ガ、ゴソ――
俺は体の異変に気が付いて朝の光の中目を覚ました。俯せの状態で苦しいので、手をついて起き上がろうとしたが、後ろに回された手は、縄のようなもので縛られている感触があって失敗に終わった。
俺は何者かに縛られているのだ。
俺は顔をひねって背後を確認すると、青髪さんと赤スカーフだったのだ!
「ちょっと! なんでこんなことするんですか! 昨日は協力して一緒に緑のヤツを倒したでしょう!」
抗議するが、もちろん通じない。
青髪さんは俺を立たせると、入り口付近の柱に縛り付けてしまった。
二人は俺を横目に、やって来た女性から朝飯を受け取ると掻き込み始めた。勿論(もちろん)俺の分は無い。
女性は記憶にない人だ。村の全員を把握していないので分からない人も当然いるだろう。
二人は交代で俺を見張りながら、庭で槍の練習をしたり。たまに言葉を交わしたり。何かをかじってみたりと、思い思いに過ごしているようだった。
やがて太陽は真上に登り、本格的に暑くなってきた。そんな中、カゲロウ揺らめく道の先から二人組がやって来た。
二人とも男で革鎧を着こみ、大荷物を背負って槍を持っている。勿論汗みどろだ。
二人は何か言葉を交わすと俺を横目に、衛兵小屋へ入っていった。荷物を降ろして、中身を整理しなおしているようだ。
暫くして小さな袋へ詰め替えるとそれを腰に固定して、鎧のまま横になった。
青髪と赤スカーフは何処からか引っ張り出した荷物袋へ次々と物を放り込んでいく。
帯を巻いたもの。
小物入れ。
そのほかに意味の分からない物多数。
何かの包み。
水袋。
どうやら旅支度を整えているらしい。
最後に荷物袋を背負って、俺の縄をを柱から外した。そして、青髪と赤スカーフは、二人に対し短く挨拶すると、俺を伴って二人がやって来方向へと歩き始めた。
村を出ると民家はまばらとなり、路は湿地を避けるように蛇行するようになった。
視界は開けているので、前方には次の村がもう見えていた。村同士の間隔は狭いらしい――。
出発して1時間程で次の村へ到着したが、そのまま素通りした。
相変わらずの太陽が照り付け、俺は激しい喉の渇きを覚えていた。だめで元々、試しに水を催促してみるか……。
「(みず)(みず)」
こちらを振り返るが、案の定無視だ。昭和の運動部か……。
周囲は畑が多くなってきた。民家もまばらに見かける。
そしてさらに1時間程でまた村へと至った。
いや、これはもはや町の入り口と言ったほうがいいかもしれない。民家の見当たらない路は見かけなくなり。畑か、民家か、何らか人の手の加わった物の密度が各段に高くなった。さらには2階建ての木造建築も見かけるようになった。地平線は完全に木造構造物群に遮られて見えなくなってしまった。
そしてさらに町中を歩くこと1時間弱。ある建物の前で立ち止まった。間口の広い平屋が多い中、二階建ての狭い入口で、暗い建物の中を窺(うかが)うことは出来なかった。
中へ入ることを促される。
中には4人組が屯っていて、奥へ続く見るからに頑丈な扉があるだけだった。俺は異様な空気を感じて立ち止まりかけるが、後ろから乱暴に押し出された。
「*****」
「***」
何ごとかやり取りすると、4人組の1人が奥へと入っていった。
数分後、恰幅のいい背の低い男を伴って戻って来た。
「***、****。****、*****」
「****、**」
やけに口数の多い恰幅のいい男は、青髪とやり取りすると、4人組のうち1人がやってきて、赤スカーフから俺を縛っている縄を受け取った。
「***」
「*****」
「****……」
やり取りの後、恰幅のいい男は青髪に何かを手渡すと、青髪と赤スカーフの二人はこちらを見もせずに建物を出て行った。
そのあと俺は建物の奥へと連れていかれた。
――そこにはみすぼらしい身なりの異世界人たちが犇(ひし)めいていたのだった。
そう、ここは奴隷商館だったのだ。
俺は、青髪と赤スカーフに売られたのだ――。
装備:服 0.5kg
装備:上着 0.5kg
装備:ズボン 0.5kg
装備:インナー
装備:ボクサーブリーフ
装備:靴下
装備:靴 0.5kg
スマホ -
小銭 ¥361
タバコ 3本
¥100ライター
コンドーム
プラスチック袋{栄養剤 43錠}
ビニール袋{岩塩 -}
カギ