吐き出す炎に包まれていたよ。

 

きっと狙って仕留めるのが難しいとなって校舎ごと焼き尽くしてしまえばいいと思ったんだろうね。

 

そのあと裏口に着いた時、そこには既に龍がいた。

 

所謂待ち伏せされたってこと。

 

龍が口から火炎を吐きたす。

 

その直前直前、僕は咄嗟に手を前に翳した。

 

目の前が光に包まれてこのまま死ぬ、ということにはならなかった。

 

目の前に水の壁がありそれが炎を防いだ。

 

そして、手元には一振りの剣と何十枚かのカードの束があった。

 

その時の僕には何が何だかさっぱりわからなかったよ。

 

ただそれまでの自分からは想像もつかない力が湧いてきて、これならイケる、と妙な確信があったんだ。

 

龍は再び口に炎を溜め、吐き出す、今度はしくじることのないように。

 

僕はカードをポケットに入れるとその剣を握りしめ、炎が吐き出される瞬間、全力で振り抜いた。

 

直後、巨大な水の刃が生成され炎を一刀両断したんだ。

 

龍は火炎が通じないことを悟ると今度はその爪で僕を引き裂こうとする。

 

それを僕は避けると龍の腕に跳び乗り、そして剣を龍の腹へと突き立てた。

 

龍は暴れた、餌でありながら自分を殺そうとする不届き者を葬らんとね。

 

僕は剣を引き抜くと少し離れて、再びもう一回出来るはず剣を振り抜き、水の刃を創り出す。

 

しかし龍の鱗に傷はつかない。

 

龍は己の長い尻尾を僕の方へと振ってきたんだ。

 

僕は後ろに吹っ飛ばされて後ろにあった校舎の壁に打ち付けられた。

 

腹に尻尾の一撃をモロに食らった衝撃で、そん時はもう満身創痍でね。

 

さすがにもう終わりかと思った時、ポケットに入れてたカードの束が光ったんだよ。

 

で、そのカードを見てみると、見たことのない筈の文字の意味がわかるんだ。

 

それだけじゃない、使い方も性質も何故か頭に浮かんできた。

 

自分自身ですら半信半疑だったけど、その時はそれに頼るしかないって思って、僕はその中の一枚のカードを取り出して叫んだ。

 

『水透の祈り』

 

そのカードから発生られた()()は僕の体を瞬く間に癒した。

 

それによって確信した。

 

僕はコイツに勝てる、ってね。

 

僕は二枚のカードを翳す

 

『刃流水剣』『渦流竜巻』

 

すると龍の周りに水の竜巻が発生し、それが巨大な刃へと変わって龍を襲った。

 

龍は少なくないダメージに雄叫びを上げて応戦の構えを示したよ。

 

僕と龍はしばらくお互いに隙を伺っていた。

 

動きだしたのは龍からだね。

 

龍は幾つもの火球を連続して吐き出してこちらを牽制してきた。

 

対する僕は『柔水の盾』で炎を防ぎながら龍の近くに落とした剣を回収した。

 

それまでの攻撃から僕は龍の腹側には鱗がなく攻撃が通じることに気づいていた。

 

それは龍相手に近接で挑むことと同じだった。

 

でも龍もそれに気づいたみたいで爪を光らせ格闘戦の構えをとる。

 

再びお互いに隙を伺い合う時間が生まれた。

 

今度は先に動いたのは、僕だった。

 

僕は龍の懐にに潜り込み、龍の背後をとって背中に飛び移る。

 

しかし、龍は暴れて、僕は振り払われる。

 

そのあと、龍から距離をとったと思えばすぐに詰められてその爪を振るわれた。

 

間一髪で避ければ龍の尾が飛んできた。

 

それを『剛水の壁』で防ぐと龍は大きな隙が出来た。

 

その隙をついて僕は龍の片方の角を剣で叩き斬った訳だ。

 

角を折られた龍は怒り狂って攻撃の手を強めた。

 

僕は一旦距離をとって『鋭水の構』にて水でできた剣を生成し龍の頭に投合する。

 

剣は龍の右目に突き刺さり龍の視界を奪った。

 

僕は龍の死角に周り込み、脚を斬りつけ機動力を奪う。

 

それによって龍がバランスを崩した。

 

そこで僕は再び龍に近づいてもう片方の目を斬りつけた。

 

視界を完全に奪われた龍はがむしゃらに暴れていたよ。

 

そこで距離をとって再び『鋭水の講』で水の剣を生成し、龍の首に投げて突き刺した。

 

それによって龍は、大きなダメージを負って動きが鈍る。

 

それをチャンスだと思って僕は龍の頭の近くに飛び乗って龍のもう片方角を叩き斬ったんだよ。

 

すると龍は大きく体勢を崩したんだ。

 

龍の腹部が無防備になったその瞬間、僕は剣に大きな水の刃を纏わせて、龍の心臓に突き立てた。

 

僕はすぐに離れて龍の反応を伺った。

 

龍は数分間に渡ってもがき苦しみ、そして、絶命した。

 

これが僕の資格者(ライセンスド)としての初めての戦闘だ。

 

こんな感じのことが世界各地で起こっていたよ。

 

資格者(ライセンスド)たちが世に出てくるのはまだまだ先の話だ。

 

それじゃあ、次は資格者(ライセンスド)がどのようにして認知されていったかについて話すとしようか。

 

自己紹介が遅れたね。

 

僕の名前は灰崎秀、「剣の守護者」日本支部1番隊副隊長だよ。




高評価、感想
お願いします


『水透の祈り』
使用者の身体を回復する
使用魔力lv1

『刃流水剣』
流水を鋭利な刃へと変化させる
使用魔力lv3

『渦流竜巻』
空中に大渦を発生させる
使用魔力lv4

『柔水の盾』
魔法攻撃を防ぐ
使用魔力lv3

『剛水の壁』
物理攻撃を防ぐ
使用魔力lv3

『鋭水の構』
水で剣を生成する
使用魔力lv5
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