姉さんが帰ってきて数日、僕らはまともに話もできていなかった。
みんながいる時は結構まともに対応できたんだけどね・・・
「さて、テスト範囲も出たし勉強会するか?」
「え、あ~そうだね」
とりあえず気分転換するか・・・
「じゃあみんな誘うかな」
______
結果・・・参加者
僕・妹紅・幽香・咲夜・雄二・秀吉・ムッツリーニ・美波・姫路さん
となった。
「じゃあどこでする?」
「明久の家・・・はダメだな・・・」
今の僕の状況を危惧してくれたのだろう・・・ちょっと驚きだ。
「雄二の家は?」
「う~ん。誰もいないとは思うが・・・」
『~~♪』
「あ、ウチの携帯ね。ちょっとゴメン」
美波が携帯電話を取り出し、
「もしもし?あ、Mut-お母さん。どうしたの?・・・うん・・・うん。そう。分かった」
「美波、何かあったの?」
「うん・・・今週は母親、家にいるはずだったんだけど急な仕事が入って家にいられなくなったみたい。葉月が一人になっちゃうから勉強はまた今度ね」
確かに1人は寂しいもんね。
「待て島田。それなら、場所をお前のしないか?」
「え?ウチの家?」
「それは良いのう。
島田の妹とは全員が顔見知りじゃし」
「美波さえ良かったら、どうかな?」
「う・・・そ、そうね・・・じゃ、じゃあ、ウチの家にしましょうか・・・
ただし! 絶対ウチの部屋に入っちゃダメだからね!」
まあ恥ずかしいかもね。
【少年少女移動中】
「ただいまー。葉月、いる?」
玄関の扉を開けて美波ちゃんが呼びかけると、
「わわっ、お姉ちゃんですかっ。お、おかえりなさいですっ」
廊下に面した部屋から、葉月ちゃんが飛び出してきた。
「?葉月、今お姉ちゃんの部屋から出てこなかった?」
「あ、あぅ・・・実はその・・・独りで寂しかったから、お姉ちゃんの部屋に行って・・・」
「ぬいぐるみでも取ってこようと思ったの?そのくらい、お姉ちゃんは別に怒らないのに」
「そ、そうですか? お姉ちゃん、ありがとですっ」
・・・仲がいいな・・・それに比べ、僕は・・・
「葉月ちゃん、こんにちは」
「あっ!綺麗なお姉さん!」
いけない・・・暗くなってたね。
「久しぶりだね」
「あ、優しいお兄ちゃんもいるです!!」
葉月ちゃんは勢いよく突っ込んでくる。
おうふ・・・鳩尾に入った・・・
「ほらほら、葉月。アキから離れなさい。皆が中に入れないでしょ?」
「あ、はいです。それじゃ、お兄ちゃん達、こっちにどうぞっ」
「っとと、そんなに引っ張らなくても大丈・・・ん?」
そこは葉月ちゃんが出てきた部屋・・・
そこにはぬいぐるみがたくさんあり、ひとつが写真立てを・・・
「ちょ、ちょっとアキっっ!?」
「ん?」
「何してるのかしら?」
その瞬間に脳天・鼻先・下顎の三か所を美波が攻撃しようとして幽香がそれを止めた。
「いたた、幽香はなして・・・」
「お前妹巻き込む気か・・・」
「うっ・・・」
「やれやれ。お前らは何をやっているんだか・・・チビッ子、元気だったか?」
「はいですっ。おっきいお兄ちゃん」
「そうかそうか。それは良かった」
意外と雄二って面倒見がいいよね、外見に似合わず。
僕たちはリビングに向かうと、
「お姉ちゃん達何かするんですか?」
「葉月。今日はお姉ちゃん達ね、うちでテストのお勉強をするの」
「あぅ・・・テストのお勉強ですか・・・
それじゃあ、葉月は自分のお部屋で大人しくしてるです・・・」
う~んコレじゃ本末転倒な気が・・・
「葉月ちゃんも一緒にどうですか?宿題とかあれば一緒に見てあげますよ?」
「ほんとですかっ?」
「はい」
「じゃあ用意してくるですぅ」
葉月ちゃんは嬉しそうにリビングを出て行き、
「咲夜・・・よかったの?」
「はい、問題ありません。それに部屋に一人にしておいたら、その方が可哀想ですし」
「そうだね」
「・・・ありがとう」
「お待たせしましたですっ」
「じゃあ始めようか。わからない事があったら聞いてね?」
こうして勉強会は開始した。
________
「さすがに時間もアレですね」
咲夜の一言に時計を見ると時間は九時半を指していた。
「今日はコレで終わりかな」
「う~頭がパンクする・・・」
「火が吹きそうだわ・・・」
妹紅、幽香・・・
「じゃあ時間も時間だし帰るか」
「そうじゃのぅ」
「・・・(コクリ」
ムッツリーニ・・・しゃべらないから存在忘れかけてたよ・・・」
「あ、ううん。こっちこそ色々とありがと。ほら葉月、お礼を言いなさ・・・葉月?」
「Zzzz・・・」
「ふふふ。疲れちゃったみたいね」
葉月ちゃんは僕の膝を枕に眠っていた。
咲夜はそれを微笑ましそうに見、頭を撫でていた。
「もう、葉月ってば・・・アキ、悪いけどこっちに寝かしてもらえる?」
「あ、うん。そうしたいんだけど・・・」
葉月ちゃんはしっかりと僕の服を掴んでいた。
「こら葉月、起きなさい。アキ達が帰れないでしょ?」
「帰っちゃ、嫌です・・・」
葉月ちゃんは少し眼を開き、そして服を強く握った。
「葉月。あんまり我儘言うと、お姉ちゃん怒るからね」
「・・・お姉ちゃんには、分からないです・・・」
「え?何が?」
「・・・お姉ちゃんは、いつも一緒にいられるから良いです。
・・・でも、葉月はこういう時しか、お兄ちゃんやお姉ちゃん達と一緒にいられないです・・・」
「「「「「・・・・・」」」」」
・・・はぁ・・・
「あのさ、美波。良かったら少しここで勉強していってもいいかな?」
「え?」
「まあそうだな」
「モテル男はつらいのぅ」
どこがモテルと言うのだ?
「・・・人気者」
「そ、それじゃあ、悪いけどもう少し葉月に付き合ってもらえる?」
「うん」
「私らも残るかね」
「そうね」
「あ、あのっ、それなら私も!」
「え?姫路さんはダメだよ。女の子があまり遅い時間にで歩いちゃ危ないからね。
雄二にでも送ってもらって早く帰らないと」
「そうね。親御さんも心配するでしょうし」
「でも、心配なんです。その、イロイロと・・・」
「心配なのは分かるけど」
「いいえっ、明久君は私が何を心配しているのか全然分かってませんっ」
「「「・・・ハァ・・・」」」
「俺が姫路を送るわ」
「お願い」
「じゃあまた明日じゃ」
「・・・また明日」
「あの、やっぱり私!」
「ダメなものはダメ」
「でも・・・」
「諦めろ姫路。こうなると明久は考えを曲げないぞ。姫路も知ってるだろ」
「・・・うぅ・・・そんなぁ・・・」
「私はお嬢様のお世話がありますのでコレで・・・」
「うん。ありがとね」
「では」
「ゴメンね、アキ、幽香、妹紅」
「いいわよ」
「そうそう、気にしないで」
「僕から言ったんだしね」
「ありがと」
さて続きをするかな。