Handler Archive   作:ゲオザーグ

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前回投稿辺りから、少し前耳鼻科でもらった薬が合わなかったのか、単に不摂生が祟ったのか謎に喉が荒れて痰が絡んで咳も止まらず・・・

さすがに2~3週間も経って何だったんだあれってレベルからは落ち着きはしましたが、それでも慢性的に咳と鼻水が・・・


()Chapter 1「不法占領生徒排除」

 『S.C.H.A.L.E』の先生として就任したウォルターが真っ先に着手したのは、机の上に積まれた書類の山よりも先に、キヴォトス各所——主にサンクトゥムタワーや『S.C.H.A.L.E』オフィス周辺の『D.U.地区』を中心とした、傭兵業務の確認だった。

 

「あの、先生?書類の方は……」

 

「書類作業に関しては、後日連邦生徒会各部署に挨拶してからでいいだろう。すでに身分証は用意されている。七神も好きにやれと言っていたし、如何せん連邦生徒会の組織構造が把握しきれていない以上、下手に手を付けて、余計な真似をしたと口を出されるような真似は、避けるべきだ」

 

 一般的なタブレット端末が有する機能は搭載されているとあって、普段使いにも十分問題ないとの判断から、『シッテムの箱』で検索していたウォルターに、おずおずと口を挟むアロナだが、尤もなことを言われ、「あぅ……」と呻き声をあげて黙り込んでしまう。連邦生徒会はよほど会長の存在に依存していたようで、部署問わず通常業務を放棄同然にその捜索活動を優先しており、ユウカ達が来ていたのも、そうした状況に対する説明を求めてとのことだ。

 

「そうなればまずは、不特定多数へのばら撒き依頼で実績を積んでいくのがいいだろう。これのようにな」

 

 タイミングよく見つけたウォルターが画面を押してアロナに示したのは、騒動にかこつけ建設中の社屋(オフィス)を占拠した不良達の排除を求める、とある企業の依頼。本来なら『S.C.H.A.L.E』の業務対象にはならないだろうが、知名度のないハウンズの戦力を誇示するには、十分と言える。

 

 

 

 

 

 

『ハウンズ、仕事だ。D.U.地区のとある企業が、緊急散布している依頼を見つけた。内容を説明する』

 

 ウォルターの呼びかけに応じ、休眠状態から目覚めるハウンズの4人。説明を聞きながら、かつて乗っていた『アーマー()ド・コア()』と呼ばれる機動兵器を模した小型のパワードスーツを纏い、終わる頃には指示に従い手にしなかった武器を除き、出撃準備を終えて彼の元に並んでいた。

 

「準備はできたな。今回は施設へのダメージや弾薬の補充を考慮し、武装(アセン)キヴォトス(こちら)に合わせる。ACの装備と比べれば、大分劣る実弾兵器ばかりだが、そこは我慢してくれ」

 

 申し訳なさそうなウォルターの要請にハウンズの目立った反応はないが、代わりに用意された銃器をしばらく眺めた後、ワカモを黙らせたリーダー格の『617』は今までの物に似たガトリングガン、一撃火力に特化した杭打機(パイル)を持っていた『618』はマシンガン、肩部のランチャーから発射するミサイルで広範囲を殲滅する『619』はグレネードランチャー、そして両手のハンドガンで手数に任せ攪乱する『620』は、同様のハンドガンを手にする。

 

「武器は決まったようだな、ならば、仕事を始めるぞ」

 

 

 

 

 

 

『ミッション開始だ。目標ビル内に突入し、内部にいる不良達を殲滅しろ』

 

 人の動きが少なくなる夜間を待って、攻め入ったハウンズ。火事場泥棒的に警備を蹴散らし、暫く雨風を凌げそうな拠点を得て安堵していた不良達は、まさかの夜襲に慌しくなる。

 

「て、敵襲!敵襲だ!」

 

「な、何だコイツ等!どこの連中……ゴハッ!」

 

「まさか、もう戦力集めて奪還にきやがったってのか!?」

 

 慌てて武器と懐中電灯を手に取り、相手を探す不良達だが、暗視機能を搭載したゴーグルで視界を確保し、パワードスーツの各所にあるブースターを吹かして高速移動するハウンズ相手にはたどたどしすぎるくらいで、碌に抵抗する間もなく容易に撃ち抜かれ、ものの数分で鎮圧される。

 

『生身の戦いとあって不安はあったが、肩慣らしにもならん程度の相手だったか……仕事は終わりだ、帰投しろ。残りは依頼者(クライアント)と、治安維持組織に任せる』

 

 パワードスーツの補助もあって、ユウカ達と遜色ないどころか、それ以上に動けるハウンズの戦いぶりを眺めていたウォルターは、かつてACの部品(パーツ)程度の扱いをされていた強化人間とは思えぬ身のこなしに息を呑みつつも、少なくともこのキヴォトスでやっていける分には問題ない彼女達の身体状態に安堵し、乗りつけてきたヘリコプターへの帰還を促し、通信を切る。

 

 

 

 

 

 

「いや~、まぁさか先を越されてたのは予想外だったが、その相手があの『S.C.H.A.L.E』とはねぇ……」

 

 『S.C.H.A.L.E』に戻るヘリコプターを見送り、覗いていた暗視スコープを降ろしたのは、依頼を取り下げ忘れた依頼者(クライアント)に一足遅れて名乗り出るも断られ、せめてどんな奴が受けたのかと視察にきていたアギト。予期せぬ相手に困惑する様なく物言いとは対照的に、その口調は煙管を銜え、口角を持ち上げた口元共々、まるで楽しんでいるかのように軽い。

 

「おいいつまで乗ってんだ。終わったんならサッサと降りろ」

 

 その下では、両肩から伸びる補助アームに接続された大盾でバランスをとるシロナが、肩に膝立ちで乗るアギトを恨めし気に見上げて降りるよう促す。仲間内でも1番背が高いとあって壁役(タンク)を担う彼女だが、その体躯を足場に使われ、不満を露わにしている。

 

「相手が相手とあって手早く終わった締まった分、詳しく調べる程情報は集まりませんでしたが、少なくとも得物や立ち回りが分かっただけ、今回は良しとしましょうか。あまり居座っては、周囲に不審な目を向けられるだけですから」

 

「それもそうだな。んじゃ、帰るとすっか。ありがとよシロナ」

 

 そして足場となっていたマイクロバスの運転席では、オセアが撤収を促し、それに同意したアギトがシロナの肩から後方に倒れ込む様に地面へと降り、続けて気だるげに降りたシロナ共々バスに乗って撤収する。




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