ってことで急遽本日も最近勢いに任せて書いてる幕間を
キヴォトスに多数存在する自治区の1つ、観光業を中心に発達している『百鬼夜行連合学院』。その実質的な生徒会にあたる『陰陽部』の部室では、部長の『
「いやぁ、あちこちで暴れらてる『S.H.A.R.K.S』のタイガさんですが、遂に我が校までその牙を向けてこられるとは……」
「ゲヘナのヒナ委員長にトリニティのツルギ委員長とミネ団長、ミレニアムのネルさんと、大手自治区の実力者はあらかた相手された様ですが、今は手持無沙汰を理由に『S.H.A.R.K.S』の宣伝がてら、未知なる強者を求めて中小規模の自治区を巡る武者修行の最中だそうで、来訪してからは連日アヤメさんを連れ出しては疲れ果てて気絶するまで組手の繰り返しですからね。まぁ同伴されているお仲間さんが、代わりに色々と百花繚乱の手伝いをしてくださっているおかげで、彼女無しでも何とかなってはいますが……」
良くも悪くもキヴォトス各地で『S.C.H.A.L.E』と共に話題となっている『S.H.A.R.K.S』だが、超法規的機関の肩書こそあれど、形式上は連邦生徒会傘下とあって、ウォルターが各校の内政介入に消極的なことを抜きにしても腰が重い『S.C.H.A.L.E』に対し、カイザーの支援こそあれど、活動の束縛まではないとあって、『S.H.A.R.K.S』は規模のまま赴いては、手っ取り早い路銀稼ぎとばかりに現地の治安維持活動に準じ、名を広めている。百鬼夜行にも先日、タイガが一般隊員達を率いて訪れ、治安維持組織の役目を担う『百花繚乱紛争調停委員会』の委員長、『
「ただ、開放を求めたナグサさん達に対して、逆に『束縛し過ぎ』とあえて百花繚乱の業務から遠ざける様な行動も目立ってるのは、気になりますね。確かにアヤメさんは、周囲に頼られると断れずにいましたが……」
「だからって『お荷物』だの『ない方がマシ』だのと言われっぱなしなのは、ちょっとナグサさん達が可哀想になってきましたね……しかも、強者故の傲慢かと思えば、アヤメさんありきが前提となっているような百花繚乱の在り方に対して、的確な指摘をしてきた上で、その穴をお仲間さん達と埋めてみせての振舞いですからねぇ……」
初めてアヤメと対峙して以来、周囲の喧騒を絶つかの如く人気のない場所に連れ出しては、彼女が疲れて泥のように眠るまで戦い続けて戻ってこないタイガだが、私生活でも彼女の部屋を宿代わりに入り浸り、外界――特に『百花繚乱紛争調停委員会』から遠ざけるが如く談話にふけ、偶にする百鬼夜行を観光中、案内するアヤメに声をかけられても、手近な一般隊員を呼び出しては、代わりに任せてそのまま去って行く。
当然委員長を拘束されて、幼馴染でもある副委員長の『
「しかもアヤメさん、気のせいか最近、表情が明るくなってるような気さえしてきまして……」
「もしかして、何とかしてくれるからと任せ過ぎているうちに、彼女にとって負担になっちゃってたのかもしれませんねぇ……」
これだけされれば『陰陽部』としても、内政干渉を理由に『S.H.A.R.K.S』へ抗議の声を挙げてもよかったのだが、当のアヤメがすっかりタイガと仲を深め、『
「失礼しまーす、報告書持ってきましたー」
そこに現れたのは、『ドルフィン2』の1人で、享楽優先なタイガの補佐として同伴した『
「おや、いつもありがとうございます。どれどれ……」
早速報告書を受け取り、読み始めるニヤの横で、カホが「こちらをどうぞ」と差し出したお茶を「どうも」と礼を言いながら口をつけるナヌカは、人相こそ切れ長の目に縦長の瞳孔とその下に浮かぶ隈のせいで怯えられがちだが、仕事ぶりは真面目で、ニヤが目を走らせる報告は、昨夜からこれを入力し終えた先程までを時系列順に、読みやすく記載されている。
「なるほど、桜花祭の運営権を巡るニャン天丸さんとお祭り運営委員会の調停とは、お疲れ様でした」
「ミナトほど熱心とは思ってないけど、如何せん稼ぎが不安定な身の上だから、金銭沙汰にはつい口挟みたくなっちゃってね。まぁ
背負ったミニミ軽機関銃、『
「何分お祭り運営委員会は予算も人手も常に不足してますから、商店街が多少なりとも援助してくれるなら、悪くはないんじゃないですか?」
「ま、何かあったら
「また今度~。それじゃ、私達もお暇しましょうかね」
お茶と共に茶菓子にと添えられた煎餅を食べ終え、席を立ったナヌカを見送った2人もそのまま解散すると、『陰陽部』の部室には、静寂が訪れた。