コントラクト・ガーディアン─Over the World─ 作:tea4
「それでは、始めましょうか」
巨大な
かなりの魔力を使うことが予想できるから、すでに【
「【
いつものように魔術式が展開し、光を発した。今回は、泉や水路にまたがり床一面を覆っている。
了解───【
何か、いつもより時間がかかってる…?
「【
あまりに時間がかかっているので、そう声をかけた瞬間────木の根に抱き込まれている巨大な
あまりの眩しさに咄嗟に眼を瞑る。
侵入者を感知────殲滅を開始する……
「?!」
【
足元の【
嫌な予感がして、私は【
あれは───あの小さな光は、【
この
それなら────レド様なら、従えられるはず…!
「レド様…!」
異変を察知して、レド様はすでに私の傍にいた。
「どうすればいい?」
「
「解った」
レド様は私の無茶振りに、事も無げに頷く。
足が濡れるのも構わず泉に入り、木の根の隙間から
私は、自分と【
白炎様のときと同じだ。小さいなら───弱いなら、強くすればいい。
私の魔力を呑み込んで、【
それは、自分の周囲を覆っていた光をも呑み込み、
そして────
音が消え、辺りが静まり返って────私は、恐る恐る瞼を開けた。
目に入ったのは────白い簡素なワンピースを纏った、腰まである癖のない艶やかな銀髪の少女を腕に抱くレド様の姿だった────
◇◇◇
その少女は、レド様と同じ───
そして───豊かな胸と細い腰が、嫋やかなラインを描いている。
これは、何処から見ても、かなりの美少女だ。
「ルガレド様…、そのリゼラ様に似た少女は────」
「私になんか全然似ていませんよ」
レド様が自分でない───別の女性を腕に抱いていることにショックを受けながらも、私はレナスの言葉に、反射的に口を挟んだ。
「え?そっくりじゃないですか。髪の色が違うだけですよ」
「何処がですか。似ているのは、眼の色くらいです」
「……」
「それで────レド様…、その子をいつまで抱いているんですか…?」
思わず、声が低くなる。レド様は、慌てて少女から腕を放した。
レド様の支えがなくなって、少女はふらついたように一歩踏み出した後、何故か私を目指して突進してきた。
私に縋りつき────叫ぶ。
「
え、この子、もしかして─────
「【
「そうですよ!貴女なら、私の存在に気づいてくれると思ってたのに…!」
「え、いや、だって…、いきなり、そんな女の子の姿で…」
「違います、そうじゃなくて…!貴女たちの魔力で、せっかく亜精霊から精霊に成ったのに────全然、気づいてくれないし…!
え、そうなの?
文言───変わってたかな…?
「アルデルファルムが言わなきゃ気づかないなんて…!本当にもう…!」
頬を膨らませて拗ねる【
「ごめんなさい、【
「……名前、ちゃんとつけてください。【
【
「リゼがつけてやってくれ」
「いいんですか?」
レド様が頷いてくれたので、私はこの子に似合う名前を考え始める。
正直、精霊獣たちに命名して、出尽くした感があるけど────期待の眼で見られていて裏切れない…。
何か、この子にぴったりの良い名前────
ふと、木の根に抱かれた
「ねえ、もしかして、あの
「ええ。融合というより、呑み込んでやりました!」
「そ、そう…」
この子、アーシャと似たものを感じる…。
「それなら────ノルン、というのはどう?」
「…ノルン?ノルン───ノルン…」
少女は、口の中で何度も呟く。
「どういう由来なんだ?」
「私の前世の世界の女神の名前なんです。その女神は、“ユグドラシル”───世界樹という、精霊樹のような大樹をその根元で護っているという伝説があって────精霊樹を護ることになったこの子にぴったりかな、と」
レド様への説明を聴いていた少女が、鮮やかな笑みを浮かべる。
「女神の名前────ノルン。気に入りました。今この時から────私の名前は『ノルン』です」
少女───ノルンがそう宣言して眼を閉じると、ノルンと
「さあ、【
それに、魔力についても任せてください。このシステムから、ちょろまかし───いえ、流用させてもらいますから。私がついているからには、
ノルンが、レド様と私の方を向いて、弾んだ声音で言う。
「さあ────
◇◇◇
<<<ルガレド、リゼラ、その子は?>>>
無事、拠点登録と【
「初めまして、アルデルファルム。ノルンといいます」
ノルンは嬉しくて仕方がないという感じで、レド様の腕を掴みながら、アルデルファルムに挨拶をする。
「………」
ノルンのはしゃぐ姿は可愛いんだけど…。
「……ねえ、ノルン。その姿って、何か意味があるの?」
「いえ、手っ取り早く、
「それなら…、その、別の姿になってもらえないかな。別の───年頃の女の子じゃない姿に」
私がそう言うと、ノルンは首を傾げた。
「もしかして、嫉妬しているんですか?私は貴女たちの子供みたいなものなんですから、気にすることないのに」
「う…」
だって…、レド様が他の女の子と並んでるのを見るのは、やっぱり───
「仕方ないですね」
ノルンはそう言うと、名前をつけたあのときみたいに、光を迸らせた。
光が消えた後には────ノルンの姿は、髪の色とか瞳の色とかは同じだが、5、6歳くらいの幼女に変わっていた。
ノルンが、私をその大きな澄んだ眼で見上げる。
「これならいいですか?」
こ、これは、物凄く────
「可愛い…っ」
思わず、抱き締めてしまった。ノルンも嬉しそうに、私にしがみつく。
「うわぁ、リゼラ様が小さいリゼラ様と戯れてる…っ。────眼福…」
「……変態みたいだぞ、レナス。まあ、確かに、年の離れた妹と戯れているようで可愛いけどな…。────ところで、ルガレド様は───ああ…、リゼラ様に嫉妬してもらえて、歓喜に沸いているのか…」