刹那の旅路   作:靴下9153

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 祐一郎 は異世界で亜人に奴隷として売られてしまう。
 同郷の奴隷達から、人間だけの理想郷の噂を聞かされるが、拳銃ダークエルフの女イーレシスンに買われた。
 そして因縁の青髪と赤スカーフの二人と思いがけず遭遇。イーレシスンの魔法でお互い大したけがもなく事なきを得るが、ほとぼりが冷めるまで国を離れることに。
 
 0012〜0013のの出来事を細かく描写します。
 
 一日目:2つの村を横切る。第二の太陽は一時間周期。
 一部他人のステータスが覗けるようになった事に気づく。
 
 二日目:廃村で幽霊に襲われる。
 村落が点在する一帯で足止めされる。
 
 三日目:祐一郎はアイスという少女と出会う。
 アトーエにあるダンジョンを目指し船を乗り継いで港へ辿り着き、魔法鍛冶師誘拐未遂を防ぐ。
 
 四日目:後片付けを手伝い出発するが迷って尻尾の無い巨大サソリ。ヴァイオレントスパイダーと遭遇してしまう。
 しかし、そこへ謎の女ハロが現れヴァイオレントスパイダーに痛打を与え逃げるタイミングを作る。
 そのあとハロと合流。同行を打診(だしん)した。
 
 其の二十
 
 この章の登場人物{
  ハロ:魔法を使う謎の女性。癖毛。彼女の胸を見た人間の目を腐らせ、あたかも胸が無いかのように幻覚を見せるパッシブスキルを所持していると、祐一郎は分析している。
 }
 イーレシスンの口調は、onepieceの女海賊をイメージしてます。



0012_19 追加分/一週間に起こった出来事 その二十 祐一郎。秘孔を突かれてヒデブする

 

 

 巨大蜘蛛サソリ、ヴァイオレントスパイダーに襲われたが。オストレーの難民の女性ハロに魔法により事なきを得る。

 そのあと同行を持ちかけられるのだが、即答はしなかった。

 

 

 ——イーレシスンはオタかアトーエで魔術師の工房弟子入りして糊口(のりくち)を得る腹積もりなのかもしれない。とあたりをつけた。

 それで魔術師の工房と縁でも出来れば色々と便利である。

 そんな計算が働く。

 

 イーレシスンが考え込む様子を(うかが)って不安になったのだろう。

 急激にハロの口数が増えだす。

 

「あのぉ。やっぱり無理ですか?

 いきなりでアレでしたかねぇ……あははー……。

 やっぱりぃ、……じじょうとか?

 ……おじゃまー?

 ——そうだ! ダンジョンに興味はありませんか!?」

「あー、いや。間に合ってるんだ」

「そ、そうなんですかー……」

 

『(だいぶバッサリいったな!

 

 まぁ、これからダンジョンに向かう訳だし……?

 ——いや。そもそも、ダンジョンって同じ場所の事を言ってるのか?

 

 というか、ダンジョンを軽々しく話題に上げるなっていう、当て擦り?)』

 

 祐一郎の類推は見当外れだ。

 

 ダンジョンと言ってもそれぞれ特色があり攻略法も様々。

 初めて挑む場合0から攻略法を組み立てるか。教えて貰うしかない。

 

 未経験のダンジョンでは、稼ぎ方に応じた初期投資が必要になる。

 

 イーレシスンは考える。

 もし、これから向かうダンジョンと同じ場所を指しているのであれば、既知(きち)の情報である可能性が高く。違うなら必要のない情報だ。新しいダンジョンで一か八かに掛けるつもりは無かった。

 いずれにしろ欲しい情報ではない。

 

 ダンジョンは無数にあり、未発見のものはどれだけあるのか予想すらつかない有様。

 探索のリターンは大きいがリスクも高く。またブレも激しいため資金に余裕が無ければ続かない。

 

 例えば単純に往復する場合。稼ぎが少ない状況が続けば消耗品や耐久資材(武器や防具。その他物資)に少なからず出費が発生することだろう。

 そして何より、負傷によりリタイヤも考えられるし。何か月も休養を余儀なくされることもあるだろう。

 事業を続けるのであれば。赤字が続く場合、プールした資金は目減りして資金繰りを考えなくてはならなくなる。

 

 イーレシスンには新たなダンジョンに挑む資金的余裕も時間もない。

 わざわざ初見ダンジョン攻略の為に多大な日数費やして攻略法を探るなど、現状でそこまでの価値を見出せない。

 

 そして馴れないダンジョンに降りて詰む可能性もある。

 ()わば死にゲーを初見プレイするようなものである。

 

 イーレシスンは馴れたダンジョン(・・・・・・・・)でこの巨大な島を脱出するマジックアイテムを得るつもりなのだ。

 

 ——魔法があるじゃないか、と思うだろうが。

 大抵は3発も撃てばガス欠。

 (ろく)に動けなくなる。

 

 いざというときの切り札的扱い。

 それが魔法を使う冒険者が持つ、(おおむね)ね共通の認識である。

 実に地味でリスキーな行動。

 それがダンジョン探索者の(つね)なのだ。

 

 彼女(ハロ)も仲間と共にダンジョンで(かせ)ぎ方を見つけてやっていたのだろう。

 

 大方、アーオラからの流民か。イーレシスンは、そう予想した。

 

「あんた。魔法は何処で習った」

 

 ハロは戦闘中二種類の魔法を使った。≪閃光(せんこう)≫と≪衝撃(ショック)≫だ。

 

「あー。

 アーオラで師匠がいましてー。

 滅んじゃったじゃないですかぁ。

 オーガにやられてーそれきりです」

 

 つまりアーオラで魔法の師匠の下、魔法を学んでいたのだが。滅びたことでこの地方に流れてきたという。

 学ぶといってもエンチャントやエリクサ作りに忙殺される、地方の弱小企業の労働者の如く。整備も含めて単純作業の繰り返し。

 

 ——実にありきたりな話。

 魔法が使えるならどんな人物の言い訳にも使えてしまう。

 

 だが、それでは疑い出したらきりが無いのだが。

 ありきたりな話。偶然の一致を嘘と受け取るのは被害者意識が高すぎるし、なにより確証がない。

 

「湖までって事でいいのか?」

「いやー。出来ればぁ。

 まとまったお金が出来るまでぇ?

 ——それか、いい旦那さんが見つかるまでぇ?

 そんなかんじぃ?」

 

「——まぁ、いいだろう。その代わり俺がリーダーでいいな」

「ええ、もちろん。よろしくお願いしますねー」

 

 同行を許すイーレシスン。魔法が使えるというのは得難い。

 

 そんな感じで杖とナタを(たずさ)えた女性。ハロがパーティメンバに加わったのである。

 

『(じゃあ、早速——ステータスオープン……あれ?

 チャットウィンドウ。

 ステータスウィンドウ開かなくても開けちゃってる?)』

 

 チャットウィンドウが開いている状態で、ステータスウィンドウが見当たらない。

 その事実に今更気付いた祐一郎であった。

 

『(もっとちゃんと、いろいろ実験しておけば良かったな……)』

 

 今更である。

 さて、ハロのステータスを見ようとした矢先——。

 

 

 

「にゃー!」

『ほげ!』

 

 いきなりハロが祐一郎の脇腹(わきばら)の柔らかい部分を指でついてきた!

 

「にゃー!」

『え!? なに!? なんだよ!?』

 

『(中学生か!)』

 

 (なお)もしつこく、突いてくるハロ。

 

『く、クソー!

 脇腹を突いていいのは、()かれる覚悟のあるやつだけなのだ!』

 

 柔らかい指先の感触にとりつかれた(・・・・)祐一郎は、意図せずとも頬が緩む。

 

「『なにが、のだ。だ』なにやってんだ……まったく」

「あいさつ? ボディランゲージですよー。

 言葉通じないでしょー?」

「……馬鹿馬鹿しい。ほら、行くぞ!」

「はーい」

 

 

『クソー! 何なんだよ!///

 安直に美少女放りこんどきゃいいって思うなよ!』

 

 祐一郎はハロの謎の行動にメタな負け惜しみを吐きつつ、再びステータスウィンドウに目を落とすと——

 

 

 

中畝祐一郎

 

中畝祐一郎 ♂ Age:15 Money:$0

力:91

敏捷:118

知力:119

生命力:115

魅力:86

49.60(+30.44)kg 

疲労:100%HP:100%

空腹:61%渇き:20%

魔力39

我慢強さ

Vice:活舌が悪い

Vice:脇を掻く

へ向かう

 

 

 

『(ハロの名前が無い……だと!?

 というかイーレシスンも無いぞ——!

 なんだコレ!?)』

 

 

 




 次回。
 ヴァンパイア暗躍しがち――!
所持品

 装備:服 1kg
 装備:ズボン 1kg
 装備:インナー 0.5kg
 装備:靴下
 装備:靴 0.5kg
 装備:円形盾 4kg
 装備:円形盾 4kg
 リュック20L 10kg{
  水袋 4L 0.5kg{
   水2.5kg
  }
  水袋 4L 0.5kg{
   水3kg
  }
  小麻袋 1L{
   干し肉0.3kg
  }
  小麻袋 1L{
   干団子0.4kg
   干団子0.5kg
  }
  陶器の瓶0.75L 1kg{
  }
  小型ナイフ0.5kg
  包帯0.5kg
  小袋 0.2L{
   木の小物入{
    裁縫道具
   }
  }
  小袋 0.2L{
   火口 0.04kg
   火打石 0.2kg
  }
  靴 0.5kg
 }
 
 Total:30.44kg
時系列順設定集 0000〜0013+0012蛇足へ
時系列順設定集 0012_00〜0012_09へ
時系列順設定集 0012_10〜0012_16へ
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