Handler Archive   作:ゲオザーグ

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投稿ペースを優先すると、モチベがわかないまま期限が迫るから、ぶつ切り投稿になる・・・


()カタカタヘルメット団前哨基地襲撃

「ところで先生?ちょっと聞いてもいいかな?」

 

 チヌークに乗り込み、カタカタヘルメット団の前哨基地に向かう途中、未だ意識が戻らないのをいいことに、縛り上げられ隅の方で雑多にまとめられたカタカタヘルメット団員達を眺めていたホシノが話しかけると、ウォルターは「何だ?」とそっけなく返して、続きを促す。

 

「いやぁ、今回捕まえたカタカタヘルメット団員達だけどさ、長いこと追い返すのが精いっぱいだったから、この後どうするのか気になって……何か予定ある?」

 

 これまで襲撃された際は、相手方の数を上回る個々の戦力で撃退まではできても、そこから追撃する余裕がなかったとあって、逃げるのをただ送ることしかできなかったわけだが、今回は予期せぬハウンズとの挟み撃ちで、逃げられる前に意識を奪い、捕縛することに成功した。

 ただ倒したはいいものの、その後処理をどうすべきかまでは話が進まず、いくら何度も対峙した相手と言え、そのまま炎天下に放置するわけにも、ましてやアヤネ1人を残した校舎に留置するわけにもいかないとあって、とりあえず監視する流れで積み込んだ結果、彼女達の処遇は明確に決まっていなかった。

 ウォルターとしては、もしカタカタヘルメット団に多少でも懸賞金がかかっていたなら、それを目当てにヴァルキューレに突き出すことも考えたが、自治区の中枢たる校舎を襲撃していたと言え、キヴォトス全土に分散するヘルメット団でもこんな僻地で活動しているような部類では、それこそ雀の涙ほどでもあればいい方で、実際シッテムの箱でカタカタヘルメット団について調べてみても、懸賞金はかかっておらず、各地で活動するヘルメット団の分派リストにも載っていなかった。どうやらヘルメット団としても、はぐれ者に位置する存在のようだ。

 

「さてな。懸賞金でもあれば、ハウンズ(コイツ等)やお前達に分配できたろうが、生憎無名のようでな。かと言ってどこかに遺棄するのも、それはそれで手間だが……」

 

 結局のところ、ウォルターも処分に困っていたわけだが、それに対しホシノは、いいことを聞いたとばかりに口角を上げ、おずおずと続ける。

 

「それだったらさ、先生さえよければ、基地に残ってる面々共々、アビドス(うち)で引き取っても、いいかな……?」

 

「はあ!?ホシノ先輩何言ってんの!?」

 

 まさかの引き受け志願に、思わず席を立って声を荒げるセリカだが、残るシロコと、ガトリングガンを抱えた『十六夜(いざよい)ノノミ』も、ホシノの提案は予想に反したものだったようで、揃って目を見開き、彼女を見る。

 

「いやぁ、だってさ?アビドスは私達5人だけで、おまけに9億幾らなんてバカみたいな借金だって抱えてるんだよ!?砂漠化だって収まる見込みも碌にないし、来年入学してくれる物好きな人なんて望み薄なんだから、何をするにしたって少しでも頭数揃えておくべきだし、だったら乗っ取ろうと襲ってくるあの子達を逆に抱え込むくらいしないと、どうしようもないじゃん!そもそもシロコちゃんだって似たような感じだったの知ってるでしょ!」

 

 尤もホシノもホシノで、唯一の年長者(3年生)として廃れゆく未来しか見えない故郷(アビドス)と、そこに残る後輩の今後を憂いた末のしっかりとした考えであり、そのためには清濁併せ呑む意気がなくてはならないと訴え反論するも、ガタンと機体が揺れ、静まりつつあるローター音と、それに合わせ開くカーゴランプから覗く外の景色、そしてすでに出撃準備を済ませ、席を立ったハウンズから、感情に任せて意図せず明かさざるべき話まで聞かせてしまったことに気づくも、ウォルターは一切言及せず、静かに「着いたぞ、出撃しろ」と促すだけで済ませた辺り、気を利かせてくれたと認識したアビドスの面々は、慌ててハウンズを追ってチヌークから降りていく。

 

 

 

 

 

 

「くっそぉ!アビドスに行った奴ら、帰ってこないと思ったら、増援用意してやがったか!」

 

「とにかく迎撃しろ!ここを潰されたら、アタシ等宿無しだぞ!」

 

 到着した前哨基地——と辛うじて呼べそうな、周囲を錆びついたコンテナで囲い、守りを固めた倉庫に残っていたカタカタヘルメット団員は、予期せぬ敵襲に、ハチの巣を突いたかの如き喧噪を見せていた。シールドで攻撃を防ぎながら突撃し、隙を見てショットガンを放つホシノを筆頭に、ドローンで攪乱しながらアサルトライフルで的確に攻撃してくるシロコと、ガトリングガンで一掃するノノミ、彼女等に見劣りしても、カタカタヘルメット団員からすれば十分強いセリカと、実力差が圧倒的なアビドスの面々だけでも脅威なのに、パワードアーマーの機動力と装甲に任せ、縦横無尽に暴れ回るハウンズのせいで、どこから対処すればいいか優先順位が決まらず、満足に狙いを定めることすらできない。

 

「あぁもう!だからこんなとこ来たくなんかなかったんだよ!」

 

「もうやだ!2度とアビドスなんて来るか!」

 

「な!?おい待てお前等!逃げる気か!?」

 

「置いてかないで乗せてってくれ~!」

 

 ついには防壁のコンテナを破壊されて戦線が崩壊し、戦意を喪失したカタカタヘルメット団員の中には、倒れた仲間やまだ戦おうとする者を見捨て、倉庫内に停めていたジープやトラックで敵前逃亡するものまで現れる始末。残った団員も、結局抵抗虚しく倒れた仲間に続くか、それを制圧された前哨基地ごと見捨てて逃げ出し、カタカタヘルメット団は事実上壊滅した。

 

「うぅ~ん、結構逃げられちゃったか……まぁ物資も結構残ってるから、とりあえず倒れた子達と一緒に回収して、アビドスに戻ろうか」

 

「って!もう完全にコイツ等受け入れるつもりみたいだけど、私は認めないからね!」

 

「セリカちゃん!私、様子を見てきます」

 

 そうして静かになった倉庫で、手近な所に伏していたヘルメット団員の両脇に手を潜らせ、上半身を持ち上げて引きずるホシノに対し、先の続きとばかりに怒り心頭のままチヌークへと戻っていくセリカをノノミが追いかけて行き、「うへ~……」と呻き声をあげるホシノを横目に、手伝ってもらうことを期待していたシロコは、ハウンズと共に、残ったカタカタヘルメット団の物資をチヌークに積み込んでいく。

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