同郷の奴隷達から、人間だけの理想郷の噂を聞かされるが、拳銃ダークエルフの女イーレシスンに買われた。
そして因縁の青髪と赤スカーフの二人と思いがけず遭遇。イーレシスンの魔法でお互い大したけがもなく事なきを得るが、ほとぼりが冷めるまで国を離れることに。
0012〜0013の一週間の出来事を細かく描写します。地の文中心です。
一日目:2つの村を横切る。第二の太陽は一時間周期。
一部他人のステータスが覗けるようになった事に気づく。
二日目:廃村で幽霊に襲われる。
村落が点在する一帯で足止めされる。
三日目:祐一郎はアイスという少女と出会う。
アイスに導かれて人魚を助け出すが、偶然居合わせたイーレシスンは一味と勘違いしアイスを攻撃。
卓越した魔術によってイーレシスンを圧倒するが、祐一郎の認識速度16倍速の精神魔法の維持コストも16倍となる仕様により事なきを得る。
アイスは去ったあと、一味の親玉と戦闘となり打倒。アヌヒコ一家の若頭レーが現れ成り行きで殺害した。
其の十
イーレシスンの口調は、onepieceの女海賊をイメージしてます。
0012_9 追加分/一週間に起こった出来事 その十 ヨーソローおじい
その後、祐一郎達の手からマーマン達へ人魚の子共は返され、事の真相がマーマン達に伝わった。
漁業はマーマン達水棲亜人の独壇場であり、船の運航には彼らの協力は不可欠である為、その関係を無視することは出来ない。
誘拐の首謀者であった若頭のコン・テナ一味は川岸で串刺しにされて
レーも、コン・テナに協力していたという事で罪人の死者の列に加わった。
所詮トカゲの尻尾切りという訳である。
——晴れてマーマン達のストライキは終了し、マーマンの好意で乗船することとなった。
浜に上げられた10m位の小型の船を、下に敷かれた丸太で転がして海に出し桟橋から乗り込む。
水面にはマーマン達が顔を出しその様子を見ていた。
沖には大きい帆船が浮かび、祐一郎達が乗った満員の船は
祐一郎は密着しているせいか、体臭が酷く鼻についた。
マーマン達も周囲を警戒しながら並走している。
やがて沖に出ると、遠くで手を振る子供とその母親と思しき女性が見えた。
祐一郎も手を振り返す。
『——おーい!』
船は帆船の手前で左に曲がり遠ざかり始めた。
日向が包む凪いだ海面の向こうの母子は見えなくなるまで手を振っていた——
四角い帆船は遠ざかってゆく。
『……え? あれ? あの帆船に乗り込むんじゃ』
『——あれはオタ行だ。
オタから東のオーリア・ストラへ海峡を渡って、そのあと陸沿いに更に東進して、そこから北上して島国のシャマルに。
それで、この島の北端のアーエラ半島に戻ってくる反時計周りの航路になってるんだ。海流の関係で逆には進めないらしい』
度々出てくる新しい地名に、祐一郎の頭が追いついてこない。
『地図とかは……?』
『持ってないな……船から降りたら、地面に描いて見せてやる』
——船は4時間ほど太陽を右手に岸を左に見ながら進んだ。
途中何艘もの船とすれ違ったが、荷物を大量に積んでいたり、人を乗せていたりと様々だった。
海の上から見える陸地は大抵は建物が見られたが、
崖になっている部分もあったり、
せり出した岬、
海面から顔を出した磯で
海上から初めて見る海岸線の様々な表情は、祐一郎を飽きさせなかった。
——そこはこじんまりとした小さな湾であった。
桟橋へ船をつけロープで固定する。
湾に足を踏み入れると
それが祐一郎にはなんとも不快で、背負子の位置を何度も直した。
港内は階段付きの小屋やそこから伸びる橋、
通路状の水上に浮かんだ井桁など、祐一郎が目を引かれる物珍しい景色で満たされていた。
とはいえ、そんな感想を抱くのは彼だけかもしれない。
高低差を感じさせる建造物の配置が彼の琴線に触れたのだろう。
また、
祐一郎達の来た方向とは逆方向へ向かう乗客で、荷物を抱えた家族を多く見かける。
『(海に行ったのは何時だったけな……)』
かつて海に行ったことを思い出していた。
祐一郎からしたら彼等の事情など知る由もないが、自分と対比してなんとなく居心地悪く感じたのである。
荷物をせわしなく運び込む人々を崖の上の建物が見下ろしている。
荷が積み上がっている一角を曲がると湾から上へ登る階段が現れた。
砂利などを敷いて歩きやすくはしているが、基本は石を積んだだけの細い階段で手すりも無いため、重い荷物を背負いつつすれ違うたび祐一郎はひやひやした。
退避スペースのようになっている窪みや張り出した岩に避けて何とかやり過ごす。
階段は何度も度折れ曲がって、かろうじて傾斜する崖を
真上にある太陽の下汗だくで登りきると、木造家屋の密集する街へ入った。
非常に密集していて通路も狭く、50kg近い背負子を負う祐一郎は荷を運び込む人とすれ違うたび気を使った。
途中、水袋を買い求めて、イーレシスンは飯を食べられる食堂を見つけると入っていった。
祐一郎も後に続く——。
食堂は昼を過ぎて、客もまばらになり始めている時間帯だった。
出された食事は根菜のスープに葉物と玄米、そして焼き魚だ。
根菜は蕪のような大根のような野菜で、味は若干青臭い蕪で緑がかっている。
祐一郎はしょっぱいと感じた。
塩分多めな水の上で4時間座りっぱなしで動かず、それほど汗をかかなかったせいだろう。
葉っぱは漬物だ。
雑草と言われても納得しそうな見た目をしているが若干の渋みがあり、独特のクセの葉の物を漬物にした副菜であった。
好きな人は好きな味なのかもしれないと周囲に目にやると、数組いる客達は普通に口に運んでいるように見えた。
さて、魚だが。
祐一郎は好物は一番後で食べがちで、早速——魚で口直しすることにした彼は、やはり魚が断然一番美味いことを再認識した。
指で解すとホロホロと円錐状に崩れて、外側の細かい骨までホクホクと割れて、指先に嬉しい油がべとついた。
祐一郎はなんだか粘土細工みたいで楽しかった。
前の町の干し魚も悪くなかったし、以前は老人の食べ物という偏見を持っていたのだが、劣悪な食生活の中で考えを改めざるを得なかった。
魚と同じ顎を突き出した顔つきで、前歯に挟まった骨をこそいだ。
『うーん、ご馳走様でした』
祐一郎が食べ終わる頃には、イーレシスンも食べ終わっていた。
「ごちそうさん」
「はい、まいどどうも」
「すまんが、ここいらで鍛冶をしているところを教えてもらえないか」
「それなら、町の南に
「随分離れてるんだな」
「えぁ? 銅鉱山があるせいでしょう」
店員の話した内容はその場限りのいい加減なもので。
最近まで近くにあったのだがオストレーからの難民が勝手に木を切り、炭が不足したせいで山側へ移動したのが原因である。
「なるほど? ありがとう。これでいいか——」
「あ……たりませんね」
「不満か?」
「今、どこも薪が無くて」
「仕方ないな……」
水分けてもらったあと、金を支払って店を後にし港へ戻った。
太陽の位置の関係か階段を下りた湾内の崖付近は日陰になっており、祐一郎は何故だか身震いした。
——それは港で乗船時に起こった。
祐一郎が荷物でもたついていると……男が乗り込んできたのだ。
『あぶねぇな!』
「——おい! 俺たちが乗って満員なんだ! とっとと降りろ!」
「うるせえ! 早いもん勝ちだろが! 黒ババアァ!」
その男は特徴的な風貌をしていた。
顔の半分を覆う金属のマスクに火傷の跡を持つ大柄の男だった。
「——なっ! 黒バ……こっちは既に船賃を払った後だ! お前は払ってないだろ! タダ乗りするつもりか? さっさと降りろ!」
「金払えばいいんだろ! ほら! 受け取れよ!」
「いやぁ……困りますぜ! 受け取れねぇ! 降りてくれ!」
「跡が
「「「そうだ! そうだ! 降りろ!」」」
他の客も同調し始める。
「降りて
『(ステータスオープン)』
——シュピ
唐突に祐一郎は盾を男の顔めがけて
「ぅおっ!」
男は顔に迫る盾を
ドガ/バシャァ
祐一郎は重心を蹴り船上の男を突き落とす。
——パシ
祐一郎は盾を片手でキャッチすると、下に置いた荷物を背負いなおした。
「やった!」
「奴隷の癖にやるねぇ!」
「ヒュー!」
「いいもん見せてもらったぜ!」
『チ、カッコつけんな!』
『——いてっ! なんだよ!
——その後
——海上を行くこと4時間——
左手に見える
太陽は低く、あと2時間もすれば日は暮れるだろう。
風が強くなり海も波が高く船の
遠くの積乱雲の真下は黒い霧で煙り雲行きは怪しい。
『……大丈夫なんスか!?』
『港に着くまで持つだろ。それに、この期に及んでどうしようもないしな』
『まぁ、そうスけど……』
そうこうするうちに、雲が完全に空を覆い、暗い雲が重く立ち込め始めた。
ポツ
ポツ
ポツ
ポツ
『うわ! ついに降り始めた!』
大きめの雨粒が、まったく良い予感を抱かせない。
『あまり、はしゃぐな——
『はしゃいでねーし!』
——
「船が動くようになったようだ」
「へぇ」
「しかし……鍛冶以外に興味ないと思ったんだが。どういう心変わりなんだ?」
兄は一見非の打ちどころのない、誠実で
「——おじいが死んだら、教えてもらえなくなる」
「あ……ああ。そうか(本人にはとても聞かせられないな……だが、そこもチャームポイントなのだ! 妹こそ正に至高!)——雨が降ってきたようだ。切り上げよう。雨で濡れてしまうぞ」
「仕方ないね。でも、もうちょっと……我が前に地の底に秘められしその存在を示せ≪
コォーーーーン
彼女にだけ見える
粒子の細かい石灰質の赤茶けた砂浜が
日に焼けた健康的な肌は、逆光に照らし出され
意志の強そうな眉の上には、やや赤みがかった黒髪にその唇のような
「——どうだ(主に俺の筋肉)」
「次に見つけたら最後だから……我が前に地の底に秘められしその存在を示せ≪
コォーーーーン
——キン
再び波打つ緑光が補色の砂浜を
——そして
「そこ。お願い」
「……。これで最後だからな(
「ありがと」
示されて湿った砂を掘り返すと、やがて雨に
ザァァァァァァァァァ——
まるでバケツをひっくり返したような大雨とはこのことだろう。既に日暮れも近く直に夜がやってくる。
祐一郎は湿った服の
『はぁ……』
重い荷物が背中に食い込み祐一郎は疲労感に
雨を意識するあまり
視線の先には大振りな青色の葉が
奥の枝には黒い
遠く
——視界の奥で
「ふぅ……」
『——タバコ?』
『!? ……タバコ?
タバコに
『ほら、あの老人が……あれ?』
屋根の下に
だが——
しかし口に何かを
さらに言えば両手に何かを持っている風でも、
『え、どういうこと?』
『そこまで寒い訳でもないしな……』
日本では飽和水蒸気量の低い冬場に吐き出した吐息が白く煙ることがあるが、それほどの温度ではないのは明らかである。
「——ゲホ……なんじゃ、ジロジロ見よってからに」
「ああ、いや。失礼。私たちは見ての通り旅の者だ。宿など教えてもらえないか」
「ゲホ……」
一つ
『黙っちゃったスね……』
『——さて。何時までもここにいても始まらんな……』
『具合わるいんスかね』
『まぁ、
『寒いのかな……』
祐一郎は老人に何か温かくさせるものは無いか探した。
だが、見つからなかった。自分の服を脱いで与えようにも、
『(他に出来ること……魔法は? 布があったはずだ。今ならできそうな気がする……)』
『——どうした祐『≪
ボゥ
祐一郎は持っていた布を丸めて火を灯した。
『な……お前! 軽々しく使うんじゃねぇ!』「なんじゃ」『熱っ!』
考えなしに布切れに火を灯した祐一郎は、炎の燃え立つ布を持っていられず地面に放り出した。
ジュゥ……
布は
『……オマエなぁ! ——いいか前にも話したが今回はたまたま成功しただけだ技術の低い魔法は危険なんだ何が呼び出されるかわからんだから十分に練習して俺が合格を出すまで使うなって話したんだわかったか9割成功したからって駄目だ少なくとも9割5分が合格ラインだ天才ならいざ知らずお前が学び初めて1日も経たないうちに合格水準に達することは無い少なくとも俺はそう断じてあたる何故ならたった一度の失敗が全てを台無しにする場合もあるからだ今まで培ったものが一瞬で失われるんだ割に合わないだろ?割に合わないよな?それにお前詠唱破棄で魔法行使しただろナメんな!初心者は詠唱を諳んじろ!これは絶対だ!絶対の不文律なんだよ!いいか——』
クドクドクドクド……
「——ちょっといいかね」
「うん……? 何だじいさん。今こいつに言い聞かせてるとこなんだ。邪魔しないでもらおうか」
「いや、そんなつもりはないんじゃよ……それより、魔法を使う奴隷は見かけたことはあるが、その奴隷は何故急に≪
「寒いから……か?『祐一郎、なんで急に≪
『出来そうだと思ったから。……ついでに、じいさんが寒いかなと思って?』
『なんていうか……今日ほどお前を馬鹿だと思ったことは無いな』
「なんとゆっとるんじゃ」
「爺さんを温めるためだとさ」
「馬鹿じゃの」
『何をいってるのか解らないけど、馬鹿って現地語が理解できた気がする』
『また一つ賢くなったな』
『カ・チーン』
「宿を探しとるとゆったな」
「ああ……」
「——ついてこい」『!?』
椅子の下にあった葦のような植物で出来た雨具をかぶって、立ち上がっていた。
装備:服 1kg
装備:ズボン 1kg
装備:インナー 0.5kg
装備:靴下
装備:靴 0.5kg
装備:円形盾 4kg
装備:円形盾 3.5kg
リュック20L 10kg{
水袋 4L 0.5kg{
水4kg
}
水袋 4L 0.5kg{
水4kg
}
小麻袋 1L{
干し肉0.3kg
}
小麻袋 1L{
干団子0.4kg
干団子0.5kg
}
陶器の瓶0.75L 1kg{
}
小型ナイフ0.5kg
包帯0.5kg
小袋 0.2L{
布切れ{呪文{≪
木の小物入{
裁縫道具
}
}
小袋 0.2L{
火口 0.04kg
火打石 0.2kg
}
靴 0.5kg
}
Total:32.44kg
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