Handler Archive   作:ゲオザーグ

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アギトの誕生日に滑り込ませた前回のゲヘナに続き、今回はシロナの誕生日にトリニティを
今更ですが、原作の『先生』について割かしボロックソに書きます


()Ⅰnterlude:各校勢力事情 Side:トリニティ

「アビドスの再建、ねぇ……今まで放置されてた当人達には、やっと連邦生徒会が重い腰を持ち上げたんだろうけど、エデン条約放置してまでやるべき案件(こと)かなぁ……?」

 

「それを言ってしまうと、むしろ現状エデン条約自体に締結する必要が疑問視されてしまいますね。尤もセイアさんの予知夢では、そこに合わせて動くアリウス、ひいてはその裏で糸を引き、キヴォトスの支配を目論む存在を表に引き出すための引き金(トリガー)こそが、エデン条約の締結だそうですが……」

 

 既に報じられた、最早その存在すら忘れ去られていたアビドスへの支援が、キヴォトス各地で話題に挙がる中、トリニティのティーパーティー執務室においても、ミカとナギサがその件について話し合っていた。先日の襲撃以来、引き続きミカのセーフハウスで軟禁されていたセイアだが、自身が見ていた予知夢への道筋を掻き乱す『S.H.A.R.K.S』の影響に頭を悩ませていたのを機に聞いてみたところ、観念して予知夢の内容を2人に話し出した。曰く、ゲヘナとトリニティがエデン条約を締結する現場を襲撃するアリウス勢は、そのまま掌握した条約をアリウスに都合よく書き換えるが、そこに『S.C.H.A.L.E』が割り込んで更に書き換えた後攻勢に転じ、中枢たる『アリウススクワッド』を制するも見逃し、離反者として追われたその1人――アリウスの生徒会長に連なる血脈、『ロイヤルブラッド』を生贄とした儀式のため姿を現した黒幕を叩くことで、エデン条約に関する一連の事態はひとまず収束を迎えるらしい。

 

「それにしても、あの問題児筆頭のヒフミちゃんがキーマンになるなんてねぇ……」

 

彼女達(『S.H.A.R.K.S』)の存在に限らず、そもそも『S.C.H.A.L.E』の内情を始め、根本的な違いも多々ある以上、どこまで従うべきか疑問ですが、最低でもヒフミ――いえ、阿慈谷さん達を監視するため、ウォルター先生に連絡はすべきでしょう。セイアさんの予知夢に登場する『先生』程こちらの内情に踏み込みはしませんが、変に掻きまわすような真似をせず、淡々と仕事をする分、むしろこちらの方が私達としても助かりますね」

 

「行動の根幹にあるのは善意ではあるんだろうけど、そのせいでナギちゃんを悪者みたいに扱ってきたからねぇ……アズサちゃんはまだしも、悪いのはやらかし続けてきたヒフミちゃん達の方なのに……」

 

 セイアの予知夢と現在のキヴォトスの情勢を擦り合わせたところ、最大の差異はやはり『S.C.H.A.L.E』の在り方――ひいてはその中枢たる『先生』の振舞いだろう。セイアの予知夢に現れる『先生』は、歯に衣きせないなりに好意的な言い方をすれば、責任感が強く、1度関わった生徒を決して見捨てない善人ではあるが、反面視野狭窄で公私混同と判官贔屓が酷く、それでひとまず事態が何とかなっているから許されてこそいるが、『S.C.H.A.L.E』の特権を無意識に振りかざして出しゃばっては引っ掻き回し、却って余計な混乱や遺憾を残す場面も多々ある。先日解決されたアビドスの問題に関しても、カイザーを叩いてひとまず落ち着いた後、ホシノを中心とした更なる騒動を収めてめでたしめでたし、で差も何とかなったかのように振舞ってこそいるが、その実根本にある借金や土地の問題に関しては、一切進展がないまま丸投げで放置されたままとなっているらしい。そしてエデン条約を巡る渦中においても、ヒフミを始めとする条約締結の妨げになり得る問題児の寄せ集め――『補習授業部』に入れ込むあまり、アリウスのセイア襲撃で疑心暗鬼のまま条約締結に躍起となっていたナギサに碌なケアもないままなばかりか、逆恨みも同然の意趣返しをして傷つけたハナコを、それまでの鬱屈を免罪符とするかの如く碌に ることもなく、その後のやらかしも含めお咎めなしとしている。

 

「とりあえず、コハルさんを巻き込むことに関しては、事前にハスミさんと打ち合わせしておきませんと。背伸びをし過ぎたとは言え、彼女の成績が悪かったのは事実ですし」

 

「こっちもアズサちゃんに話しておくよ、それにしても、私ありきと言えバイラちゃんが目にかけといてくれてよかった……」

 

 目的は違えど、こちらでも補習授業部を設立するにあたり、セイアの予知夢にあった残りの面々――正義実現委員会の1人で、ハスミに憧れるあまり身の丈を越えた行動を繰り返しては失敗を続ける『下江(しもえ)コハル』とアズサの入部に関する手続きをしようと思った矢先、炸裂音が響き渡る。

 

「あぁ、誰か引っかかりましたかね?」

 

「大方マコちゃん辺りが捕まって、タイガちゃんに押し付けたかな?」

 

 銃撃自体キヴォトスは日常茶飯事と言え、すっかり慣れた様子で2人が鳴り止まない炸裂音の方に顔を向けていると、執務室の扉を開け、普段の余裕あるにやけた笑みの代わりに疲弊と不機嫌を隠さず煙管を銜えたアギトが、ため息と共に煙を吐きながら姿を見せる。

 

「おや、今日はアギトさんでしたか。その様子だと、遭ってしまったようですね」

 

「あぁ、あのキバタン女、いつも通り『キュゴーキュゴー』って鳴き散らしてよ。タイガに任せてきたわ」

 

「マコちゃんじゃなくてアギトちゃんだったか。まぁ、ミネちゃんにとってタバコは許せないだろうから……」

 

 未だに響き続く音源――タイガと対峙しているのは、トリニティでゲヘナの救急医学部に位置する『救護騎士団』の団長、『蒼森(あおもり)ミネ』。「傷を治すより傷の原因を取り除くべき」という信条に基づく暴動鎮圧は、「ミネが壊して騎士団が治す」とまで語られるほど。元々はエデン条約における『S.H.A.R.K.S』の立ち位置調整などで会談を繰り返すうち、偶々擦れ違ったミネから、『紫煙の匂いがした』といちゃもん染みた理由と共に襲い掛かられたのがきっかけで、以降もよほど鼻が効くのか頻繁に襲撃を受けている。

 当然開き直ってトリニティ校舎内でも紫煙を吹かしだした『ドルフィン1』の面々からすればいい迷惑でしかなく、特に仲間からでも他者に価値観を押し付けられることを嫌うヨシキの反発は凄まじく、ミネと共に駆けつけた騎士団員、『朝顔(あさがお)ハナエ』が何をとち狂ったのか持ち出してきたチェーンソーを、膝が曲がらず忌み嫌う左脚での蹴りでかち上げて奪い取り、ミネのシールドと鍔迫り合いを繰り返した末、突き刺したところを『エルフ・ザ・オストリッチ』で撃ち抜き破壊して痛手を与え、更に煙幕手榴弾(スモークグレネード)を散布して撤収して以来、トリニティを『忌み地』と称してゲヘナ以上に近づきたがらないし、シロナも「あんな絡まったクモの巣みたいに付き纏う奴、相手するの面倒過ぎるだろ」とマコやアギト、オセアに任せている。

 唯一の例外が強い相手と戦えればいいタイガで、ツルギやハスミのついでとばかりに相手するとあって、囮さながらに同伴しては、現在進行形の通り彼女を引き離して暴れている。

 

「では、本日は先日話したセイアさんの予知夢から説明しましょうか。そこからアリウス側の行動を予見し、『S.H.A.R.K.S』の皆さんの配備を計画できれば」

 

「いいぜ。背鰭(トップ)をアンタ等の付近に置くのは確定だろうが、こっちも連中がどう動くかわかんなら、都合がいい」

 

「シロナちゃんを置くなら私達よりウォルター先生の方が……あぁ、あの人いつもハウンズの子達連れてるか」

 

 既に未だ続くタイガとミネの喧騒を、慣れたものと無視した3人は、早くもセイアの予知夢に基づき、エデン条約の打ち合わせに入った。




どうでもいいけど実妹の1人が『ミネ』だもんで、名前と暴れぶりを見てると結構謎に笑えてくるww
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