特に先生に対するメンバーの酷評に納得の声が・・・自分は外部情報で知ってストーリー進める気にならず放置してますが、やっぱりあの振舞いは好かれんわな・・・
ウォルターが『S.C.H.A.L.E』に就任して数日。様々な企業や勢力から送られた依頼をこなしていくハウンズの活躍で知名度は向上していき、それにあわせて指名依頼も多く来るようになった。
特に事務所奪還に協力したメンバーの1人でもあるユウカからは、度々声を掛けられている。本来なら彼女が属する『ミレニアムサイエンススクール』にも、そうした荒事を担当する組織、『
『先生!おはようございます!ここ数日間、『S.C.H.A.L.E』に関する噂もたくさん広まっているみたいですが、どうにも生徒さん達からの認識はあまり高いとは言えませんよ。やっぱり各校のトップクラスだけでなく、もう少し一般の生徒さん方との交流にも時間を割いた方が……』
「あぁ……」
自動で画面が明るくなったシッテムの箱から、元気のいい挨拶に続けて行動方針に苦言を漏らすアロナに対し、静かに最低限の返答をして、デスクに着くウォルター。早速起動させたパソコンで依頼のメールを確認しつつ、この数日中挨拶に赴いた連邦生徒会各部署から得た許可を元に手を着けだした書類にも目を通していたところ、普段はそれを暇そうに眺めては、時折暇を持て余し声をかけてくるアロナが、いつもとは違う声色で話しかけてきた。
『あの、先生?
「手紙?わざわざメールではなく、アナログな手段を使うとは……」
アロナの声にウォルターが顔を上げると、手を着けていたものとは違う書類の
『その、どうにも緊急性が高そうな手紙でして。これは先生に一度読んでもらったほうが良いかなと』
普段なら気に掛けることなく作業に戻るところだが、妙にせっついてくるアロナの様子に、ウォルターは思わず手を伸ばし、開いたその中身を見る。
【連邦捜査部の先生方へ、こんにちわ。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。今回どうしても先生方にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。
単刀直入に言いますと、今、私達の学校は追い詰められています。それも、地域の暴力組織によってです。
こうなってしまった事情はかなり複雑ですが……どうやら、私たちの学校の校舎が狙われているようです。
今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底をついてしまいます。
このままでは、暴力組織に学校を占拠されてしまいそうな状況です。
それで、今回先生方にお願いできればと思いました。
どうか私たちの力になっては頂けませんか?】
「アビドス高等学校、か……聞き慣れない学校だが、何か知っているか?」
『うーん……昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の変化で、街が厳しい状況になっているということぐらいしか……』
「そうか……」
キヴォトスに来てまだ数日とは言え、初めて聞く『アビドス高等学校』の名をアロナに尋ねたところ、かつてコーラルを狙い訪れた惑星、『ルビコン3』よろしく荒廃した土地とのことで、しばし考え込む様に目を閉じていたウォルターは、読み終えた手紙を畳むと、卓上の空いた部分に寄せる様にすべらせ、他の書類を手に取る。
「ならば、報酬は望み薄だな」
『え……?』
おそらくアロナとしては、手紙を書いた『奥空アヤネ』の懇願に応えるべく動くと予想していたようだが、あろうことかウォルターはいつもの様にハウンズを呼び出すどころか、むしろ関心を持つことすらなく、あっさりと流してしまった。そのまま手紙など存在しなかったかの様に淡々と業務を進めていくウォルターを眺めたまま、しばらく
『えぇ~~~!?せ、先生!?そこは助けに行くんじゃないんですか!?』
「アロナ、『S.C.H.A.L.E』はボランティア団体ではない。少なくとも俺は、
しかしウォルターは、アロナの絶叫が耳障りだったのか多少顔をしかめこそするが、騒ぎ立てるアロナを無視してシッテムの箱の画面を暗くすると、そのまま淡々と書類を片付けていき、軽く一息ついて背伸びをしたところに、リンからの連絡が入る。
『先生、先程アビドスへの交通についての問い合わせがありましたが、何か赴くような事例がありましたか?』
目を向けるとまだ画面が暗いままのシッテムの箱の中で、いわゆるドヤ顔でこちらを見ているであろうアロナの姿を幻視したウォルター。おそらく今回「何かの間違いだろう」と否定しても、アビドスに行くことを決めない限り、しつこく問い合わせて送ろうとするだろう。それに対する不快感もあってか、ハウンズを呼ぶため席を立った拍子にぶつかったシッテムの箱が床に落ち、激しい音を立てる。
『せ、先生?今の音は?』
「気にするな。それよりアビドスの件だが……」
そのまま、おそらく落ちた際に画面が着いたシッテムの箱から呼ぶアロナの声を無視し、ウォルターはリンとアビドスに赴くにあたってのやり取りをしながら、部室を後にする。