オリ主がアビドスの借金を頑張って返そうとする話 作:タンペペン
今回ばかりは駄文かも知れません
「ぅヴぉぇぇエぇエ……気”持”ち”悪”か”っ”た”」
舐めてた。
『赤冠』モードの反動舐めてた。
あの後自分の部屋に帰って横になったら身体の中身がミキサーで掻き回されるような不快感と同時に全身の関節が捻切れるんじゃないかと思う程の痛みが襲い掛かって来やがったのだ。
勿論意識はさよならバイバイ(無慈悲)
その晩は珍しく夢を見たのだがその夢の中でとても綺麗な川が流れていたのは覚えている。……ん?これもしかしなくても三途の川じゃねぇか!!!
ウソでしょ?死にかけてたの僕?
これまで一、二回使ってきたが使っても十数秒程度だった。だから意識を失うまでの反動は来なかったのかもしれない。しかし今回は結構人数が居てさらに戦車を用意して来やがったから一分くらいは使ってた。その結果がこの反動の重さか……!!これじゃ長期戦が出来ない……
……ま、そのうち慣れるか!!僕には使う使わないの選択肢なんて用意されてないから否が応でも慣れなきゃいけないからね!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
というわけで迎えた早朝。僕は昨日のカクカクヘルメット団の皆様を柴関ラーメンの場所まで連れていっている。
のだが、ここで一つ問題点が。
「………………」
「………………」
「「………………」」
……そう、気まずいのである。
いつも怒らせてばっかの先生と帰るルートが一緒になった時くらい気まずい。
まぁそりゃそうだ。昨日まで敵対関係だったもんな。しかも僕脅迫している立場だし、うん、この状況で仲良く話すとか無理過ぎる。
うーん、どうしよ……
「……ぇと……あの……クロ、さん……」
……お?
「ん、どうした?」
「あの……九億の借金って……どういう……?」
……そーいや伝えて無かったな。言うべき……だな、うん。普通に考えて九億も借金をしている奴なんてどー考えてもヤバい奴だし、犯罪の片棒を担がされかねないかも知れないしな。
「え~と、うん、正確には僕の借金じゃなくてアビドスの借金なんだけどな。ある事情で僕が全額払うことになった。」
「え……ど、どうして……?」
「んー、この際言っちゃうと僕は戸籍無し所持金無し銃無しついでに服も無しのナイナイ尽くしの不審者だったのよ。で、そんな状態で倒れていた僕を拾ってくれたのがアビドス高校の生徒さん。命の恩人よ。そんな僕があの学校の生徒として認められる為の条件として言われたのがアビドスの借金を完済する事でな」
「えぇ……」
「……いや、多分別にそんな条件を本気で飲ませようとした訳じゃなくて、元から受け入れるつもりなんてなかったからそんな条件を提示したんだと思う。普通にあの後も借金返してたし。……流石に戸籍も金も身分も銃も服も無い絶対厄介な事象を引き起こす男子をあの借金まみれ敵だらけの状態で受け入れられるのは僕でも無理だからなぁ」
「えっと、つまり遠回しに入るなって言われた訳ですか……?」
「ざっつらいと!!まぁ僕はあのままじゃ死んでたんで無理にでもOKしたんですけどね!!で、一年以内に返さないと強制退去させられちゃうので早く金稼ぎたいのよ」
うん、自分で説明していて今の自分の置かれている状況が改めて異常だと感じるなぁ……他の団員から何なんだコイツみたいな視線で見られているし……しゃーない
「……あの、それって……無理に払わなくても折角一年で九億稼ぐならそのお金で家とか戸籍とか作れるんじゃないんですかね……?」
「……え?」
話を聞いていた一人の団員が恐る恐る話し掛けてきた……というか今なんて言ったのこの娘?
「九億とまではいかなくても数億稼げればキヴォトスなら大抵のモノは買えますからアビドスに拘らなくてもいいのでは……?戸籍だって買おうと思えば買えますし……」
「……ッスゥゥーーー……」
「……えっ、えと、わ、私何かだめな事言ってしまったでしょうか……」
「……いや、うん、謝らなくていいんだ……」
あー……ね?
うん、確かに……ね?
その考えが今の今まで頭に浮かんでいなかった……と言えば嘘にはならなくもない……
いやまぁ僕個人が生き残る事を考えれば合理的っちゃ合理的なんだけど……
「……かなり個人的な話になるし、合理性のへったくれも無いけど……良い?」
こくりと彼女達が頷く。これから仕事教えてくれる仲間達だ、教えてしまっても良いかも知れない。
「まず、命を救ってくれた先輩への恩返しとか、受け入れてくれた事への感謝とか……うん、違う……とは勿論言わないけれど、一番はそれじゃない。」
勿論ユメ先輩には感謝してもしきれないし、それで絶対にユメ先輩を死なせないと固く決意したのは確かだ。だけど生憎僕はそれだけを理由に九億を背負える程高尚な人間ではない。もしそんな人間ならこの娘達を脅したりなんてしないだろう。
「……小鳥遊ホシノ……って知ってる、よね?」
……名前を出した途端にちょっと団員達の顔が青くなってしまった。そりゃそーだ、わざわざ生活リズムを崩してまで戦闘を避けようとした相手だもんな。
「僕はその人に、同じアビドスの生徒として認められたい。」
「不審者とか、怪しい奴とかじゃなくて、同級生として一緒に学校生活を過ごしたい。」
「高望みだとは思っているし、借金の見返りは入学できる事までだからそれ以上を求めるなんて図々しいとも思っている。でも、夢を見ずにはいられないんだ」
「……更に言うと、あわよくば笑顔を見せて欲しい。別に僕に向けてなくたって構わない。僕の前で誰かに笑顔を向けられる程気を許してくれたら嬉しい。そして、借金の事は全部僕に任せてユメさんと後々入学してくるだろう後輩達と幸せな学校生活を送って欲しい。」
……別に付き合って欲しいとか好きになって欲しいとかそういう下心が無い訳ではない。
ただ、やっぱホシノと高校生活送れるかもってだけでもう感無量でそれ以上はちょっと考えられないんだよな……こう、胸が高鳴るというか……体が勝手に小躍りするというか……うん、キモいな!!
……キモいな!!!(二回目)
いや駄目だどうしようこんなクソキモい願望を特に親しい訳でも無いというか敵対関係に近い女の子達に語るとかマジで変態だよどうしよう
「……え、えと……」
「……????」
「……ど、どう反応すれば……」
あかん(アカン)
「ご、ごめん……滅茶苦茶キモかったよな……」
くぉれは信用グラビティ……地に墜ちましたね……
と、取り敢えず早く柴関ラーメンに連れて行かなきゃ……
……あれ?そういや大将に今回の事一言も話して無い気が……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おや、クロ君……今日は休みの筈だが……その娘達は……?」
丁度大将は店を開けている最中だった。シャッターを上げて、スープの仕込みをして、テーブルを拭いて……そんな忙しそうな大将にこれから元不良のバイトを受け入れろと言わなければならないのだ。
でも彼女らに約束しているから何としても許可を取らなければならない!!今の僕は間違いなく職場で嫌われる無責任で後先考えない人間である!!
「大将!!誠に身勝手ながら!!この娘達を社会復帰も兼ねてここで働かせてやりたいんですけど!!」
「うん……?どういうことだい?」
「えーと、実はですね……」
「ふむ……成る程、事情は概ね理解した。」
「事前に大将に何の連絡も無しにこんな事をした罰は甘んじて受け入れますから……この娘達を……受け入れてやってくれませんか……!!」
「勿論だ。流石に私とクロ君だけでは人手が足りなかった所ではあるし、そうでなくとも一度道を外してしまった彼女らの助けになれるなら喜んで雇おう。」
「あ……ありがとう……ございます……」
うーん、聖人ww
マジで大将のその懐の広さと優しさはどこから来ているのだろうか?何?もしかして仏を目指してらっしゃる?自分の預り知らない所で前科持ちの女子高校生が十数人店で働く事が決定していたというのに受け入れられるその精神……尊敬……!!
というか僕マジで大将の懐の深さに甘え過ぎじゃね?
「本当にごめんなさい、大将……貴方の知らない所で勝手な事をしてしまって……人件費の計算とか大丈夫ですかね……」
「なあに、彼女らの事を考えれば安いもんだ。あと、まぁ過程はどうあれ敵対していた彼女達にやり直しのチャンスを与えてやれるクロ君の優しさが分かってよかった。」
「出来れば彼女らには先輩として手取り足取り教えてあげたい所ですけど……」
「でもキミは今日は休日だろう?いつもキミには善く働いて貰っている。私が全て教えるからキミはゆっくり休みたまえ。給料も渡しておく。ボーナスも入っているから、少しでも借金返済に当てなさい」
……スゥゥーーー……もう解脱してらっしゃる?
「ありがとうございます!!今日学校の同級生と先輩とで食べに来るんで!!よろしくお願いします!!」
「そうか、いつでも歓迎するよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
───早朝。
いつものように学校に登校する途中に、私は見た。
見覚えのあるヘルメットを被った集団と、そいつらと一緒に歩いていくアイツの姿を。
それを見た時、私は咄嗟に近くの路地裏に隠れた。
どうやら幸いにも私が居ることは奴らには気付かれなかったようだった。
一先ず安心するとともに、ヘルメット団員のを先導するように歩いていたアイツの後ろ姿に、私は確信した。
───やっぱり、アイツは最初から裏切り者だったんだ。
脳裏に浮かぶこれまでの彼の行動、表情、言動。その一つ一つが彼を裏切り者に仕立てあげるパズルのピースとなっていく。欠けているピースは想像で埋め、合わないピースは辻褄が合うように強引に形を歪ませたり切り抜いたり。
どんなに形が合わなくても、欠けていても、さっきの光景は覆せない。アイツが敵対している筈のヘルメット団を連れていたあの真実は、否定できない。
これまでの借金を返していた彼の姿によってほんの少し落ち着いていた『不信』の心は、一瞬『怒り』に変わったかと思えば次の瞬間には『失望』、そして『諦観』へと目まぐるしく変化していた。
───やっぱりそうだと思っていたんですよ
貴女がいくら他人を慈しみ、信じようとしても、帰ってくるのは悪意と弾丸と嘲笑だけ。
それなのに、誰かを信じられる訳がない。
───取り敢えず、尾行しますか
「な、なんで……ッ」
アイツの声が、顔が、目が、頭の中で何度も何度も響いて止まない。
───私に認められたい?
───笑顔を見せて欲しい?
───借金の事は全部任せて?
───幸せな学校生活?
あまりにも、あまりにも甘いその言の葉の数々。ウソだと言い切れる証拠を探しても、見つからない。見つかる訳がない。だって、雑談でウソを吐く理由がないから。
───あれは団員にバイトを紹介していただけだった?
───裏切ってなんか、なかった?
心の中の真実がどんどん陳腐なパズルに成り下がっていく。想像と妄想と感情で彩られた真実は、硝子細工より脆かった。
その結果、残ったのは『クロは私に認められたくて借金を一人で返そうとしているし、裏切り者じゃないし、私達の幸せを願っている』という胸焼けするように甘く馬鹿げた事実だった。
「訳……わかんないんですよッ……」
彼は私に恨みこそすれ『認められたい』とか『幸せになって欲しい』とかそんな好意的な気持ちを抱ける筈がない。そしてあの娘が言った通り、一人で生きるなら返す必要もない。
「だって、全部、分かって……!!!」
私が最初から受け入れるつもりなんて無かった事も、アイツが一人で生きるのに借金なんて返す必要がない事も分かっていて、それでもなお返そうとしてくれる。
……根拠とまるで釣り合っていないその行動に、ただただ脳内に疑問符が浮かんでくる。
「ッ……取り敢えず、学校に、行きましょう……それから考えましょう……」
信頼してきた所に曇らせドーンする予定ではあります
柴関ラーメンへのお出かけまで書ききれなかった……
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