やっと目覚めた術式のせいで呪詛師認定されそうな件   作:へーれ

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原作と重なってくると書く緊張感が段違いです。


第三十九話 彷徨う復讐心

天与の暴君。真のフィジカルギフテッドとして覚醒した真希。亡き妹と交わした最期の言葉に応えるために隆景に刃を突き刺した彼女だったが刃先の違和感に気づく。

 

(刺さりが浅い…?)

 

左胸の心臓を突いたはずだが、刺したはずの肉体が水になって崩れる。

 

「お得意の忍術か。よく反応したな。」

 

『水分身の術』。隆景は自身のすぐ前方に水で象った分身を作り真希の刺突を代わりに受け止めさせていた。

 

(前に見たときとは異次元の動き。鍛錬を重ねただけじゃ説明が付かないレベルだ。)

 

おまけに幾らフィジカルギフテッドと言えど、以前はほんの微かだが感じられた呪力も今では全く消え失せている。それにも関わらず身体能力は桁違いに引き上げられている。これではまるで伝え聞くかつての禪院の異端児だ。

 

(呪力変質 指向限定 『五遁自在』)

 

今のままでは真希の速度に対応出来ない。そう判断した隆景は術式の使用と火風雷土水以外への呪力変質を禁じる『縛り』で五遁の忍術に限ってその性能を底上げする。

 

眼前に迫った刃を身を屈めて避ける。刀を振り切る前に真希の左脚から飛んでくる追撃の前蹴りに抜刀術の要領で抜いた『顕明連(けんみょうれん)』の柄をあわせて勢いを止める。

 

『神速のインパルス』。

反射速度の人体の限界を超えた強化。電気質に変換した呪力で全身の神経を強化し動体視力と反応速度を高める。攻撃力こそ備えていないが雷遁チャクラモードのようなスピードを発揮出来るこの技の名を隆景は「アイシールド21」に登場する用語を借りて呼称していた。

 

蹴りの迎撃のために抜いた刀でそのまま真希との剣戟に移る。真希の持つ異形の二刀は相当な強度を持っているようで破損を気にするどころか積極的に刀の峰を狙ってこちらの得物を叩き折ろうとしてくる。

それに対抗するために『土遁 硬化術』で『顕明連(けんみょうれん)』の強度を補強する。

強度が増したお陰で押され気味だった真希との剣戟の応酬も五分に押し戻し、その間隙に他の技を挟み込む。

 

『水遁 水手裏剣』。数奇な巡り合わせにより獲得した術式と鍛錬により身に付けた幾つかの拡張術式。それらを自ら封じることで今の隆景は五大性質変化に限って能力強化を果たしていた。

強化されたその運用能力により10発同時に放ったそれは相手を捉えることはなかったが回避運動を強いることには成功する。そこに追い打ちを掛ける。

 

鷲掴んだ岩を投げ飛ばすように振るった左腕から放たれたのは雷で象られた虎。

『雷遁 黒斑差(くろぱんさ)』。

獣は真希に噛みつくと同時に稲妻にその姿を変じ、捉えた相手の全身を高圧電流が貫く。

 

「がハッ!」

 

常人を超えた真希の肉体は本来なら体に滞留して動きを鈍らせるはずの電撃の余波を受け付けない。だが、完全な復帰を果たす前に隆景が先手を打つ。

 

『土遁 泥地獄』、『水遁 水龍鞭』。

真希の足下に泥を生み出して下半身を拘束し、水の鞭で両腕を縛り付ける。

 

「落ち着くんだ真希!」

 

ひとまず動きを止めた隆景は必死に呼びかける。まずは冷静な状態に戻ってもらわないと状況確認も出来ない。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

忌庫内で対峙したとき、実父は術式が使えない状態になっていた。恐らく恵らと結んだ『縛り』を破ったペナルティによるものだろう。

 

いい気味だと思った。

 

産まれたときから術式どころか呪力も持っていなかった私。呪力と術式を備えてはいたが相伝の術式では無く呪力も豊富には恵まれなかった妹。

 

後から聞くところによると、父は産まれた子が女であることに落胆し、まず呪力の無い私を見放した。しばらくして術式が「外れ」だったことが分かると妹にも興味を失った。

それからは父と母のみならず家中の人間から冷遇されることが当たり前のことになった。

 

そうやって私たちをずっと蔑み続けてきた父が今や術式を失い、呪力の操作すら覚束ない。

これで気分が良くならないことがあるだろうか。

 

対峙してはっきりとわかった。今の父は私に遠く及ばない。

自慢の剣術も刀を丁寧に先から根元まで順に折ることでプライドを粉々にしてやった。

 

刀を失えば今度は呪具を鎖に繋ぎ振るってきた。どこまでも伸び続ける不思議な鎖だったが、それも鎖の入った袋を切り裂けばすぐに無力化できた。

 

私は長年自分を蔑んできた父をここまで虚仮に出来ていることに本来の目的を見失ってしまっていた。

 

それを自覚したのは父が真依を人質に持ち出してきた時だった。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

真依を人質にとった父は躊躇なくその腹を刺した。

 

私は大馬鹿野郎だ。

とっととこの男を殺しておけば良かったのだ。

追い詰められた人間は手段を選ばない。優越感に酔いしれてそんな戦いの基本すら忘れてしまっていたのだから。

 

やむなく呪具を手放した。

真依の傷は決して浅くない。早く助けなければならない。今までの応酬での感覚から父が妹を更に傷付ける前に身柄を取り返すことは可能だろうと踏んでいた。

後はタイミング。父が勝利を確信して油断する瞬間を見逃さなければ真依は助けられる。

 

 

発砲音。

 

 

銃弾が私の腹部、肝臓のあたりを貫いた。

真依のリボルバー銃の引き金を父が引いたことに今更気がついた。

 

思い込み。

 

術師であり、刀を手放すことの無かった父が銃など使うわけが無いと思い込んでいた。

呪力による防御など出来るはずも無く。以前は不意の銃撃でさえ銃弾をつかみ取って防いでみせた自分が無様に銃撃を受けてしまった。

 

薄すれゆく意識。

 

最後に耳にしたのは私たち姉妹を引き摺る父の妄言だった。

 

「私こそが禪院なのだ。あのような簒奪者に好きにさせてはならないのだ!」

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

そこからの記憶が真実だったのかはいまでも確信はできない。

 

真依が語った私たち姉妹の関係。真依()曰く私たちはどちらかが消えない限り半端物のままなのだと。

だから真依(自分)が持って行くと。残していったのは髪飾りと刀、呪力から脱却した金剛の肉体。それと…

 

 

 

【全部 壊して】

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

手も足も縛り付けられて身動きが取れない。

今までの自分なら詰んでいる。

 

 

だが。

 

 

真依()が遺したこの肉体が…

 

 

この程度の障害に屈することなど断じてない!!

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

隆景が施した二重の拘束。関節を固定し真希の剛力も発揮できないように固定したはずだが、その拘束が木っ端みじんに破壊される。

彼女は無意識下で術の核となる部分を認識しそれを的確に破壊していた。

 

この“魂の知覚”とも呼べる認識能力は本来の時間軸では死した禪院直哉から産まれた呪霊との戦いの中で獲得するものだが、彼女は蝶が羽化するかのような能力の覚醒直後特有の万能感、自らを規定する枠が全て取り払われていく感覚の中で自身の身体能力を最大限にまで発揮するに至る。

 

拘束を逃れた真希は大気中の“面”を蹴ることで宙を飛び回り隆景に攻撃を繰り返す。

攻撃の中で真希自身の剛力に耐えきれず、呪具『竜骨』は破損しその機能が停止する。

 

役目を終えた『竜骨』を放り捨てて尚も真希の猛撃が続く。

 

『水手裏剣』に『水龍弾』。斬り合いの合間に忍術を繰り出す隆景だが空中を跳ね回る真希を捉えるには至らない。

 

(ここに来て更に速度が上がった!理屈は分からんがあの状態の真希をもう一度捕まえるのは困難だ!)

 

『土遁 土石龍』、『風遁 風切りの術』、『水遁 水断波』と立て続けに仕掛けた攻撃も忌庫内の構造を破壊するだけに終わる。

攻撃を躱し終えた真希が反撃を仕掛ける。その豪腕で瓦礫を投げつけ回避の選択肢を減らしながら隆景に襲いかかる。鍔迫り合いに持ち込まれると不利と判断した隆景は真希の刀を左後方へと受け流しながら腹部目掛けて回し蹴りを放つが左腕で受け止められる。

 

真希は受け止めた脚を掌で鷲掴みにして骨を圧し折ろうとするが、隆景が蹴り上げたもう片方の脚が真希の顎に直撃する。

しかし真希はそれをものともせず隆景の胴をヤクザキックで打ち抜く。直撃を受けた隆景は弾き飛ばされ、忌庫の端の壁に衝突して停止する。

 

(なんてタフさだ。体勢が崩れてはいたが『硬化術』を使った蹴りが入ったのに少しも堪えていないなんて。)

 

一方で隆景の体にはダメージが蓄積していっている。『五遁自在』の弊害で反転術式が使えないため傷の治療も出来ていない。加えて隆景が呪力変質を応用して戦っているのに対して真希はその肉体を駆使するだけで圧倒的な戦闘能力を発揮している。そのことが彼我のダメージ差に表れていた。

 

少しでも効率を高めなければ。水浸しになった床に手を突き、これまでばらまいてきた水を鞭に変えて真希を追い立てる。切り払ったり払いのけようとしたものは水飴状に変化させ行動を少しでも阻もうとするが、真希は器用に隙間を潜り抜ける。

 

策を破られ再び近接戦で押され始める隆景は力業での打開を図る。

 

(『水遁 大瀑布の術』!)

 

競技用プールを容易く満たすほどの大水流をぶつけようとするが宙を駆ける真希には大した障害にはならないが、隆景の本命は別にあった。

 

(『水遁 水龍弾』!『雷遁 雷龍弾』!)

 

二種の龍で真希の四方を囲み挟撃する。しかし。

 

「当たらねぇよ。」

 

刀を振るう。それだけの行為が轟音を生み出し、自身に迫る龍を真希は粉砕する。

雷の方が本命で水の方は囮。攻撃の意図をそう断定していた。

しかし、その超人的視認能力は別の異常を持ち主に知らせる。

 

(狙いが粗すぎる。何を狙って…………ッ!?)

 

皮膚の激痛と呼吸困難によって自身がガス攻撃を受けていることに真希は気付く。隆景が水と雷の同時攻撃を仕掛けたのは二つのシナジーを狙った訳ではない。捕捉が困難な真希に対して塩素ガスによる攻撃を隠すためのブラフだったのだ。過剰な攻撃は忌庫内の構造を破壊し空気の通りを悪くするため。真希が後詰めの攻撃と予想していた風遁忍術は発生させた毒素を真希の周辺に留めるためのものだった。

 

ガスから逃れようとした真希の四肢を水飴の鞭が捕らえる。従前の彼女の能力ならば容易く一蹴出来るはずのそれが通用したのは彼女の身体能力が低下していることの証左であった。

 

そしてこの勝機に隆景は全力で跳躍する。

掌には高密度に圧縮された乱回転する水遁チャクラの塊。

 

(『水遁 螺旋丸』!)

 

圧縮されたエネルギーが解放され、波濤の如き水流が真希の意識を刈り取った。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「……何で殺さなかった?」

 

 

拘束もされずに床に転がされていた真希は意識を取り戻し、少し離れたところで何かの作業をしている隆景に問いかける。

 

「産まれに感じる理不尽。その気持ちは俺も少しは分かるつもりだ。」

 

作業の手を止めずに隆景が答える。

 

「恨むなとは言わない。その恨みが生家の禪院に向くのも無理もないことだろう。呪術師の歪みの積み重ね、今度のことはそのせいでもある。」

 

真希の言葉を待たずに続ける。

 

「だけど今は状況が状況だ。禪院の人手を失うのは避けたい。お前の復讐を黙って見過ごす訳には行かない。だから少しだけ時間をくれ。」

 

「何をしているんだ…?」

 

上体を起こした真希は隆景の行っていることが何かの儀式の準備だと気付く。

その異質さにも。

 

「お前を非難するつもりはない。思うままに行動してしまっても良いとも思っている。でも、それは俺が死んでからにしろ。」

 

儀式の円陣の中には真依の遺体も安置されている。

準備を終えた隆景は印を結んでから告げる。

 

「今から真依の蘇生を試みる。俺が失敗したらお前を止める奴はいない。好きにしろ。」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

隆景が試みているのは、『輪廻天生の術』。

「NARUTO-ナルト-」において『輪廻眼』を持つ者のみが扱える死者の魂を黄泉の世界から呼び戻す外法の術である。

当然、隆景は『輪廻眼』なんて持っていない。であるならそれ以外がそろった環境を作って『輪廻眼』があるべき状況を作る。TYPE-MOON世界における本来の「投影魔術」の使い道。遙か昔に喪失し現存しない古の触媒や魔術的なシンボルの代用品を作成し大規模魔術を成立させる。その真似事をするのだ。

 

魔方陣で区切った結界を作り、世界の修正力を拒絶する『異界』を作る。

『五遁自在』によって五大性質変化は操れるが陽遁と陰遁は別だ。生命力を象徴する陽遁は、「正のエネルギー」と相性の良い呪具『顕明連(けんみょうれん)』に役割を担わせる。形作る力の象徴である陰遁については結界術で空間を象り要素の代わりにする。

 

五遁と陰陽。これらを揃えた空間を作ることで結界内を「NARUTO-ナルト-」世界の法則が満たす「異世界」へと変じさせることを目指す。

 

当然こんなことが成功する見込なんて億が一にも満たない。

それでも少しでも力を尽くしたかった。殺し殺されるのはこの業界では当たり前のことだ。血を分けた者同士での殺し合いも特別珍しいと言うわけでもない。

だからといってそれを「仕方なかった」で済ませたくなかった。

自分は既に悪に堕ち、物事を解決する手段として「殺す」ことが当たり前になってしまった。今更後戻りは出来ないことも分かっている。

だけど、自分の後輩までそこへ進んで欲しくはない。そのためにならこの命も賭ける。

 

自身に僅かに残った善性の残骸。

そういった燃え滓が今の隆景を突き動かしていた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「結界術『口寄せ 外道魔像』。」

 

『輪廻眼』には一つ、大きな関連を持つものが存在する。

それが『外道魔像』。

『外道魔像』は始まりの尾獣『十尾』からそのチャクラを抜き取った抜け殻であり、『輪廻眼』所持者のみが口寄せ、所謂召喚を行うことが出来る。

中身には大筒木カグヤ(ポット出ババァ)が入っていたりと謎も多いが、今重要なのは『輪廻眼』と『外道魔像』には強い繋がりがあると言うことだ。

 

結界術の応用で『外道魔像』の外殻を形成する。幸い『退魔の巨剣(スピリット オブ ソード)』や『白鵠(びゃっこう)』での経験でハリボテを作ることには自信がある。

 

これで五遁と陽遁と陰遁、『外道魔像(ハリボテ)』と『輪廻眼』にまつわる要素は可能な限り用意した。

後は隆景自身の「異世界を認識する」能力に懸けるしかない。

 

(ひつじ)の印を強く組み直し、呪詩を唱える。

 

「『外道 輪廻天生の術』。」

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

結界内のエネルギーの流れが変化し内部の「位相」にズレが生じ始める。だが、その変化は緩やかで今にも霧散しそうな弱々しいものだ。

 

(やはり後押しがいるな。『外道魔像』接続。)

 

外道魔像から黒鉛のような棒が伸び隆景の背部に突き刺さる。それと同時に体内のエネルギーを外道魔像が吸い上げ始める。

呪力、生命力、運命力。生命に必要なあらゆるエネルギーを吸い取られていく中で隆景は見る見る内に痩せこけ衰弱していく。

 

命を捧げると言う行為が『縛り』に似た効果を発揮したのか。結界内の「位相」のズレが大きくなっていく。異界化は順調に進行し、代償として術者からは命が削り取られていく。

だが、結界内には閻魔大王を思わせる意匠の巨大像が徐々に実体化しようとしている。

 

(『地獄道』で口寄せする『獄閻(ごくえん)王』だ。このまま術の成立まで持って行けるか?)

 

真依の魂を現世に呼び戻すために隆景は『外道魔像』に更なるエネルギーを送り続ける。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

結界の中では今も異端の儀式が行われている。

「死者の魂を呼び戻す」という本来なら為し得ないような目的のためにあの男は命を懸けると言っていた。

術式に精通している訳ではないが、いくら呪術師でも完全な死者の蘇生は叶わないだろうというのは真希も見当はついていた。

 

だが、目の前の異常な光景を目にするとそれが叶うのではないかという期待を持ってしまいそうになる。

また真依に会えるかも知れない。その期待に心が満ちていく中で幼少期からの思い出が次々と胸に浮かんでいく。

その中で最も強く真希の心に浮かんだのは、海原へ踏み出す妹の姿だった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

視界が霞み激痛が走る。だが儀式は順調に進行している。

 

(…よし!。このまま行けば俺の命が尽きる前に術を成立させられる。)

 

隆景が術の成功に向けて残る生命力全てを振り絞ろうとしたその時だった。

 

真依が真希へ遺した呪具『釈魂刀(しゃっこんとう)』が結界内の閻魔の巨像と外道魔像の「核」を正確に捉えて破壊した。

続けて結界の縁も切り裂いたことで儀式が中断し、起こりかけていた「神秘」が消失する。

 

生命力を吸い取られ、極限の集中の状態にあった隆景は儀式が中断したことで、それまでの疲労から床に倒れ込みそうになるが膝を付いて堪える。

 

「ハァハァ…。どうして止めた?何をするにしろ、俺が失敗するかどうかを見届けてからにすれば良かっただろう。」

 

疲労困憊の中で隆景は不可解な行動を取った真希に問いかける。

真希は手に握る『釈魂刀(しゃっこんとう)』を見つめながら答える。

 

「…………。思い出したんだ。私はいなくならないで欲しかったんだ。いくら殺したって、それじゃこの穴は塞がらないんだ……。」

 

緊張が崩れ一気に感情が溢れた真希は嗚咽混じりに溢す。

 

「ごめんな、真依。私…お姉ちゃんなのに…約束破ってばっかで…。」

 

その涙を止める術を隆景は知らなかった。

 

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