診療棟を出て最初に見えたものは、幅100メートルほどの円形の広場であった。
基本的に人や建物で埋め尽くされている聖都において、このように開けた場所は珍しい。…しかし、そこには公園や市場のような賑わいはまるで無かった。
疎らに聖職者が行き交っているだけで、ひどく閑散としていたのだ。
それをただ人気の少ない広場と表現すると、まるで開放的な場所のように聞こえるかもしれない。だが、そのような実態とは裏腹に、この場には息苦しさすら覚える圧迫感があった。
まるで同じ型で量産したような建物が、広場の外周を取り囲んでいるのだ。
二階建てであり、急勾配の三角屋根に薄灰色の石壁。両開きの扉と四つの窓を正面に構えている。汚れや風化は毛ほども感じられず、まるで最近建てられたような真新しさを漂わせていた。
それらが隙間無く敷き詰められており、外に繋がる道はただ一つ。鉄柵の門扉により固く閉じられた、裏路地めいた狭い通路だけである。
その通路の対角に聳える大聖堂も、聖堂にしては飾り気が薄く、薄黒い石造りの城砦めいた造形をしている。
そこは、まるで逃げ場のない箱庭のようであった。
本来聖都とは、騒々しくも美しい都市であり、国だった。
人も建造物も過密でありながら、そうであっても綺麗に見えるよう緻密にデザインされ、人々は与えられた空間を思い思いに装飾している。
……しかし、ここはそうではない。
広々とした空間に、不自然なほど無機質な街並み。そして、押し殺したような静けさが広がるばかりだ。どれを取っても聖都らしくない薄気味の悪さが横たわっている。
もしくは、この場所だけが唯一"聖都らしさ"を色濃く残している場所なのだろうか。
そこは、聖都の中央…教会領と呼ばれる区画だった。
聖女の作成や歴史の改変のような、あらゆる"教会の秘匿"。もしくは"禁忌"。それを為すために必要十分な施設が立ち並んでいる、人間の営みの中では恐らく最も狂気に近い場所である。
そして同時に、私が勇者様の付き人に選ばれるまでの13年間を過ごした故郷でもあった。
「ここは…何にも変わってないみたい」
「そうですね…」
大聖堂に向かって歩く勇者様が、ほうと感慨深そうに呟いた。
それは、印象や感覚的なものではなく、紛れもない事実である。
「きっと旅路が何十年になっていたとしても、変わることのない場所でしょう」
「…そんなに?」
「はい。教会領は聖都の誕生以来、ずっとこのままの姿ですから」
教会領の地図は聖都の誕生以来、一度も新調されたことがないという。
定期的に補修の奇跡を掛けることで、最初に作られた物をずっと使い続けているのだ。それは教会領の不変性を示す証拠である。
また、古い聖都の市民が残した絵画によれば、この無機質な建物群…その見た目も、ずっと変わらないもののひとつだ。
この場所は聖都という街が生まれたときからこうだった。そして、これからもずっと同じように有り続けるのだろう。
「すごい、大事にしてるんだね!」
「聖職者は皆、几帳面ですから。修理も掃除も、きっと欠かしたことがないのでしょう」
さて、そうこう話している間に、私達は大聖堂の出入り口に辿り着いた。
辿り着いたが、それだけだ。
青銅製の巨大な両開き戸は固く閉ざされ、ただ沈黙を保っている。このまま待っていても埒が明かないと思い、正面扉の脇。石壁に開けられた狭間から見張り部屋に呼び掛けてみるが…
「すみません、開けていただけませんか?」
返事はなかった。
一呼吸ほど待ってから、再度呼びかける。
「門番様、私は聖女モリオルです。大司教オルクス様より大聖堂に参るようお言葉を賜っているのですが、開けていただけないでしょうか?」
やはり、うんともすんとも言わない。
待つだけの手持ち無沙汰な時間に堪えて、勇者様の方へと目を落とすと、彼女も不思議そうに首を傾げていた。
待っていても何も進展がないことを悟ったのは、それから更に数分ほど経ってからのことである。
「おかしいですね…」
狭間を覗き込むが、中は見えないような作りになっているので、何も分かるはずがない。奥には暗がりがあるだけだ。
ただ、心なしか人の気配が無いように感じられる。
「門番さん、いないのかな?」
「そのようですね…」
実際、通って良いなら扉の前に来た時点で解放しただろう。もし駄目であった場合も、それなりの対応はされたはずだ。
ここまで待って何もないということは、つまり扉の管理者がいないか、対応できない状態にあるということである。
「待つ?」
「いえ、それは…」
勇者様の問いに、少し考えを巡らせる。
大聖堂の門番が沈黙している。それは本来、ありえないことだった。
彼らは役職こそ門番とされているが、紛れもなく高位の聖職者である。それが仕事を放り出すなど、考えられない事だ。
「…ここまで来て引き返すこともありません。勝手に入ってしまいましょう」
「えぇ、そんなことしちゃっていいのかな…?」
「私達はオルクス様の命を受けているのですから、問題などありませんよ。門番様には後ほど事情を説明すればよいのです」
「そうかなぁ…」
勇者様が腑に落ちないような表情で呟く。
実際、良いことではないだろう。…しかし、胸騒ぎがするのだ。
ここ数日、教会の動きは明らかに異常だった。
巡礼者に世界を見捨てよと言わんばかりの命を下し、聖都の住人を内側へ閉じ込め、挙げ句には大司教たるオルクス様が自ら『聖別』なされた。
問題は、それが単なるヤケ。迷走であるようには思えないことだ。
何か大きな秘密を抱えているらしい最初の魔王の復活に、オルクス様に呪詛溜まりと呼ばれていた得体の知れない怪物の襲撃…
私の知っていることは酷く曖昧で、核心を突くものは何もない。それでも、どれも不穏な情報であることは理解できる。
聖都は、私の知らない何かに備えている…そう思うのだ。
その"何か"が、今ここで起こっているならば、非常にまずい。教皇様に万が一のことがあっては、真っ当な手段で聖都から出ることは出来なくなってしまうだろう。
「開けますよ」
見張り部屋の前から離れ、大扉の正面に立つ。
右腕を使って戸を押すと、どうやら戸締り等がされていた訳ではないらしい。ズズズと鈍く引き摺るような音を立てて、ゆっくりと開いてゆく。
その僅かに広がった隙間から漂ってきたのは、どこか嗅ぎ慣れた異臭であった。
生臭く、濃厚な鉄の臭い。
それは間違いなく、血の臭いだ。
気付くと同時に、扉に掛ける力を強める。
乱暴に押し開けると、急いで中の様子を伺おうとして…まず、聖堂内の暗さに唖然とした。
規則的に並べられているはずの蝋燭、大聖堂で暮らす聖職者によって維持される照明の奇跡、ステンドグラスから取り込まれる陽光。それら全てが機能不全に陥っているらしい。
今しがた開けた大扉から差し込む光だけが、淡く内部を照らしている。
何が起こっている、皆は何処に行ったのか?
その困惑について思慮する間もなく、聖堂の奥…祭壇の周辺に投げ出された沢山のモノを視認した。
暗がりの中で悶えるように蠢くそれは、遠目では芋虫のようにも見える。
「あ、れは…?」
そう言葉を吐いた時には、半ば"それ"の正体に気が付いていた。…なおも信じられず、疑いの声を漏らしたのだ。
何せそれは、紛れもなく
私は、彼らが手足の無いまま藻掻く様を、蟲に空目したのだ。
「…ぃ………ま!」
思わず息を飲み、狼狽える。
何かが起きているとは思った。…でも、ここまでの惨状は想像していない。
こんなことは、普通ではない。
聖都の中枢。大聖堂に忍び込み、何の騒ぎも起こさないまま教会の精鋭…高位聖職者達を制圧し、拷問する。それは人類を遥かに超えるような実力と、高度な知性を兼ね備えた存在でなければ不可能だ。
そんな事ができる教会の敵対者など、私が知る限りでは…いや、1人だけ知っている。
「聖女さま!助けないと…!」
勇者様の声に、ふと我を取り戻す。
脳裏に過った嫌な想像は、取り敢えず胸の奥に押し込めて、彼らの下へと駆け出した。
「『光よ』!」
それと同時に、照明の奇跡を詠唱する。
私の声に応じて、壁や天井に散りばめられた魔石が反応し、聖堂内を光で満たした。
堂内が照らされると、害された聖職者達の有様もよく見える。
横たわり、掠れた呻き声を漏らす男女が十数名。人数から察するに、大聖堂に暮らす聖職者は皆ここに集められているようだ。
彼らは全員が四肢の全てを切り落とされ、首より上は黒く焼き潰されていた。
それは一見すると致命的な怪我であったが、傷口が粗末に焼きつぶされているために血を失わず、何とか生きながらえていたらしい。
魔王による見境無い蹂躙とは毛色の異なる、より惨たらしい仕打ち。しかし、おそらくは悪意というより、戦略に近い色を持つだろう。
彼らが奇跡での治療すらままならないでいるのは、その所業が為だと考えられる。
奇跡とは文字通り、物語として紡がれた"偉大なる奇跡"を再現するための真摯な祈りだ。
祈りから現象を生み出すには、魔力とは別に高い集中と強い信仰心が必要とされる。…故に聖職者とは、冒涜的な悪意に弱いのだ。
祈りとは存外に容易く乱れるもので、恐怖に負ければ救いへの懇願となり、痛みに負ければ逃避へと変わる。
教会の聖職者…その高位の者ともなれば、信仰の具合は狂気の域へと達する。だが、どれほど狂気的であろうと、人であることに変わりはないのだから、その精神が揺らぐこともあるのだろう。
「『隔てなき癒しよ』!」
彼らの下へと辿り着くなり、詠唱と共に奇跡を発動させる。
それは普段、勇者様に使うような"治癒の奇跡"とは異なり、広い範囲に効果を及ぼすもの。それを最大限振り絞れるだけの出力で放つが、思うように効果が出せない。
身体を巡る魔力の流れが、慣れた感覚と異なっていた。祈りに力をあてがうことができない。
それでも、少しずつ彼らの顔面には人相が戻り、傷や火傷は塞がり、苦しげな呻き声は安らかになってゆく。
以降、しばらく治癒を掛け続けたが…
「やはり手足は駄目ですか」
どうやら、今の私では欠損を癒すことはできないらしい。
1人ずつ時間を掛ければ何とかなるだろうが、この状況でそれをするのは愚策だろう。
ひとまず、彼らは生命の危機から脱した。それを確認するなり治癒の奇跡を打ち切って、続けざまに魔法を発動させる。
「『VENI』…!」
それは契約した魔法生物を召喚するもの。
不意に頭の上に重みを感じたと思えば、そこには薄く発光する鳩が止まっていた。
「伝言を頼まれてください」
呼び掛けに応じて、左の肩へと降りてくる。
彼はくるくると喉を鳴らして、私の顔をしげしげと覗き込んできた。
「…良い子です。」
指の先で小さな頭を撫で、それから言葉を吹き込んだ。
「『ヒセン、大聖堂に来てください。非常事態です。私と勇者様は教皇様の元へ向かうので、貴女は祭壇の前に倒れた聖職者を癒すようお願いします』…行ってください」
最後まで聞き届けた鳩が、羽ばたき、大聖堂を飛び出してゆく。
それを見届けると、倒れた聖職者たちを心配そうに見つめていた勇者様に声を掛けた。
「行きましょう、勇者様…教皇様が危ないかもしれません」
聖女ちゃんは「教皇様の危険が危い!」って言っとったけど、ワイにはあのおっさんがやられる様子が想像できないんだよなぁ…
まぁ、この世界は大分ヤバいやつらが山程いるし、絶対ってことは無いんだろうけど…いや、やっぱ教皇様は死ななそう。
聖職者のエラい人っていう肩書だけで、もうラスボス感凄いからな!
別に人相が悪いわけでもなければ、怪しい振る舞いしてるわけでもないけど、黒幕って言われても違和感ない風格がある。
そんなことを考えながら、聖女ちゃんと共にカビ臭い湿った地下道を歩いてゆく絶世の金髪美少女は、そう。紛うことなきワイである。
……という訳で、やぁお前ら。ワイやで。
奇跡も魔法も使えないけど、モナリザのように完成された完璧で究極の顔面があるので、精神面なら老若男女を問わず回復させられることでお馴染み…鉄板のスーパーかわいい美少女TS最強勇者や。
そして今は、大聖堂の隠し扉を潜った先。教皇様が暮らしている"奥部屋"なる場所に向かっているところである。
ただ、ぶっちゃけると…相当行きたくないんだよな。
この地下道の先に感じる気配は、教皇様以外にもう一つある。
聖職者とは根本的に異なる様相を呈したそれは、疑う余地もなく聖職者たちをクシャクシャにした侵入者のものだろう。
彼は、その敵意に溢れた強烈な存在感を隠そうともしていないらしい。
怨念の煮凝りみたいになってドロドロしている膨大な魔力が、高い技術で制御されているこの感じ。表面的には明らかに魔王だが、よく探れば確かに人間らしさを見出せる不可解な魂の質感。
それは、つい先日に遭遇した相手を強烈に想起させる。
言ってしまえば、あの
人間のくせに魔王を名乗ってたアイツが、この先に居るのだろう。
それはワイにとって、かなりの悪報だった。
流石に教会…というか教皇様にカチコミかけてきたヤツを、生かして帰す流れにはならないだろう。
多分「殺して聖都の下に埋めろ」みたいなことを命じられる。
ただなぁ…ワイ、アイツ殺さなきゃいかんのやろうか…?
せっかく見逃してやったのに、なんでやろなぁ…
どうしてこんな所に来てまで、悪い事をしてしまったんやろ。
やがて目前に迫ってきた、地下道の突き当たり。その少し煤けた扉に近付くほど、聖女ちゃんに追従する足が鈍ってゆく。
驚くほどに、やる気が出ない。
今のワイが痛みを感じる状態であるとか関係無く、アイツを殺すことに対して気が進まないのだ。
「勇者様…大丈夫ですか?」
どうやらワイは、そんな心境を聖女ちゃんに悟られてしまったらしい。
いつの間にか振り返っていた彼女が、小さく声を掛けてきた。
「
「そう、ですか…」
言い訳が通用していないことを察するに十分な返答だった。
どうにも今日は、こんなことばかりだ。
聖女ちゃんが深く追求しないから有耶無耶になっているだけで、何も誤魔化せていない気がする。
完全に歩く足を止めて、こちらをじっと見下ろしてくる聖女ちゃんの目を見るに、きっとワイの発言は欠片も信じてもらえてない。
少し怒っていて、悔しいとも感じていて、それ以上に悲しんでいる。いや、しかしこんな目をされると…その、なんていうか……。
とても、おっぱい揉みたくなってくるよな。
ほら、かわいそうはかわいいって言うやろ?可愛い人の可愛いところに触れたいと思うのは自然なことじゃないか?
そんなことを考えた瞬間、突然両腕が動かせなくなった。
その部分だけ完全にワイの制御から離れてしまって、重力に従うままブランと垂らした脱力状態になる。
か、身体ちゃん…?流石にせんからな!?
ワイもそこまで空気読めない訳じゃないから…!
突然の事に動揺して自分の腕を見下ろす。
この行動を「目を逸らした」と捉えたのだろう。次に聖女ちゃんの顔を見た時、彼女は何かを確信したような表情をしていた。
「勇者様、本当は…お嫌なのではありませんか?」
聖女ちゃんが、その場でしゃがみ込む。
ワイと目線を合わせた状態で、淡々と語りかけてくる。
「どのような理由でも構わないのです。勇者様が少しでも嫌だと感じるのなら、いつでも引き返せますから…どうか遠慮せずに言ってください」
「
ファッ!?聖女ちゃん、嘘だよな…?
確かにワイも教皇様が死ぬことはなさそうとは思ってるけど、流石にここまで来て引き返すのはいかんでしょ。
もう教皇様、すぐそこにおるんやで。…というか聖女ちゃんがソレ口走った瞬間、教皇様っぽい魔力がブワッと揺らいだから多分聞かれてると思う。
聖女ちゃんだって聞かれてることに気付いてるよな?
魔力が揺らいだ瞬間、視線を扉に向けましたよね?すごく煩わしそうにしてたの、ワイは見逃しませんでしたよ?
「
「そう、ですか…」
ちょっ、身体ちゃんも全く焦ってないんじゃないか?
ワイは転生以来トップクラスでビビってるのに、どうして二人は冷静でいられるんや…!
「…本当に、そう思っているのですか?」
ここで食い下がるのか…(困惑)
まぁ、適当言っても追及されなかった今までが異常なのかもしれないけども、そうは言っても教皇様の目の前である。
魔王も居るのだから、もっと急いだほうがいいんじゃないか?
「
「勇者様…私はそれほどまでに鈍感に見えるでしょうか?」
「
彼女は明らかに怒っていた。
今までの不服や悔しさを抑え込んだようなものではない、はっきりとした憤怒。声色や表情は何も変わらないが、何かがこう…切り替わったと言うか、堪忍袋の緒が切れたような瞬間があったのだ。
「私は勇者様のご意思を何よりも尊重するつもりでいました。…しかしそれは、間違いだったのかもしれません」
「
「なぜ、勇者様が謝るのですか?」
ワイの謝罪に対して、聖女ちゃんが目を丸くする。
完全に想定外といった感じで驚いているが、その反応はどう考えてもおかしい。俺はもうヤバいと思う。
これは謝罪が意味を為さないタイプのキレ方してるヤツでは?
自分がキレてることに本当に気付いていない、そういう感触である。
「
「あぁ、そういうこと…申し訳ありません。勘違いさせてしまいましたね、私は怒ってなどいませんよ。」
嘘だゾ、絶対キレてるゾ。
怒ってない人はそんな怖い雰囲気出さないんだ、ワイは詳しいんだ。
「ただ、勇者様がそうして自らを蔑ろにし続けるならば、私も相応の対応を取る必要があると。…そう感じたのです」
「
「つまりですね、『
『それは駄目だ』
おファッ!?教皇さ……
「…っ!?」
聖女ちゃんがクソビビったような表情で立ち上がったのを認識すると同時に、バァン!と野獣邸のドアめいた音を立てて"奥部屋"の扉が開く。
その中に見えたのは、打ちっぱなしのコンクリートめいた汚い部屋であり、その奥には死ぬほど怖い無表情でじっとこちらを見つめる教皇様と、磔にされた
視界がグラつき、平衡感覚を失う。
一瞬、身体ちゃんが何かをしたのかと考えたが、どうやらそうではないようだ。
聖女ちゃんが何やら叫びながら、ワイの身体を抱え込んだことを、遠のく思考の中で認識していた。
その不可解な現象が、ワイが気絶しようとしているために起こっているのだと気付くには、そう時間を要しなかった。
一方その頃、鳩から伝言を受け取ったヒセンは、あからさまな面倒事にクソデカため息を吐きながら大聖堂へ向かっていた。