刹那の旅路   作:靴下9153

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 祐一郎 は異世界で亜人に奴隷として売られてしまう。
 同郷の奴隷達から、人間だけの理想郷の噂を聞かされるが、拳銃ダークエルフの女イーレシスンに買われた。
 そして因縁の青髪と赤スカーフの二人と思いがけず遭遇。イーレシスンの魔法でお互い大したけがもなく事なきを得るが、ほとぼりが冷めるまで国を離れることに。
 
 0012〜0013のの出来事を細かく描写します。
 
 一日目:2つの村を横切る。第二の太陽は一時間周期。
 一部他人のステータスが覗けるようになった事に気づく。
 
 二日目:廃村で幽霊に襲われる。
 村落が点在する一帯で足止めされる。
 
 三日目:祐一郎はアイスという少女と出会う。
 アトーエにあるダンジョンを目指し船を乗り継いで港へ辿り着き、魔法鍛冶師誘拐未遂を防ぐ。
 
 四日目:後片付けを手伝い出発する。
 
 其の十八
 
 イーレシスンの口調は、onepieceの女海賊をイメージしてます。
 
 
 ――CampaignScenario.001:ヴァンパイア事変――
 
 
 ※実験的にフラグをばら撒きまくる予定


ヴァンパイア事変
0012_17 追加分/一週間に起こった出来事 その十八 迷子とデカいサソリとオネーチャン


 

 

 イーレシスンは朝霧の過ぎ去った川沿いを朝日を背に遡(さかのぼ)っていた。

 つまり西に向かっている。

 海は東だ。

 

 前と同じように海岸に沿って船で移動すると考えていた祐一郎は、てっきり港へ向かうものと思っていたのだ。

 祐一郎は段々と遠ざかる潮の匂いに違和感を感じて、彼女の背中に声を掛けたのである。

 

『ちょっと待って!

 イーレシスン! 船で北に向かうんじゃないのか!?』

 

『こっちで良いんだよ』

『そっちは、確か湖のはず……』

『湖を船で北に向かって、道に沿って北上するんだ』

『海沿いを船で行ったほうが早いんじゃ……』

『……意外と船賃が高かったんだ』

『……あー(みみっちいな!)』

 

 

 実にセコイ理由であった。

 

 

◆

 

 

 あれから川をさかのぼること1時間。

 

 民家はまばらになり、モンスターを警戒する壁を何度も通り過ぎている。

 

 辺りはすっかり森に飲まれて道は途切れていた。

 

『ちょっと待って! イーレシスン! ホントにこっちでいいのか!』

 

 ダークエルフのオバハンは立ち止まると、腰に手を当てて真上を仰いだ。

 

 

『……迷った』

『——はぁ!?』

 

『(あれだけ自信満々に言ってたのに何言ってんだ、このオバハンは!)』

 

 後味の悪い出発。肩透かしの道間違い。祐一郎は早くもうんざりとした気分になっていた。

 

 

 ——ガサ

 

 

 突然後ろから、明らかに人が出すものより大きな踏み音が!

 

 二人共反射的に振り返ると、50mほど道の先に体高1m程の巨大蜘蛛が現れたのである。

 

 

『(ステータスオープン!)』

 

 もはや、驚くと条件反射でステータスウィンドウを開いて認識加速してしまう癖(へき)が生(は)えてしまった祐一郎であった。

 

  

『(——動くなよ! 無駄に刺激を与える! 慎重に荷物を下ろせ)』

『(なんなんスか! アレ!)』

 

 昔テレビで毛の生えたタランチュラを可愛いといって愛でていた昆虫愛好家がいたが、コレは流石に無理だろうな。

 などと場違いな感想が浮かぶのであった。

 

『(——このもこもこも、簡単に人の命を奪うのか……いやいや。今は——だめだ。)』

 

 祐一郎は沈みそうになる気分をどうにか奮い立たせる。

 いまだ魔法鍛冶師(フォージマンサー)の件を引き摺(ず)っているのだ。

 

『(もっと単純な構図なら切り替えできるのにな——)』

 

 

 チキチキ……

 

 

 一体どこから出しているのか、蜘蛛はこちらの動きを窺(うかが)うように不気味な音を響かせ、縦に割れた口器を蠢(うごめ)かせている。

 

『(魔法でどうにかならないんスか!?)』

『(距離が遠すぎる!)』

 

 イーレシスンがゆっくりと荷物を下ろす気配を感じて、祐一郎も足元に荷物を下ろし盾を両手に構える。

 

『(毒とかあるんスか? 糸とか吐いたり)』

『(恐らく毒は無い。たぶんヴァイオレントスパイダーだ)』

『(よかった。毒無いんだ……て、あれ?)——たぶん!?』

『(うるさい! 蜘蛛の見分けなんかつくか!)』

『(なんだよソレ!)』

 

 よくよく目を凝らすと蜘蛛というより、ずんぐりした尻尾の無い蠍(さそり)のように見える。

 色は地味な黒に近いくすんだ色で、鋏(はさみ)のような前足がついているようだ。

 

『(だったら、いつも通りサクッとやったらいいじゃないスか)』

『(そうもいかないのが昆虫系の厄介なところなんだが)』

『(?)』

『(痛みで怯まないんだよ。アレ。それにやたら硬いし、なによりタフだ)』

『(ああ、格ゲーのハイパーアーマー的なヤツね)』

『(ハイパー……? ——まぁ……とにかく出来るなら遠距離で仕留めたいところだ)』

 

 イーレシスンは前世の知識をかなり逸失(いっしつ)している。

 もっとも。女性なら格闘ゲームの知識が無くとも不思議ではないが。

 

 イーレシスンはアイテムボックスから槍を二本取り出し一本を地面に突き刺した。

 

 

 ガサ——ガサガサ

 

 

 ソレを合図に気持ち悪い虫は不気味な動きで向かって来る!

 

 槍を取り出したのが刺激を与えたのか、昆虫独特なテンポで道から少しずれた位置をキープしつつ緩急をつけてこちらへと迫る。

 何を考えて止まったり動いたりを繰り返すのか理解できないが、それが余計に気味の悪さを掻(か)き立てていた。

 

 ——そして

 

 

 ヒュ

 

 

 弧を描く槍はヴァイオレントスパイダーの手前で地面に刺さり、足を止めた。

 

『クソ! 外した!』

 

 槍を避けるためか。前にしか進めないので、横にずれることが出来ず向きを変えたわけなのだが。

 刺さった槍は鋏(はさみ)にぶつかり地面に倒れた。

 

 そのまま蜘蛛サソリは茂みへと侵入。

 

 

 ガサガサガサガサガサ——

 

 

 逃げるのか、森から襲撃を掛けるつもりなのか——音量が変らないということは距離が変わっていないということ。

 回り込む腹積もりのようである。

 

 

 ……そんな時だ——場違いにもほどがある間延びした声が聞こえたのは。

 

「いやー。お困りですかぁ?」

「「!?」」

 

 町とは逆方向。

 つまり二人の背後から見知らぬ女が現れたのである。

 

 




 構想中のため暫く短めです。
 
 次回。 
 祐一郎。光りがちなオネーチャンに秘孔を突かれてヒデブする。
 
所持品

 装備:服 1kg
 装備:ズボン 1kg
 装備:インナー 0.5kg
 装備:靴下
 装備:靴 0.5kg
 装備:円形盾 4kg
 装備:円形盾 4kg
 リュック20L 10kg{
  水袋 4L 0.5kg{
   水2.5kg
  }
  水袋 4L 0.5kg{
   水3kg
  }
  小麻袋 1L{
   干し肉0.3kg
  }
  小麻袋 1L{
   干団子0.4kg
   干団子0.5kg
  }
  陶器の瓶0.75L 1kg{
  }
  小型ナイフ0.5kg
  包帯0.5kg
  小袋 0.2L{
   木の小物入{
    裁縫道具
   }
  }
  小袋 0.2L{
   火口 0.04kg
   火打石 0.2kg
  }
  靴 0.5kg
 }
 
 Total:30.44kg
時系列順設定集 0000〜0013+0012蛇足へ
時系列順設定集 0012_00〜0012_09へ
時系列順設定集 0012_10〜0012_16へ
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