Handler Archive   作:ゲオザーグ

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今更になって某銀河特急を見たんですが、出演声優の女性陣がほぼブルアカ出演者で謎の笑いがww
個人的に「海老天の尻尾」の話はコスプレやファンアートにおけるヘイローの認識に対して結構近いものがあるよう感じましたが、『なくても成り立つがあった方が見栄えがいい』って意味ならニュアンスとしては刺身の千切り大根(ツマ)(は一応吸水材してるらしいから、どっちかったら元は殺抗菌用だったのが形骸化してる食用菊(タンポポ)の方か?)とかオードブルパックの葉物野菜が近いかと


()Ⅰnterlude:ケートス水産高等学校防衛線ー3

「連中の聴取終わったわよ、ケイラ。書類はこっちにまとめてあるから」

 

【挿絵表示】

 

 

 アドリと同じ青いシャツの上に赤いパーカーを羽織り、長い茶髪を無造作に伸ばした『トライトン』の会計、『焼津(やいづ)ミル』が、ウォルターと共に出会った部屋に戻ったケイラ達の元に持ち込んできたのは、捕えたレッドウィンターの生徒達から聞き出した『ジェリーフィッシュ』側に就いた経緯。

 元々部長の『安守(やすもり)ミノリ』は、些細なことでストライキやデモを起こすため、生徒会長の『連河(れんかわ)チェリノ』を始め、雇い主達から悪名高く知れ渡っていたが、『ジェリーフィッシュ』は逆にそこへ目を付けた様で、「我々の嘆願を聞き入れないケートスへのデモに協力してほしい」と縋りつかれるや、真偽も問わず部員達を率い参加を決めたとのこと。加えて今回先んじて仕掛けてきた面々を始め、レッドウィンターの地理や統治の環境に嫌気がさした工務部以外の生徒も紛れ込んでおり、中には本来チェリノの周囲を固める親衛隊からの離脱者もいた。

 彼女達が賛同した傭兵を連れ、斥候の名目で先行してきたのは、こうした情報や、『ホネクイハナムシ(ゾンビワーム)』達に撃破された機体を手土産にケートスへの転入を懇願するためで、揃って仕掛けて逃げ遅れるより、先走ってやられた体の方が安定して接触(コンタクト)できると判断した者達が、「あまり姿を晦ませる数が多いと不審がられる」と残った仲間を残し、戻らずに倒される前提で訪れたらしい。そして残った本隊は、彼女達の独走を知り、今晩中に追撃を仕掛ける予定を立てていると、監視下で連絡を取った残存部隊から報告されたことまでを記載された書類を乱雑に卓上へと投げたミルは、ウォルターに簡単な挨拶だけして、アドリやカズアキと共に書類に目を通しながら、時折彼に意見を求めるケイラの判断を待つ。

 

「なるほど、火のないところに……とは言うが、傘下の親衛隊員にも『チビヒゲ』なんて陰口叩かれてる辺り、レッドウィンターの『稚拙で横暴な統治』って噂も、事実無根な尾鰭背鰭が伸びたデマではなさそうか……とりあえず彼女達の転入手続きに関しては、追撃を検知するまでの間で、鎮静後に片付ける準備だけしといて。イシュメール号の面々についても、上陸は許可するけど、引き続き周囲で警戒を怠らせないで」

 

「了解。それではウォルター先生、また後程。いつかハウンズの皆さんと共に、鯨料理でもてなせるのを楽しみにしてるわね」

 

 絶賛実感中な通り、万人の支持を得ることはできても、少なからず不満分子は出るものと考えるケイラとしても、直属の部下からさえ見放されるチェリノの壊滅的な人望は予想外だったようで、狙った上にしても知名度がヒナに圧倒され、顔も名も満足に知れ渡っていないマコト以上にある意味酷い有様を見て、呆れた様に皺の寄った眉間を押さえ、ため息を吐く。ただ余所の統治を嘆いても意味がないとばかりに切り替え、処理と伝言を任されたアドリが、車椅子を押して部屋を後にする。

 

「悪いわね、ウォルター先生。もうしばらく付き合ってもらうことになりそうだわ」

 

「気にするな、そのために来たんだからな」

 

「とりあえず、『S.H.A.R.K.S』の皆さんと顔合わせしときましょうか。アビドスで首領格とお会いしたとは思いますが、他にも多くの面々が集ってますから」

 

 謝罪に対し、皮肉とも労いとも異なる、純然に事実を伝えるだけなウォルターの返答に苦笑しつつも、カズアキに促されるまま彼等を連れ、再度部屋を出るケイラは、改めて成果や被害を確認すべく、イシュメール号の元へ向かう。

 

 

 

 

 

「や、やっと陸に戻れた……」

 

「アルちゃんお疲れ~。って、まだ足グラグラしてるよ~?」

 

 ケートスや『S.H.A.R.K.S』の面々に混ざり、イシュメール号を降りた『便利屋68』。何故彼女等が乗船していたかと言えば、その発端は岸壁に並ぶ係船柱(ボラード)に腰かけ、銜えたパイプを吹かしているトリアにある。

 

「お疲れさん。今月はこれで何とかなんじゃない?」

 

「何とかはなるっちゃなるし、『儲け話』なんて声かけてきたから乗ったけど、そもそも何で『S.H.A.R.K.S(アンタ達)』の下請けみたいなことしなきゃなんないのよ……」

 

「だって風紀委員からも監視がてら目ぇかけとくよう言われたし、アンタ等放置してるとクソみたいな依頼に引っかかったり、ひん剥かれて素寒貧なったりって何しでかすか分からんじゃん。おかげで実績や経験も積んで信頼や知名度も上がったんだし、それでよくね?あ、煙草についても口出しされたけど、そこは気にしなくていいから。その辺で一服したら?」

 

 慣れない船の揺れに未だ体を引っ張られ、中腰で震える足を愛銃のH&KPSG-1『ワインレッド・アドマイアー』を杖代わりに寄りかかって必死に耐えるアルが無理をして噛みつくも、トリアは歯牙にもかけぬとばかりの涼しい顔で答える。美食研究会や温泉開発部に比べれば被害はないが、同様にゲヘナ外で余所に迷惑をかけ得る『便利屋68』は風紀委員会にしてみれば目の上のタンコブだったが、先日の一件以来、面白がったトリアが面倒を見ることを提案したため、こうして彼女が目を光らせており、今回の様に彼女経由で『S.H.A.R.K.S』の活動に同伴する場面も度々あった。

 

「う、煩いわね……足が震えて、それどころじゃないのよ……」

 

 アビドスでの捕縛から釈放後、ヨシキにもらった煙草の箱を日に何度も笑顔で眺めていたアルだったが、先日遂に意を決し、渋るムツキやカヨコを振り切って口にしてみたはいいものの、初めてとあって上手くいかず、激しくむせて咳き込んでしまった。それでもヨシキに追加分をもらう際コツを聞くうち、今では崇拝と称せるほど酔心しているハルカのみならず、未だよく思ってない残り2人も、「様になる」と褒め称えるくらいには、喫煙姿が板についてきた。尤も今回は激しく揺れる船上での職務とあって、酔いのせいで満足に吸えていなかった彼女に促すトリアだが、未だ感覚が戻っておらず、まだしばらく喫煙の余裕はなさそうだ。

 

「よ、さっきはありがとな。って、大分フラフラだねアンタ」

 

【挿絵表示】

 

 

 そこに声をかけてきたのは、青いスーツで身を固めたイシュメール号の船長、『相磯(あいそ)ノム』。彼女も葉巻を銜えており、胸ポケットから取り出したオイルライターで着火すると、風下にいたカヨコが眉をひそめ、移動する。

 

「どうも。それにしても、ケートス(ここ)じゃ珍しくないんだね、煙草(それ)」

 

「まぁ、如何せん海の上じゃ娯楽なんて大分制限されるから。っても、アタシは陸でしか吸わないけどな」

 

 先程接舷間際に『ジェリーフィッシュ』が襲撃を仕掛けてきた際、船に乗り込もうとしてきた構成員をカヨコの『デモンズロア』が放つ轟音で足止めし、アルの狙撃やムツキの爆弾で相手のボートを破壊して迎撃に貢献したが、航海中も他の乗員達と共に雑務をこなしたり、捕えた鯨の引き上げや解体もこなしていた。その最中、何人かの乗員が喫煙している姿を目にしたカヨコが、ある意味キヴォトスらしからぬ光景に言及すると、ノムは一切動じることなくゴーグルを持ち上げて顔を向ける。

 

「だとしても、オデュッセイアじゃ許されてないんじゃない?あっちはもっと長いこと海上で過ごしてるらしいよ?」

 

「随分喰い付いてくるねぇ。生憎ケートス(こっち)は元々はぐれ者の寄せ集めが由来だったから、わざわざ連邦生徒会の連中に従う義理もないってことかな。一応校内にも喫煙所は置いちゃいるから、落ち着いて後で吸いたくなったら案内するわ」

 

「それよりさ~、私達いつになったら帰れるの?さっきからず~っとこの辺で待機させられて、いい加減飽きてきたんだけど~」

 

「悪いけど、まだ『ジェリーフィッシュ(クラゲ)』連中が仕掛けてくるかもしんないから、ケイラからの連絡くるまではこのままかな」

 

 アルに変な影響が及ばないか目を光らせ、普段は何もしてないのに怖がられる目を、睨む様に細めるカヨコに対し、ノムは全く怯みも恐れもする様子を見せない。そればかりか退屈を訴えるムツキを片手間に流し、未だイシュメール号の上や周囲で確認を取る乗員達の報告を受けては、指示を返すなど、完全な煙草休憩なわけでもないらしい。

 

「あ、そうそう。もうすぐ頭(ヘッド)達もこっち来るって。『ジェリーフィッシュ(クラゲ)』は当然だけど、レッドウィンターの連中もご愁傷さまだね」

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