オリ主がアビドスの借金を頑張って返そうとする話 作:タンペペン
高熱を出しながら書いたので変な所があってもしょうがないよね!!許せサスケ
追記:男主人公タグを付け忘れていたので付け足しました
女オリ主を期待して来てくれた方、申し訳ございません……
「んー、じゃ、そろそろ行くかぁ!!」
どんよりとした曇り空の下、靴の踵をトンと鳴らし少し大きめのショルダーバッグを肩に掛ける。中には三百万円が入っている。重さにしてもそこまで重くない筈なのにずっしりと重く感じるのはその金額のイメージ故か。
───さて、入院してから一週間。今日僕はゲヘナの病院から晴れて退院する事になった。
……滅茶苦茶早い……早くない?担当の救急医療部員から僕の怪我の状態を聞かされた時はそんなん一週間で治らへんやろ!!とか思っていたが、僕は腐ってもキヴォトス人らしく、本当にすんなり治ってしまった。これでも治りは遅い方らしいのでマジでキヴォトスは魔境である。
「……もう行っちゃうのね」
もう少しゆっくりしていって欲しいのに、と背中越しに声が聞こえる。振り向くと、そこにはヒナちゃんが両手に何か大きい袋を抱えながらこちらに向いていた。見送りに来てくれたのだ。業務も忙しいだろうにわざわざ見送りに来てくれるとか優しいにも程がある。
「うん。帰りを待ってる人がいるからな。」
ホシノにユメ先輩、柴大将にバイトちゃん達……一週間しか経っていないのにやけに懐かしく感じる。父さんも母さんも居ない今の僕にとって彼女らは家族みたいなモノなのだろう。……そう信じたい。
「そう……待っている人がいるのね……」
「うん。」
「…………そう、よね……」
「……そんな表情しないでくれ、またすぐ会えるからさ」
「……ねぇ、クロ」
「ん?」
「頭、撫でて」
そう言うと、ヒナは僕が戸惑いの声を漏らす間もなく僕の側へと距離を詰めた。というか半ばくっついているんじゃないか……?
「良いけど……ここ外「撫でて」……分かった」
正直人目の触れる所でやるのは気が引けるが、ヒナの上目遣いによって一瞬でノックアウト。ゆーて撫でる程度だからまあええか!!
「……ありがとう」
綺麗に櫛で整えられたであろうヒナの髪の毛。何だかいつもより軽くサラサラにまとまっていて、少し手を触れるのが勿体なく感じてしまうが、本人が望んでいるので良いだろう。
「ん……」
……最早女の子の頭に触れる事自体になんの躊躇も無くなった自分の成長が怖い。僕はこんなプレイボーイではなかった筈なんだが!?
因みになんでこんなに僕も彼女も躊躇ないかと言うと、それはあの契約を結んだ夜が始まりだった。
電気も消してオフトゥンも被って目覚ましも掛けて、後は寝るのみ。明日もヒナに会える事にワクワクしながら目を閉じてウトウトし始めた、その時。
『入るわ……』
コンコンとノックの音がしたかと思えば、その声と共にガチャリと音を立てて部屋の中に光が入り込んできた。
───誰だこんな時間に……
その眩しい光によって眠気が吹き飛び、多少不機嫌になってしまったが、それもすぐに消えてなくなる事になる。
───……え……ヒナ……?
そこに居たのは、パジャマ姿のヒナちゃんだった。僕の頭が大混乱に陥る中、ヒナはさも当然かのように僕のベッドに潜り込んできた。
『ひ、ヒナ?ど、どうしたの……?』
こんな近くで女の子を感じた事があまりなかったので、心拍数がガンガン上がっていく。寝起きのボーッとした脳ミソだからあんな事が出来たのであってシラフであんな事が出来る程僕は女の子慣れしていない。
『勝手に入ってごめんなさい、クロ……でも私、貴方の側で寝ると良く眠れるの……』
どうやらあの時の人肌の温もりとふかふかのベッドとナデナデの心地よさが忘れられないらしく、やってしまったとヒナは頬を染めながら言っていた。
……こちとら思春期真っ盛りの男子高校生なんだが?警戒心isどこ?
まーそんな感じで僕とヒナは毎日一緒に寝る事になりました。風紀委員には許可とっているらしいです。時にはナデナデを懇願してきたり時には愚痴を聞いてあげたりして一週間過ごしました。おかげでこの有り様です。
おっかしーなー、あっちの世界だと女子に触れるとか恥ずかしくて出来なかったのに、こっちの世界だと恥ずかしさとかより、なんだろう……愛おしさ?が勝つんだよな。
「……さて、ヒナ。僕は流石にそろそろ行かなきゃ」
「……もう、終わり……?」
ヤメロォッ!!そんな上目遣いで僕を見るなぁっ!!そろそろ乗る電車の予定時刻に間に合うかどうかギリギリの時間なんだっ……勘弁してくれぇっ!!
「そう……よね……」
「大丈夫また会えるから!!っつーか多分結構な頻度で会うんじゃないかなぁ!?いやむしろ呼んでくれ!!お金欲しいし!!じゃ、またね!!」
「……また、ね」
ヒナちゃんに手を振りつつ……うおおお走れ走れ走れぇッ!!!電車間に合うかこれ!?あと二分!!あと二分だ!いや無理じゃね!?いいや間に合わせるんだYO!!
「うおおお最高速でブッ飛ばせェェ!!!」
──────────────────────
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
コンクリートの上に出来た中途半端な幾つもの水溜まりを踏み締める。幼い頃は雨の日は水溜まりで跳ねて水音を楽しんでいたものだけど、今はなんの感慨も湧いてこない。
「……はぁ……」
何となく気が重くなって空を見上げる。いつもの吹き抜けるような青空はそこには無く、広がるのは薄暗くどんよりとした曇り空。まるで私達を閉じ込めている天井のような雲に、どうしようもない息苦しさを感じる。
「クロ……」
……クロが居なくなってから一週間が経った。
始めはまるで何処に行ったか見当も付かなかったが、アイツと一緒に居たというバイトの話から、アイツはゲヘナ自治区に行って賞金稼ぎをしているらしいという事はわかった。
始めは、アイツを探しに行こうとした。ヘイローが無い人間と遜色無い程脆いアイツに、ゲヘナなんて危険な場所に長居させる訳にはいかない。
しかし、あの広大なゲヘナ自治区の中からアイツをどうやって見つけ出す?ただでさえオートマタによる襲撃に対処しないといけないのに。
結局、私達に出来る事はアイツが戻ってくる事を信じて、待つ。それだけだった。
『きっと、大丈夫だよホシノちゃん……クロ君ってスッゴい強いから、きっと、きっと生きて戻ってくるよ……』
ユメ先輩は、震えながら私とユメ先輩自身にクロの無事を半ば縋るように言い聞かせていた。
そう、クロは強い。それもあの頑丈さの代償としては十分、いやお釣りがくる程には。
それでも大人数に囲まれた時に切り抜けられるかどうか分からないし、跳弾が当たってしまうかも知れない。
それに───もしその強さがゲヘナ生徒会の目に入り、勧誘されていたら?
あり得ない、あり得ないと思う。アイツは、私達の幸せを願って借金を返してくれているのだから。
……でも、もし、もしもアイツが他の娘に目移りして、私達から離れていってしまったら……
───その瞬間、私の脳内に浮かんだ景色。それは、アイツが私達ではない誰かと幸せそうに手を繋いで笑い合っていて、私達の事なんか、すっかり忘れていそうな───
「嫌っ!!!嫌だっ!!!あり得ない、そんな事あり得ないですからっ!!アイツが私達から離れてしまうなんて、絶対無いっ……」
───でも、そうした方がアイツは幸せなんじゃないか?
「違う、違います!!そんな事……っ」
───他人の自己犠牲に悦びを感じているような人と一緒に居るなんてアイツが可哀想じゃない?
「ッ……違っ、あれは……ッ!!」
ああ、駄目だ。アイツの事を考えると頭がおかしくなりそうだ。私はいつからこんな人間になってしまったのか。
だが、今は学校への登校途中だ。そんな事を考えるよりもまず足を動かさないと。頭を振り無理矢理思考を切り替える。
「ッ余計な事考えないで早く学校に行かないと……ッ」
─────────────────────
『ソレ』は三時限目の途中にやってきた。
何となく勉強に身が入らず、窓に叩きつけられる雨粒をボーッと眺めていた。ユメ先輩も同じような感じです天井を見上げてボーッとしていたと思う。
すると、ガチャリとドアが開く音がした。聞こえた方向からして、玄関の扉が開けられたらしい。もしかしたらアイツかもという淡い期待と、どうせまたカイザー辺りの手先だろうという諦めと共に銃を手に取る。
と、その時。
「ただいまー!!僕、帰って来たゾ~!!」
気付けば、私は走り出していた。
間違い無い。間違える筈がない。
底抜けに明るくて、ちょっと発音が変な時もあるけど、それすら魅力的で。
この一週間、私はその声が、その声だけが聞きたくて。
ずっとずっと、待っていた。
「よっ!!ホシノ、元気にしてたk「クロッッ!!!!」ぁぁぁッ!?」
勢い良くクロの胸に飛び込む。抱き締められた時に感じた温もりが、あの時あのまま感じられる。クロが、また私達の所に帰って来てくれた。もう他の事なんか全部忘れて、コイツの事を離したくないと思った。その思いを両腕いっぱいに込め、クロの背中に腕を回し、掴む。
「ちょ、ホシノ!?お、おまっ、えええっ!?」
ああ、本当にクロなんだ。この反応が少しオーバーな感じ、間違いなくクロだ。そう改めて確信すると、更にクロを感じようと腕に込める力がギュッと強くなる。
すると、キツイのかクロが腕を振り解こうとしてくる。
───いやです、解かせなんかしません。
更に解こうとしてくる。
───だめ、だめ、だめ!!!離れちゃだめです!!
ついに、腕が離れそうになってしまう。
───いや!!いやです!!まだこのままでいさせてください!!
その時、後ろから誰かが飛び込んで来た。
「ク"ロ"く"ー"ん"!!!し"ん"ぱ"い"し"た"ん"だ"よ"ぉぉ"ぉ"っ"っ!!」
「ちょ、ユメ先輩!?マズいですyグエエエッッッ!?!?」
ユメ先輩が、クロの胸を掴んでいる私の更に上に覆い被さるようにクロに飛び込んで来た。クロは、思わずバランスを崩して倒れる。
頭の後ろに押し付けられているユメ先輩の豊満なアレを堪能しつつ、私はしっかりとクロを掴んでいる。二人で掴めば、もう逃げれない。
「ぐおおおっ!?先輩!!ユメ先輩!!当たってます!!当たってますからぁぁぁッッ!?」
「ク"ロ'く"ぅ"ぅ"ぅ'ん"!!!い"き"て"て"て"よ'か"っ"た"ぁぁぁ"ぁ!!!!!」
きっと、これが私にとっての幸せ。貴方が居て、ユメ先輩が居て。皆で笑っている。クロ、私の幸せの中には、貴方が絶対に必要なんです。
─────────────────────
……どうして、何で───
───何で貴方の服から他の女の人の匂いがするんですか……っ!!!
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