ブルアカ概念置き場   作:珱瑠 耀

1 / 7
YouTubeに良さそうな概念があったので書いてみた

下書きなんてなかった(いつもの)


学園最強の五人に前周がバッドエンドだった記憶がある二周目キヴォトス概念
始界:序


 

 

 

 

 

———守れなかった。

 

迫り来る地獄(ゲヘナ)よりも見苦しい地獄に、大切な人が飲み込まれた。

 

———守れなかった。

 

今まで自分のことのみだった筈の学園達の、皆が同じ意志を持って"それ"に相対した。

 

 

———守れなかった。

 

 

友を喪った者が激昂して突貫し、友と同じ末路を辿った。

 

 

———守れなかった。

 

 

壊された街並みは、奇しくもあの条約の日のようだった。

 

 

守れなかった。

 

 

気が付いたら、生きていたのは六人だけだった。

 

 

 

守れなかった。

 

 

 

ブツンという音に続いて、私達が護っていた筈の『先生』が斃れた。

 

 

 

 

 

 まもれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に残った五人のうち、最初にやられたのは聖園ミカだった。

 

 

先生が殺されたことに発狂し、その隙に目を潰されて譫言(うわごと)のように「せんせい、どこ、たすけて」と繰り返しながら"それ"に飲まれた。

 

 

次に、空崎ヒナと小鳥遊ホシノがやられた。

 

 

元より対複数での戦闘を得意としていた彼女らは、それを上回る物量に押され叫び声と共に潰えた。

 

 

残ったのは、剣先ツルギと美甘ネルだけ。

 

 

もうこの時点で、私達に残された体力は僅かだった。

 

 

それでも、まだ、と両手のサブマシンガン(ショットガン)を振り回す。

 

 

何分……何時間経ったのかわからない。

 

 

どちゃっ、という音が背後から聞こえて、無感情に振り向く。

 

 

片腕と片脚を捥がれた剣先ツルギが倒れ伏していた。

 

 

呼吸は浅く、限界なのだろう。

 

 

それを見ると、私の身体からも力が抜けて座り込んでしまう。

 

 

「…………———なぁ」

 

 

「……げほっ……どう、した」

 

 

「先生が殺られた時点で、アタシらはもう負けてたんじゃねぇかな」

 

 

「………友、を……守れなかっ、ごほっ!……た、時点で……負け、だろう」

 

 

「……そりゃ、そうだな」

 

 

身体に力が入らない。

 

 

地面以外を埋め尽くす異形が、少しずつその距離を縮めていく。

 

 

隣から聞こえていた呼吸音は、既に無くなっていた。

 

 

 

 

 

「———コールサイン00(この肩書)も、こんなんじゃあ意味なんてねぇっつうのによ」

 

 

 

 

 

———この日、一つの未来(キヴォトス)が滅んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

依頼も無く、ミレニアムの部室でテレビを流し見していた美甘ネルは、とあるチャンネルでふと手を止めた。

 

「エデン条約、か」

 

クロノススクールの少し煩い実況に音量を下げながら、トリニティの大聖堂に視線を移す。

 

あの犬猿なゲヘナとトリニティが今更「仲良くしましょう」だなんてなるのだろうか?とネルの頭の中はぐるぐると流れていく。

 

「あ、リーダー何見てるのー?」

 

「おう、アスナか」

 

そんなネルの背後からむぎゅっと抱き着くのは、コールサイン01を冠する一之瀬アスナ。

 

人一倍優れた直感に度々助けられる、うちのNo.2。

 

「エデン条約……ゲヘナとトリニティの?」

 

「今日調印だとよ」

 

「リーダーがこういうの見るって珍しいよね?どうしたの?」

 

「どうもしねぇよ……気分ってやつだ」

 

アスナからそう質問されて、思わずそう否定する。

 

……まぁ、いつもの自分ならこんなものを見たりはしないだろう。

 

依頼を受けて、それ以外のことには干渉しない。

 

ただ……ただ、そう。

 

ほんの少しだけ感じる、違和感(既視感)

 

以前先生とミレニアムの用事で会った時から、もやもやと感じる何か。

 

ぐるぐると回る思考に一旦蓋をし、テレビに直る。

 

いつの間にかアスナが隣で座っていた。

 

いつもの事だしいっか、と自分は再びテレビに集中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うへぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 

うぃんうぃんうぃんうぃん、と背中に圧が掛かる。

 

D.U.地区の一角にある家電量販店の中で、ピンク色のアホ毛がふよふよと揺らめていている。

 

その声の主は、小鳥遊ホシノ。

 

かつてキヴォトスのマンモス校であったアビドス高等学校の、唯一の三年生。

 

黒服から「キヴォトス最高の神秘」と呼ばれる程に膨大な神秘、そして卓越した戦闘センスによりキヴォトスで五指に入るであろう強さを誇る生徒だ。

 

そんな彼女は現在、マッサージ機に座ってだらしなく頬を緩ませている。

 

うぃんうぃんぐりぐり、うぃんうぃんぐりぐり。

 

かれこれ一時間はこのままで居るので、たまに遠巻きに店員が確認に来ている程だ。

 

と、ふと右を向いたホシノの目に、大きなテレビが現在の中継を映している。

 

「トリニティとゲヘナ、ねぇ……」

 

見出しには「エデン条約 締結当日」と大きく書かれており、それがゲヘナとトリニティの友好条約であることは明白だ。

 

「……な〜んか今更感、あるよねぇ」

 

ホシノにはこの条約を締結するにあたって大きく関わった組織に目星がついている。

 

十中八九連邦生徒会……いや、連邦生徒会長であろう。

 

今までのアビドスに対する対応からくるものもあるが、基本的にホシノの連邦生徒会への信頼はマイナスに突っ切っていると言ってもおかしくない。

 

……そんな状況下でも、大人の責任だと寄り添ってくれた『先生』だけは別だが。

 

その先生は、現在は画面に映る大聖堂に居るのだろう。

 

『先生として、出席しない訳にはいかない』とか、あの人なら言いそうだ。

 

ぐっじょぶ』と後ろに文字が出てきそうな雰囲気でへにゃりとキメ顔をする先生の姿を思い浮かべて、ホシノはふふと微笑んだ。

 

不思議と、その画面から目を離せずにいる事に気付かずに。

 

 

 

 

 




ついに書いてしまった。

卑面のセスタもあるのに何してんだ私。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。