緑の勇者じゃない! それはリンク違いだよ!   作:よもぎだんご

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次が長くなるかもしれないので、区切りの良い所で区切って、更新しました。


エピローグとはプロローグでもある。

 

 辛くも綱渡りの試練を突破してゴーマさんを撃破したものの、フルメタルドラゴンがメイド服の少女になったり、その主人と思われる腕が伸びる謎の少女が出てきたり、と色々とイベントがてんこ盛りだった。

 

 あの腕が伸びるスーツ姿の少女はドラゴンガール「ミミ」の主人、あるいは同僚の執事さんってことで良いのだろうか。

 

 やっぱり彼女もモンスター娘なのかな。半人半タコのスキュラとか、そういうのなのか。それとも新たな種族なんだろうか。

 

 ゼル伝にはハイリア人以外にも、永遠に子どもの姿で森に住むコキリ族とか、彼らが進化したコログ、優秀な鍛冶職人を多く有する岩を食う種族ゴロン族、水の中でも地上でも生活できるゾーラ族、ゾーラ族から進化し翼と嘴を得たリト族、寒い地方に住むユキワロシ、女しか生まれないゲルド族などなど多くの種族が存在している。

 

 彼女達も新たな種族なんだろうか、だとしたらミミはティム出来ないのかな……

 

 いや、風のタクトではリト族のメドリちゃんやコログのマコレちゃん、時のオカリナではゾーラ族のルト姫みたいに一緒に冒険することが出来るキャラがいた。

 

 前作では一時的だったけど、今作ではきっと継続的に一緒に冒険出来るに違いない。出来なくてもとりあえず一緒に冒険してみたい。竜騎士リンクというのをやってみたい。

 

 そう言えば時のオカリナの妖精ナビィやトワイライトプリンセスのミドナちゃん、大地の汽笛のゼルダ姫を始めとする相棒キャラはいつ出てくるんだろう。

 

 ハッ、もしかしたらミミちゃんは相棒キャラか!

 

 トワイライトプリンセスのミドナちゃんはリンクや物をワープさせたり、狼リンクに変身させたり、自分が巨大な怪物になって戦ったりと大活躍な子だった。

 

 大地の汽笛のゼルダ姫もファントムに憑依して、リンクや物を運んだり、リンクが行けない所に行ったり、一緒に戦ったりとやっぱり大活躍だった。

 

 今作ではミミちゃんがドラゴンになってリンクや物を背中に乗せてくれたり、攻略のアドバイスをくれたり、ドラゴンに変身して戦ったりするのだろうか。そうだとしたら嬉しいのだが。

 

 

 

 俺たちは今マスターソードが眠ると言われる朽ちかけた時の神殿の最奥、時の扉の前にいた。

 

 時の神殿はリナリー一族が代々守ってきたし時々掃除もしているそうだが、森の中に建っているのであちこち森の植物に侵食されて崩れている。

 だが、目の前の重々しい石壁とその周りの一角だけは時間が止まってしまっているかのように綺麗だった。

 

「お待ち申し上げていました。我が創造主より選ばれし運命のお方……」

 

 そして俺の目の前にいるのは、ゲーム最初の夢に出てきて東に行くように言った、青い金属のような質感の身体をした精霊。

 色と質感を無視すれば、髪型をショートカットにした15歳くらいの美少女に見えなくもない。

 

 俺の後ろにはロックさんたちが弓矢を、リナリーはパチンコを構えて警戒した様子で立っている。

 

 彼女たちはミミたちが消えた直後に俺の所に来てくれた。俺に襲いかかろうとするオドルワさんやゴーマさんたちを見て、加勢しようとしてくれたらしい。出会って間もない俺のために危ない橋を渡ってくれるなんていい人たちだよな。

 

「君はいったい……」

「ファイ……それが私に与えられし名」

 

 ファイさんの声は女性的で、和音のような美しく神秘的なものだった。

 

「時の向こう……遥かな過去より大いなる使命を背負いし貴方のために、ファイはその為だけに創られた存在なのです」

 

 なんともファンタジックで、あまり答えになっていない解答を頂いた。まあ名前が分かったから良しとしよう。

 

 ファイさんはすぅーっと空中を滑る様に移動し、扉の中に入っていく。

 

 藍色の石造りの扉は空気に溶けるように消えていった。

 

「どうぞ、この剣をその手に……我が創造主に選ばれしお方、リンク」

 

 部屋の中央に鎮座ましましている銀色の長剣。

 

 蒼い鳥の翼が閉じたような形の鍔をした剣が、白い石で出来た台座に突き刺さっていた。

 

 それは言わずとしれたマスターソード。俺が追い求めてきたゼルダ界最強の剣。

 

「どうか我が創造主の命に従い、その手で剣を抜き、天にかかげて下さい」

 

 ファイさんの言葉に従い、俺は興奮に震える両手で、その蒼い柄を掴んだ。

 

 ビリビリと感じた事も無い程の強烈な力が、やっと主に会えた喜びや興奮のような物が剣から伝わって来る。

 

「うわっ!!」

「きゃあ!!」

 

 ロックさんやリナリーたちの悲鳴が聞こえる。

 

 この剣が直視できないほど眩い光を放ち、周囲に台風のような凄まじい突風を巻き起こしているからだ。

 

「リンク君! 大丈夫かい!」

「リンク!」

 

 だが、風も光も中心にいる俺に全く影響を与えない。むしろ心地良くさえある。

 

 俺はマスターソードを引き抜こうと掴んでいる両手に力を籠めた。

 

 石の台座から光が溢れ、初めから決まっていたかのようにスラリと抜ける剣。

 

 俺はそれをゆっくりと持ち上げ、天に向かって真っすぐにかかげた。

 

 俺と剣を中心にもう一度風が吹き、周囲の荒れ狂う力を鎮め、天にかかげられた剣が神々しい光を帯びていく。

 

 不思議な力が剣の先端から、剣身を通ってたまっていくのを感じた。

 

「……承認、完了しました。マイマスター、リンク」

 

 その姿を少し離れた所から見ていたファイはすぅと寄ってきた。

 

 マイマスター? 

 

 俺はいつからジェダ●になったんだ。君を弟子にした覚えもないが。

 

「ではマスター、剣をもう一度台座にお収めください」

 

 そうか、そうか剣をもう一度台座に収め、ファッ!?

 

 ナンデ!? せっかく手に入れたマスターソードを、ナンデ!?

 

「現在この剣は権能のほとんどを、ある存在の封印に使っています。その為、長時間剣を抜いていると封印が解けてしまう可能性98%」

 

 ……そういえば、マスターソードやフォーソードは悪い奴を封印するのにも使ってたネ。

 

 伝説の聖剣は悪者の封印のカギになるのはゼル伝の伝統だったね。

 

 じゃあなにか、俺は10日間散々苦労した挙句に伝説の剣を抜き差しして終わりと、そういうことですか。

 

 まあ、正直ちょっと予想はしていたよ。

 

 マスターソードを手に入れるにはまだ序盤すぎるし、本来なら翼が開いたような形のはずの鍔が閉じていたし。

 

 しかし使わずに収めるのはあまりにも悔しすぎるので、俺は剣を可能な限りカッコよく振り回してから、もう一度台座に刺した。

 

 剣を刺した瞬間、台座を中心に黄色い幾何学模様の魔法陣がでてきた。カッコよかったが今はそれどころではない。

 

 俺の10日間の頑張りを返せー!

 

「……再封印、完了しました。」

 

 俺の憤りをしり目に、ファイさんは淡々と作業をこなす。

 

「さっきから君はマスターソードの事を色々と分かっているみたいだけど……」

 

「マスター。ファイはこの剣の精霊。遥かな過去より大いなる使命を背負いし貴方を導くために創られた存在なのです」

 

「剣の、マスターソードの精霊……前に、封印したのは君だったのか」

 

 衝撃のあまり口から言葉がこぼれ出た。時オカでリンクを封印したのは彼女だったのか!

 

 

 マスターソードは謎の多い剣だ。

 

 まず現時点で出自がはっきりしていない。

 

 神々のトライフォースでは、数百年前にガノンドロフが現れたので王が賢者に命じて作らせたとあるが、ガノンドロフが現れた時のオカリナの時点で剣は既に存在している。

 また時のオカリナよりも以前にマスターソードを扱う時の勇者がいたということを、時の神殿の守護者であり、光の賢者であるラウルが述べている。

 

 深い森の奥、時の神殿、ハイラル城の地下、時代によって様々な所に封印されており、時のオカリナでは勇者リンクの肉体が幼すぎるからって大人になるまで7年間も封印したりする。でも同じ年位の風のタクトの勇者リンクは封印しない。

 

 ゼル伝世界には時空を操る時空石なるものが存在しており、時のオカリナがそれから作られていることは有名だが、柄と鍔の部分がそれと色や質感共に似ている。

 

 そして前々からゼル伝プレイヤーの中で噂されていたマスターソードの中の人の存在。

 

 俺は漫画版のイメージから教頭先生みたいな厳格な人かと思っていたら、クール系少女だったとは。

 

「イエスマスター。そこまで思い出しておいででしたか」

 

 ん? 思い出す? 何を?

 

「さすがマスター。今回の旅は以前にも増して厳しいものになるとファイは推測していましたが、どうやらその心配は不要だったようです」

 

 あれ? なんか行き違いが生じているような。……気のせいか。

 

「ともかくこの剣は今使えないんだな」

「イエスマスター。この剣が封印具の役目を担っている限り、武器として使用することは不可能です。故に封印の代行が可能な7人の賢者の捜索し、彼らを賢者として覚醒させる必要があります」

 

 来たよ、ゼル伝伝統の7人の賢者探し!

 

 神々のトライフォースでも時のオカリナでも、風のタクトでも世界中を探させてもらいました、賢者の皆さん!

 

 もっとも探したのはマスターソードをゲットした後だけどね。

 

 マスターソードが出てくる作品ではトワイライトプリンセスを除いて賢者を探さなくてはならない。ここ、テストに出るよ!

 

 ちなみに風のタクトは開発中は海・風・大地の3人の賢者だったのが、製作期間の関係で風と大地の2人になったらしいのは余談だ。

 

 まあ、こちとら10年以上ゼル伝をやり続けたゲーマーだ。7人位あっという間に見つけ出してやんよ。

 

「それだけか。ならさっさと……」

「更に邪悪な思念による刃の穢れを落とすために3つの聖なる炎を探し、刃を清める必要があります」

 

 え?

 

「またそれと並行して剣に退魔の光を宿すための3人の賢者を捜索する必要があります」

 

 え? え?

 

「最後に我が創造主であられる女神様の祝福を受けることで、剣はかつての力を完全に取り戻すでしょう」

 

「…………」

 

 なあ、待てよ、待ってくれよ。

 

 一体何工程あるんだよ、それ。

 賢者って最大7人じゃねえの。今までだって一作品あたり7人しかいなかったじゃん。

 

 なんで急に10人に増えてもうたん?

 

 今までは3つのメダルとか精霊石とか集めたら、マスターソード手に入ったじゃん。

 

 マスターソードを手に入れるまでのフィールドとダンジョン攻略って毎回3つか4つ位だったじゃん。

 

 なんで急に探し物が14個に増えてもうたん?

 

 そして最後、ゼル伝において伝説で語られるだけでゲーム中に女神が登場したことは一度も無い。出てくるのは精々妖精の泉に住む大妖精位なものだ。

 

 それなのに女神様なんて、どこに行けば会えるのか見当もつかん。天空にでも住んでいらっしゃると言うのか。

 

 どないせえっちゅうねん。

 

「……参ったな」

 

 本当に、参った。

 

 

 

 

 時の神殿マスターソードの間に入ったリナリーたち

 

 ロック「あれがあの有名なマスターソード! あれがマスターソードの台座! こっちのが……!」

 リナリー「お母さぁん……お父さんが変だよぉー」

 アリア「フフフ。ついに、ついに始まるのね。マスターソードを引き抜き、今ここから新たな勇者の伝説が……!!」

 リナリー「ふぇえええ、おにいちゃぁああん」

 

 とある大学

 

 コムイ「!! リナリーに呼ばれた気がする! リナリィィィイイー!! 今行くよぉおおおお!!」(猛然とダッシュ

 大学教授「はあ、これさえ無ければねぇ……」(ため息

 




誰がそう簡単にファイ様とマスターソードを渡すか!

Dグレの世界は難易度ルナティックがデフォなんだよ!

というお話でした。

主人公動揺のあまりエセ関西弁に。
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