ブルアカ概念置き場   作:珱瑠 耀

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こちらはとある二人に関係する概念。

ちなみにこの概念は完全オリジナルでもある。


聖園ミカ×棗イロハ概念
対応:赤煌


『先生!今日の当番の生徒さんが到着したみたいですよ!』

 

"ありがとう、アロナ。じゃあ私もぼちぼち始めようかな……"

 

朝の光に温かく照らされる午前8:00、シャーレの執務室でぐぐぐと伸びをした『先生』はシッテムの箱から聞こえる声に応えながらも手を動かし始めた。

 

今日もシャーレは仕事日和で、(うずたか)く積まれた書類は昨日ひいこら言いながら崩した高さのものと然程の差がない。

 

その様子に辟易としながら、一枚ずつ捲ってはサイン、捲っては判子、捲っては書き込み…………

 

……なんだか、書類の山がカイテンジャーのロボットに見えなくも………

 

「先生、おはよー☆」

 

"……あぁ、ミカ。おはよう、今日は宜しくね"

 

そんな幻覚を吹き飛ばすように扉を開いたのは、トリニティ総合学園の三年生で元ティーパーティーパテル分派トップだった聖園ミカ。

 

トリニティの制服の上からシャーレ部員及び当番の証である白衣と腕章を付けた彼女は、ふわふわと揺れる羽に浮かぶようにこちらのデスクへと座る。

 

「うんっ、頑張るね☆……とはいえ、今日も凄い量だよね〜……どこからこんな量を引っ張ってくるんだろうね?」

 

"ほんとにね……けど、当番の生徒たちが助けてくれるお陰で翌日の持ち越しも基本ないから、助かってるよ"

 

本当に、この資料達は完全に無くなることを知らない。

 

その上で、生徒や学園からの助けも業務の範囲な訳だから、下手したらいつの間にか書類の雪崩発生、なんてことも……

 

しかし、生徒達を導く先生として、これは私とシャーレがすべき事だから。

 

"じゃあ、キリのいいところまで頑張ろうか"

 

「うんっ、わかった!」

 

今日も私は、生徒達に助けられながらも書類を捌く。

 

一人じゃ長引くものでも、

 

「先生、これここ置いとくね」

 

"ありがとう、こっちの山はシュレッダーにお願いしてもいい?"

 

「おっけー☆」

 

一人増えるだけで、この快適さだ。

 

ミカはまだ書類の細かい分担は苦手だが、これでも初期の頃と比べれば早くなった方だろう。

 

———エデン条約の時に色々な事をしてしまったミカは、その後に一悶着あったもののしっかりと立ち直ってみせた。

 

そんな彼女に傍聴会で下された結論は、『シャーレでの業務奉仕』。

 

週三日、ミカの住む寮からシャーレまで出頭して先生の業務を補佐する事。

 

最初にそう聞いた時、彼女は先生とお仕事!?と舞い上がっていたらしいが、実際に仕事と対面するとその舞い上がった気持ちも地面に埋まってしまう。

 

その顔が少しだけコユキに似ていたのは内緒だ。

 

だがそれを半月という短い期間でここまで勉強していけたのは、ミカの努力あってのものだろう。

 

「先生、こっちは終わったよー?」

 

"ありがとう、私も後もうちょっとでキリが良くなりそう"

 

「うん、じゃあ休憩の準備してくるね☆」

 

そう言ってミカはパタパタと隣の部屋へ向かって行く。

 

これはミカと仕事を始めてから習慣になったこと。

 

お互いに紅茶一杯と二つのお菓子だけで短いティーブレイクしてリフレッシュしよう、というミカの提案で、私達はそのカップが空になるまでの間で雑談に興じる。

 

"ミカもそろそろざっくりと仕事を覚えてきたんじゃないかな?"

 

「そうかも。最初はあんなに辟易してたのに、今はそんなに思わなくなったからかな?」

 

最初の頃は本当に酷かったなぁ、と思い出すと、それに気付いたのかミカがわーっと手を振る。

 

「あーっ先生!絶対今『最初の頃は……』とか思ってたでしょー?」

 

"そんなことないよ"

 

「そんなニコニコして言われても信憑性ないよー!?」

 

それから、お互いの話で笑ったり憂いだりすること15分前後。

 

「ん、飲み終わったし戻ろっか?」

 

"だね、さっさと終わらせちゃおう"

 

ほぼ同じタイミングで飲み終わったカップを片付け、再び書類と相対する。

 

「……あれ、先生?この書類ってなに?」

 

その途中でぺらりと捲った一枚の紙。

 

"ん?……あぁ、それはこの後ゲヘナに持ってくものだよ。先月の間に美食研究会と温泉開発部がゲヘナ自治区以外でどれだけやらかしたかの記録をまとめたもの"

 

「ふぅーん、ゲヘナかぁ」

 

一瞬でその顔をどうでもいいものを見たような顔にすると、その書類をすっと隣に置く。

 

そんな彼女の反応から分かる通り、ミカは生粋のゲヘナ嫌いだ。

 

今は少しずつ改善しようとしているらしいが、それでも身に染み付いた価値観というものは簡単に変わってくれない。

 

"……やっぱり、まだ無理そう?"

 

「うーん……頭では『好きでも嫌いでもない』ラインに押し上げようとしてるけど、最初に『ゲヘナかぁ』って言っちゃってたし……意識はできても、どうしても否定から入っちゃう」

 

"ま、そんなもんだよ、染み付いた価値観なんて。そんな簡単に矯正できるものじゃないもんだし"

 

そっかぁ、と呟いて、ミカはまた書類に視線を戻した。

 

その辺りは、まだまだ付き合っていくべき問題だろう。

 

———そうして、ペンを走らせる音とキーボードを叩く音、そして判子の押される音のみが執務室の中を流れ続けて数時間。

 

 

———Prrrrrrr

 

 

心地よかった静寂を、無機質な着信音が破るのであった。

 

 

 




聖園ミカちゃんがメインキャラクターになります。

私が初めてEXスキルのレベルを最大にした生徒でもあります。
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