やっと目覚めた術式のせいで呪詛師認定されそうな件 作:へーれ
「あれ?こんな感じ?」
未だ『
自身が封印された際にも、後の事態は教え子達が何とか対処するだろうと考えていた五条だったが、こんな中途半端な形で封印が解かれるのは予想外だったようだった。
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「なるほど。大体の状況はつかめたよ。」
乙骨が『
「やっぱり先生でも封印は壊せないですか?」
「駄目だね。相変わらず呪力も作れないし体の力も入らない。完全に解除するためにはその“天使”って奴の術式が必要になるんじゃ無いかな。憂太が探しに行った黒縄は空振りだったし、天逆鉾は僕が『茈』で壊しちゃったし。」
五条の姿が示すとおり、隆景の術式では五条の封印を一時的かつ不完全にしか解除出来ない。
やはり『
「情報共有はこれぐらいかな。脳味噌野郎の素性も知れたし、僕が伝えられることも残ってないしね。またこの中に戻ると思うと気が重いけど、隆景もいつまでもこのクソ箱を開け続けられないでしょ?」
「目一杯頑張ってあと30分くらいですね。それ以上は流石に呪力が持ちません。」
五条の指摘通り、隆景もこの封印をいつまでも開けていられる訳では無い。この後死滅回游に参加することを考えれば呪力の消耗は少なくした方が賢明だ。
「近次と綺羅羅も手伝ってくれて助かるよ。京都の件は悪かったね。」
「別に良いっすよ。ムカついたからバックレた。そんだけっす。事情もコイツから色々聞いてるッスから。」
秤はそう言って隆景の方を握りこぶしに親指で指す。
「お?どうした?ちょっと大人になったじゃん。何かあった?」
「何かあったのはそっちのほうだろ…。素直に話して損したぜ。」
からかう五条に対し、秤が青筋を立てながら噛みつく。そんな光景を目にして隆景も顔が綻ぶ。
「それじゃあ開けっぱなしもしんどいんでコレも閉じますね。緊急の用件があればまた伝えますから。先生はのんびり待ってて下さい。」
「のんびりは嫌かなぁ。結構しんどいんだよ?この中。精神的にクルね。 …ああそれと隆景、ちょっと良いかい?」
「何でしょう?」
「天元様と喧嘩しないようにね。君、いま結界がらみで天元様のこと疑ってるでしょ。」
図星を突かれてひるむ隆景に五条は続ける。
「実物の
最強の術師は伝え聞いたのみの情報から限りなく真実に近い推測を導き出していく。
「ぶっちゃけ浄界を破壊すればその上に成り立っている死滅回游も一緒にぶっ壊せる。でも、それをやっちゃうと今後は『帳』も下ろせなくなるし全国の結界もまとめて弱体化する。今の状況でやれば回游が終わっても事態は沈静化しないよ。」
人々の不安が増大して呪霊が激増している今、天元の築いた基礎結界が無くなれば呪霊退治がままならなくなり、それが更なる呪霊増加に繋がる負のスパイラルが発生する。
死滅回游の発動を許した時点で術師の勝ち筋は「天元の守護=羂索の殺害」しかない。五条が伝えているのはそういう内容だ。その言葉は天元への疑念から他の術師との協調を絶ってでも独自に行動を起こすべきではないかとも考えていた隆景に冷静さを取り戻させる。
「本来は天元様がちゃんと隠さずに説明するのが筋だと思うよ。よっぽどの人間不信なのか人との接し方を忘れてしまったのか、僕らへの言葉が足りないのは同意するよ。それでもアレに人類への害意は無いよ。ほとんどシステムと言っても良い。」
だから天元への不信を理由に無理な行動をするのはやめておけ。五条に暗にそう諭された隆景は最後にいくらか言葉を交わして『
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再び封印が施された『
まず、死滅回游と天元の結界の関係について情報の共有と確認が行われた。天元は疑念を持たせたことを詫びた上で事実を認めた。
九十九は天元を散々罵倒していたが、それを余所にそれぞれが担当する
まず、東京第2
だが、どんな方針を取ろうと付きまとうのはまずは100
これについては
“天使”がいると思われる東京第2
次に話し合われたのは
伏黒からは代わりの
一方で、隆景が提案したのは
残りの
伏黒案では追加ルール自体が回游の永続を妨げると判断される可能性があるがルールの追加は1回で良いという利点があり、即効性が高い。
隆景案ではルールの追加が2回必要だが、追加するルール自体は回游の永続と競争の激化を後押しするもののため、ルール追加が却下される見込みは低い。
好戦的でない
五条による
最終的には隆景も他のメンバーに先駆けて回游に参加し、情報収集しつつ追加するルールを検討することになった。これは隆景の能力を把握している乙骨による推薦で彼の能力ならば
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11月10日
大阪
「俺の名前は、
大量に連ねられた壱万円札をラ○ボーよろしく体に巻き付けた痩せぎすの男が唾を撒き散らして叫びかけてくる。
(いきなりキャラ濃いなぁ…。)
死滅回游に参加した隆景はいきなり戦闘を仕掛けられていた。
自分が書くと五条がまともな大人のような発言をしてしまうのが目下の悩みです。