同郷の奴隷達から、人間だけの理想郷の噂を聞かされるが、拳銃ダークエルフの女イーレシスンに買われた。
そして因縁の青髪と赤スカーフの二人と思いがけず遭遇。イーレシスンの魔法でお互い大したけがもなく事なきを得るが、ほとぼりが冷めるまで国を離れることに。
0012〜0013のの出来事を細かく描写します。
一日目:2つの村を横切る。第二の太陽は一時間周期。
一部他人のステータスが覗けるようになった事に気づく。
二日目:廃村で幽霊に襲われる。
村落が点在する一帯で足止めされる。
三日目:祐一郎はアイスという少女と出会う。
アトーエにあるダンジョンを目指し船を乗り継いで港へ辿り着き、魔法鍛冶師誘拐未遂を防ぐ。
四日目:後片付けを手伝い出発するが迷って尻尾の無い巨大サソリ。ヴァイオレントスパイダーと遭遇してしまう。
しかし、そこへ謎の女ハロが現れ同行することに。
川を渡ろうとしたところトラブルに遭遇し、イーレシスンと知り合いの兵士が現れヴァンパイアに殺された被害者達を調べることになった。
まず被害者クォブに関する聞き込みを行った。その結果、祐一郎はとあるひらめきを得る。
其の二十四
この章の登場人物{
ハロ:同行することとなった女性
ジャグ:兵士。直情的
ゾイ:兵士。ヴァンパイア事件の解決には消極的
リン:クォブの奥さん
ギェン:クォブに騙された被害者
}
捜査メモ{
「ファノ。売春宿の従業員。男性23才。裏路地で倒れていました。契約結婚をしていたようです。親族から苦情が寄せられています」
「クォブ。大工。32才。私の担当区域外。屋根補修詐欺の噂がありましたが担当者は賄賂で見逃していたようです。住民には相当不満が溜まっていたようです」
「ジャー。金貸し。43才。飼ってる犬を嗾けて子供に噛みつかせて大怪我を負わせましたが、やはり担当者を賄賂で丸め込んでいたようです。周辺住民は不安を感じていたと耳にしています」
}
イーレシスンの口調は、onepieceの女海賊をイメージしてます。
——普段から恨まれていたことは自覚していたはずのクォブの隙を突くことは、容易ではない。
そこで娼婦に隙を作らせ。人気のないところにおびき出し殺したのではないか。祐一郎はそう考えた。
祐一郎が見つけた物とは時計だ。
それも宝石の
材質は何らかの石でできており、点描のような表示は数字を表しているのだろう。泥が詰まってよくわからないが、宝石の底の色が変わることでON、OFFを表しているようだ。
爪の先で叩いても反響音を感じない。みっちりと詰まっているのだろう。
『(スライドする仕組み……か?)』
——であるなら
その割に装飾はそれほどでもないように見える。手作りだとしたらどのように作っているのか、継ぎ目がまったく見当たらない。
祐一郎は時計の値段はテレビなどで耳にした程度で詳しくは知らないが、高いもので1000万円と記憶していた——。
彼が知らないだけでもっと高い時計はあるのだが、目の前の時計がどの程度の労力で作られているのかすら分からないのでは値段の最低値の予想すらつかない。
ありふれた物なら、十万〜百万位だろうか、と。想像する祐一郎だった。
——聞き込みを終えたイーレシスンは、時計を腕に
「——時計?」
「あ、ギェンが探してたヤツじゃねぇか?」
「ギェンが話してた特徴と同じだ」
そう、この場所に落ちていた時計は、ギェンの物である可能性が高い——。
——肌を焦がす炎天下の路上に、未だ紛失した時計を探すギェンを見出すことが出来る。
不安から探さざるを得ない——仕事は気温の下がる朝方か夕方。必然的に探すことが出来るのは昼の間。
人に手伝ってもらえばいいものを、頑固に太陽に熱せられた地面にしゃがみ込み、目を皿のようにして探していた。
時折。木陰で水をのんだり、直接浴びるなりして休憩も取るのだが、止める様子はない。
そこへ通りがかったのは
腕には日の光を受けて時計が輝いている。
「——あ!?」
——探していた時計である!
あろうことか奴隷の腕に。分不相応な——時計を発見してしまったのだ!
ギギギギギギギギ……
——歯ぎしりの音が漏れ出す。
これまで炎天下の中、必死で。血眼で探していた時計だ。
目を剥き歯を噛みしめた凄まじい形相で、射殺さんばかりに祐一郎を睨みつけるギェン。
——まったく身の丈に合わない時計をだ!
つけるに値しない! ましてや正当な報酬として受け取るべくもない!
そんな人間がいっぱしに時計などつけて、エルフ面してしれっと紛れ込んでいるのだ!
——気色が悪い!
——とうてい許されるはずが無い!
ギェンはこれまで町中に現れる、害獣である都市モンスターを何匹も葬ってきた。
人様の物を盗む薄汚い奴隷など、モンスターと何も変わらない。
いや——人の姿をしている分、なお悪い!
市民には悪質な畜生を駆除する義務がある!
使用済みである事を匂わせる、欠けて動物の
彼は殺意に満ちた断罪の
「——やぁ。こんにちわ。
君はさっき、ジャグさんと一緒にいた奴隷だね」
ギェンはにこやかに祐一郎へ語り掛けた。
「こんにちわ。
俺。いた。良い」
未だ難しい単語は理解できないが、簡単な単語くらいは話すこともできる。
——汗まみれの服。
暑さを一切感じさせない張り付いたような笑顔——。
上がりきった口角は歯を剥き出しにさせる。
愛想を振りまくこの
「——丁度いい。
探し物を手伝ってくれないか?」
「良い」
「じゃあ、そこの側溝の蓋を上げてほしいんだ。
わかるかい?
やってくれたら、飴をあげよう」
「飴あげよう。良い」
祐一郎は言われるまま、彼に隙だらけの背を向け荷物を下ろした。
——ウヒヒ。
ギェンは限界を超えて口角を引き上げた。
それをもはや笑顔というには無理がある——。
舌なめずり——そして、
ズムム——
隙だらけの背中に短剣を突き立て。肉を突き通し。味わう様に柔らかい内臓を
もはや取り返しがつかない——これまで積み上げてきた年月が一瞬で水泡と帰すのだ。
「——最高だ!」
仰け反りながら一気に引き抜くと背中の肋骨を削る感覚と共に、腹横筋を切り裂く心地の良い感触が左腕に伝わり。体の反射で腹圧により遅れてリズミカルに黒々とした血が噴き出す!
それを何度も繰り返すのだ! 全ては正義を成すため——!
何度も!
何度も!
何度も!
何度も!
何度も!
何度も!
たとえ刃が欠けようとも——!
やりがいに満ち
解体の喜びが湧き上がる——!
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
——ギェンは
その
それは大いなる使命。
ギェンは全身に力がみなぎるのを感じた!
——勃起。
そして
「(うごけない——)」
ギェンは祐一郎から発せられるプレッシャーに動きを止めた。
「(気が付いてる——いや。
待ってる……のか!?)」
ギェンは何者かの意図を感じた——
「——よぉ。ギェン」
「ああ……これは。
ジャグさん」
ギェンが短剣をひっこめたタイミングでイーレシスンとジャグがやってきた。
「(俺を
この奴隷を捨て駒にして!
コイツラ……)」
ギェンは早まる鼓動を無理やり押さえつける。
「——実は、時計を拾ったんだ。
あんたのだろ?」
「いや、知りませんね」
「死体のあった場所にあったんだ」
「——!?(川沿いでヤったはず——そこで落とした!? さんざん探したはず……!)」
「——どうした?」
「いえ。……私は
「なるほど。
殺人のあった場所はさすがに知ってるか。
じゃあ、時計を無くしたとき何処にいた?」
「雨が降っていたので。
ぶらぶらしていて、側溝に流されたんでしょうね」
「——その末に死体のあった場所に流された?」
「……だから、その時計に心当たりはありません」
「側溝に流されて、死体のあった場所に流れ着いたと?」
「いったい、何を言ってるんですか!?
だから、
「偶然
「側溝の行きつく先は川ですよね!?
流れに乗れば何だって
当たり前ですよね!?
(しまった——! 思わず挑発に乗ってしまった!)」
要領を得ない質問に苛立ち声を荒げてしまったギェン。
嫌疑をかけるには十分な口実——。
「……川か。
——俺は川で死体が発見されたなんて言ってないぞ」
「……(なんだ!? なにかおかしい——!)」
ギェンは勘違いをしている。
しくじりは声を荒げた事ではない。
「——死体があったのはゴミ捨て場だ」
「!?」
「——殺された場所が川なんだ。
なんでそれをお前が
そう——犯人にしか知りえない事を吐いたのだ——!
兵士であるジャグには、怪しい人物に罪を吐かせる
もはや、進退
「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
せめて生意気な奴隷を道連れにせんと短剣を振りかぶる——が。
「うぐっ——!」
超常の反射神経を再現する認識加速の前には、如何にモンスターと戦いなれている人間だろうと為す術がない。
時計を嵌めた祐一郎を挑発で囮に使い。あわよくば馬脚を現したギェンを財産侵害(奴隷は物扱い)容疑で捕まえ、ついでに拷問で吐かせるつもりだった。
しかし誘いに乗らないギェンを誘導尋問で死体の位置がズレている矛盾を口にさせ、言質を取る作戦に切り替えたのである。
己の不利を察し破れかぶれの暴挙に出たという訳だ。
そして詐欺被害者であったギェンは罪を告白したのである。
——結局、クォブ殺害は祐一郎が見つけたヴァンパイアバットの牙をつかった、前日2件のヴァンパイア被害の模倣犯であった。
ヴァンパイアに殺されたわけでは無かったのだ。
そして、殺害現場からクォブが移動した理由——。
刺された直後。彼は意識を失い、それを死と勘違いしたギェンが立ち去った後、落としていった時計を握りしめ移動したはいいが、ゴミ捨て場で力尽きた。というのがあらましだ。
日常的にモンスターと相対する生活をしているギェンは、気絶すれば放っておいても死ぬものと認識していた。
今回ギェンが人を殺したのは初めてであった。そのため
——つまり、彼から見れば死体が移動したようなものだ。
あたかも
次回。
未定――
締め切りにガッチリ横四方固め決められてます。
そのせいか暑い気がします。
この暑さを巴投げしたい。
装備:服 1kg
装備:ズボン 1kg
装備:インナー 0.5kg
装備:靴下
装備:靴 0.5kg
装備:円形盾 4kg
装備:円形盾 4kg
装備:時計
リュック20L 10kg{
水袋 4L 0.5kg{
水2.5kg
}
水袋 4L 0.5kg{
水3kg
}
小麻袋 1L{
干し肉0.3kg
}
小麻袋 1L{
干団子0.4kg
干団子0.5kg
}
陶器の瓶0.75L 1kg{
}
小型ナイフ0.5kg
包帯0.5kg
小袋 0.2L{
木の小物入{
裁縫道具
}
}
小袋 0.2L{
火口 0.04kg
火打石 0.2kg
}
靴 0.5kg
}
Total:30.44kg
時系列順設定集 0000〜0013+0012蛇足へ
時系列順設定集 0012_00〜0012_09へ
時系列順設定集 0012_10〜0012_16へ