コントラクト・ガーディアン─Over the World─   作:tea4

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あとがき

 

 ここまで読んでくださって、どうもありがとうございます。

 特に、ブックマーク登録をしてまで、読み続けてくださった方々にお礼を申し上げます。

 評価をしてくださった方々も、本当にありがとうございます。

 

 

 この作品は、色々あって鬱々としていたとき気晴らしに何か書いてみようと思い立ち───刀を振るう黒髪和風美少女を見たいなぁと思っていたところだったので、それをテンプレ設定に落とし込み───日常生活に支障を来たしては元も子もないため、調べ物はネットで検索するだけというルールを設けて───テンプレエピソードとテンプレ展開を混ぜつつ自分なりに書くというコンセプトの元、書き始めました。

 

 

 そんな発端だったので、ご都合主義と言われようと、勧善懲悪のハッピーエンドにしようと決めていました。

 

 好きなように書いていたら、女性向けとも男性向けともつかない中途半端な作品になってしまったので、正直、触りは読んでも、読み続けてくれる人はいないのではないかと思っていたのですが、考えていたより多くの方々に読んでいただけて驚いています。

 

 力量不足を痛感しつつも、ここまで書き上げることができたのは、読んでくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

 

 

 前置きはここまでにして、補足という名の言い訳をば。

 

 まず、大前提として───この世界の人間を含めた生物は魔力を宿しているため、身体能力が高いのは勿論、頑丈な肉体を持っているという設定です。そういうわけで、もし登場人物たちが───特に主人公たちが現実離れした動きをしたとしても、そのように解釈してくださると有難いです。

 

 それと、地球でいうところの中世から近代のような街並みですが、成熟した文明が崩壊した後の世界なので、残った技術、概念だけが残って再現された技術、消えてしまって改めて発明された技術、消えたままとなっている技術が混在していて────近代や現代に近いものがあったり、地球では早いうちに発明されていたものがなかったりと、筆者にとって大変都合のいい設定となっております。

 

 鋏も、古代魔術帝国の崩壊と共に消えた技術の一つです。新たに発明されなかったのは、単にナイフで事足りていたからという設定です。

 うまく売れたのは、サヴァルさんの手腕で────自分のお抱えの工房やアトリエから広めて、徐々に労働者階級にも広めていった感じです。

 アトリエではこれを機に、これまで木製か金属製の型を押し当ててナイフで切り取っていたのを、リゼラのアイデアで“チャコールペンシル”のように“墨果筆”で生地に写すか描いて鋏で切るという工程に替わった───という設定があったりします。

 

 懐中時計のような携帯時計がなかったのは───置時計や柱に埋め込んでいた時計の小型化が進んでいたときに、先代ベイラリオ侯爵が時間など気にしない前時代的な貴族主義を復活させたために、それ以上の開発が中断されたという経緯です。

 木製のケースしかなかったのは、携帯時計を購入するのは旅商人や冒険者などのため、低価格であることが求められていたからという背景があります。今も懐中時計を買う余裕がない者は、この木製ケースの時計を使用しています。

 こちらも、うまく売れたのは、サヴァルさんの手腕があってのことです。高級品は男性が身に着ける装身具の一つとして王侯貴族や大商人に売り出し、コストを抑えたものは冒険者や商人だけでなく、官吏や貴族家の使用人にも売り出した───という感じです。

 作中ではさらっと流しましたが、形にするのに結構苦労しています。

 蓋のないオープンフェイスは分厚く割れにくいながらも透明なガラスを───蓋つきのハンターケースは蓋部分に取り付ける小さめの蝶番やバネを作るのに難航しました。

 しかも、リゼラには、リューズを押したら蓋が開く仕掛けはバネを使っているだろう程度にしか知識がなかったので、かなり試行錯誤を繰り返しました。そのため、最初期に売り出されたものは、留め具で留めただけの代物になっています。

 

 紅茶については、これも失われた技術の一つで、烏龍茶のような半発酵のお茶はごく一部の地域で飲まれているので、それをサヴァルさん辺りが見つけて扱うようになったら、完全発酵させる紅茶も発明されるんじゃないかな───といった感じです。

 

 未だ羊皮紙を使用しているのに、娯楽小説や絵本などが存在しているのは、ディルカリダが関係しています。ディルカリダの知識は魔術関連に偏っていたので、印刷する魔道具は創れても、紙を作ることができなかったためです。

 

 本が希少となっているのは、先代ベイラリオ侯爵が、特権階級はあくせく勉強や労働をする必要はないという思想から、読書は由緒ある貴族子女のすることではないと宣ったのを取り巻きたちもこぞって賛同したため───製本工房が軒並み潰れ、残っているのは書類などを製本する工房のみとなっていて、現在、取り扱われている書物はほぼ過去に作られたものばかりだからです。

 

 それから、“羊皮紙”についてですが、便宜上“羊皮紙”という名称を使っているだけで、魔物の皮で作られています。

 

 幅広のネクタイを指す“アスコットタイ”も同様で───“アスコット”はイギリスの地名なので追及するとおかしいのですが、“ハンバーグ”などと同じで、ただの名称として捉えていただけると有難いです。

 正直、これに関しては、“アトリエ”に合わせて“クラバット”にしておけばよかったかなと思っているので、いずれ置き換えるかもしれません。

 

 服飾関係の工房を“アトリエ”と呼ぶのは、防具関係の工房から派生したため、区別するべく“工房”を意味する別の言葉で表している───という設定になっています。

 

 前世のリゼラの故郷については、暮らしていたのは地方の小さな町だけど、隣の市が有名な観光地で結構開けていたという設定です。

 神域があった裏山を擁する山系の登山口の一つがある温泉地から程近いことに加え───神社で行われていた神事がそれなりに有名であったため、神事の開催日が観光ツアーに組み込まれたり、スピリチュアル的なものを求めた観光客がやって来るので、それほど寂れていなかったという感じです。

 通っていた高校と両親の勤め先は隣の市にありました。回想で出て来るコンビニやケーキ屋さんというのは、高校の近くにあったものになります。

 ちなみに兄がバイトしていた洋食屋さんは、町にあった唯一のレストランで、昭和の時代に脱サラして移り住んだ老夫婦が営んでいるという設定です。

 

 レナスの回想に出て来た妹の帯に挿し込まれた赤い風車は、勿論“セルロイド”ではありません。

 

 

*リゼラ

 両親のネグレクトで貴族令嬢としての教育を受けられず、前世の記憶を頼りに生きてきたため、感覚が前世寄りになっています。

 前世では父方の大叔母や祖父母から行儀作法や礼儀を叩き込まれたために、“年長者は敬わなければならない”、“謙虚でなければならない”という思いが強いです。

 美少女である自覚がないのは、異性に言い寄られたことがないからです。

 一見すると華奢なリゼラは、嫁に野良仕事や介護を熟せるような頑健さを求める庶民にとっては結婚相手として対象外なので、庶民にはモテません。

 美貌が武器になるような商家の子息、貴族子弟には狙われていたものの、何のアプローチもなかったのは、未成年を口説くのは憚られ、成人するのを待っていただけです。

 鏡を見れば判るのではないかと思うかもしれませんが───普段自分の顔は小さな手鏡で局所的にしか見ないのと、ドレスアップの際に全身を見ることがあってもドレスや全体の印象に眼が行きがちなのと、例え顔を見ても化粧とヘアアレンジの賜物だと思っているからです。ノルンの少女姿が自分に似ているとの指摘を否定したのも、このせいです。

 

*ジグとレナス

 この二人には、ルガレドとリゼラとがっつり絡んで欲しかったので、こういう形になりました。私にとってこの二人は、リゼラの逆ハー要員ではなく、ルガレドの親友兼兄弟分枠です。

 

*エデル

 よくあるイケメンハイスペックな執事じゃつまらないかな───なんて安直に思った結果こうなりました。エデルのリゼラに対する感情については、ご想像にお任せします。

 私としては、エデルはそういった情緒が育っておらず、“犬を親鳥だと思い込んで後をくっついて歩く雛鳥”みたいに思っています。

 

*エル

 実は、初登場時、性別はまだ決まっていませんでした。少年にしなかったのは、私の力量ではどう足掻いてもリゼラの逆ハー要員にしか見えない気がしたからです。結果的に少女にしておいて良かったなと思っています。

 リゼラの“記憶持ち”仲間兼悪友といったところですが───シェリアより先に出逢っていたら、親友になっていたと思います。

 

 味方側キャラはちょい役に至るまで漏れなく気に入っているので、もっと色々語りたいところですが、これだけにしておきます。

 

 

 正直なところ、皇都編だけでここまで長くなるとは想定していませんでした。

 

 締めの話に入ってから、一話一話がかなりの文字数になっているのもさることながら、細切れに執筆していたこともあって冗長になってしまい、大変読みにくかったのではないかと思います。

 本当に、ここまで読んでくださったことに感謝の念に堪えません。

 

 加えて、最後の方は投稿が1ヵ月以上開くこともざらだったので────ここで読むのを止めるという方がいても仕方がないと思っております。

 

 もし、それでも続きを読んでもいいと思ってくださるようなら、第二部興国編をお待ちいただけたら幸いです。

 

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